中1ギャップの原因とは!?親御さんができる対策・解消法も解説!

中1ギャップの原因とは!?親御さんができる予防法と対応策を解説!

こんにちは。一人ひとりに寄り添う完全個別指導塾・キズキ共育塾の濱野です。

小学校までは楽しく通学していた子どもが、中学校に入学すると、学校に馴染めなかったり、いじめにあったり、不登校になったりすることがあります。

なぜそのような状況になることがあるのでしょうか。。

これには、小学校までと中学校1年生のさまざまな差、いわゆる「中1ギャップ」が関係する可能性があります。

この記事では、中1ギャップの概要、中1ギャップになりそうなお子さんの兆候・サイン、家庭でできる予防法・対応策、相談できる機関などをご紹介します

この記事を読むことで、お子さんのお悩みを減らしていけるとともに、親であるあなたのお悩みも減らしていけると思います。

中学校生活には、親が思っている以上に子どもがストレスを抱える場面が多く、すべての子がそのストレスや環境の変化にすぐに適応できるわけではありません。

中1ギャップを乗り越え、お子さんが一歩前に進むことができるよう一緒に考えていきたいと思います

共同監修・不登校新聞社 代表理事 石井志昂氏からの
アドバイス

中1ギャップが始まると、保護者や周囲の方はもちろん、本人自身も驚くものです。「まさか自分が学校へ行きづらくなるとは」と。
しかし、本コラムでも紹介したとおり、本人はさまざまな理由で違和感や生きづらさを感じています。
こんなときに必要なのは、中1ギャップが起きる原因探しではありません。悩んでいる本人を支えてあげることが大切です。
中1ギャップは、本人にとっては苦しいことなので、「よいこと」とは言えません。
ただ、中1ギャップに限らず、「人は誰しも、成長する中で苦痛を感じることがある(=そうした苦痛を覚えることは、悪い意味で特別なものではない)」と考えると、気が楽になるかもしれません。

中1ギャップの意味・定義・概要

中1ギャップの意味・定義・概要

ちなみに、「中1ギャップ」という言葉には明確な定義がありません。

その上で、文部科学省の資料には「中1ギャップ」について、以下のように記載されています。

児童が、小学校から中学校への進学において、新しい環境での学習や生活へ移行する段階で、不登校等が増加したりするいわゆる中1ギャップが指摘されている。(引用元:文部科学省※PDF『小中連携、一貫教育に関する主な意見等の整理』)

中学校では、多くのことが小学校と異なり、子どもは今まで経験したことのない変化に直面します(例:学習面、人間関係、生活環境、部活関係、中学卒業後の進路についてなど)。

その急な変化により新しい環境に馴染むことができず、不登校やいじめにあうなど、さまざまな困難に直面することを表現する言葉として、「中1ギャップ」が使われるようになりました

上記、文部科学省の記載も必ずしも実態にあっているとは限らないという旨は、あらかじめご留意ください。

中1ギャップの原因

中学校に入学すると、具体的にどのような変化があるのでしょうか?

ここからは、小学校と中学校の違いを踏まえ、中1ギャップの原因になりえる変化を見ていきたいと思います。

なお、文部科学省の調査によると、いわゆる「中1ギャップ」の要因の一部として、下記のような記載が見られます。

「授業の理解度」「学校の楽しさ」「教科や活動の時間の好き嫌い」について、中学生になると肯定的回答をする生徒の割合が下がる傾向にあることや、「学習上の悩み」として「上手な勉強の仕方がわからない」と回答する児童生徒数や、暴力行為の加害児童生徒数、いじめの認知件数、不登校児童生徒数が中学校1年生になったときに大幅に増える(引用元:文部科学省『小中連携、一貫教育に関する主な意見等の整理』)

今回はその調査の内容も踏まえつつ、中1ギャップが起こる原因を、学校生活、人間関係、学習の3つの観点からそれぞれご説明します。

原因①学校生活の2つの変化

原因①学校生活の2つの変化

一つ目は、「学校生活の変化」です。

中学校では、小学校とは生活スタイルや環境が変わっていきます。

そのことに伴い、子どもたちにはさまざまな負担が生じることもあります。

以下、生じる変化を解説します。

  • (1)校則が厳しくなる

急な変化として、まず挙げられるのが「校則が厳しくなる」です。

学校によって程度は異なりますが、中学校に入学した途端、急に校則に縛られるので、その差に違和感を抱く子がいるのです

例えば、多くの中学校では、「制服を着て登校すること」を校則として定めていると思います。

制服に憧れを持つ子もいます。しかし、「小学校では自分の好きな服を着ることができたのに」と反発心を持つ子もいるでしょう

学校によっては、靴下の色、身だしなみ、髪型や髪の長さ、スカートの長さなども校則で決められていることがあります。

また、厳しい指導がありや抜き打ちの身だしなみ検査や持ち物検査もあります。

こういった校則による急な変化が、中1ギャップをもたらす原因のひとつと考えられています。

  • (2)自由な時間が少なくなる

学校生活の変化は、校則だけではありません。

生活リズムが激変し、自由な時間が減ることで、精神的にも体力的にも厳しい状況が増えていきます(参考:青森県三戸郡三戸町※PDF『不登校の予防に向けた取組』)

