「高校に行かない(進学しない)」理由別・親ができる8つの対応

「高校に行かない(進学しない)」理由別・親ができる8つの対応

こんにちは。学校が苦手なお子さんを完全個別指導で応援するキズキ共育塾の内田青子です。

卒業シーズンになりましたね。

中学卒業後の将来について考えている子どもの中には、「高校に行かない(進学しない)」と考える人もいます

このコラムを読んでいるあなたは、お子さんから次のようなことを言われ、悩んでいるのではないでしょうか?

  • 「高校に行く意味が見つからない」
  • 「勉強が苦手だから高校に行かない」
  • 「不登校で高校に進学したくない」
  • 「高校に行かない」

先に結論をお伝えすると、一般的な高校としてイメージされる「全日制高校」には通わなければならないということはありません。ですが、「高卒資格」もしくは「高卒認定」は取っておくことをオススメします

このコラムでは、「中卒だと将来どうなるのか」「子どもから高校に行かないと言われたときの親の対応方法」などを、詳しく解説します。

※このコラムは主には親御さん向けの内容ですが、高校に行かない選択肢を考えている中学生や、高校を辞めようかと考えている高校生にとっても参考になる内容となっています。そういった方もぜひ読んでみてください。

共同監修・不登校新聞社 代表理事 石井志昂氏からの
アドバイス

なぜ進学したくないか、一緒に考えることが大切です

お子さんの進学拒否に驚く親御さんは、多いのではないかと思います。
私が出会ってきたケースでは、「精神的に疲れて、高校に行く気力がない」という人が最も多いです。
親にも言えない心の傷や秘密を抱えているのです。

例として、成績不振、生徒間のいじめ、教員からのいじめなどが挙げられます。
高校からは、選択肢がたくさんあります。通信制高校、定時制高校、高校認定試験、高校専門学校、高等専修学校などです。

まずは、「絶対に16歳になる年度の春に進学しなければならない」という考えを捨てましょう。
お子さんの考えやこだわりに耳を傾けて共感し、お子さんの目線になってみてください。
そして、なぜ進学したくないかを一緒に考えましょう。 そこには、子どもなりに一生懸命考えた理由があるはずです。

「高校に行かない」を選んでもよいが、不利があることは事実

「高校に行かない」を選んでもよいが、不利があることは事実

中学校までは義務教育ですが、高校は義務教育ではありません(ちなみに、義務教育とは、「子どもが学校に行く義務」ではなく、「保護者が子どもに教育を受けさせる義務」のことです)。

法律上、高校は行かなくてもよいのです

保護者も、子どもを高校に行かせる必要はありません。

しかし、日本全体が貧しく中卒の人が多かった昔とは違って、近頃は高校を出ていない人の方が少ないです。

その結果なのか、現在の日本では「中卒」の求人があまり多くはありません。また、仕事・業種や取得できる資格の選択肢も限られます

人づきあいなどにおいても、ハンディキャップ・デメリットになることもあるでしょう。

大人になって「高校を出ていない」と言うと、「複雑な家庭で育ったのではないか?」「本人に高校に行けない『問題』があったのではないか?」などと偏見を持たれる可能性が、ないとは言い切れません。

「高校は義務教育ではないのに、そんなのおかしい…」と思う人も大勢います。しかし残念ながら、そういう「現実」があるということは頭の片隅に留めておいてください。

中卒が「悪い」と言っているわけでは決してありません

偏見は持つ方が悪いですし、中卒で楽しく生活している人もたくさんいます。また、学歴では測れない能力で活躍している人がいることも事実です。

ただ、お子さんの将来の選択肢の幅を広げる意味では、高卒の学歴(または高卒認定の取得)は「あった方がいい」のは、事実と言えるでしょう

「高校に行かない」理由別・親ができる8つの対応方法

お子さんが「高校に行かない」と言い出したら、親御さんは不安になるでしょう。

そのお気持ちはごもっともだと思います。

子どもは、親とは違う「一個人」です。ですが、一方で未成年の「子ども」でもあります。

つまり、子どもの意見を尊重することが大切な一方で、子どもが未熟な決断をしそうな時は、親がよりよい方向に導くことも必要です。

それでは、子どもが「高校に行かない(高校に進学しない)」と言ったとき、親は具体的にどう対応すればいいのでしょうか?

