定時制高校とは? 通学時間帯や学費、卒業条件を解説
こんにちは。生徒さんの勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする完全個別指導塾・キズキ共育塾です。
高等学校卒業(高卒)の肩書きを得るには、全日制高校だけでなく、定時制高校や通信制高校に通うという選択肢もあります。
あなたは、以下のような疑問をお持ちではないでしょうか?
- 定時制高校はどのような仕組みなのか
- 定時制高校は自分に合っているのか
- 定時制高校の選び方が分からない
このコラムでは、定時制高校の特徴や種類、通学時間帯、学費、入学試験の特徴、卒業条件・卒業までにかかる年数、定時制高校の就職率・進学率について解説します。
目次
定時制高校とは?
定時制高校とは、夜間、もしくは昼間の決められた時間に通学して学習する高等学校課程のことです。基本的に全日制高校より1日の授業時間が少ない場合が多く、通学する時間帯も選べるのが特徴です。(参考:文部科学省「三 新制高等学校の発足:文部科学省」)
定時制高校は、1948年に勤労青少年、つまり就業などのために全日制高校に進学できない青少年のために発足しました。
全日制高校とは異なる時間帯にも授業を受けられるため、働きながら高等学校教育を受けたい人や、自分のペースで学びたい人にオススメです。
定時制高校は、2023年時点で、全国に621校あります。うち、公立定時制高校が595校、私立定時制高校が26校です。(参考:文部科学省「学校基本調査-令和5年度 結果の概要-」)
定時制高校の生徒数は、2023年時点で、7万389人います。うち、公立定時制高校に6万8152人、私立定時制高校に2237人が在籍しています。(参考:文部科学省「学校基本調査-令和5年度 結果の概要-」)
私たちキズキ共育塾は、定時制高校への進学を検討している人のための、完全1対1の個別指導塾です。
生徒さんひとりひとりに合わせた学習面・生活面・メンタル面のサポートを行なっています。進路/勉強/受験/生活などについての無料相談もできますので、お気軽にご連絡ください。
定時制高校の種類
定時制高校には、以下の2種類があります。
- 学年制
- 単位制
多くの定時制高校は、学年制を導入しています。単位制を取り入れている定時制高校は、一部です。
学年制とは、学校が定める一律の時間割に従って、年度ごとに学習する教科・科目があらかじめ決まっている制度のことです。
所定の出席日数やテストの点数を満たすと単位を取得でき、年度ごとに必要な単位を取得すると進級・卒業できます。必要な単位を取得できなければ進級・卒業できず留年します。留年した場合、再度その学年からの進級・卒業に必要な単位を全て取得する必要があります。
多くの定時制高校と全日制高校は、学年制を導入しています。
単位制とは、学校が定める一律の時間割がなく、その年度に学習する教科・科目を、学校と相談しながら自分で決める制度のことです。
所定の出席日数やテストの点数を満たすと単位を取得でき、在籍期間中に必要な単位(74単位以上)を取得すると卒業できます。単位を取得できない年度があっても留年にはなりません。なお、卒業までに4年以上の在籍が必要な場合もあります。
一部の定時制高校と全日制高校と全ての通信制高校は、単位制を導入しています。
定時制高校の通学時間帯
定時制高校は、夜間に通うという印象が強いかもしれませんが、通学する時間帯は学校によってさまざまです。具体的に以下のとおりです。
- 昼間二部定時制:朝・昼
- 三部制:朝・昼・夜
- 夜間定時制:夜
このように自身の都合に合わせて、昼夜問わず通学する時間帯を選べます。時間の融通が利きやすく、朝が苦手な人や、昼間に仕事をしている人でも通いやすいのが定時制高校の特徴の一つです。
定時制高校の学費
定時制高校の学費は、基本的に、以下の3点を支払います。
- 入学金
- 授業料
- 教材費、修学旅行積立金、生徒会費などの各学校で設定される学校徴収金
学校徴収金の年間で必要になる金額は、13万円前後とされています。また、そのほかに、施設などの設備費や交通費なども必要な場合があったり、地域や学校、課程によって料金が違っていたりする可能性があります。学校によっては、制服代や上履き代なども別途必要となります。
また、単位制の定時制高校の場合は、履修する単位数によって、学費が変わってくるようです。
基本的に、公立の定時制高校の方が、私立の定時制高校よりも学費が安い傾向にあります。
なお、2014年度(平成26年度)以降に定時制高校に入学した人は、公立・私立を問わず、高等学校等就学支援金を利用できるため、経済的な負担を抑えることができます。
定時制高校の学費については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
定時制高校の入学試験の特徴
定時制高校の入学試験は、国語・数学・英語を中心に、学校によっては理科・社会を含めた数科目の基本的な学力テストを実施する学校が多いです。
一般的に、定時制高校の入学試験の内容は比較的簡単とされています。
