中学生の不登校の原因は?再登校までの経過・親ができる3つの対応

中学生の不登校の原因は?再登校までの経過・親ができる3つの対応

不登校のお子さんの勉強とメンタルをサポートするキズキ共育塾の藤井祐太朗です。

あなたは、中学生のお子さんについて、以下のようなお悩みをお持ちではないですか?

  • うちの子はどうして学校に行けないんだろうか
  • 学校に行っていないけれど、これは「不登校」や「登校拒否」なんだろうか
  • 不登校の子どもにどう対応したらいいのだろうか
  • 子どもにどういう声がけや行動をしたらいいのだろうか

小学生の頃から学校が苦手だったり、中学生になってから不登校になった場合など、状況もそれぞれかと思います。

今回は、中学生で不登校のお子さんをお持ちの親御さんに向けて、不登校になる原因や要因、子どもへのアプローチ方法、あなた自身の悩みへの対処方法などをご紹介します

この記事を読むことで、お子さんのための具体的な「次の一歩」が見つかれば嬉しいです。

特に「中学不登校からの高校進学」に関するお悩みや不安はコラム「不登校でも高校進学できます!受け入れOKな高校・受験方法・対策を紹介」をご覧ください。
特に不登校の中学生が「次の一歩」に進んだ体験談は「生徒さんの体験談」をご覧ください。

私たちキズキ共育塾では、不登校の中学生に関する勉強・進路・生活などについて、無料相談を行っています。少しでも気になるようであれば、お気軽にご相談ください(※なお、このコラムは長いので、目次を見て気になる部分だけ読んだり、読まずに問い合わせていただいたりしてOKです)。

共同監修・不登校新聞社 代表理事 石井志昂氏からの
アドバイス

子どもが不登校や行きしぶりになると、「無理に学校復帰を急がずに見守りましょう」とよく言われるでしょう。 しかし、子どもが不登校や行きしぶりになった親にとって、これほどいらだつメッセージはありません。

しかし、「無理せずに」は本当に重要なのです。みんな「無理せずに」ができずに失敗してきたからです。本コラムで書かれているポイントは、多くの失敗の上に積みあがってきた知恵です。ぜひご参考ください。

不登校の公的な定義と最新データ

不登校の公的な定義と最新データ

「不登校」という言葉が一般的になって久しいです。私たちがふだん使う不登校という言葉は、厳密にはどのような状態を指すのでしょうか。

まずは参考として、不登校に関する公的な不登校の定義やデータをご紹介します。

既にご存知の方は、次章「中学生が不登校になる原因・要因〜公的調査・キズキの声〜」まで読み飛ばしていただいてOKです。

①国が定める不登校の定義

国(文部科学省)は、以下のような状態を「不登校児童生徒」として定義しています。

何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いた者
(文部科学省「不登校の現状に関する認識(※PDF)」)

この定義に従うと、欠席が29日以下の場合は、公的には不登校には当てはまりません。

ただしこちらは、あくまで「公的な定義」に過ぎません。次章以下でご紹介する内容は、「公的な定義には当てはまらいけれど、欠席が多い場合」にもお役に立つと思います。

②全国の中学校における不登校の人数・割合

文部科学省による調査によると、全国の中学校における不登校の人数や割合の最新データは、下記のとおりです。(出典:文部科学省「令和元年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」(以下、調査結果と呼ぶ)

  • 中学校における不登校の人数 127,922人(全中学生の人数は3,248,093人)
  • 中学校における不登校の割合 3.9%

中学生は、約25人に1人が不登校だということです。

また、前項のとおり「29日以下の欠席の人」は含みません。「不登校の傾向がある人(学校を休みがちな人)」はもっと多いと考えられます。

「不登校(傾向)の子ども」は、あなたのお子さん以外にも大勢いるのです。

大勢いるということは、その「対応」もいろんな人が考えたり試したりしているということです

あなたのお子さんに合う「対応」も必ずあるとご安心ください。

中学生が不登校になる原因・要因〜公的調査・キズキの声〜

中学生が不登校になる原因・要因〜公的調査・キズキの声〜

この章では、中学生が不登校になる原因・要因をご紹介します。

「不登校の原因を知りたい」という声はよく聞くのでご紹介しますが、原因にあまりこだわり過ぎず、後でご紹介するアプローチ方法などをご覧ください(そのわけは次章「不登校の要因が解決しなくても、「次の一歩」に進めることは珍しくありません」でご説明します)。