ここからは、「高校に行かない」理由別に、主には高校進学を勧めるための親の対応方法を解説します。

理由①自分のペースで勉強したい

自分のペースで勉強したい

自分のペースで勉強をしたいという理由から「高校に行かない」とお子さんが言っている場合、その奥には例として次のような気持ちがあることが考えられます。

  • 勉強の必要性は認めていて、将来的に大学などにも進学したい。しかし、高校は「自分が必要だと思う勉強以外の、望まないことにも拘束される場」なので、行きたくない。自分で勉強して高卒認定を取りたい
親の対応

ここでお伝えする対応は、これからお伝えする全ての理由にも共通する「基本的な対応」です

他の理由の場合も、まずはこの対応を行ってみてください。

まずは、頭ごなしに否定せず、お子さんの気持ちを受け止めるましょう

何年か後に振り返ったとき、結果としてお子さんの言うとおり「高校に行かないまま、自分で勉強する」選択が向いていた、ということはあります。

ただ、自分から望んで高校に行かなかったとしても、中学卒業から半年くらいが過ぎると、「世間の同い年は高校生なのに自分は違う」といったコンプレックスや不安を感じることが多いのです(このコンプレックスや不安感も、後述するどの理由でも共通します)。

高校の代わりに定期的に通う場所(塾・習い事・アルバイト・ボランティアなど)がない場合は、なおさらコンプレックスや不安が大きくなります。

高校は入ってみなければ「望まないことを強制される嫌な場所」なのか、「そういうこともあるけど、総合的に楽しい場所」なのかはわかりません。

つまり、一度高校に入ってみなければ、「高校に行かない方がよい」かどうかを正確に判断できないのです。

さらに、高卒認定試験を受けるにしても、はじめに受けられる試験は1年生の8月なので、それまでの時間があります

これらを踏まえて(伝えた上で)、お子さんには次のように提案してみてください。

  • 「試しに1学期だけでも高校に通ってみてはどうか。合いそうな学校を一緒に探そう。行ってみたら楽しいかもしれない」
  • 「全日制高校が嫌なら、通信制高校や定時制高校ならどうか」
  • 「実際に高校が合わなければ、その時点で別の高校への転校を検討したり、中退や休学をして高卒認定に切り替えるという手段がある」

理由②高卒の学歴はほしいが、「学校」にいいイメージがない

この理由のお子さんの心境としては、次のようなものが考えられます。

  • これまでの学校での経験から、いじめや人間関係などで「学校」にいいイメージがない。一方で、勉強はしたいし、高卒の学歴もほしい
親の対応

この理由への対応(説得の言葉)は、「小学校や中学校が合わなかったからといって、高校も合わないとは限らない」と声かけをすることです。

特に公立中学校のような「たまたま同じ地域に住んでいる人たちが集まる学校」と、「校風などに惹かれて、ある程度学力も同じくらいの人たちが集まる高校」では、雰囲気や人間関係などは大きく異なります。

例えば、厳しい中高一貫校の中学が合わなかったのなら、全く別の気楽な高校であれば楽しく過ごせる可能性が高いです。

また、全日制高校だけでなく通信制・定時制も含めて、お子さんに向いていそうな高校を一緒に探しましょう

理由③すぐに働きたい・仕事をしたい

すぐに働きたい・仕事をしたい

「すぐに働きたい・仕事をしたい」ために、高校に行きたくないと思う子どももいます。

そうした子どもには、次のような気持ちや考えがあるでしょう。

  • 勉強したくないから仕事をする(勉強するよりお金を稼ぐ方が面白そう)
  • 自立して家を出たいから、すぐに働きたい
  • 家計が大変そうだから、就職して親を助けたい
親の対応

