不登校の中学生の進路を5つ紹介!〜親にできる6つのサポートつき〜

不登校の中学生の進路を7つ紹介!〜親にできる6つのサポートつき〜

こんにちは、キズキ共育塾の寺田淳平です。

あなたは、学校が苦手な中学生のお子さん、不登校の傾向がある中学生のお子さんの進路について、以下のような悩みをお持ちではありませんか?

  • 学校が苦手な子どもが選べる進路は?
  • 不登校でも高校受験はできる?
  • 進路選びのときに親ができるサポートは?

そこで今回は、不登校の中学生の進路や、進路選びに際して親御さんができることなどをご紹介します

この記事を読むことで、お子さんの進路選びに向けて具体的な行動につながったなら幸いです。

もしかしたら、「うちの子は『不登校』とまで言っていいのかわからないんだけど…」とお思いかもしれませんが、この記事では、「学校が苦手な子」「あまり学校に行きたがらない子」「出席日数がちょっと少ない子」のような中学生にも役立つ内容となっています(また、そうした方々のことも、便宜上「不登校」と表現させていただきます)。

  • このコラムは長いので、目次を見て気になる部分だけ読んでもOKです。

監修 / キズキ代表 安田祐輔

やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、不登校・偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。また、不登校の子どものための家庭教師「キズキ家学」、発達障害やうつ病の方々のための就労移行支援事業所「キズキビジネスカレッジ」も運営。

【新著紹介】

『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法』
(2022年9月、KADOKAWA)
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KADOKAWA公式

【略歴】

2011年 キズキ共育塾開塾(2023年7月現在10校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年7月現在4校)

【メディア出演(一部)】

2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)

共同監修 / 不登校新聞社代表理事 石井志昂

いしい・しこう。
1982年、東京都町田市出身。NPO法人全国不登校新聞社代表。
中学校受験を機に学校生活が合わなくなり、教員や校則、いじめなどを理由に中学2年生から不登校。同年、フリースクール「東京シューレ」へ入会。19歳からNPO法人全国不登校新聞社が発行する『不登校新聞』のスタッフとなり、2006年から2022年まで編集長。これまで、不登校の子どもや若者、識者など400人以上に取材してきた。

【著書など(不登校新聞社名義も含む)】

「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること(ポプラ社)』『フリースクールを考えたら最初に読む本(主婦の友社)』『学校に行きたくない君へ(ポプラ社)』『続 学校に行きたくない君へ(ポプラ社)』

【寄稿など(一部)】

AERAdot」「プレジデントオンライン」「東洋経済オンライン」「FRaU」など多数

サイト運営 / キズキ

「もう一度学び直したい方」の勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする学習塾。多様な生徒さんに対応(不登校・中退・引きこもりの当事者・経験者、通信制高校生・定時制高校生、勉強にブランクがある方、社会人、主婦・主夫、発達特性がある方など)。授業内容は、小学生レベルから難関大学受験レベルまで、希望や学力などに応じて柔軟に設定可能。トップページはこちら。2024年10月現在、全国に11校とオンライン校(全国対応)がある。

共同監修・不登校新聞社 代表理事 石井志昂氏からの
アドバイス

お子さんに向いた高校はきっと見つかります

不登校の中学生の進路には、意外と多様な選択肢があります。不安はあるでしょうが、進路については、子どもの意思やペースを尊重してもらえればと思います。そうすることで、「結果としてうまくいった」というケースをたくさん見てきました。逆に言うと、「子どもの中学卒業後のことは、親の自分がすぐに動いて前倒しで決めなくては」と考えることはオススメしません。