①文部科学省による不登校要因の調査結果

調査結果では、中学生の不登校の要因を「学校に係る状況」「家庭に係る状況」「本人に係る状況」「該当なし(その他)」の4つに区分しています。

複数回答なので、「学校に係る状況」と「家庭に係る状況」の両方に回答した生徒、「学校に係る状況」の中でも複数の項目に回答した生徒がいると推測されるので、単純に合計や比較をすることはできません。

確かなことは、不登校は様々な要因が重なって発生しうるものだということです

それぞれが不登校の主たる原因となった割合は、次のとおりです。

  • 学校に係る状況:34.4%
  • 家庭に係る状況:12.3%
  • 本人に係る状況:48.1%
  • 該当なし(その他):5.4%

「学校に係る状況」の細項目と不登校の要因となった割合は、次のとおりです。

  • いじめ:0.3%
  • いじめを除く友人関係をめぐる問題:17.2%
  • 教職員との関係をめぐる問題:1.2%
  • 学業の不振:8.5%
  • 進路に係る不安:1.3%
  • クラブ活動・部活動等への不適応:0.9%
  • 学校の決まり等をめぐる問題:1.1%
  • 入学・転編入学・進級時の不適応:3.9%

「家庭に係る状況」の細項目と不登校の要因となった割合は、次のとおりです。

  • 家庭の生活環境の急激な変化:2.9%
  • 親子の関わり方:7.5%
  • 家庭内の不和:1.9%

「本人に係る状況」の細項目と不登校の要因となった割合は、次のとおりです。

  • 生活リズムの乱れ・あそび・非行:8.6%
  • 無気力・不安:39.5%

②キズキ共育塾の生徒の意見

居場所③塾、習い事

次に、私たちキズキ共育塾に通う中学生の意見をご紹介します。(キズキ共育塾は、不登校・中退・ひきこもり・再受験などもう一度勉強したい人の個別指導塾です)

生徒から見聞きした調査結果を、次の通りご紹介します。

「学校に係る状況」は、次のとおりです。

  • いじめにあった
  • 友人関係に疲弊した
  • 教師と相性が合わなかった
  • 教師に傷つく言葉をかけられた
  • 授業内容やペースについていけなくなった
  • 部活動でトラブルがあった
  • 転校した学校に馴染めなかった
  • 中学受験で力尽きた
  • 遠方の学校や公共交通機関の本数が少ないなど、通学が困難だった

「家庭に係る状況」は、次のとおりです。

  • 近親者が亡くなった
  • 両親が離婚した
  • 家族よる過干渉があった

「家庭に係る状況」や「その他」は、次のとおりです。

  • ゲーム依存やネット依存になった
  • 学校に行く理由を見いだせなくなった

ここにあげたのは一例です。

一つ一つ小さなことでも、複数の要因が毎日積み重なると、相当な重荷になって学校に行けなくなることもあります。

③中学生の各学年に特有の不登校要因

他にも、中学生の不登校には、学年特有のきっかけとして、次のようなものが考えられます。

1年生

中学生になりたての1年生は、小学校からの変化が大きいため、心に大きな負担がかかる時期です。
具体的な変化としては、勉強の難易度が上がること、生活リズムの変化、自身の成長に関連する悩みなどがあげられます。
中学生になりたての1年生は、上記のような変化による心理的負担に耐えきれずに不登校になる可能性があります。

2年生

2年生は、1年生時のがんばりによってたまった疲労が一気に出る時期です。
その疲労のために、不登校になる可能性があります。

3年生

3年生は、私立中学の受験経験者以外は、初めて迎える本格的な進路選択の時期です。
受験や進路選択について、教師や親からこれまで以上に勉強をがんばることを強要されやすい時期です。
受験・進路によるプレッシャーや将来の不安から不登校になる可能性があります。

