中卒で大学受験に合格する方法|進学ルートや注意点を解説!

こんにちは、中卒の人の大学受験を完全個別指導でサポートするキズキ共育塾の寺田淳平です。
この記事をお読みのあなたは、中卒から大学受験をしたいのに、方法がわからず悩んでいるのではありませんか?
一口に中卒といっても、高校に進学しなかった(できなかった)人や、一度高校に入学した後に中退した人など、様々です。
「どのルートで大学受験をするのがいいか」「そもそも大学受験できるのかわからない」という方は多いと思います。
中卒から大学受験をすることは可能です。
そこで今回は、中卒から大学受験をして進学する際のルートを徹底解説します。ぜひお読みください。
目次
中卒から大学受験することはできるのか?

結論から申し上げますと、中卒からの大学受験は可能ですし、無茶なことではありません。
「大学受験は現役高校生がするもの」と考える人は多いのですが、年齢を問わず、中卒から大学受験をする人は毎年います。
例えば、あとで説明する大学受験に向けたメジャーな選択肢のひとつに、「高卒認定(正式名称:高等学校卒業程度認定試験)」があり、この試験に合格して大学受験への切符を手にする人は、ここ2年では8000人近くいたのです。(出典:文部科学省『令和4年度第2回高等学校卒業程度認定試験実施結果』)
年度 | 出願者 | 受験者 | 合格者 |
---|---|---|---|
令和3年度 | 20,215 | 17,704 | 8,097 |
令和4年度 | 19,653 | 17,154 | 7,961 |
この高卒認定試験は、あくまでもルートのひとつです。別ルートからも大学受験する人がいることを考えれば、中卒から大学を目指す人の数はもっと多いと考えられます。
ただし、どのルートでも最低限の学力は必要です。ある程度の勉強を通して、準備をしなくてはなりません。
また、高校卒業程度と同じくらいの学力を身につけた後に、本番の大学受験勉強が待っています。
特に、中卒のまま就職したことで、勉強を続けられなかったという人は、ブランクを埋める意味でも根気強い努力が必要になるでしょう。
中卒から大学受験する6つのルート
この章では、中卒から大学受験するルートを、6つご紹介します。
最終学歴が中卒の人は、卒業後にそのまま就職をしたケースや、一度高校へ進学して中退したケースなど、通ってきた道は様々かと思います。
しかし、今回紹介する大学受験へのルートは、「最終学歴が中卒になった経緯」は問われません。
ただし、その人の学力や普段の生活のスタイルなどによっては、多少の向き不向きがあるかと思います。
また、場合によっては後述するように、中卒からの大学受験を総合的にサポートする学習塾などの支援を得た方が、大学受験しやすくなるケースもあります。
そうした点も踏まえて、「自分はどのルートで大学受験を目指すのが向いているか」を考えながら、一緒に見ていきましょう。
ルート①高卒認定資格の取得

最初にオススメしたいのは、高卒認定資格(正式名称:高等学校卒業程度認定試験)を取得して、大学受験を目指すルートです。
高卒認定資格とは、「高校卒業と同程度の学力があること」を公的に認める資格です。取得(試験の合格)によって、大学・短大・専門学校、一部の公務員試験などの受験が可能になります。
取得のためには、年に2回(8月・11月)実施される試験に合格する必要があります。
前に挙げた文部科学省の資料によると、令和3・4年では1.7万人前後が受験し、8,000人前後が合格しています。合格率は「50%」ほど、ということです。
高卒認定試験は、その年度で16歳以上、かつ大学入学資格のない人であれば、受験可能です(高校に在籍していても受験できます)。
全部で8〜10科目を受ける必要があります。ただ、高校中退後に大学受験を目指すケースの場合、高校での学習状況(単位取得状況)によっては、受験を免除される科目もあります。
また、1回の試験で全ての科目に合格する必要はありません。一度合格となった科目はずっと有効となります。
受験にあたっては、そうした仕組みを理解した上で、効率的な学習環境を整えることが大切です。
高卒認定資格取得を専門の講師やスタッフがサポートする塾もあります。
高卒認定資格に興味のある方は、ぜひ一度調べてみてください。
高卒認定資格に興味が湧いてきたという方には以下のコラムが参考になるでしょう。
ルート②通信制高校の入学・卒業