不登校の中学生の進路〜高校も含めてたくさんあります〜

不登校の中学生の進路選び〜高校も含めてたくさんあります〜

「子どもが不登校だけど、高校には進学してほしい」とお思いの親御さんは、多くいらっしゃいます。

また、「そもそも高校受験はできるのか」と不安に感じる方もいるかと思います。

結論から申し上げると、中学不登校でも高校受験・進学は可能です

現実的に、内申点、出席日数、学力などによって「進学が難しい高校」があることは事実です。

しかし、これから対策を行うこともできますし、内申点などが低い状態で進学できる高校もあります。

そして、実際に高校受験・進学を目指すときには、担任の先生はもちろん、進学塾や予備校などにも相談し、専門的なサポートを受けることもできます。

私たちキズキ共育塾のように、不登校の(傾向がある)お子さんの指導実績が豊富な塾もあります。

そうした、不登校のお子さんの指導に詳しい人たちのサポートを得ることで、お子さんも親御さんも、希望により近い進路に進むことができます

また、次章でご紹介するように、高校以外にも進路の選択肢はあります。

まずはご安心していただいた上で、次章以下をご覧ください。

不登校の中学生、卒業後の5つの進路

この章では、不登校の中学生の卒業後の主な進路を、具体的に5つ見ていきます。

お子さんの進路の候補が見つかれば幸いです。

進路①高校

進路①高校

1つ目の進路は、高校です。

現代日本では、中学卒業後からの進路としては最もメジャーなものでしょう。

不登校の中学生が進学できる高校は、たくさんあります

簡単に言いますと、私立高校、通信制高校、定時制高校、チャレンジースクール(などの、不登校の子どもに配慮がある高校)です。

なお、お子さんについて、「中学校で不登校だったから、そもそも学校自体に抵抗感があるかもしれない」と不安かもしれません。

そういうお子さんがいることは否定しませんが、中学までと高校からは異なるのもまた事実です。

自分に合う高校に進学したことをきっかけに気分を一新して、充実した学校生活を送れるケースも少なくありません

その上で、不登校だったことに配慮が必要なお子さんもいるでしょうし、不登校かどうかに関係なく、学校・学生の雰囲気、授業のスピード、指導方針などによる向き不向きもあります。

高校を進路に選ぶ際には、「内申点や学力など、不登校だったことに関係する条件」とともに、そうした「一般的な学校選びの観点」も忘れないようにしましょう

高校の見学会やオープンキャンパスなど利用して、実際に見学に行って雰囲気を見たり質問したりすることをオススメします。

なお、「中学不登校からの高校進学」についての詳細(どんな高校があるか、高校選びのポイント、不登校から高校に進学した事例など)は、コラム「不登校でも高校進学できます!受け入れOKな高校・受験方法・対策を紹介」でご紹介していますので、そちらをご覧ください。

進路②高等専修学校

2つ目の進路は、高等専修学校です。

高等専修学校をわかりやすく説明すると、「世間でイメージされる専門学校と同じような分野で、専門学校よりも基礎的なことを学ぶ学校」と言えます(以下参考:文部科学省「未来をひらく高等専修学校」)

少し聞き慣れないかもしれませんが、平成30年度には日本全国に約400校があり、約3万6000人が学んでいます。

高等専修学校では、次の専門分野に関する、職業や実生活において必要とされる知識・技能を学べます(学べる分野やカリキュラムなどは学校ごとに異なります)。

  • 工業
  • 農業
  • 医療
  • 衛生
  • 教育・社会福祉
  • 商業実務
  • 服飾・家政
  • 文化・教養

特定の高等専修学校では、修業年数が3年以上などの条件を満たすと大学受験資格が得られますので、その後の進路選択にも幅があります(全ての高等専修学校で大学受験資格が得られるわけではありません)。

実際、卒業生のうち、52.9%は就職しますが、残りの47.1%の中には、大学などに進学する人も多くいます。

不登校に関連したオススメポイントとしては、高等専修学校の生徒の約2割が不登校の経験者であることが挙げられます

「自分と似たような経験をした人たち」と知り合える場でもありますし、多くの高等専修学校で、カウンセラー資格・経験を持つ教員が生徒の生活・学習をサポートしたり、一人ひとりに合わせた時間割を組んだりと、柔軟な対応を心がけています。

「大学進学も視野に入れつつ、技能も学びたい」というお子さんには、高等専修学校を進路の候補に入れるのもよいでしょう。

こちらも、事前の相談や見学を行うことをオススメします。

進路③高等専門学校(高専)

進路③高等専門学校(高専)

3つ目の進路は、高等専門学校(いわゆる「高専」)です。

高等専門学校(高専)とは、技術者になるために、いわゆる五教科などの一般科目と、工学・技術・商船などの専門科目の両方を学べる学校のことです

高専の特徴には、専門技能の習得だけでなく、社会人としてのマナーも身につけることができるので、即戦力として働く力を養えることもあります。

ただし、高専では、「普通科の高校」よりも濃い内容を学びます。

向いている人にはすごく向いている学校ですが、全員に向いているとは言えません。

高専への進学を考えている場合は、学校見学や資料請求などを行い、詳しい人にも相談して、お子さんに向いているかをよく検討しましょう

進路④高等学校卒業程度認定試験

高等学校卒業認定試験を受けるという進路もあります。

高等学校卒業程度認定試験(高卒認定、高認)とは、様々な理由で高校を卒業しなかった方たち、高校に進学しなかった方たちの学力を測るためのテストです。

文部科学省が実施しており、試験に合格すると、高校卒業者と同等以上の学力があると認定され、高校を卒業しなくても、大学、短大、専門学校の受験が可能になります(一部、公務員試験等の受験も可能になります)。