不登校の要因が解決しなくても、「次の一歩」に進めることは少なくありません

不登校の要因が解決しなくても、「次の一歩」に進めることは少なくありません

ここまでは、中学生が不登校になりうる原因や要因を、国の調査結果やキズキ共育塾の生徒さんの意見からご紹介しました。

先ほど、「不登校の原因にはこだわり過ぎない方がいい」とお伝えしました。

これはつまり、「不登校の次の一歩に進むためには、不登校になった直接的な要因・原因を追究・解決する必要があるとは限らない」ということです。

その理由を、具体的な例を交えてご紹介します。

例:不登校が原因のいじめの場合

いじめを解決することは、もちろん悪いことではありません。しかし、いじめがなくなっても、いじめていた生徒は、学校に在籍したままでしょう。お子さんといじめていた生徒が学校内で顔を合わせたり関わったりすることは、不安を生じさせるかもかもしれません。また、不登校中に勉強に遅れが生じていた際には、授業についていけないかもしれません。
つまり、「いじめ」はなくなっても、今度は「学校内で過ごす不安」や「授業についていけない苦痛」が不登校につながる可能性があるのです

これは、あなたを不安にさせるつもりでお伝えしているのではありません。

逆に、「いじめ」が直接的に解決しない場合でも、例えば、転校する、保健室登校を行う、勉強は塾などを利用するなどで、「今のクラスへの登校再開」はできなくても、「別の次の一歩」に進んでいくこともできるのです

「いじめを解決しなくてもいい」という意味ではありません。

ただ、「いじめの解決」と「不登校の次の一歩」は、別のものとして考えられるということです。

別の言い方をすると、「不登校の当事者である子どもとその家族が、現在の心身的疲労を回復し、将来に向けて動く」という、建設的で間接的なアプローチの方がオススメだということです。

不登校の悩みに対する具体的なアプローチ方法については、次の章以降で解説します。

補足:不登校の要因・原因が大切な場合もある

不登校について、どんな要因でも取り除く必要がないのかというと、そうではありません。解決を目指したほうがよい要因は、一例として精神疾患や家庭環境があります。不登校という現象が生まれる土台には、うつ病などの精神疾患が関係している場合があります。病気が疑われる場合には、必ず医療機関を受診してください。また、家庭環境に関連する問題(両親の不仲、近親者の死など)も、専門機関に相談し、適切な支援を受けることをオススメします。

そもそも原因を追究すべきかどうかも含めて、後でご紹介する相談先を頼ることで、より適切な方法がわかると思います

不登校から再登校までの一般的な経過

不登校から再登校までの一般的な経過

この章では、不登校の(学校に行かない)中学生がたどる「不登校から再登校までの一般的な経過」についてお伝えします。

すべての中学生に当てはまるわけではありませんが、あなたのお子さんが、今どの状態にいるのか、おおよその目安として参考にしていただければと思います。(参考:『不登校の子ども支援に関するガイドライン試案 岡山大学教育実践センター紀要 山本力(2005)』)

①初期

(a)体調不良と忌避(きひ)
何らかのきっかけやストレスの蓄積から、体調不良などを訴えて、断続的に休みはじめる時期。
学校に対する忌避感(きひかん)が強いことも多い。

(b)荒れと反抗
「登校しなさい」という刺激に拒絶反応を起こし、荒れたり強い抵抗を示したりする。
自室にひきこもる。
「登校しなさい」という刺激を控えることが原則。

②中期

(c)退避とどん底
自室でゴロゴロし、生活のリズムが崩れて昼夜逆転することが多い。
怠惰で心理的に退行する。
完璧な自己像を崩し、「前進するための退行」とみなすことも多い。

(d)「窓」から外を覗く
外界への「心の窓」が開く。
ひきこもり生活に退屈し、友達に会いに行く、アルバイトに興味を示すなどを始める。
この時期の変化の「芽」は大切に育てなくてはいけない。

③後期

(e)学校への再接近
「別室登校」「保健室登校」など、周囲のサポートによって少しずつ学校に再接近が可能になる。

(f)乗り越えの過程
仲間に支えられて再登校ができるようになる。
しかし、子どもの中の内面のかっとうや弱さはまだ解決していないことが多く、子どもの乗り越えの過程は続いていると考えた方がいい。

