
やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、不登校・偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。また、不登校の子どものための家庭教師「キズキ家学」、発達障害やうつ病の方々のための「キズキビジネスカレッジ」も運営。
こんにちは、キズキ共育塾の寺田淳平です。
「高卒認定試験」という言葉を何となく知ってはいても、具体的な試験内容や、以下のような細かな点をご存じない方は多いと思います。
そこで今回は、高卒認定試験について知りたいという方に、試験の内容から、合格のメリット、受験までの流れをわかりやすく解説します。
試験科目や受験料の他に、難易度や合格ラインといった多くの方が気になる詳細も徹底解説しますので、高卒認定試験について網羅的に知りたいという方は、ぜひ読んでみてください。
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目次
高卒認定試験(高認、正式名称は「高等学校卒業程度認定試験」)は、「高校を卒業した人と同等以上の学力があるかどうか」を認定するための、文部科学省が実施する試験です。
合格者には、大学・短大・専門学校の受験資格が与えられるほか、一部の国家資格や公務員試験の受験が可能になります。
そのため、高校中退で最終学歴が「中学卒業」になった人や、何らかの事情で高校進学を断念して社会に出た人などが、改めて「大学などに進学したい」と思ったときに利用できる試験となっています。
高卒認定試験は年に2回実施され、「試験日の年度末に満16歳以上」の方が受験できます。
合格のためには、原則として8~10科目の筆記試験で合格点を超える必要があります。
しかし、高校中退までに単位を取得していた場合には試験科目を免除できるなど、あなたの現状にあわせて受験の内容は変わります(詳しくは後述します)。
「高卒認定試験」と「高卒資格(高校卒業資格)」は異なります。
一番のポイントは、「最終学歴の違い」です。
高卒認定試験を合格しても、高校を卒業したことにはなりません(=合格しても最終学歴は「高校卒業(高卒)」にはならず、「中学卒業(中卒)」のままです)。
高卒認定試験は、あくまでも「高校卒業程度の学力があること」を認定する試験ですので、厳密には「学力を証明する資格」と考えられます。
一方、高校卒業資格は、全日制・定時制・通信制などの高等学校において、「3年間以上在籍する」などの卒業要件を満たした人に与えられる資格です。
そのため、高卒認定試験に合格しても、高校を卒業していなければ、履歴書などの学歴欄に「高等学校卒業」と記載することはできません。
高卒認定試験に合格しているだけでは、就職活動などで募集条件が「高卒以上」となっている求人に、原則的には応募できませんので、注意が必要です。
ただし、民間企業でも、「高卒認定の合格」を「高卒」と同様に扱うところもありますので、絶対に無理というわけではありません。
具体的に気になる求人があるなら、求人を行っている企業に確認してみましょう。
高卒認定試験に合格するためには、基本的には「高校1年生レベルの学力」があれば充分だと言われています。
また、正式な合格ラインは公表されていませんが、各科目の合格点はおよそ40点とされているため、満点を目指す必要もありません。
そのため、「基礎的な学力を固める」「科目ごとにきちんと過去問を解く」といったように、基本的な対策を丁寧にすれば合格は可能です。
大学受験などに比べると、簡単な試験であると言えるでしょう。
しかし、文部科学省の発表によると、「全科目の合格率」は、ここ最近「40%台」となっています。(参考:文部科学省『令和元年度第2回高等学校卒業程度認定試験実施結果について』)。
これには、高卒認定試験の科目数が多いことが、原因の一つとして考えられます。
科目数が多いことで、「勉強が間に合わない科目」が発生する可能性がある、ということです。
また、「通信制高校などで教科の単位を取得するために、一部の科目を受けた人がいる」といったことも、その一因であると考えられます。
ただ、「一度合格した科目」の合格はずっと有効です。
不合格になった科目があっても、次回はそれに集中して勉強・対策を行うことができます。
なお、推薦入試・AO入試での大学受験を考えている場合は、高卒認定試験の成績が内申書の代わりになる場合もあるため、なるべく高得点を目指す必要があるでしょう。
この章では、高卒認定試験の詳細について、項目別に解説していきます。