高卒認定は、以下のような方にオススメです。


■大学、短大、専門学校への進学意思が明確な方

高卒認定試験は、志望者が16歳になる年度から受験できます。

「大学や短大、専門学校に進学することを決めているから」と意思が固まっている方にとって、高認認定は最短の道のりになることがあります

高卒認定資格の取得後には、受験勉強に特化して準備を進めることができるからです。

ただし大学などの受験は、18歳になる年度まで待つ必要があります。


■中学校でしっかり勉強していた、中学レベルの勉強内容に自信がある方

高卒認定試験の内容は基礎的なもので、合格点は100点中40点程度であり、回答は選択式です。

中学校でしっかり勉強をしていた方、自分で勉強する習慣のある方であれば、比較的容易に合格できます

実際に、私たちキズキ共育塾の生徒さんの中にも、不登校から高卒認定を経て大学進学を実現した方は大勢います。

高卒認定資格の取得を目指す場合は、科目の選択なども含めて、効率的な学習をするための計画性が必要です。

そのため、高卒認定試験の勉強をサポートする塾などを頼りながら、取得を目指されることをオススメします。


ただし、「最初から高校(などの学校)に通わずに、高卒認定に絞る」という進路は、あまりオススメできません

高校などに通いながらでも、高卒認定の受験はできます。

一方で、最初から高卒認定に絞ると、「やっぱり高校に行きたいな」と思ったときに、再び受験シーズンを待つ必要があったり、進学できる高校の選択肢が少なくなったりするからです(進学できる学校自体はあります)。

「高卒認定という手段もある」ということは頭に置きつつ、まずは高校などの学校を探すことをオススメします。

高卒認定の詳細は、コラム「【すぐ読める】高卒認定試験とは?意外と簡単!取得のメリット・合格のポイントをご紹介」をご覧ください。

進路⑤就職

「就職する」という選択肢もあります(アルバイトやフリーターも含む)。

ご家庭の経済状況や本人の希望によっては、進学せずに就職した方がよいと考える方もいるでしょう。

ただし、中卒での就職は、高卒・大卒・専門学校卒などと比較して、「職種、正規雇用枠、給料などの選択肢が少ない」傾向にあるため、積極的にはオススメはできません

厚生労働省の統計によると、15~34歳までの若年労働者における正社員の割合は、中卒で「35.4%」なのに対し、高卒では「56.3%」、大卒で「80.9%」と、最終学歴によって大きな差があります(参考:厚生労働省「平成30年若年者雇用実態調査の概況」)

もちろん、非正規雇用(アルバイト・パートなど)が「悪い」というわけではありません。

非正規雇用には、正規雇用に比べて、「雇われやすく、辞めやすい」「興味のある仕事を掛け持ちしやすい」「シフトによって労働時間を調整しやすい」といったメリットがあります。

その一方で、「給料、福利厚生、キャリア」の点から言えば、一般的には非正規雇用よりも、正規雇用の方が条件がよいと考えられます。

したがって、正規と非正規のどちらがよいかは一概には言えないものの、「将来の(就職先の)選択肢を増やす」「より好条件での就職を目指す」という意味では、前述した学校への進学や高卒認定の取得をオススメします

また、お子さんであれ親御さんであれ、「家計が心配で進学できない」と思っているようでしたら、助成金や奨学金がないか、市区町村や中学校などに聞いて確認することも合わせてオススメします。

進路選びのために親御さんができる6つのこと

最後に、この章では、お子さんの進路選びのために親御さんができるサポートについて解説します。

親御さんの適切なサポートがあることで、お子さんも進路選びに前向きになっていきます。

とはいえ、後述するように、「親子だけ、家庭だけ」で抱え込まないようにすることも大切です。

①お子さんの意思を尊重する

①お子さんの意思を尊重する

お子さんの意思を尊重することは、とても大切です。

お子さんが不登校かどうかに関わらず、親御さんとお子さんの希望進路が異なるのはよくあることです。

親御さんがお子さんのためを思った進路を提案したくなる気持ちはわかりますが、それがお子さんの希望と一致するとは限りません。

お子さんが「自分に合わない進路を押し付けられている」と思うと、親子関係が不必要に悪くなるかもしれませんし、進路に向かった努力にも身が入らなくなることもあるでしょう