④補足:今の学校への登校再開以外の道もある

子どもによっては、不登校の「次の一歩」は、「いま在籍している学校への登校の再開」だけではありません。
転校後の学校に登校することや、中学校での登校再開は行わないまま高校進学をする、といったケースもある、ということを覚えておくと、親御さんとしてもお子さんとしても、より向いた選択肢を取りやすくなるでしょう。

不登校の中学生に対して親ができる3つのこと

次に、不登校のお子さんに対して、親であるあなたができるアプローチ法をご紹介します。

親にできることではありますが、「親だけ、家庭だけでなんとかしようとしなければ」と考える必要はありません

後でご紹介するように、お子さんも親御さんも、支援する人はたくさんいますので、ぜひ積極的に支援者を頼りましょう。

①学校を休むことを許し、子どもに伝える

①学校を休むことを許し、子どもに伝える

まず大切なことは、子どもに直接「休んでもいい」と伝えることです。

子どもは、「学校を休むことはよくない」という価値観を持っていることが多いです。

そして、「学校を休みたいけれど、休むのはよくない。でも学校に行くのはつらい」という葛藤によって悩んでいます。

子どもが学校を休みたいと言い出したときにはすでに、様々な葛藤に苦しんで、がんばりきった後であるはずです

親の目からはがんばっていたように見えないかもしれませんし、子ども自身もがんばった自覚がないこともあります。

しかし、がんばって悩み抜いた結果、学校を休みたいという結論に達したのだと察しましょう。

そして、「がんばったね」「学校を休んでもいいよ」ということを、直接言葉にして伝えましょう

子どもは、親から休んでもいいと言われることで安心できます。

休んで回復した後、子どもは必ず前に向かって歩き出すことができます。

②「現在の子ども」を気遣う

そうは言っても、あなたはどうしても子どもが学校を休むことについて不安が拭えないし、心から許しを出すことができない、と思うかもしれません。

「将来のために、学校に行ってほしい」と思ったり、将来を心配したりすることは当然の気持ちでしょう。

ですが、親の思いが先走って、学校に行かない子どもに対して心配を口にしたり、無理に前進させようとしたりして、関係がますます悪化する可能性もあります

子ども自身も、親が自分のためを思っていることは、十分にわかっています。

ですが、本人も散々葛藤し、がんばった末に不登校になっています。

親が心配や不安を口にすることで、子どもの不安やストレスが増え、その様子を見た親の心配や不安がさらに増える、という悪循環になります。

お子さんと接するコツは、「子どもの将来」を心配するのではなく、「現在の子ども」を気遣うことです

子どもは今現在、確実に傷ついており、その傷を回復しようと力をためています。

現在の子どもを気遣わずに将来の心配ばかりする状況は、例えるならば、大きな怪我をして止血が必要な一刻を争うときに、将来傷跡が残ることばかりを心配しているようなものです。