高卒認定試験では、高校での取得単位による科目免除などもあるため、自力で学習計画を立てるのが難しいと感じる方もいるかもしれません。
もしお困りの場合は、後述もしますが、高卒認定試験対策を行っている学習塾などに相談するとよいでしょう。
なお、この章で紹介する「受験資格」や「試験日程」といった一般的な事柄以外に、細かな点が気になるという方は、文部科学省で比較的多く寄せられるQ&Aをまとめているページがありますので、そちらを参照するのも一つの手段です。(参考:文部科学省『参考 高等学校卒業程度認定試験Q&A』)
高卒認定試験は、「その年度で16歳以上になる人のうち、大学入学資格のない人」が受験できます。
ここで言う「大学入学資格がない人」というのは、高校、中等教育学校、高等専門学校、専修学校高等課程などを卒業していない人です。
より具体的には、中卒の人、高校を中退した人、高校在学中の人などが対象となります。
なお、高校に在学中でも(在学していて不登校状態でも)受験可能です。
受験料は、高卒認定に必要な「受験科目数」によって異なります。
受験科目数 | 受験料 |
---|---|
7科目以上 | 8,500円 |
4科目以上6科目以下 | 6,500円 |
3科目以下 | 4,500円 |
後述する「免除科目」については、受験料はかかりません。
特に若い受験生の方にとっては、きっと「安い金額」ではないと思います。
願書を送るときまでに、親御さんなどに相談をした上で、必要な受験料を支払う準備をしておきましょう。
高卒認定を取得するためには、全部で8〜10科目の試験に合格する必要があります。
合否は科目別に判定され、必要な全ての科目で合格すると「高卒認定資格」の取得となります。
2020年度現在の試験科目・合格要件は、以下のとおりです。(参考:文部科学省『高等学校卒業程度認定試験パンフレット(一般用)』)
教科 | 試験科目 | 合格要件 |
---|---|---|
国語 | 国語 | 必修 |
数学 | 数学 | 必修 |
外国語 | 英語 | 必修 |
地理歴史 | ・世界史A ・世界史B |
2科目のうちいずれか1科目に合格 |
・日本史A ・日本史B ・地理A ・地理B |
4科目のうちいずれか1科目に合格 | |
公民 | ・現代社会 ・倫理 ・政治・経済 |
以下の①②のいずれかに合格 ①現代社会(1科目) ②倫理と政治・経済(2科目) |
理科 | ・科学と人間生活 ・物理基礎 ・化学基礎 ・生物基礎 ・地学基礎 |
以下の①②のいずれかに合格 ①科学と人間生活と、物理基礎・化学基礎・生物基礎・地学基礎のうち1科目(合計2科目) ②物理基礎・化学基礎・生物基礎・地学基礎のうち3科目(合計3科目) |
1回の試験で全ての科目に合格する必要はなく、全ての科目で合格するまで何回でも受験可能です。
そして、一度合格となった科目は、その後ずっと有効で、再度試験を受ける必要はありません。
また、高校での勉強の進み具合(=取得単位数)によっては、受験を免除される科目もあります。
特に、高校で2年生以上まで進級した人には、免除科目が発生する場合がありますので、高卒認定試験に向けて勉強される前に確認されることをオススメします。
自分に受験免除科目があるかどうかを知るには、まず在籍している(していた)高校に取得単位を確認した上で、免除要件と照らし合わせる必要があります。
さらに、学校の単位以外にも、以下の検定で各1級(特A級)に近い合格実績があると、受験が免除になる科目があります。(参考:文部科学省『知識及び技能に関する審査(技能審査)の合格による免除要件』)
なお、実際に科目免除を申請するためには、受験願書とあわせて「単位修得証明書」を提出する必要がありますので、在籍していた高校に前もって発行をお願いしなくてはなりません(出願までの流れは後述します)。
また、全ての科目で免除要件を満たしていても、最低1科目は受験して合格する必要がある点には、注意してください。
高卒認定試験は、毎年2回、実施されています。
実施の1回目は夏(8月初旬)、2回目は秋(11月初旬から中旬)です(詳細な日程は年によって異なるので、受験を考えている方はしっかり確認しましょう)。
参考として、2020年度(令和2年度)の年間スケジュールは以下のとおりです。(参考:文部科学省『高等学校卒業程度認定試験パンフレット(一般用)』)
第1回試験 | 第2回試験 | |
---|---|---|
受験案内・願書の配布開始 | 4月6日(月) | 7月20日(月) |
出願の受付 | 4月6日(月) 〜5月12日(火)消印有効 |