2つ目として、通信制高校への再入学・卒業というルートがあります。
通信制高校を卒業すると、最終学歴が「中卒」から「高卒」になります。
通信制高校とは、学校から送られてくる教科書や動画といった教材を使う、自宅学習が基本の高校です。
通信制高校では、基本的に授業への出席ではなく、レポートの提出や試験などで卒業単位を修得していきます。
出席する必要があるのは、「スクーリング日」と呼ばれる特定の日数のみです。
あなたのペースで単位を取っていくことができます。高校に進学したものの授業についていけずに中退した人や、中卒後に働きながら勉強して大学受験を目指したいという人に向いているルートと言えるでしょう。
通信制高校についてもっと詳しく知りたい方は、以下のコラムにまとめてありますのであわせて読んでみてください。
ルート③定時制高校の入学・卒業

3つ目のルートとして、定時制高校への再入学があります。
通信制高校同様、こちらも、卒業すると最終学歴が「高卒」になります。
定時制高校とは、昼、または夕方からの時間帯などで授業を受ける高校のことです。朝から夕方に授業がある高校は、「全日制高校」と言います。
また、定時制高校の授業のコマ数は、1日4コマが目安です。そのため全日制高校よりも自由な時間が多く、仕事や子育てをしながらでも通いやすいという特徴があります。
なお、卒業までに4年が必要な高校もあります。入学を考えている高校があるなら、そこのシステムをあらかじめ確認しておきましょう。
定時制高校には、高校中退や中卒後に就職した人など、様々な背景を持った人が多くいます。
同じ悩みや苦労を持つ人と情報交換をしながら勉強や学生生活に取り組めるので、比較的勉強が続けやすいというメリットがあります。
その他の定時制高校についての情報は以下にまとめてありますので、併せてご参照ください。
補足:全日制高校はあまりオススメできません
これまで「通信制高校」と「定時制高校」への再入学をオススメしましたが、「全日制高校」への再入学はあまりオススメできません。
全日制高校では、朝から夕方までフルで授業が行われるので、自由度が低いです。また、通っている学生は、基本的には中学からそのまま進学してきた「16歳から18歳までの生徒」がほとんどです。
そのため、中卒後にブランクが空いた人や、不登校、引きこもりが原因で高校へ進学しなかった人、中退した人などにとっては、環境に馴染むのが難しいことがあるのです。全日制高校に(再)入学しても、(また)高校を中退するケースもあります。
「全日制高校への進学は絶対にするべきではない」とまでは言いません。
ですが、「高卒の資格を得る」のであれば、現実的には「通信制高校」か「定時制高校」をメインに検討することをオススメします。
私たちキズキ共育塾は、中卒から大学受験を目指す人のための完全個別指導塾です。勉強や生活について、無料相談ができます。高認・大学合格実績多数。お気軽にご連絡ください。
資料を無料ダウンロードルート④通信制大学の特修生・履修生制度の利用

ルートの4つ目は、「通信制大学の特修生・履修生制度の利用」です。
通信制大学とは、大学から配布される教材や動画を用いて勉強したり、自分で資料を収集してレポートを書いたりして単位を取得する、自宅学習がメインの大学です。
特修生・履修生制度とは、こうした通信制大学での勉強を希望する人のうち、中卒や高校中退などの入学資格を持たない人向けに、入学を許可する制度を指します。
ただし、入学許可を得るための条件は、学校によって異なります(例:一定期間のうちに大学が定める履修科目を修めて、単位を取得しなければならない)。
例えば、東京都にある東京福祉大学の通信教育課程では、「半年以内に所定の単位(大学:16単位以上、短大:8単位以上)を習得すること」が、大学の正科生になるための条件となっています。(参考:東京福祉大学『入学のしかた』)
こうした特修生・履修生制度を持つ通信制大学の数は、東京・神奈川・千葉・埼玉といったいわゆる首都圏だけでも、下記のように10校以上にのぼります。
上記のような通信制大学では、特修生・履修生制度にて定められている条件を満たすことで、中卒から大学進学する人が一定数います。
ご興味のある方は、通信制大学のウェブサイトをご覧の上、その大学の特修生・履修生制度について問い合わせてみるとよいでしょう。
ルート⑤大学の入学資格審査に合格

最終学歴が中卒であっても、各大学の定める個別の「入学資格審査」に合格することで、大学へ進学することができます。
入学資格審査とは、個々人の学修歴などから、「高等学校や大学を卒業した人と同等以上の学力があるか否か」を判断する審査です。
これは、国の法律でも定められる学校教育法の施行規則に則って行われる審査です。
文部科学省はこの入学資格審査について、以下のような説明を行っています。
大学教育の活性化等を図る観点から、社会人等であって大学で学習を行う意欲と能力を有する個人について、大学教育を受ける機会を提供するため、大学や大学院への入学に関し、個別の入学資格審査により、各大学において、高等学校や大学を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者に対し、入学資格を認めることができます。
大学が個別に定めるこの入学資格審査に合格すれば、中卒でも大学進学ができるのです。
入学資格審査の内容は大学ごとに異なります。興味のある方は各大学に詳細をお問合せください。
ルート⑥専修学校の高等課程や高専を修了する

