
やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、不登校・偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。また、不登校の子どものための家庭教師「キズキ家学」、発達障害やうつ病の方々のための「キズキビジネスカレッジ」も運営。
高校をやめたいけれど、やめていいのかわからない…と悩む人は大勢います。
次のように、いろんな思いや事情があって、結論が出ない人も大勢います。
「高校をやめたいと思うこと」や「高校をやめること」自体は、もちろん悪いことではありません。
しかし、注意点などはあります。
そこで、この記事では、高校をやめたいあなたに知ってほしいことや考えてほしいことを、徹底解説します!
この記事を読んでわかること
頭の整理に役立つと思いますので、よかったら活用してみてください。
目次
高校をやめたいと思うあなたは、やめるとどんな困難があるのか、やめても将来大丈夫なのかと不安に思って悩んでいると思います。
まずは、高校をやめることに関する様々な意見・悩みなどを紹介します。
日本では90%以上の人が高校を卒業し、うち約80%の人が大学や専門学校に進学しています。
「高卒以上の学歴が当たり前」という意識も強く、高校をやめて中卒の学歴だと、仕事の選択肢が少なくなるのは、残念ながら現実としてあります(もちろん学歴不問の職場もあります)。
高校卒業とは少し異なりますが、高卒認定の資格を取ることで選択肢を広げることも可能です。
つまり、高校をやめても、もう一度学び直せば、仕事に関する悩みはある程度解決するということです。
「高校をやめると仕事に困る」というより、「高校をやめた後どうするかが大切になってくる」ということです。
次のような悩みや迷いがあって、高校に残るかやめるかを決断できない人もいます。
ですが、過去にこだわって未来を考えられないと、大事なものを見失ってしまうこともあります。
たとえば次のように、未来向けの発想で考えてみてください。
学費
高校への思い入れ
人の事情はさまざまですので、高校をやめることを積極的にオススメするわけではありません。
ですが、視点を変えると新たな発想が出てくることもよくあります。
未来を検討して新たな発想が出てくると、次の一歩も見えてきます。
思い直した場合については、「どうすれば通い続けられるか」を考えることも大切です。
何が「逃げ」なのか、逃げることがよいことなのか悪いことなのか、答えがあるわけではありません。
あなたが高校をやめることを「逃げ」だと思い、その上で「逃げたくない」なら、やめずに通い続けることも正解でしょう。
ただ、「あらゆるシーンで、逃げることは全て間違い」だとは言えません。
「逃げるな」という考え方は精神論になることもあります。
しかし、現実には精神論で片付けられないシーンもよくあります。
また、「逃げる」「逃げない」という視点よりも、「自分の道は自分で選ぶこと」が大切です。
「○○から逃げるのはイヤだ」の「○○」に人生を選ばされるのではなく、「自分の意思はなんなのか」と自分に問いかけると、後悔することも減っていきます。
高校に行く代わりにやりたいことがある人が、「このまま高校で日々を過ごしていてはダメだ」と思う気持ちはわかります。
やりたいことのために高校をやめてはいけない、とは言いません。
ただ、人の「やりたいこと」はよく変わりますし、あきらめることもよくあります。
次のような考えは、ちょっと危ないかもしれません。
まずは次のことを考えてみてください。
せっかく高校をやめたのに、やりたいことが変わったために、高校中退を後悔する…というのは、できれば避けたいところでしょう。
あなた一人で考えて決めるのではなく、次のような人のことを探して参考にしたり、高校の先生に相談したりしましょう。直接に限らず、体験談なども含めて探してみてもよいかもしれません。
探してみよう
そうすることで、あなたの気づかなかったいい解決策が見つかることもあると思います。
なお、高校中退を将来的に後悔したり、やりたいことが変わったりしても、その時点から、もう一度高校に編入したり、新しいやりたいことを始めることは、もちろん可能です。
次のように、「やめた後にやりたいことはないけど、高校はやめたい」という人は、もちろんいます。
私は、高校をやめることを含め、人生の選択に「○○をやりたい」という積極的な目標が絶対に必要だとは思っていません。
高校生で「○○をやりたい」という明確な目標がある人も、むしろ少数派だと思います。
なので、「やりたいことがない」こと自体には、なんの問題もありません。
ですが、その後のプランが何もないままに高校をやめると、「高校生活よりも、よい状態」になるかというと、少し疑問です。
あなたには、次のような考え方をオススメします。
「やりたいこと」がないなら、逆に「やりたくないこと」から考えて行動してみよう
具体的な例①
具体的な例②
人生の選択肢は、必ずしも積極的に選ばなくてもよい、ということです。
「もう考える余裕もないくらい、今の高校がイヤでやめたい」という場合も、いきなり中退ではなく、まずは休学や不登校でいったん心身を休ませから、上記のように考えてみてください。
高校には、次のようなメリットがあるのは事実です。
ただ、高校には、非合理な仕組みやあなたに合わないルールなどがあることも多く、「それがイヤでやめたい」と思うこともあるでしょう。
ここで安心してほしいのは、「今の高校じゃないとできないことは、ほとんどない」ということです。
次のように、別の高校や手段で、今の高校と同じようなことは学べます。
代替手段の例
ただし、次のような注意点はあります。
注意点
もし可能なら、今の高校をやめる前に別の高校や塾などを見学してみましょう。
そして、「今の高校」と「別の場所」で得られるものや価値観を比べてみましょう。
実際に「高校をやめて塾で勉強している人」「部活の代わりに地域サークルで活動している人」などが見つかったなら、「高校と何が違うか」を聞いてみることもオススメです。
もちろん、一人でやっていける人はいます。
ただ、「思わぬ後悔」を避けるためには、次のようなことをよく考えておきましょう。
注意点
とは言え、「孤独」な状況から、新たに頼れる場所や人を見つけることは可能です。
高校をやめた後につらくなったとき、「一人で○○すると決めた」と貫きとおすのもアリですが、「やっぱり人を頼ろう」と柔軟に考えを変えることもご検討ください。
あなたは、次のような二択で考えていませんか?