7月20日(月) 〜9月14日(月)消印有効 |
試験日 | 8月12日(水)・13日(木) | 11月7日(土)・8日(日) |
結果通知 | 9月8日(火)発送予定 | 12月7日(月)発送予定 |
出願書類・受験案内は、文部科学省や各都道府県の教育委員会の窓口、インターネット、電話を通じて取り寄せることができます。
取り寄せには少し時間がかかるため、試験日程に備えて勉強することも大事ですが、事前に出願の日程はしっかりと確認しておきましょう。
1回目の申し込み期限は例年5月10日前後、2回目は9月の中旬です(これも詳細な日程は年によって異なります)。
特に1回目の申し込みは、出願の期限直前にゴールデンウィークを迎えることがあります。
そのため、郵便や受付窓口が閉まっていると、出願方法の確認や出願申請書の郵送ができない日もあるので注意しましょう。
また、1回目と2回目の試験を連続して受験する場合、2回目の出願は、1回目の試験の結果が通知されたすぐ後に締切となります。
1回目の結果がよくなかったりすると、2回目を受験するためのモチベーションが湧きづらいかもしれませんが、ここでも気持ちを切り替えてすぐに出願準備をすることをオススメします。
また、1回目・2回目ともに、出願してから試験までは大体2か月から3か月ほどの時間があります。
そのため、計画的に勉強することが可能ですので、前向きな気持ちで臨むようにしましょう。
高卒認定試験は、例年、「9:30~17:30」の時間帯で、休憩を挟んで行われます。
参考として、2020年度の時間割は以下の通りです。(参考:文部科学省『高等学校卒業程度認定試験パンフレット(一般用)』)
1日目 | 2日目 | |
---|---|---|
1時間目(9:30〜10:20) | 物理基礎 | 倫理 |
2時間目(10:50〜11:40) | 現代社会または政治経済 | 日本史A、日本史B、 地理A、地理B いずれか1科目 |
3時間目(12:40〜13:30) | 国語 | 世界史Aまたは世界史B |
4時間目(14:00〜14:50) | 英語 | 生物基礎 |
5時間目(15:20〜16:10) | 数学 | 地学基礎 | 6時間目(15:20〜16:10) | 科学と人間生活 | 化学基礎 |
高卒認定試験は、ここ数年では、例年「2万人以上」が受験をし、そのうち「9,000人前後」が合格(8~10科目全科目合格)しています。
また、受験者には、不登校などの事情で学校に通えない人、やむを得ない事情で高校中退をした人など、様々な背景を持った人がいます。
ちなみに、2019年度の最終学歴別の出願者数の内訳では、高校を中退している人が「49.6%」と半数近くを占めています。(参考:文部科学省『高等学校卒業程度認定試験パンフレット(一般用)』)
受験時の最終学歴 | 割合(人数) |
---|---|
中学校卒業 | 13.9%(3,120人) |
高校中退 | 49.6%(11,138人) |
全日制高校在学 | 10.8%(2,427人) |
定時制・通信制高校在学 | 19.5%(4,376人) |
その他 | 5.1%(1,149人) |
次に高卒認定試験の合格者数について見てみましょう。
2019年度第2回試験の合格者の年齢分布は、以下の表の通りです。(参考:文部科学省『令和元年度第2回高等学校卒業程度認定試験実施結果について』)
年齢 | 割合(人数) |
---|---|
16歳~18歳 | 54.5%(2,369人) |
19歳~20歳 | 14.9%(649人) |
21歳~25歳 | 9.4%(411人) |
26歳~30歳 | 6.3%(272人) |
31歳~40歳 | 10.3%(449人) |
41歳~50歳 | 3.5%(151人) |
51歳~60歳 | 0.9%(40人) |
61歳以上 | 0.2%(9人) |
合格者の年齢内訳は、16歳〜18歳の人、つまり一般的には高校生年齢の人(54.5%)を中心として、幅広い年代で構成されています。
なお、2019年度の合格者の平均年齢は22.2歳、同最高年齢は72歳です。
このように、多様な背景を持つ方が、高卒認定試験を受験していることがわかります。
大検(正式名称:大学入学資格検定)は、合格することで大学入学資格を得ることができる、高卒認定試験開始以前の検定試験です。
2004年度に高卒認定試験が開始するのと同時に、大検は廃止になりました。
少しご年配の方などは、大検という呼称を用いる人もいます。
しかし、大検から高卒認定試験に切り替わる際に、厳密には以下の違いが生じています。