将来のことは、今の傷が充分に癒えてから考えても決して遅くはありません

③不登校の原因を無理に突き止めない

③不登校の原因を無理に突き止めない

不登校には、明確な原因がわからなかったり、あるいは原因がなかったりすることもあります。

また、先ほどお伝えしたとおり、「直接的な追求・解決」が必要ではない原因もあるのです。

原因を無理に当てはめたり、突き止めたりすることはしない方がよいでしょう

子どもにはそれぞれの性格や特性といった個性があります。

原因も、その子の性格や特性が色濃く反映しますので、紋切型にどこかに分類できるわけではないのです。

無理に原因を突き止めようとすると、子どもはまるで取り調べを受けているように感じ、罪悪感や葛藤が増長する可能性があります。

現在の子どもの状況を尊重し、傷が充分に回復するのを優先してください。

親が自分自身のためにしてほしい4つのこと

前章では、子どものために親ができることをご紹介しました。

しかし、親であるあなた自身にも、ときには我慢をすることや、心配する気持ちを抑制することが要求され、かなりストレスがかかることと思います。

この章では、お子さんのためのみならず、親であるあなたご自身のためにも行ってほしいことをお伝えします

この章でお伝えすることをぜひ実践して、あなた自身のストレスや不安を緩和、解消してください。

①同じ悩みを抱える人に相談する

①同じ悩みを抱える人に相談する

友人や親戚に、同じような悩みを抱える人がいたら、積極的に相談しましょう。

一人で悩んでいると、どうしても行き詰ることが多くなります。

他者からの視点によるアドバイスをもらうことで、状況を打開できる場合があります

また、誰かに話すことですっきりしたり、共感をもらえて安心したりすることもストレスの解消につながるはずです。

②自分の時間を持つ

子どもから離れて、自分の時間(一人で過ごす、夫婦で過ごす、友人と過ごす、趣味を行うなど)を持つようにしましょう。

別の言い方をすると、「親は親で、自分の人生を楽しみましょう」ということです。

自分の時間を有意義に過ごすことで、ストレスが緩和されます

有意義に過ごすとは、必ずしも何かをしなければならない、ということではありません。

日常の悩みから一時的に避難することができる、リラックスできる環境に身を置くことが大切なのです。

そのためには、アロマやマッサージ、入浴や睡眠など、自分なりのリラックスできる環境を見つけましょう。

特に、睡眠が足りていないと、ストレスがたまりやすくなるので注意しましょう。

また、どんな親子関係においても一貫して大切なのは、子どもと適度な距離感を保つことです

不登校の子どもは、「いつも親に心配をかけて、自分に時間を割いてもらって申しわけない」という罪悪感抱くこともあります。

逆に、子どもは、親が自分の時間を有意義に過ごしていることがわかると安心できるのです。

さらに、楽しそうな時間を過ごす親を見ることで、自分の将来に対して希望が湧くこともあるでしょう

ただし、どのような「お子さんとの距離感」が適切なのかは、家庭次第・お子さん次第で一概には言えません。

「あなたと、あなたのお子さんとの距離感」については、ぜひ次項の「専門機関」にアドバイスを求めてみてください。

③専門機関を利用する

③専門機関を利用する

少しハードルが高いと感じるかもしれませんが、相談機関や専門機関を頼ることもオススメです。

家庭内で悩みを抱え込んでいると、ストレスがたまる悪循環になりやすくなります。

専門機関は様々なケースを通じて知識やノウハウを蓄積しているため、類似ケースから解決策を見出してくれることも多いです

また、話しをするだけでも、ストレス緩和につながります。

以下は、地方自治体が運営している不登校の子どもに関する相談窓口の例です。

詳細は、お住まいの市区町村の公式サイトなどから確認できます。

公的な相談窓口以外にも、各種支援団体やフリースクール、我々キズキ共育塾のような学習塾などの民間企業や、病院等の医療機関でも相談できる場所はあります。

また、お子さんのことだけではなく、ご自身のこと(例えば夫婦関係、ご自身や配偶者の親御さん関係、職場関係など)のことも、相談先を探して積極的に頼りましょう(こちらも、自治体によっては相談窓口を設けています)。

インターネットで、「渋谷区 不登校 相談」「大阪市 夫婦関係 相談」などと検索すると候補が見つかりますので、ご自身やお子さんに向いていそうなところに問い合わせてみてください。

自分一人だけ、家庭内だけで悩みやストレスを抱え込まないことが大切です。

④余談:村上春樹を読む

この項は、余談としてご覧ください。

「不登校の子は、村上春樹氏の小説に共感を覚える」という心理学の研究があります(出典を示したいのですが、見当たりませんでした…。ですので「余談」としてご覧ください)。

「異世界に出かけ、そこで自分の心の問題と向き合う」という村上氏の小説は、不登校の子の心の旅そのものなのだそうです。

お子さんとの相互理解を深めるために、村上春樹氏の小説や、不登校と村上春樹の小説についての研究なども、ご興味があれば手に取ってみてはいかがでしょうか。

参考:学校休んだほうがいいよチェックリストのご紹介

2023年8月23日、不登校支援を行う3つの団体(キズキ不登校新聞Branch)と、精神科医の松本俊彦氏が、共同で「学校休んだほうがいいよチェックリスト」を作成・公開しました。LINEにて無料で利用可能です。

このリストを利用する対象は、「学校に行きたがらない子ども、学校が苦手な子ども、不登校子ども、その他気になる様子がある子どもがいる、保護者または教員(子ども本人以外の人)」です。