少し言い方を変えると、次のような感じです。
ですが、やめるにしろやめないにしろ、「どちらか一方を選ぶ」のではなく、「両方の思いをかなえる」ことができるときもあります。
例えば、次のようなこともあるのです。
クラスに行きたくないからやめたいけど、この高校を卒業したいからやめられない
→先生に相談したら、保健室登校で勉強して、クラスに行かずに卒業できるようになった
高校がイヤでやめたいけど、大学受験のために高卒資格が必要だからやめられない
→高校をやめて、高卒認定を取得して受験する方法があった
「やめたい」「やめたくない(やめられない)」といった、両方の思いや理由があるのなら、最初から「どちらかを全てあきらめる」と決めつける必要はありません。
もちろん結果としてどちらか一方を選ばなくてはならないときもあります。
ですが、まずは「両方の気持ちをかなえることは無理だ」と決めつけず、周りの人に相談したり、方法を調べたりしてみましょう。
ここまで紹介してきたさまざまな意見に全てに共通して言えるのは、「しっかり検討することが大切」ということです。
あなたの状況を知らないうちに、「高校をやめてはいけない」と言うつもりはありません。
ですが、次のようなことは、覚えておくときっと役に立ちます。
通信制高校は、中退から転校(編入・転入)しやすい学校です。
通信制高校の特徴
通信制高校は、次のような人たちにオススメです。
ただ、自分だけで勉強を進めることが難しいという人もおり、卒業率が他の高校に比べて高くないという現実もあります。
そのため、塾などに通いながら継続的に勉強を続ける習慣をつくっていくこともオススメします。
通信制高校の概要は、コラム「通信制高校とは?特徴・メリット・選び方・オススメの高校などをご紹介」や「通信制高校への編入の条件は?学年別(高1・高2・高3)でポイントを解説」をご覧ください。
定時制高校も、高校中退から転校しやすい高校です。
定時制高校の特徴
定時制高校は、次のような人たちにオススメです。
通う時間によって通っている生徒のタイプが全く異なる場合もあるので、自分の性格と合うかなどをよく確認することが大切です。
定時制高校については、シリーズコラム「定時制高校ってどんなところ?定時制出身の私が紹介する、定時制のリアル」をご覧ください。
全日制高校とは、いわゆる普通の学校です。
全日制高校の特徴
全日制高校は転校のハードルが高いため、現実的には通信制高校や定時制高校がオススメです。
1年生からのやり直しであれば、再入学という選択肢もあります。
再入学は、受験に合格しなければいけませんが、自由に高校を選ぶことが可能です。
「高校」以外の学校として、高等専修学校や高等専門学校(高専)という学校もあります。
高等専修学校の特徴
高等専修学校は、仕事に直結する知識やスキルを学びたい人や、そのための資格を取得したい人におすすめです。
高専の特徴
高等専修学校も高専も、「高校の普通科」で学ぶ内容よりも専門的なことを学びます。
そのため、自分に合うかどうかをしっかり検討しましょう。
高等専修学校・高専についてはコラム「高校中退から専門学校への進学方法を紹介!〜高等専修学校・高専も解説〜」をご覧ください。
高校卒業程度認定試験(高卒認定、高認)に合格すると、高校を卒業せずに大学や専門学校に進学できます。
高認の特徴
高卒認定は、次のような人にオススメです。
高校をやめる決断ができない人は、「高校に在籍しながらチャレンジして、合格したら高校をやめる」こともできます。
高校に1年以上在籍して、単位を取得している科目があるなら、受験を免除される科目もあります。
比較的カンタンな試験ですが、高認対策を行っている塾を頼った方が効率的に勉強・合格できます(私たちキズキ共育塾でも対策を行っています)。
高卒認定の概要は、コラム「【すぐ読める】高卒認定試験とは?意外と簡単!取得のメリット・合格のポイントをご紹介」をご覧ください。
アルバイト(非正規雇用)であれ正社員(正規雇用)であれ、自分でお金を稼ぐということは「自立」につながり、その先の様々な可能性につながります。
労働を通じて社会を知ることで、新しい気づきに出会える場合もあります。