したがって、大検は単に「高卒認定試験の以前の名前」というわけではなく、内容も多少異なったものになっています。
高卒認定試験に合格することで、以下の4点が可能になります。
順に、詳しく確認していきましょう。
高卒認定試験に合格すれば、高校を卒業していなくても、大学・短期大学・専門学校の受験資格が与えられます。
ただし、大学・短期大学の受験が可能になるのは、18歳になる年度からです(=一番若い場合で、19歳になる年度に入学する、ということです)。
専門学校は必ずしもこの限りではないため、各学校に問い合わせて確認をしてみましょう。
なお、高卒認定試験合格を経て(短期)大学に受験するときは、高卒認定試験の「合格証明書」または「合格成績証明書」の提出が必要です。
各書類は、文部科学省に申請すると、何枚でも発行することができます。(1通あたり250円の手数料と、通数に応じた郵送料が必要となります)。
また、高卒認定試験の全科目に合格しておらず、残りの科目を高校の取得単位で免除する予定の場合は、「合格見込成績証明書」が必要です。
もし、高校の単位によって、高卒認定試験の受験を免除された科目がある場合は、「高校による成績証明書」が必要な場合もありますので、注意してください。
実際の受験(出願)の際には、相応の必要書類を提出しなくてはならないため、大学入試センターや各大学などの募集要項などでよく確認し、請求(書類記入・発送)から到着までのスケジュールに余裕を持って行動しましょう。
通信制高校や定時制高校の一部では、高卒認定試験の合格科目を単位として認定している場合があります。
卒業までに4年間の在籍が必要な定時制高校でも、高卒認定試験に合格することで、3年間で卒業できることがあるのです。
単位認定が可能かどうかは、前もって各学校の担当窓口で確認し、先述した高卒認定試験の「合格証明書」など、申請の際には必要書類の発行手続きを早めに進めるようにしましょう。
高卒認定試験に合格すると、一部の国家資格や公務員試験の受験資格が得られます。(参考:文部科学省『高等学校卒業程度認定試験の合格を高等学校卒業と同等とみなしている採用試験、国家資格一覧』)
例えば、公務員試験では、国家公務員の一般職や税務職員などが選択肢に入ります。
また、地方公務員の採用でも、「高卒扱い」で試験を受けられる場合があります。
国家資格では、幼稚園教員や保育士の試験が受けられるようになります(ただし、別途実務経験などが必要な場合もあります)。
大学受験同様に、試験ごとに必要な提出書類や受験可能となる年齢が設定されている場合がありますので、実際に受験を考えている方は、要項をきちんと確認しましょう。
先述したように、高卒認定試験合格は「高卒資格」とは異なりますが、「高卒(見込み)」が応募条件の民間企業であっても、就職が可能になる場合があります。
応募条件を定めるのは、原則として企業側です。
就職を視野に入れている方は、高卒認定試験に合格していることを企業に伝えてみることをオススメします。
高卒認定試験に合格しても、最終学歴が「高卒」とはなりません。
そのため、高校卒業に比べて「あまりメリットがない」と考える人もいます。
しかし、高卒認定試験は、そもそも「何らかの事情で高校を卒業していない(できなかった)人」を対象にしているため、高校卒業とは一概に比較できるものではありません。
それに、高卒認定試験には、高卒認定試験なりのメリットがあります。
この章では、そうした「高卒認定試験を受けるメリット」を、3つ紹介します。
1つ目のメリットは「不登校でも合格を目指せる」です。
先述したように、高卒認定試験の受験者数には、不登校の学生さんが少なくありません。
実際に、私たちキズキ共育塾からも、不登校を経験後に大学受験を目指して、高卒認定試験を受け、合格した生徒さんがたくさんいます。
高校のように、数年に渡って学校へ通い続けたり、一般的な集団授業に付いていったりするのが難しいという生徒さんには、高卒認定試験合格から大学を目指すルートの方が、頑張りやすいという場合があるのです。
2つ目のメリットは「高校卒業程度の知識が身につく」です。
不登校や高校中退などを経験した方の中には、高校を卒業した同級生などと比べて「自分には知らないことが多い」と感じている方がいるかもしれません。
しかし、高卒認定試験に向けて勉強することで、相応の知識を得ることができます。
そもそも高卒認定試験は、「高校卒業程度の学力があるかどうかを認定するための試験」です。
高卒認定試験の合格ライン自体は「高校1年生レベルの学力」と言われていますが、合格に向けて勉強する過程では、幅広い科目をカバーするために様々な単元を学ぶことになります。