また、内申点がほとんど関係ないこともあります。学校によっては科目試験はなく、面接と作文のみ実施という場合もあります。
一部、中学校での学力や特別活動の評価などの調査書、自己PRなどを求められることもありますが、さまざまな人たちを受け入れている傾向があります。
そのため、中学校までの勉強が苦手だったり、不登校で内申点が低かったりしても、定時制高校なら比較的チャレンジしやすいといえます。
定時制高校の卒業条件・卒業までにかかる年数
定時制高校の卒業条件は、以下の2点です。
- 3年以上の在籍期間
- 必要な単位数の取得
これは、全日制高校と通信制高校も同じです。
学年制の定時制高校の場合、3年制と4年制があります。
3年制の場合、1日の授業数は5〜6時間程度、全日制高校とほぼ同様です4年制の場合、1日の授業数は4時間以下程度で、比較的少なめです。
学年制の場合は、学校の時間割に従っていれば、卒業に必要な単位について各生徒が特別気にする必要はありません。
必要な年数在籍し、必要な出席日数を確保し、各科目のテストで合格すれば、卒業できます。
単位制の定時制高校の場合、卒業するためには、74単位以上の取得が必要です。必要な単位数の取得できれば、3年間での卒業も認められています。
3年間で卒業したい場合、1年ごとに受講する授業も多く、それなりに忙しい過ごし方になるでしょう。自分がどう学び、いつ卒業したいかなど、学校の先生に相談した上で、計画を作成しましょう。
入学前の段階で学校と相談し、授業時間のペースや卒業にかかる年数を確認しておくのが良いでしょう。
定時制高校の就職率・進学率
30年程前までは、卒業後に就職する人が圧倒的に多かった定時制高校ですが、現在の就職率・進学率は以下のとおりです。(参考:文部科学省「令和元年度学校基本調査」)
就職率
- 全日制高校:約17.2%
- 定時制高校:約49.0%
- 通信制高校:約23.1%
進学率
- 全日制高校:約73.4%
- 定時制高校:約30.0%
- 通信制高校:約40.9%
定時制高校は基本的に進学よりも就職のサポートが手厚い傾向があり、就職する人の割合は定時制の方が多く、進学率は全日制高校よりも定時制高校の方が低くなっています。
しかし、進学のためのサポート体制が整っている学校もあるため、必ずしも定時制高校からの進学が難しいというわけではありません。
また、高校での勉強とは別に、受験用の勉強では学習塾を利用するという方法もあります。
サポート体制や卒業後の進路については、資料請求や学校説明会などで確認し、事前に検討しておきましょう。
定時制高校と全日制高校と通信制高校との違い
この章では、定時制高校と全日制高校との違い、定時制高校と通信制高校との違いについて解説します。
定時制高校と全日制高校の違い
定時制高校と全日制高校は、基本的に平日は毎日登校するという点で共通しています。
全日制高校と定時制高校の違いは、授業を受ける時間帯です。
全日制高校では、授業時間が朝から夕方までと決められています。一方、定時制高校は朝〜夜まで幅広い時間帯から学ぶ時間を選べます。
全日制高校の時間帯に通学できない人も、定時制高校には通えるという点は、定時制高校の魅力の1つと言えるでしょう。
また、定時制高校の授業コマ数は、一般的に1日4コマ程度です。定時制高校は全日制高校よりも自由な時間を確保しやすいため、学業以外のことに時間を割けるのも大きな特徴です。
そのほか、定時制高校は全日制高校と比べて、高校中退を経験した人や就労しながら在籍している人、定年退職している人など、通学する人の年齢が幅広いため、先輩後輩といった上下関係ができづらい特徴もあります。
定時制高校と通信制高校の違い
定時制高校は、基本的に平日は毎日登校します。一方で通信制高校は、以下のような手段で勉強・単位の取得を進めるため、毎日登校する必要がありません。
- 通信教材やWeb教材での勉強
- レポートの提出
- スクーリング(通学して対面で受ける授業)
- 試験
教科書や学習書に基づいて自習し、レポートにまとめて添削指導を受け、学校が指定する日に出校してスクーリングを受けるという流れが一般的です。
通信制高校は登校する回数が少ないため、遠方からでも比較的入学・通学しやすいメリットがあります。
通信制高校については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
まとめ〜快適な高校生活を送れることをお祈りしています〜
せっかく定時制高校に通うのであれば、有意義な高校生活にしたいものです。自身の好みや生活スタイルなどから、どの高校なら自分に合うか、しっかり吟味してください。
- 通学する時間帯
- 卒業にかかる年数
- 学年制か単位制か
定時制高校を選ぶのに困った際は以上のポイントを確認し、毎日通うのが苦じゃないか、校則の厳しさのような不安要素はないかなどの確認もしておきましょう。
事前確認には、学校の資料を請求するほか、学校説明会などへの参加もおすすめです。
自分に合った学校を選んで、快適な高校生活を送ることができることをお祈りしています。
Q&A よくある質問