親御さん自身が、「自分の希望を押しつけていないか」「子どもの意思を尊重できているか」を折に触れて確認することが大切です。

とはいえ、「進路については、お子さんの言うことを全て受け入れよう」という意味でもありません

現実的には「滑り止め」や代案・腹案も考えた方がよいこともありますし、お子さんが言う「希望の進路」は本気ではないかもしれないからです。

そして、どの進路がよりお子さんに向いているかは、親子だけで考えてもなかなか答えは出ないものです。

ぜひ、次項以下の「不登校の中学生の進路」に詳しい人に相談しながら進めていただければと思います

②担任の先生やスクールカウンセラーに相談する

2つ目は、担任の先生やスクールカウンセラーなど、学校への相談です。

担任の先生に相談すると、お子さんの学校での成績やこれまでの様子を確認できることで、進路選びに役立ちます

また、これまでの教員経験からお子さんに向いた進路を教えてもらえることもあります。

学校によっては、スクールカウンセラーが配置されていることもあります。

スクールカウンセラーは心のケアに従事する専門家ですので、例えば受験前のメンタルケアなどに関して、有益なアドバイスを得られる可能性が高いです(親御さんだけでの相談も行っています)。

これまでの経緯で担任の先生や学校に不信感がある場合も、必要に応じて事務的な情報は確認するようにしましょう。

③詳しい人や支援機関からアドバイスをもらう

③詳しい人や支援機関からアドバイスをもらう

3つ目は、不登校からの進路に詳しい人や支援機関からアドバイスをもらう、です。

公民を問わず、不登校のお子さんと、その親御さんを対象に、支援を行っている専門機関は多数あります

具体例を挙げると、市区町村の相談窓口には、次のような支援センターが設けられています。

  • 児童相談所、児童相談センター
  • ひきこもり地域支援センター
  • 発達障害支援センター(発達障害と思われる症状との関係が疑われるときのみ)