このように、高卒認定試験対策をする過程で、自然と「高校卒業程度の知識が身につく」ことになる点はメリットと言えるでしょう。
3つ目のメリットは「高校に通い直すより費用がかからない」です。
文部科学省の調査によると、2018年度の全日制高校における、1年当たりの学習費総額平均は以下のようになっています。(参考:文部科学省『平成30年度子供の学習調査の結果について』)
中退したときの学年・単位数にもよりますが、全日制高校に再入学して卒業を目指すことになると、それなりの費用がかかるのです。
一方、高卒認定試験の場合、もし自力で勉強を進められるのであれば、基本的には、参考書や問題集の代金と受験料しかかかりません。
また、もし対策塾に入って指導を受けるとしても、多くの場合は月謝単位での授業料の支払いになるため、再入学をするよりは、比較的安く済むと考えられるでしょう。
高卒認定試験の出願に至るまでには、2つのステップを踏む必要があります。
以下で各ステップの詳細を見ていきましょう。(参考:文部科学省『令和2年度第1回高等学校卒業程度認定試験受験案内』)
高卒認定試験を受験するためには、文部科学省に出願書類を提出しなくてはなりません。
出願書類(受験案内)の入手方法には、以下の3つがあります。
■パソコンおよびスマートフォンで資料請求を行う(インターネット申し込み)場合
文部科学省が認証している「テレメール資料請求受付サイト」から必要項目を入力して申請を出すと、発送からおおよそ3~5日以内に資料が届きます。
請求の際は、215円の送料とともに、別途手数料が必要です(速達を利用する場合は600円)。
また、速達対応期間は例年数日程度と短く、年によって異なりますので、文部科学省のウェブサイトで必ず確認するようにしましょう。
■電話で資料請求を行う場合
文部科学省の定めている「IP番号(050で始まる番号)」に電話し、受験を希望する年度と回に対応する「資料請求番号」を入力すると、自動音声が流れますので、そのガイダンスに従って手続きをします。
IP番号と資料請求番号は、文部科学省のウェブサイトにてご確認ください。
資料の送料と速達の取り扱いは、パソコン・スマートフォンでの資料請求と同様になります。
■配布施設に直接取りに行く場合
受験案内(出願書類)は、文部科学省と、各都道府県の教育委員会で配布されます。
都道府県によっては、各市区町村の窓口で配布している場合もあります。
具体的な配布場所や市区町村での配布については、各都道府県の教育委員会に問い合わせてみましょう(受付時間は平日の9時~17時ということが多いです)。
電話先は、教育委員会の番号がわかればそちらにかけ、わからなければ、都道府県庁の代表番号にかけて、教育委員会に繋いでもらったり、番号を教えてもらったりしましょう。
書類のテンプレートを入手したあとは、実際に必要事項を記入し、書類を提出することになります。
出願に必要な基本的な書類は、以下の4つです。
■必須書類
さらに、以下の場合には、追加で書類が必要になります。
■過去に合格科目がある場合や、試験科目の免除を申請する場合
■「合格通知書や免除に必要な書類に記された氏名」と「現在の氏名」が異なる場合
単位修得証明書などは、高校への申請が必要です。
書類の中には、提出の際に「開封厳禁」とされるものもありますので、ご注意ください。
なお、受験願書・履歴書は、案内に従って黒の鉛筆で記入します(ボールペンなど不可)。
そして受験料は、以下の受験科目数に応じた金額の収入印紙を郵便局などで購入し、願書の『受験料(収入印紙)貼付欄』に貼り付けます。
必要書類の記入・準備が済んだら、不備が無いかを確認の上、郵送(簡易書留)で出願し、受験票などの到着を待ちます。
繰り返しにはなりますが、書類の取り寄せ・記入、郵送には、問い合わせも含めて、スケジュールに余裕を持って行うことをオススメします。
続いては、試験当日についてのお話をします。
試験当日には、「試験会場」と「持ち物」の確認が大切です。
試験会場は、各都道府県で1か所です。
受験科目によっては、2日間連続での受験となりますので、家から会場が遠い場合は、宿泊などが必要になることもあります。
場所や交通ルートをあらかじめよく確認しておきましょう。
なお、どの会場で試験を受けるかは、出願書類内で選ぶことができます。
つまり、あなたが住んでいる都道府県以外の会場でも受験可能、ということです。
お住まいによっては、居住地とは別の都道府県の会場の方がアクセスしやすい場合もありますので、出願の際には、どこで受験するかもしっかり検討しましょう。