くれぐれも、「中卒で働くことが悪い」「中卒で働いて自立することはできない」「非正規雇用はダメだ」というわけではありません(また、そういう言い方で説得しようとすると、お子さんがかたくなになる可能性があります)。

ただ、学歴が中卒である場合、次のような「現実」に直面する可能性があることは、伝えた方がよいでしょう。

  • 中卒で社会人経験もない場合、特に正規雇用の求人は少ない
  • 正規・非正規を問わず、高卒や大卒に比べて、賃金や雇用条件が悪い場合が多い
  • アルバイトの場合でも、応募すると「あれ、高校行ってないの?」などと言われ(中卒であることに偏見を持たれ)、居心地の悪さを感じることや、採用されないこともある
  • 中卒後すぐに仕事を見つけたとしても、その仕事が「向いている」とは限らない
  • 始めた仕事が向いていなかったときに、次の仕事が(すぐに)見つかる保証はない
  • 始めた仕事が向いていたとしても、その仕事をずっと続けられるどうかはわからない
  • 「店長になりたい」「出世したい」となったときには、「高卒(以上)の学歴や高校(以上)で学ぶ知識」が必要になることもある

…と、いかにも「否定的な」な内容ばかりになりました。ですが、残念ながら、現代の日本においては、「中卒後、あえて労働一本に絞る」のは、よほどの事情や決意がない限りはオススメできません

このようなことを伝えた上で、それでも「高校には行かない。仕事をする」と言うのであれば、仕事をしながら通信制高校や定時制高校にも通うことを条件にするのもよいかもしれません

未成年の保護者として、子どもの行動にこのような「条件」をつけることは、場合によっては必要です。

他に、「高校に入学して、すぐに休学や長期欠席をして、仕事を探す(働く)」という手段・条件でもよいかもしれません

高校に籍があれば、仕事をやってみて向いていなければ、(出席日数が少ない分、留年する可能性はありますが)高校生に戻ることができます。

特に「家計を心配して『高校に行かない』と言っている」のであれば、次の2つの対応があります

  • 実際、家計に「問題」がない場合は、話し合ってお子さんを安心させる
  • 実際に家計に「問題」がある場合は、学費の安い高校や、奨学金・補助金などを一緒に探す。その上で、お子さんが働く必要がある場合は、アルバイトなどの労働が可能な全日制高校・通信制高校・定時制高校を探す

中卒からの就職の詳細は、コラム「中卒からの就職、行きやすい5つの業界をご紹介」をご覧ください。

理由④高校そのものや、高卒の学歴に意味を感じない

学歴に意味を感じないために「高校に行かない」と考える子どももいます。

学歴が中卒であることによって生じる「不利・デメリット」も(頭では)わかった上で、高校に行くこと自体や、高校で学ぶこと、高卒の学歴などに意味を感じない、という心境なのでしょう。

こういう子どもは、「高校に行かない分、こうやって過ごそう」という明確な考えを持っている場合が多いです(例:自分で勉強もしながら、フリーターなどで技術を身につけ、いずれ起業しよう)。

親の対応

先ほどご紹介した「基本的な対応」で、お子さんの意思が変わる可能性はあります。

基本的な対応を行った上で、「わかっているけれど、やっぱり高校には行かない」などと言われた場合は、無理に高校に進学させようとする必要はありません

親としては心配でしょう。ですが、前述したとおり、高校は義務教育ではありませんし、中卒で充実した人生を送っている人もいるからです。

どうしてもという場合は、高校に行かないことを許可しましょう。

ただ、「高校に行かずに、これをしよう」と思っていることを許可する条件として、「通信制高校や定時制高校で学んで、高卒資格の取得も並行して行うこと」は、つけ加えてもいいかもしれません

