高校留年が不安なあなたに伝える、留年の基準、救済措置、中退後の進路

高校を進級・卒業するためには、各科目で「単位」の取得が必要です。
次のような状況で単位を取得できなかった場合、留年することがあります。
- 出席日数が少ない
- 赤点が多い
高校を留年すると、同じ学年にもう一年留まらなくてはいけません。
一学年下の生徒たちと一緒に机を並べることをイヤだと思うことなどから、留年はぜひとも避けたいという人も多いでしょう。
そこで今回は、高校留年について徹底解説します!
この記事を読んでわかること
- 進級・卒業に必要な「単位」とは
- 高校留年の基準
- 留年しそうな人への救済措置
- 留年せず中退する場合の、その後の進路(高校・高認)
この記事を最後までお読みいただくことで、きっと、高校留年に関するあなたのお悩みが解決すると思います。
目次
高校留年の基準となる「単位」の説明
「各科目で、高校で必要な勉強をきちんと完了した」という証明のようなものです。単位は、各科目の「成績」と「学習した量=出席日数」が基準を満たすことで取得できます。
各学年で必要な単位を取得すると進級(3年生の場合は卒業)し、足りなければ留年になります。
少し別の言い方をすると、「各学年の時間割」について、「全ての授業」で成績と出席日数が基準を満たせば進級・卒業、一つでも満たさなければ留年、ということです。
以下、単位について説明します。
単位取得の条件①成績

「その科目の定期テストで基準以上の点を取ること」が、単位取得の条件の1つです。
つまり、定期テストで基準に満たない点(赤点)を取ると、単位を取得できず、留年します。
ただし、学校によっては、次のようなパターンもあります。
- 定期テストの点数ではなく、通知表の成績が基準になる
- 定期テストの点数だけではなく、「提出物を出したか」「授業や生活の態度がどうか」などが成績に影響する
成績と単位について、あなたの学校がどのような基準を採用しているのか、先生に聞いてみましょう。
単位取得の条件②出席日数

「その科目の授業に基準以上の出席をすること」も、単位取得の条件の1つです。
一般的には、「4分の1から3分の1」欠席すると、単位が取得できず、留年します。
ポイント
- 出席日数は、科目ごとに判定される。「数学の授業を受けた後、世界史の授業の前に早退した日」は、世界史の出席日数はカウントされない
- 病気で入院したり、素行不良で停学処分になったりしても、出席日数が足りなくなる可能性がある
単位取得の条件③成績・出席日数の両方が必要
たとえば、「世界史」の単位を取得するには、次の二つの基準を満たす必要があります。
- 世界史の成績(テストの点数、通知表の評定)
- 世界史の授業の出席日数
逆に言うと、次のようは場合は留年となる可能性があります。
- テストの点がいいけど、欠席が多い
- 出席はしているけど、テストが赤点だった
ただ、留年の基準は高校によって違います。
あなたについても、「何点以下は絶対に留年」「何日欠席すれば絶対に留年」とは言えません。
高校留年の不安がある場合、自分の状況や学校の制度を、高校の先生に相談してみましょう。
なお、ご紹介したのは、「学年制の高校」の留年についてです。
「単位制の高校」は学年の概念がないので、別途注意が必要です(学年制・単位制については後述します)。
高校留年する人は年間1万人以上
出典:文部科学省「令和元年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」
高校留年する人の数は、「少なくはない」と言っていいのではないでしょうか。
人生すべてが順調である人はいません。
どんな人でも、人生のどこかの段階で「理想どおりではないこと」を経験します。
高校留年しそうなあなたは、「今がたまたま人生でうまくいかない時期」なのだというだけなのです。
「留年しても、それで人生が終わるわけではない」と心を落ち着かせましょう。
高校留年しそうな人への救済措置
救済措置の例
- 赤点を取った場合は、追試や補習を受ける
- 出席日数が足りない場合、夏休みなどに補習を受ける
- 赤点を取った科目が少ない場合、進級できることもある
繰り返すように、留年の基準は高校によって異なります。
その上で、留年する生徒を出さないよう、救済措置を豊富に設けている高校も少なくありません。
「留年するのではないか」と不安な方は、次のように行動してみてください。
- まずは気持ちを落ち着ける
- 自分の成績・出席日数の状況を、先生に聞く
- 実際に留年の可能性があるなら、今後の対策や救済措置についても先生に相談する
留年が決まったとき、同じ高校に在籍し続けるべき?