高校をやめて働いている人の中には自分の経歴を恥ずかしいと思う人もいるのですが、恥ずかしく思う必要は全くありません。
ただし残念ながら、次のような注意点はあります。
注意点
しかし、「もう一度学び直して状況を変える」ことはもちろん可能です。
高校をやめて「普通に」働いて充実した日々を過ごしている人は、あなたの周りにはいなくても、社会には確かにいます。
仕事の選択肢を増やすためには、中退直後でなくていいし、働きながらでもいいので、通信制高校や定時制高校の卒業や、高認の取得をオススメします。
中卒からの就職については、コラム「中卒からの就職、行きやすい5つの業界をご紹介」をご覧ください。
あなた自身の頭の整理にも役に立つと思うので、活用してみてください。
高校をやめたい理由を整理しましょう。
親御さんと話し合う際にも役立ちますし、あなた自身にとっても進路をきちんと考える機会となります。
理由のまとめ方
そういうメモは、親を説得する際に「ちゃんと考えている」ということ自体を伝える材料にもなります。
将来の目標を、少なくとも一つは決めてみましょう。
目標を決めることで、高校をやめた後に「よりよい生活」を送れる可能性が高くなります。
また、その目標に進みたい理由もしっかり整理することが大切です。
理由がある具体的な目標は、スモールステップでゴールをいくつも設定できますし、モチベーションにもつながります。
また、一つのゴールをクリアした後に、目標変更をすることもできます。
目標の例
上の例では、「高卒認定の取得」「大学合格」「就職」など、いくつもゴールを設定できます。
高卒認定を取得した時点で「目標」が変わっていれば、次のゴールを大学合格ではなく専門学校や資格取得などにも変更できるので、選択肢が広がっていきます。
「こうなりたい」という積極的な視点での目標が見つからないなら、「やりたくないことをやらないために」「なりたくない自分にならないために」という消極的な視点で考えてみましょう。
また、目標が複数ある場合は、ある程度優先順位を設定しましょう。
そして、それぞれをなぜ達成したいのかの理由も整理しましょう。
ここまで考えたら、目標のための具体的な進路について検討してみましょう。
具体的な進路の例
ただ、選択肢をすぐに一つに絞る必要はありません。
複数の選択肢の候補をつくってみたり、さまざまな選択肢を組み合わせてみたりしながらいろんな選択肢を検討してみてください。
例えば、大学に進学したいなら、「通信制高校」「定時制高校」「高認」「高校に在籍しながら高認も目指す」など、複数のルートがあります。
検討した進路と同じような状況の人に話を聞いたり、事例を探したりすることもオススメです。
あなたがその進路に進む自信になりますし、親を説得する材料にもなるからです。
今回の内容を、カンタンに振り返ります。
最後に、「失敗」と「後悔」について私の考えを述べたいと思います。
進路を考える際に「失敗(後悔)したくない」と思う人も多いでしょう。
「高校をやめたいけど、どうしよう」と悩むあなたは、失敗(後悔)したくないからこそさまざまなことを悩んでしまっているのだと思います。
この記事は、そんなあなたの失敗や後悔が少しでも減るように、と思って書いたものです。
ただ、人生には失敗も後悔もつきものです。
あなたがどれだけさまざまなことを検討した上で進路を決めても、想定どおりに進まないことも多いのが現実です。
ですが、もし失敗(後悔)しても、選んだ道が「間違い」だとは言えません。
偉そうなことを言えば、失敗(後悔)しても変に落ち込まず、その上でどうやって生きていくか考えることが重要なのです。
…とは言え、失敗や後悔は、できれば避けたいのが人情というものです。
もし進路について悩んでいるのなら、一度私たちに相談してみませんか?
私たちキズキ共育塾には、「高校をやめたいけどどうすればいいか」と相談にくる人もたくさんいらっしゃいます。
少しでも気になるようでしたら、お気軽にお問い合わせください。
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/Q&Aよくある質問
高校をやめたら、将来的に仕事に困るんでしょうか?
高校をやめた後の進路について悩んでいます。