このような、はっきりとした考えがあって高校に行かない子どもであれば、後に「やはり学歴は必要だ」と思ったときには、方向転換をして努力もできるタイプであることが多いです。

高校や大学への進学は、何歳からでもチャレンジできます。

子どもが改めて高校に進学したい(高卒認定試験を受けたい)と言ったときには、あたたかく応援してあげてください

ただし、次の理由「安易に考えている」との見極めは、とても重要です。

理由⑤勉強や学歴について、安易に考えている

勉強や学歴について、安易に考えている

前項のように「しっかり考えた上で、高校には行かない」場合の言動と似て見える理由に、「勉強や学歴について、安易に考えている」ことがあります。

具体的には、次のような心境・言動がみられることが多いです。

  • 「中卒で年収○億」など、学歴なく成功した人をテレビなどで見た。学歴なんて必要ない!
  • 勉強や学校生活が嫌いで、それらを回避したいのが本音。でもそうは言いたくないから、「高校に行かないままマンガ家になる」「高校に行かないまま起業する」などと、学歴や資格の制限がない職業になると言おう
親の対応

「高卒」という学歴(肩書)は、学歴だけを表すものではありません。

「私は高校を卒業できる学力のある人間です」「僕は高校を卒業できる程度に努力のできる人間です」ということを証明する「名刺」でもあるのです

もちろん、中卒や高校中退の人にはそれぞれ事情があります。「高卒でなければ、知識がなく努力もできない」という意味では一切ありません。

ただし少なくとも、「高卒であれば、ある程度の知識があり努力もできる」という「名刺」になります。

「世の中を渡っていくためには、高卒という『名刺』があった方がよい」ということを(学歴差別にならないように注意しつつ)伝えましょう

また、「中卒で年収○億」「中卒で有名マンガ家・起業家」などの人たちは、「ごく一部の天才を除き、受験や学校の勉強以上の血のにじむような努力の結果、そのようにな人生を歩んでいる」ことも伝える必要があります。

また、同じようなことに挑戦して「失敗」した人もいるでしょう。しかし、世間で目にするのは「成功者」だけなのです。

さらに言うと、「中卒で年収○億」については、客観的な証明がない限り、嘘や詐欺である可能性もあります。

それらを伝えた上で、「親子で、その子に合いそうな高校を一緒に探す」と、次第にお子さんの考えは変わっていくはずです

理由⑥中学不登校で高校受験・進学ができない(と思っている)

中学までに不登校を経験していると、「高校に進学できない」と思い込んでいることがあります。

この場合の思い込みは、主に次の2パターン(またはその両方)が考えられます。

  • 高校に進学しても、また不登校になる(から、進学してもしょうがない)
  • 出席日数が少ないから、受験・進学自体ができない
親の対応

まず、「高校に進学しても、また不登校になる」という思い込みに対しては、「これまでの学校が合わなかったからといって、高校も合わないとは限らない」ことを伝えることが大切です。

公立中学校のように「たまたま同じ地域に住んでいる人たちが集まる学校」と、「校風などに惹かれて、ある程度学力も同じくらいの人たちが集まる高校」では、人間関係や雰囲気などは大きく異なります。

他に、「厳しい中高一貫校で不登校になった」場合は、もっとおおらかな別の高校に進学することで楽しく過ごせるようになった人もいるのです。

次に、「出席日数が少ないから、受験・進学自体ができない」という思いこんでいる場合は、次のように伝えてみてください。

実際に、出席日数(内申点)も含めて受験結果を審査する高校は多いです。

出席日数や内申点の影響で、進学できる高校の幅が狭まることも、残念ながら事実です。

しかし、全ての高校が出席日数を審査するわけではありません

一部の私立高校や通信制高校など、「中学校の出席日数を問わない学校」も全国にたくさんあります。

その上で、不登校に伴って勉強があまり得意ではない場合であっても、「入試が(比較的)簡単」な高校もたくさんあるのです

例えば、東京都には、不登校の生徒を対象にした都立高校「チャレンジスクール」「エンカレッジスクール」といった高校があります。(参考:東京都教育委員会「これまで設置してきた多様なタイプの学校」)