このリストを利用することで、お子さんが学校を休んだほうがよいのか(休ませるべきなのか)どうかの目安がわかります。その結果、お子さんを追い詰めず、うつ病や自殺のリスクを減らすこともできます。

公開から約1か月の時点で、約5万人からご利用いただいています。お子さんのためにも、保護者さまや教員のためにも、ぜひこのリストを活用していただければと思います。

私たちキズキでは、上記チェックリスト以外にも、「学校に行きたがらないお子さん」「学校が苦手なお子さん」「不登校のお子さん」について、勉強・進路・生活・親子関係・発達特性などの無料相談を行っています。チェックリストと合わせて、無料相談もぜひお気軽にご利用ください。

まとめ:不登校の中学生は、必ず「次の一歩」に進めます

まとめ:不登校の中学生は、必ず「次の一歩」に進めます

不登校の中学生について、原因や親にできることをお伝えしてきました。

お子さんは、必ず「次の一歩」に進めます

そして、親だけ(親子だけ、家庭だけ)でなんとかしようする必要はありません。

「相談できるところ」を頼ることで、より具体的な行動が見つかります。

このコラムが、あなたのお役にたったなら幸いです。

さて、私たちキズキ共育塾は、不登校などでお悩みを抱える方々のための個別指導塾です。

生徒さんには、学校に行っていない方がたくさんいらっしゃいます。

中学生の不登校にお悩みでしたら、キズキ共育塾の概要をご覧の上、お気軽にご相談ください(親御さんだけでのご相談、お子さんと親御さんご一緒でのご相談も承っております)。

監修 / キズキ代表 安田祐輔

やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、不登校・偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。また、不登校の子どものための家庭教師「キズキ家学」、発達障害やうつ病の方々のための就労移行支援事業所「キズキビジネスカレッジ」も運営。

【新著紹介】

『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法』
(2022年9月、KADOKAWA)
Amazon
KADOKAWA公式

【略歴】

2011年 キズキ共育塾開塾(2023年7月現在10校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年7月現在4校)

【メディア出演(一部)】

2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)

共同監修 / 不登校新聞社代表理事 石井志昂

いしい・しこう。
1982年、東京都町田市出身。NPO法人全国不登校新聞社代表。
中学校受験を機に学校生活が合わなくなり、教員や校則、いじめなどを理由に中学2年生から不登校。同年、フリースクール「東京シューレ」へ入会。19歳からNPO法人全国不登校新聞社が発行する『不登校新聞』のスタッフとなり、2006年から2022年まで編集長。これまで、不登校の子どもや若者、識者など400人以上に取材してきた。

【著書など(不登校新聞社名義も含む)】

「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること(ポプラ社)』『フリースクールを考えたら最初に読む本(主婦の友社)』『学校に行きたくない君へ(ポプラ社)』『続 学校に行きたくない君へ(ポプラ社)』

【寄稿など(一部)】

AERAdot」「プレジデントオンライン」「東洋経済オンライン」「FRaU」など多数

サイト運営 / キズキ

「もう一度学び直したい方」の勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする学習塾。多様な生徒さんに対応(不登校・中退・引きこもりの当事者・経験者、通信制高校生・定時制高校生、勉強にブランクがある方、社会人、主婦・主夫、発達特性がある方など)。授業内容は、小学生レベルから難関大学受験レベルまで、希望や学力などに応じて柔軟に設定可能。トップページはこちら。2023年7月現在、全国に10校とオンライン校(全国対応)がある。

/Q&Aよくある質問

不登校の中学生に対して、親ができることを知りたいです。

一般論として、次の3つが大切です。(1)学校を休むことを許し、子どもに伝える、(2)「現在の子ども」を気遣う、(3)不登校の原因を無理に突き止めない。詳細はこちらをご覧ください。

中学不登校の子どもがいる親として、親自身のためにできることはありますか?

中学不登校の子どもがいる親として、親自身のためにできることはありますか?

一般論として、次の3つが大切です。(1)同じ悩みを抱える人に相談する、(2)自分の時間を持つ、(3)専門機関を利用する。詳細はこちらをご覧ください。

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