大学受験に至る最後のルートとして、「専修学校の高等課程を修了する」「高専を修了する」というものがあります。(参考:文部科学省『高等専修学校から大学へ』)
専修学校には、入学資格によって、「高等課程・専門課程・一般課程」の3つがあります。
学校教育法の基準では、以下のように定められています。(参考:文部科学省『学校教育法(抄)(昭和22年法律第26号)』)
- 修業年限が1年以上であること。
- 授業時間数は、学科ごとに文部科学省が定める授業時数以上であること。(年間800時間以上、夜間学科は450時間以上)
- 教育を受ける者が常時40人以上であること。
中卒の人が専修学校に通う場合は、基本的に「高等課程」に進むことになります。
この高等課程のうち、修業年数が3年以上などの条件を満たした人で、文部科学大臣が指定した学科の修了者は、大学受験資格が得られることになっています。
ただし、大学入学資格を得られる専修学校は、文部科学大臣が指定するものに限定されます。興味のある専修学校が指定校になっているかという点にはご注意ください。(参考:文部科学省「文部科学大臣指定専修学校高等課程一覧(令和4年11月1日現在)」)
このルートで行くなら、興味を持った専修学校に一度問い合わせてみることをオススメします。
他に、技術者になるために、いわゆる五教科などの一般科目と、工学・技術・商船などの専門科目の両方を学べる「高専」も、修了後に大学への編入学が可能になります。
なお、専修学校・高専のいずれにしても、夜間学科以外の生徒は中学卒業直後の若い人たちです。
また一般的には「高校の普通科」で学ぶ内容よりも専門的な内容を学びます。
専修学校も高専も、向いている人には楽しい学校だと思います。ですが、第一目的が「大学受験の資格を得ること」であれば、現実的にはあまりオススメしません。
興味がある場合は、専修学校や高専に資料請求したり見学に行ったりして、「大学受験」以外の観点からも、自分に向いているかどうかをよく確認しましょう。
中卒から大学受験する際に気をつけたいこと

これまで大学受験するためのルートを6つ紹介してきました。
中卒から大学受験する際に気をつけたいのは、「受験資格を得たことで満足して、大学受験に取り組まなくなること」です。
高卒認定試験にせよ、通信制大学の履修生制度にせよ、高卒と同じ程度の学力を身につけるまでには、それ相応の努力が必要です。資格を得たときには達成感も得られると思います。
それは自信にもつながりますし、素直に自分をのめてよいことなのは間違いありません。
しかし、その達成感によって、「自分は力を出しきった」と一種の燃え尽き症候群のようになり、勉強へのモチベーションが下がる人も、いないわけではありません。
そういうときは、大学受験への切符を手に入れるのは、あくまでもスタートラインだ、ということを思いだしてください。
大学受験をする以上、あなたの目標は「合格して大学進学すること(大学で勉強すること)」にあるはずです。
中卒から大学受験できるところまで勉強をがんばったのは、もちろん素晴らしいことです。
しかし、そこで終わりにならないように、気を引き締めるようにしましょう。
とはいえ、例えば、高卒認定試験からそれぞれの大学受験までを、気を緩めることなく、あなたひとりの力でクリアするには、相当な努力が必要になるかと思います。
そのため、ご家族や友人といったあなたの周りにいる人や、受験予備校など、周囲の環境をうまく活用していくことが大切です。
先述したように、中卒の人の大学受験を総合的にサポートする学習塾もあります。
そういった専門機関とも話をすることで、大学受験はより効率的に進めることができます。
私たちキズキ共育塾は、中卒から大学受験を目指す人のための完全個別指導塾です。勉強や生活について、無料相談ができます。高認・大学合格実績多数。お気軽にご連絡ください。
フォームで問い合わせ中卒から大学受験を目指すメリット