親子で一緒に、お子さんに向いている、無理なく通える高校を探しましょう

特に、「通学」や「学校での人間関係」に苦手意識がある場合が、通信制高校がオススメです。

中学生の不登校の詳細は、「中学生の不登校の原因と7つの対応|最新データ・高校受験対策も紹介」をご覧ください(「家庭教師・キズキ家学(やがく)」のページが新しいタブで開きます)。

理由⑦精神的に疲弊していて高校に行く気力がない

精神的に疲弊していて高校に行く気力がない

これまで紹介した理由は、ポジティブであれネガティブであれ、「自分の意思」に基づいた上での「高校に行かない」希望・選択でした。

一方で、具体的な事情がなんであれ、「エネルギーや気力がない。人間関係などで疲れきった。やりたいことも特にない…」など、消極的な状況・心境から「高校には行かない」と言うお子さんもいます。

私たちキズキ共育塾の実感としては、比較的少ないにしても、全くいないわけではありません。

親の対応

この場合、基本的な対応が功を奏す場合もあります。ただ、まずは(または合わせて)お子さんのエネルギーを回復させることが大切です

エネルギー回復のために親御さんができることには、次のようなものがあります。

  • 栄養のある食事を食べさせる
  • 家の中の居心地をよくする
  • 朝起きて夜は寝るなど、規則正しい生活をさせる
  • 簡単な運動をさせる
  • 日光を浴びさせるようにする
  • 本、音楽、映画、生き物など、感性に訴えかけるものに触れさせる
  • 子どもの趣味の活動を応援する(子どもが好きなアーティストのライブに親子で参加する、子どもが好きな電車に乗りに行くなど)
  • 芸能人やペットの話題など、子どもの不安に抵触しない話題を取り上げて、親子で会話する

このような対応を行いつつ、エネルギーが回復してきたら(一例として、「暇だな」などと言い出したら)、高校受験や高卒認定試験の受験を勧める、塾や習い事を探す、家事を任せるなどの簡単なことから始めてみてください

そのようなステップを経て、次の一歩に進めるようになります。

なお、無気力になっているお子さんに対して、叱責したり、将来の話をしたりするのは、逆効果です。勉強する気になるかもしれないと考え、勉強のテキストや高校のパンフレットを食卓に置くのもやめましょう。

また、よくある誤解ですが、「家の中の居心地がよいと、そのまま引きこもりになる」ということはほとんどありません

お子さんは「このままでいい」と口では言うかもしれません。ですが、内心では「何かやらなくては…」と思っていることがほとんどです。親には見せられないあせりに苦しんでいることもあるでしょう。