また、試験当日に、自然災害や事故など、本人の過失によらない公共交通機関の不通や遅れに遭遇したときは、試験会場にすぐに連絡を入れることが大切です。
状況に応じて、試験時間延長や再試験等の措置を受けられる可能性がありますので、希望は捨てないようにしましょう。
試験当日は、必要な持ち物を整理した上で、忘れ物がないかを確認するようにしてください。
■実施側から送られてくるもの
■自分で用意するもの
なお、「受験票」は、当日に持ち忘れた場合でも、会場で再発行できます。(参考:文部科学省『3 試験の出願について』)
決して慌てず、まずは係りの方に相談してみてください。
試験当日は、不測の事態が発生する可能性を見越して、早めの行動を心がけるようにしましょう。
高卒認定試験を突破するには、対策塾がオススメです。
対策塾では、単に高卒認定試験の合格を目指すだけでなく、その後の大学受験までフォローや、勉強面以外のアドバイスを得られるなど、メリットがたくさんあります。
この章では、具体的なメリットを3つ紹介します。
対策塾に通うメリットの1つ目は「経験豊富なスタッフが受験科目の選定や相談に乗ってくれる」点です。
これまで解説してきた通り、高卒認定試験には、取得単位による科目免除など、受験生の現状によって試験内容が変わってきます。
受験勉強の計画を立てる際に、そうした内実に合わせて対策をすれば、より効率的に合格へ向けた勉強ができるはずです。
また、高卒認定試験の対策実績がある塾では、これまでの生徒さんの悩みに応えてきた講師が、勉強面だけでなく、精神的な相談にも乗るなど、手厚くサポートを受けられる点も大きいでしょう。
「試験合格後の進路についても相談できる」ことも、対策塾に通うメリットです。
受験勉強をするときには、高卒認定試験合格後の進路まで考えた方が、その後の歩みがスムーズになる場合が多いと考えられます。
例えば、「将来、車の設計に関わりたいから大学で機械工学を勉強したい」という人は、大学受験での選択科目を見越して、「物理」を学んでおいた方が後々役に立つといったことが考えられます。
そのため、高卒認定試験での受験科目も、進路にあわせて「物理を選択する」など、しっかりと調整した方がよいでしょう。
また、受験生の方も、将来の目標が明確になっていた方が、勉強に集中できるという面もあると思います。
高卒認定試験の対策塾では、そうした試験合格後の進路相談も受け付けているところが多いです。
さらに、実際の大学・資格受験の際に必要となる証明書類などについてもアドバイスを得られるため、手続き面での不安を解消しやすいというメリットがあります。
単に高卒認定試験では終わらず、その後のことまで総合的にフォローが得られる点は、大きなポイントでしょう。
最後のメリットは「あなたのスケジュールに合ったカリキュラムを組める」ことです。
とりわけ、個別指導の対策塾の場合、苦手科目は基礎から、得意科目は演習形式、といった形で、あなたに合ったカリキュラムを組むことができます。
高卒認定試験を目指す人の中には、働きながら合格を目指す人など、より細かな自己管理・時間管理が求められる人もいると思います。
そういった方には、特に個別指導の対策塾がオススメです。
中学卒業(または高校中退)後に、勉強から離れていた期間が長かったという人も、勉強についていけるかどうかという不安が少なからずあると思いますので、柔軟なカリキュラムを組めることは大きな利点になるでしょう。
最後に、高卒認定試験の概要や対策、科目ごとの勉強方法、オススメのテキストなどの情報をまとめた動画をご紹介します。
高卒認定試験について、知っておくべきことを凝縮した内容になっていますので、ぜひご覧ください。
高卒認定試験の詳細から、合格を目指すメリット、対策塾が勧められる理由などを解説してきましたが、具体的なイメージは掴めましたか?
高卒認定試験の内容理解だけでなく、合格に向けた実際の対策までを考えたとき、すべてを一人でカバーしようというのは、なかなか難しいところがあります。
すでに高卒認定試験に合格した人や、指導実績のある専門の人に頼る方が、勉強を効率的に進められるはずです。
私たちキズキ共育塾のように、対策塾によっては、講師本人が、不登校・高校中退から高卒認定試験を合格して大学進学を果たしている場合もありますので、勉強面以外の悩みにも、より親身になって対応してもらえる可能性が高いです。
ぜひ、一人で抱え込まずに、興味を持った対策塾に相談・問い合わせをしてみてください。
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