例えば、中学校では、部活動が始まります。

小学校でもクラブ活動はあります。ですが、中学校の部活動は、活動日や活動時間が大幅に増え、小学校よりも本格的な活動になります

朝練や放課後の練習が毎日あったり、土日に試合や遠征があったりと、部活に割く時間が増えることで、休む時間が減ることもあります。

小学生の頃は、帰宅後に友達と遊んだり、土日は家族で出かけたりなど、比較的自由な時間があるかと思います。

中学校に入ると自由な時間が減るため、体力的にも精神的にもストレスを抱えることがあるのです

疲れやストレスが溜まると、無気力になり、イライラしやすくなってきます。

その結果、部活動や授業でやる気を失ったり、ささいなことがきっかけで人間関係を疎かにしたりと、学校生活に影響が出ることもあります

このような状況が、中1ギャップを感じる原因になるのです。

原因②人間関係の5つの変化

二つ目は、「人間関係の変化」が挙げられます。ここでは、5つを紹介します。

  • (1)小学校までと違う人たちとの交流が始まる

違う小学校出身の人たちとの交流も、中1ギャップの原因になります。

一般的に、中学校には複数の小学校から学生が進学します。

小学校では小さいころから知り合いだった人たちと過ごしています。ですが、中学校では、ある程度成長した知らない人たちといきなり毎日を過ごすようになるのです。

単純に「知らない人たちとの交流」に疲れることもあれば、「文化やルールの違い」に戸惑うこともあるでしょう

特に私立の中学校に進学する場合はなおさらです。

  • (2)部活動などで上下関係が発生する

部活動による、先輩・後輩という初めて経験する上下関係も中1ギャップに関係します。

小学校では上級生ともみんな「友達」だったのに、中学に入学した途端に「先輩」として接しなければいけません。

優しいお兄さん・お姉さんが、「自分を指導する先輩」へと変わるので、小学校のときと同じように接することは難しくなります

その変化に戸惑いを感じて、悩む子も多いのです。

  • (3)クラスのグループ形成などで複雑になる場合がある

中学生になると、小学生の時には気にしていなかった「クラス内での自分のポジションやグループ」について考え始める子もいて、それが中1ギャップにつながることもあります

小学生のころとは同じようにいかない人間関係に疲れを感じるのです。

また、小学生のときに仲のよかった友達とクラスわけで離れ離れになった場合、寂しさもあいまって悩みがより深くなる場合もあります

「周囲に合わせることが苦手」「内気な性格で強く出られない」といった子どもは、いじめに巻き込まれるといったケースもあります。

いじめの原因については、コラム「どうしていじめは起こるの?いじめの原因と対策・予防、対応まとめ」に詳細をまとめています。ぜひ併せてお読みください。

  • (4)(友人との)過ごし方・遊び方が変わる

(友人との)過ごし方・遊び方が変わることも、小学校との違いです。

小学生までは、「公園で泥んこになって遊ぶ」「おもちゃを使って遊ぶ」「人形遊びをする」など、比較的子どもっぽい過ごし方・遊び方を好む子が多いかと思います

友人も一緒になって遊んだり、周りの大人もそれを「許容」しています。

小学校の中ではそうした遊びはできないかも知れません。ですが、昼休みなどは、やはり比較的子どもっぽく過ごしていることが多いでしょう。

中学校になったらそういう遊びをしてはいけない…というわけではもちろんありません。

しかし、「自分はまだそういう遊び方をしたいのに、周りは違うことに興味を持ち出した」「大人から、もう中学生なんだからやめなさいと言われた」などの状況になると、それまでとのギャップを感じたり、友達と距離ができたりして、悩みを覚えるのです

  • (5)教科ごとに先生が異なる

先生との関わり方の違いも、中1ギャップに影響します。(以下参考:文部科学省『小・中学校間の連携・接続に関する現状、課題認識』)

小学校では、基本的にはクラス担任の先生が全ての教科を教えて、朝の会から帰りの会まで一日中一緒に過ごします。

小学校の担任の先生は、生徒と接する時間が長いので、児童をよく観察することができます。

家庭との連絡のやり取りも多く、細やかなフォローができるので、安心して学校で過ごせた子も多かったでしょう。

一方、中学校からは教科担任制に変わり、教科によって教える先生が変わります。

授業ごとに先生が変わるため、小学校のときよりも一人の先生と過ごす時間は短くなります。

もちろん、中学校でもクラス担任はいます。ですが、先生と接する時間が少なくなることで、先生との信頼関係をつくることが難しくなり、どの先生を頼ってよいのかわからなくなるのです