気力のなくなったお子さんへの対応は、引きこもりのお子さんへの対応と共通している部分があります

ひきこもり支援を専門とする精神科医・斎藤環さんの著書『社会的ひきこもり 終わらない思春期』『中高年ひきこもり』なども参考になります。

理由⑧タレント活動などのために高校に行かない

こちらも数としては少ないですが、タレント活動などを行っている中学生が「仕事が忙しいから高校には行かない」と言うことがあります。

売れっ子だけとは限らず、「芸能レッスンに集中したい」という子どももいます。

親の対応

すでに売れている状態の「芸能人」であれば、いまは仕事に集中して、学び直したいと思ったときに改めて高校に入る、という選択があります

繰り返すとおり、高校は義務教育ではないため、(全員が、中学卒業後すぐに)通わなければならないわけではないからです。

中卒だと仕事の面で不利になるという一般論も、芸能人はあまり関係ないかもしれません。

しかし、そうは言っても芸能人は売れ続けるとは限りませんし、「芸能活動をずっと続けたい」と思い続けるとも限りません

高校で学ぶことが仕事に活きることもあるはずです。

今の仕事の状況がどうであれ、こういったお子さんに対しては、親子で、タレント活動や芸能レッスンなどと両立できる高校を探しましょう

通信制高校や定時制高校、いわゆる芸能コースのある高校など、「タレント活動」と両立させられる高校もたくさんあります。

「高校に行かない」と言われたら、専門家への相談がオススメ

「高校に行かない」と言われたら、専門家への相談がオススメ

以上、お子さんが「高校に行かない」と思う理由別に、親の対応をお伝えしました。

お子さんから「高校に行かない」と言われたら、親としてはショックかもしれません。

ですが、繰り返しになりますが、頭ごなしに叱責したり高校受験を強制したりするのではなく、まずはお子さんと話し合うことが大切です

とはいえ、親子だけだと感情的になり話し合いにならないこともあるでしょう。

そんな場合は、お子さんのことはご家庭だけで抱えずに、ぜひ専門家に相談してください

専門家とは、「中学生年齢の子ども」の心理・進路・事例などに詳しい人たちのことです。

ご紹介した対応法についても、専門家に相談することで、それぞれのお子さんに向いたより具体的な「進路」や「説得方法」がわかるはずです

例えば、次のような専門家・相談先があります。

【不登校や精神的疲弊など心理的な要素もあって高校に行かないと言っている】

【進路・学習面での不安があって高校に行かないと言っている】

  • 学校の担任や進路指導の先生
  • 一般の学習塾・予備校・家庭教師など
  • キズキ共育塾のような、通信制高校・高卒認定試験などに詳しい学習塾

【経済的な不安があり高校に行かないと言っている】

  • 学校の担任や進路指導の先生
  • 市区町村の相談窓口

どこに相談したらいいのかわからない場合は、まずは市区町村のウェブサイトを見たり代表電話に問い合わせたりして、お子さんの状況に合った窓口を探してください。

「高校に行かない」に関連するオススメ体験談

「中学不登校からの高校進学」の体験談をご紹介します。

下記のコラムでご紹介している杉本さんは、「高校に行かない」と思っていたわけではありませんが、「中学不登校からでも高校進学はできる例」としてご覧ください。

参考:学校休んだほうがいいよチェックリストのご紹介

2023年8月23日、不登校支援を行う3つの団体(キズキ不登校新聞Branch)と、精神科医の松本俊彦氏が、共同で「学校休んだほうがいいよチェックリスト」を作成・公開しました。LINEにて無料で利用可能です。

このリストを利用する対象は、「学校に行きたがらない子ども、学校が苦手な子ども、不登校子ども、その他気になる様子がある子どもがいる、保護者または教員(子ども本人以外の人)」です。

このリストを利用することで、お子さんが学校を休んだほうがよいのか(休ませるべきなのか)どうかの目安がわかります。その結果、お子さんを追い詰めず、うつ病や自殺のリスクを減らすこともできます。

公開から約1か月の時点で、約5万人からご利用いただいています。お子さんのためにも、保護者さまや教員のためにも、ぜひこのリストを活用していただければと思います。

私たちキズキでは、上記チェックリスト以外にも、「学校に行きたがらないお子さん」「学校が苦手なお子さん」「不登校のお子さん」について、勉強・進路・生活・親子関係・発達特性などの無料相談を行っています。チェックリストと合わせて、無料相談もぜひお気軽にご利用ください。