改めて、勉強をがんばって中卒から大学受験を目指すことに、どのようなメリットがあるのかを紹介します。
第一に、大学では、興味のある学問を専門的に学び、知識などを身に付けることができます。
また、同級生などとの交流、いわゆる「キャンパスライフ」も楽しむことができるでしょう。
大学で得られる知識や人間関係の広がりは、それまでとは異なる方向性の人生の広がりにもつながります。
その広がりの一つに、「大学卒業後の仕事」があります。
最終学歴が中卒の人と大卒の人を比べたとき、「就職先の選択肢や給与の高さに大きな違いが出る」ことが知られています。
厚生労働省の統計によると、15~34歳までの若年労働者における正社員の割合は、次のように異なります。(参考:厚生労働省『平成30年若年者雇用実態調査の概況』)
- 中卒で正社員:35.4%
- 高卒で正社員:56.3%
- 大卒で正社員:80.9%
この差を大きいと思うか小さいと思うかは人それぞれですが、「差がある」ことは事実と言っていいでしょう。
そもそも、中卒だと正社員での募集は多くありません。中卒で就職活動をする人は、派遣労働などの少ない選択肢の中から就職先を選ぶ、といったことも少なくありません。
また、就職活動に限らず、履歴書を書くことがある場合に、最終学歴が「中卒」であると、どうしても目立つ面があります。
というのも、2019年度の時点で、中学校を卒業した後に進学する人は、全体の「98.9%」、中卒のまま進学しない人は、全体の約「1%」という調査結果が出ているのです。(出典:e-Stat『学校基本調査 / 令和4年度 初等中等教育機関・専修学校・各種学校《報告書掲載集計》 卒業後の状況調査 中学校』)
もちろん、学歴でその人の全てが判断されるわけではありません。
最終学歴が「中卒」だからといって、それ自体で「よい」「悪い」と判断されるものではないはずです。また、「非正規雇用」も「悪いこと」ではありません。
しかし、今の日本社会では、人を見るときの大きな材料のひとつに、学歴があることも事実でしょう。
こうした「中卒で就職するときの選択肢や条件の違い」や「中卒の最終学歴が目立って自信が持てない」といった点を解消し、「大卒としてできるだけよい条件で働きたい」「最終学歴に自信を持てるようになりたい」と思って、大学受験をする人は多いです。
大学に行く目的は、人それぞれで自由です。
「専門的に勉強したい」という理由でも、「将来的な収入増につながるから大卒になりたい」という理由でも、なんでもいいのです。
受験勉強のモチベーションが上がらないなぁ…と悩むときは、上記のようなメリットを考えることで、安心して取り組めるようになります。
「中卒からの大学受験」について、キズキ共育塾の講師からのアドバイス
この章では、「中卒からの大学受験」について、学び直したい人たちのための個別指導塾・キズキ共育塾の講師たちからのアドバイスを紹介します。
実際に中卒から大学受験を目指す人たちに勉強を教えている講師の「生の声」ですので、きっと参考になると思います。(これまでの内容もキズキ共育塾の知見に基づくものであるため、一部重複する部分もあります。また、講師名は仮名の場合もあります)
また、私たちキズキ共育塾の無料相談では、「実際のあなた」のための、より具体的なアドバイスが可能です。ぜひご相談ください。
近藤翔平講師のアドバイス
英語と数学について、中学校の内容を復習しておく
しておいた方がよいことは、「英語と数学について、中学校の内容を復習しておくこと」です。英語は単語と文法、数学は計算や基本的な公式を覚えることが大切です。大学受験の参考書で扱う最初の単元は中学内容の応用となるため、スムーズに勉強をスタートさせることができます。わからない部分については、塾などを利用してもよいですし、YouTubeでの解説動画の活用もオススメです。
村下莉未講師のアドバイス
高卒認定試験に向けて準備する
特に大学/短大/専門学校などの受験を目指す場合、しておいた方がよいことは、「高卒認定試験に向けた準備」です。
中学卒業後に高校などに進学していない方が大学などの受験を目指す場合、よくあるルートに「高卒認定試験の取得」があります。そのため、まずは高卒認定試験の情報収集をし、いつ・どの科目の試験を受けるかの見当をつけましょう(高卒認定について相談できる塾などはたくさんあります)。
高卒認定試験は、各科目の基本的な知識が問われます。そのため、中学校での学習内容の定着度合いの確認や、受験勉強に取り組むまでの基礎固めにもなります。
まとめ:中卒から大学受験する方法はたくさんあります!

中卒から大学受験をするメリットから、具体的な大学受験へのルート、気をつけたい点などを詳しく解説してきました。あなたに役立ちそうな情報はあったでしょうか?
繰り返しになりますが、中卒でも大学受験をするのは無茶なことではありません。
周りの人をうまく頼りながら勉強を続ければ、大学受験する方法はたくさんあります。
このコラムが、少しでも中卒から大学受験を目指している方の助けになれば幸いです。
なお、私たちキズキ共育塾では、学び直しからの大学受験を目指す方の学習をサポートしております。
学習面だけでなく、メンタル面も含めたサポートを行っておりますので、ひとりでお悩みを抱えず、お気軽にご相談ください(相談は無料です)。
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