適切な相談窓口が分からないという方は、お住まいの市区町村の総合窓口か、教育関連の窓口に問い合わせてみてください。

また、私たちキズキ共育塾のように、不登校のお子さんの指導実績がある塾に相談するのも、有効な方策の一つです

特に、進学を前提に検討されている場合には、受験に向けた勉強だけでなく、計画の立て方、メンタル面のサポートなど、幅広く相談に乗ることができます。

ぜひ、こうした不登校のお子さんの進路選びに詳しい人や、支援機関を頼ってみてください。

④子どもと話す機会を増やす

4つ目は、「子どもと話す機会を増やす」です。

当然かもしれませんが、子どもと話す機会が増えれば、子どもの考えがだんだんわかるようになりますし、子どもからも相談などを持ちかけやすくなります

なお、学校に行けない子どもの多くは、「学校に行けない自分が『悪い』」「学校に行けなくて親に申しわけない」などといった罪悪感を持っています。

そうした罪悪感は自己肯定感の低下につながり、新しい進路に進む意欲などを減退させることがあります。

ですので、親御さんには「学校に行けないこと・行かないこと」についてのお説教などは控えていただき、ありのままのお子さんを受け入れていただければと思います。

そうすることで、お子さんは家庭の中で安心することができ、家庭を足掛かりに「次の進路」に進む元気が出てきます

なお、親御さんの中には、仕事が忙しいなどの理由から、不登校のお子さんと話す機会が持てていないという方もいるのではないでしょうか。

「どういうふうにコミュニケーションを取ればよいかわからない」という方もいるでしょう。

そういう方は、無理に話を振るのではなく、できるだけ食事を一緒に取ったり、リビングで一緒に過ごしたりと、子どもと話せる機会・場をつくるようにしましょう。

お子さんのペースを守りつつ、「話したいときにはいつでも話せる状況」をつくっておくことで、お子さんが「進路のことを話してみよう」と思えるときが来ます

ぜひ、不登校のお子さんと話す機会を増やせないか、考えてみてください。

また、「お子さんとどのように接するか」についても、前述の支援機関などに相談することで、よりあなたとお子さんに適した方法が見つかると思います。

⑤親の会で情報収集する

⑤親の会で情報収集する

親の会を通じて情報収集をすることもできます。

親の会とは、不登校の悩みを持つ親御さんが悩みを共有したり、有益な情報を交換したりできる場です。

中には、ちょうど進路選択に悩んでいるという親御さんや、最近になって進路が決まって安心しているという親御さんもいるはずです。

あなたの悩みや不安に共感してもらえるだけでなく、場合によっては志望校の対応や評判を知ることができるなど、様々なメリットが期待できます

全国の親の会の情報をまとめたウェブサイトもあるので、インターネット検索などでお近くの親の会を探してみて、気になるところに参加してみてはいかがでしょうか。

⑥親は親で、自分の生活を楽しむ

前項までのとおりお子さんのためのサポートは行いつつ、親は親でご自身の生活を楽しみましょう。

お子さんの進路について不安をお持ちなのはわかりますが、仕事に取り組んだり、趣味の時間を持ったり、一人の時間・夫婦の時間・友人との時間などを持ったりしましょう

親御さん自身が楽しく過ごすことは、次の三つの理由で、お子さんのサポートになるのです。

1つには、先ほどもお伝えしたとおり、不登校のお子さんは親に対して申しわけない気持ちを持っていることがよくあるからです。

親が生活を楽しんでいる姿は、罪悪感を薄れさせ、気持ちが明るくなって次の進路を考えやすくなります

2つには、親子がつきっきりになることを防げるからです。

親子の会話は重要ですが、親子だけでずっと顔を合わせることによって不安が増幅したり、お互いにイヤになったりすることを防げます

3つ目は、大人のロールモデルを示せるからです。

楽しそうに過ごす親の姿によって、子どもは、「今は不登校で(学校に馴染めなくて)ちょっと大変だけど、将来はこんなふうに楽しく過ごしたいな」と思えるようになるのです

ぜひ、親は親で生活を楽しむようにしてください。

参考:学校休んだほうがいいよチェックリストのご紹介

2023年8月23日、不登校支援を行う3つの団体(キズキ不登校新聞Branch)と、精神科医の松本俊彦氏が、共同で「学校休んだほうがいいよチェックリスト」を作成・公開しました。LINEにて無料で利用可能です。

このリストを利用する対象は、「学校に行きたがらない子ども、学校が苦手な子ども、不登校子ども、その他気になる様子がある子どもがいる、保護者または教員(子ども本人以外の人)」です。

このリストを利用することで、お子さんが学校を休んだほうがよいのか(休ませるべきなのか)どうかの目安がわかります。その結果、お子さんを追い詰めず、うつ病や自殺のリスクを減らすこともできます。

公開から約1か月の時点で、約5万人からご利用いただいています。お子さんのためにも、保護者さまや教員のためにも、ぜひこのリストを活用していただければと思います。

私たちキズキでは、上記チェックリスト以外にも、「学校に行きたがらないお子さん」「学校が苦手なお子さん」「不登校のお子さん」について、勉強・進路・生活・親子関係・発達特性などの無料相談を行っています。チェックリストと合わせて、無料相談もぜひお気軽にご利用ください。

まとめ

⑤親の会で情報収集する

不登校の中学生のお子さんの具体的な進路や、親御さんにできるサポートなどをご紹介しました。

繰り返すとおり、進路選択に限らず、不登校のお子さんへの対応を考える上で大切なのは、悩みを親子間だけで解決しようとしない、ということです。

担任の先生、支援機関、塾の講師などに、進路の相談をしてみましょう。

あなたの知らなかった情報が得られるだけでなく、話すことで、あなた自身の不安やストレスも軽減されるはずです。

ぜひ、様々な人を積極的に頼ってみてください。

このコラムが、お子さんの進路選びに役立ったなら幸いです。

さて、私たちキズキ共育塾は、お悩みを抱える方々のための個別指導塾です。

生徒さんには、中学不登校からの高校入学・高認受験・大学受験などを目指す方や、実際に合格した方が大勢いらっしゃいます

無料相談も承っておりますので、ご相談いただければ、「あなた」のための具体的なお話ができると思います。

キズキ共育塾の概要をご覧の上、少しでも気になるようでしたらお気軽にご相談ください(親御さんだけでのご相談も承っています)。

/Q&Aよくある質問

中学生の子どもが不登校で、進路が心配です。

進路はたくさんありますので、安心してください。進学できる高校はたくさんありますし、高等専修学校や高等専門学校(高専)もあります。他の選択肢も含めて、詳細はこちらをご覧ください。

中学を不登校の子どもの進路選びについて、親ができることはありますか?

一般論として、次の6つがあります。(1)お子さんの意思を尊重する、(2)担任の先生やスクールカウンセラーに相談する、(3)詳しい人や支援機関からアドバイスをもらう、(4)子どもと話す機会を増やす(5)親の会で情報収集する、(6)親は親で、自分の生活を楽しむ。詳細はこちらをご覧ください。
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