年下の同級生たちと一緒にもう一年やり直すことに不安を感じる人も多いと思います。
在籍と中退、選択の理由となるであろうポイントを以下に記します。
①在籍し続ける理由
- もう一年がんばれば、進級・卒業できる可能性が高い
- 転校や中退の手続き、転校先探しなどが不要
- 一年先に卒業した同級生から大学や就職の情報が得られる
- メンタルが強くなる(年下の同級生とやり直す体験を通じて、どのような環境でもやっていけるメンタルが身につく)
②中退を考える理由
- 同級生たちが先輩になり、下級生と一緒に勉強することになる。友人関係がぎくしゃくすることもある
- 進学校など成績の基準が厳しい場合、赤点を取った科目をもう一年がんばっても基準点が取れるとは限らない
- 病気・体調不良・不登校などで出席日数を確保できなかった場合、体調や状況が変わらないなら、もう一年在籍しても通学できるとは限らない
- その学年の全ての授業をもう一度やり直さなくてはいけない
- 学費が一年分余分にかかる
以上が、判断のポイントです。
在籍続行と中退、どちらがよいというものではありません。
留年が決まった場合、自分の状況や性格などをよく考えて、在籍し続けるか、中退するか決めましょう。
あなたのことを大切に思ってくれる人たちは、留年が決まったあなたに冷たい視線を向けることはありません。
あなたを思ったアドバイスをくれるはずです。
一人で悩まず、まずは誰かに相談してみましょう。
高校留年せずに中退した場合の進路
高校留年によって中退した方の、その後の進路の候補を紹介します。
進路①通信制高校へ転校

通信制高校は、中退から転校(編入・転入)しやすい学校です。
通信制高校の特徴
- 毎日の通学が必要ない
- 入試は面接や作文のところも多く、無試験の学校もある
- 勉強は、学校から送られてくる教材を利用して、自宅学習を中心に進める
- 単位取得は、レポート提出・年に数回の登校授業・定期テストなどで行う
不登校などで留年になった場合、通学の必要のない通信制高校は適切な選択肢かもしれません。
通信制高校の概要は、コラム「通信制高校とは?特徴・メリット・選び方・オススメの高校などをご紹介」をご覧ください。
通信制高校への編入条件は、コラム「通信制高校への編入の条件は?学年別(高1・高2・高3)でポイントを解説」をご覧ください。
進路②定時制高校へ転校