まとめ:「高校に行かない」と言われたら、まずは話し合いましょう

まとめ:「高校に行かない」と言われたら、まずは話し合いましょう

お子さんが「高校に行かない」と言ったときの親の対応方法をお伝えしました。

義務教育ではない高校は、必ず行かなければならないわけではありません。ですが、今の日本では、中卒だと苦労する場面が多いことも事実です。

そのため、「あえて高校に行かない(高卒認定も取得しない)」選択は、積極的にはオススメできません

また、中学生であるお子さんの行動には、親御さんの制限がある程度あって然るべきかもしれません。

しかし一方で、お子さんは「一人の人間」でもあります。

そして、一度学校から離れても、再び高校に進学することもできます。また、高卒認定の取得という選択肢もあるでしょう。

お子さんの考えや思いを頭ごなしに否定せずコミュニケーションをとりながら、専門家とも相談しつつ、お子さんの進路について考えていきましょう

あなたのお子さんが、よりよい将来に向かって進めますよう、心から祈っています。

さて、私たちキズキ共育塾は、お悩みを抱える人たちのための個別指導塾です。

生徒さんには、通信制高校に在籍している人や、高校に行かずに高卒認定試験・大学受験を目指している人がたくさんいます。

お子さんが「高校に行かない」と言っていてお悩みでしたら、ぜひ一度ご連絡ください。

保護者さまだけでの相談も可能です。また、相談は無料です。

監修 / キズキ代表 安田祐輔

やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、不登校・偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。また、不登校の子どものための家庭教師「キズキ家学」、発達障害やうつ病の方々のための就労移行支援事業所「キズキビジネスカレッジ」も運営。

【新著紹介】

『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法』
(2022年9月、KADOKAWA)
Amazon
KADOKAWA公式

【略歴】

2011年 キズキ共育塾開塾(2023年7月現在10校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年7月現在4校)

【メディア出演(一部)】

2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)

共同監修 / 不登校新聞社代表理事 石井志昂

いしい・しこう。
1982年、東京都町田市出身。NPO法人全国不登校新聞社代表。
中学校受験を機に学校生活が合わなくなり、教員や校則、いじめなどを理由に中学2年生から不登校。同年、フリースクール「東京シューレ」へ入会。19歳からNPO法人全国不登校新聞社が発行する『不登校新聞』のスタッフとなり、2006年から2022年まで編集長。これまで、不登校の子どもや若者、識者など400人以上に取材してきた。

【著書など(不登校新聞社名義も含む)】

「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること(ポプラ社)』『フリースクールを考えたら最初に読む本(主婦の友社)』『学校に行きたくない君へ(ポプラ社)』『続 学校に行きたくない君へ(ポプラ社)』

【寄稿など(一部)】

AERAdot」「プレジデントオンライン」「東洋経済オンライン」「FRaU」など多数

執筆 / 内田青子

うちだ・あおこ。1982年生まれ。上智大学文学部卒。大学卒業後、百貨店勤務などいくつかの仕事を経た後、2018年から発達障害・不登校・中退経験者などのための個別指導塾・キズキ共育塾で講師として国語(現代文・古文・漢文)と小論文を指導し、主任講師となる。並行して、聖徳大学通信教育部心理学科を卒業。現在、公認心理師の資格取得を目指して、発達障害や不登校支援についてさらに勉強中。

サイト運営 / キズキ

「もう一度学び直したい方」の勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする学習塾。多様な生徒さんに対応(不登校・中退・引きこもりの当事者・経験者、通信制高校生・定時制高校生、勉強にブランクがある方、社会人、主婦・主夫、発達特性がある方など)。授業内容は、小学生レベルから難関大学受験レベルまで、希望や学力などに応じて柔軟に設定可能。トップページはこちら。2023年7月現在、全国に10校とオンライン校(全国対応)がある。

/Q&Aよくある質問

子どもが「高校に進学しない」と言っていて、対応に悩んでいます。

まずは頭ごなしに否定せず、お子さんの気持ちを受け止めましょう。その上で、「試しに1学期だけでも通ってみてはどうか。合いそうな学校を一緒に探そう。行ってみたら楽しいかもしれない」などと提案しましょう。理由別の対応などの詳細は、こちらをご覧ください。

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