定時制高校も、高校中退から転校しやすい高校です。
定時制高校の特徴
- 平日は毎日学校に通って授業を受ける
- 授業が、昼から夕方・夜にかけて行われる(朝から行う高校もある)
- 入試は面接や作文のところも多く、無試験の学校もある
- 昼間に働いている社会人や、高校を卒業していない高齢者なども在籍している
定時制高校は、毎日通って授業を受けるため、いわゆる「高校生活」を送りたい人にはオススメです。
定時制高校については、シリーズコラム「定時制高校ってどんなところ?定時制出身の私が紹介する、定時制のリアル」もご覧ください。
■補足①高校には、学年制と単位制がある
通信制高校・定時制高校には、「学年制」と「単位制」の二つがあります(通信制高校は、基本的には単位制です)。
あなたが転校しようとしている学校がどちらなのか、あらかじめ調べておきましょう。
カンタンに言うと、次のような区別があります。
学年制
- 学校の決めた時間割に従って授業を受ける(単位を取得する)高校
- 学年によって、クラス分けや時間割が決められる
- 単位を取得できない科目があると、留年になる
単位制
- 自分で、卒業までの時間割(単位取得スケジュール)を決める高校
- 学年システムがなく、入学年次に関わらず、さまざまな人が同じ授業を受ける
- 学年システムがないので、単位を取得できない科目があっても、「その学年を留年する」わけではない
単位制高校で「単位を取得できなかった科目」があると、翌年にもう一度その科目の授業を受ける必要はあります。
場合によっては、「卒業までの期間が伸びる」「翌年に、より多くの授業を登録する」といった状態になります。
■補足②前の高校で取得した単位は、次の高校に引き継げる
ただし、学年制高校に転校する場合は、転校先の時間割に「すでに単位を取得した科目」が含まれていれば、もう一度同じ科目の授業を受けることになります。
また、学年の途中で中退すると、その学年で受けていた授業の単位は取得できていない状態となりますので、注意が必要です。
進路③全日制高校へ転校
全日制高校への転校は、現実的にはとても難しい選択肢です。
全日制高校の特徴
- 高校と聞いてよくイメージされる、「平日に、朝から夕方まで学校で授業を受ける高校」のこと
- 病気や引っ越しなどの特別な事情がないと、転校できないことが多い
全く不可能とは言いませんが、ハードルは高いと言っていいでしょう。
現実的には、通信制高校・定時制高校・高卒認定をオススメします。
進路④高卒認定試験
転校や高校卒業とは異なりますが、高卒認定試験(高認)という進路もあります。
高認の特徴
- 試験に合格すれば、高卒資格が必要な大学や専門学校の受験・入学が可能になる
- 試験内容は、比較的カンタン
- 満16歳以上であれば受験できる
- 年に2回、各都道府県で実施される
- 昔は「大検」と呼ばれていた
高認は、経済的な理由で高校に通うことが難しい方にもオススメです。
ただし、高認に合格しても、学歴は「高校卒業」にはなりません。
その後に大学や専門学校などを卒業しなければ、最終学歴は「中卒(高校中退)」のままです。
ですが、高認の合格は履歴書に書くことができます。また、求人の際に高認合格を高卒とみなす企業や団体もあります。
高校中退後のことが決まっていないなら、「とりあえず高認取得を目指す」のもオススメです。
高卒認定の概要は、コラム「【すぐ読める】高卒認定試験とは?意外と簡単!取得のメリット・合格のポイントをご紹介」、「高卒認定試験とは?受験資格や年齢、メリットを分かりやすく解説」をご覧ください。
進路⑤就職
もちろん中卒で就職して活躍している人もいるのですが、一般論としては「中卒でも大丈夫!」と断言はできません。
家業を継ぐなどの場合を除いて、何らかの方法で「高校卒業」「高認合格」を目指すことをオススメします。
また、働きながら定時制・通信制高校に通う、高卒認定を取得することも可能です。
経済的に働く必要がある方も、「もう高卒資格は取れない」と思い込まず、並行して通える学校や高認対策を行う塾を探しましょう。
中卒からの就職については、コラム「中卒からの就職、行きやすい5つの業界をご紹介」をご覧ください。
まとめ〜一人で悩まず、しっかり相談しましょう〜

カンタンに、内容をもう一度振り返ります。
- 高校は、単位を取得できないと留年する
- 単位取得のためには、各科目で、成績と出席日数の両方で基準を満たす
- 成績や出席日数が不足していても、追試や補習などの救済措置もある
- 留年が不安なら、すぐに学校の先生に相談しよう
- 留年が決まっても、一人で悩まず、先生や保護者にも相談しながら今後のことを考えよう
- 中退しても、別の高校に転校することはできる
留年の不安を抱えているあなたにぴったりの進路が見つかることをお祈りしています。
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教室では、次のような生徒さんなどが多数在籍して勉強しています。
- 高校を留年した生徒さん
- 中退して通信制・定時制高校に通う生徒さん
- 高認合格を目指す生徒さん
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