また、一般論としては、小学校よりも中学校の方が「(生徒のために)厳しい先生」や「(生徒を信頼して)放任気味な先生」が多いと言えるでしょう。

その結果、「自分の悩みを誰に相談したらよいかわからない」「学校が安心できる場所ではない」と感じる子もいます

原因③学習面での負担が増える2つの変化

原因③学習面での負担が増える2つの変化

最後に、「学習面での負担が増える」ことが挙げられます。

学習面の悩みは、「勉強が難しくなる」ことと、「プレッシャーが増えること」に分けられるので、それぞれ詳しくご説明します。

  • (1)勉強が難しくなる

勉強が難しくなることが小学校とのギャップであることは、おわかりいただけると思います。

中学校での勉強は、算数が数学に変わり、英語が主要科目になるなど、小学校のときに比べ格段に学ぶ内容の難易度が上がります

学習量も増えます。また、一回の授業で学ぶ量も多く、授業のスピードも速くなります。

そのため、授業についていけず、勉強ができる子との学力の差が大きくなることで、勉強することそのものをストレスに感じる子がいるのです

特に、英語を学習する上では、注意が必要です。

小学校での英語は、英語を使った遊びや歌、かんたんな英会話が中心です。

しかし、中学に入ると文法やリーディング、リスニングというように、学習の仕方が大きく変わります。

みんなで楽しく取り組んでいた英語が急に難しくなり、英語嫌いになる子も多いのです。

民間の企業が行ったアンケートによると、調査を実施した中学生の約40%が「英語を嫌い」と回答しており、その一番の理由は「英語の授業が理解できずについていけない」だったという調査結果も出ています。(参考:株式会社セガトイズ※PDF『母親 600 名に聞く!中学生の英語教育に関する実態調査』)

加えて、各教科での宿題が増えることもあります。

家では、宿題だけでなく、予習・復習が必要になります。学校以外でもやらなければいけない勉強の多さに戸惑うこともあります

  • (2)プレッシャーが増える

勉強によるプレッシャーが増えることも、中学進学に伴うギャップでしょう。

プレッシャーは、勉強が苦手な子も得意な子も感じえます

勉強が苦手な子は、「授業で当てられたらどうしよう」「自分はこれからどうしたらいいだろう」「もう自分はダメなのではないか」などのプレッシャーを感じます。

一方、得意な子は、「この成績をキープできるだろうか」「いつまで勉強を続けなければいけないんだろう」などのプレッシャーを感じるのです。

苦手か得意かにかかわらず、勉強しても成績が上がらない場合も同様です。

学校によっては中間・期末試験の結果を「一学年のうち、あなたの成績は〇番目です」と示すこともあり、さらなるプレッシャーにつながるのです

中1ギャップの2つのサイン

子どもが中1ギャップを感じているときには、何かしらのサイン・兆候が見られます。

ここではよく見られる兆候をご紹介します。

全てに共通して、対応は、後述するような相談機関を利用することでうまく進めていけます。

サイン①体の変化

サイン①体の変化

はじめに、「体の変化」について、2つご紹介します。

  • (1)元気がなくなった

一つ目は、「元気がなくなった」です。

中学校に入学すると、勉強や部活で忙しく、休む時間が少なくなります。

部活の朝練で早起きしたり、塾通いで就寝が遅くなったりすることもあるでしょう。

そうした生活リズムの変化による睡眠・休息時間の不足で、疲れている状況が長く続くとことがあります

「最近子どもに元気がないな…」と感じたら、この疲れが影響をしている可能性もあります。

  • (2)朝学校に行く時間になると体調が悪くなる

二つ目は、「朝学校にいく時間になると体調が悪くなる」です。

家を出る時間が近づくと頭痛や腹痛を訴えたり、そのまま学校を休みがちになったりします

体調不良については、必ず病院に行き、お医者さんの診断のもと、適切な対処をするようにしましょう。

症状自体は軽いこともあります。

例えば、朝学校に行く時間になると体調が悪くなるけれど、お昼頃になると回復する、といったケースです。

元気になってテレビを見たり、ゲームをしたりする姿を見ると、「仮病では?」と疑いたくなるかもしれません。

ですが、「学校に行かなければ」という思いと「学校に行きたくない」という気持ちがせめぎ合い、そうした「症状」に表れているのです

お子さんが学校を休みがちなことにお悩みの人は、コラム『学校を休みがちな我が子…。親御さんが取るべき行動は「見守ること」』に詳細をまとめています。ぜひあわせてお読みください。

サイン②心の変化

次に、「心の変化」について、3つご紹介します。

  • (1)イライラするようになる

一つ目は、「イライラするようになる」です。

「中1での変化」によって、疲労が溜まっていたり、疲れやすくなっていたりすると、イライラしやすくなる傾向にあります

学習面では、「授業内容が理解できない」「定期テストでよい点数を取ることができない」など、思うようにいかないことが多くなり、イライラすることも増えていくでしょう。

中学校は勉強が急に難しくなるので、小学校では成績がよかった子でも、授業についていくのが大変になることがあります。

部活での悩み、クラスでの人間関係の悩みなどでイライラすることもあるでしょう。

  • (2)部屋に閉じこもりがちになり、親と話さなくなる

二つ目は、「部屋に閉じこもりがちになり、親と話さなくなる」です。

「帰宅後すぐに自分の部屋に閉じこもるようになる」、「学校のことを話したがらなくなる」などの行動が見えるようになったら、少し注意してみる必要があるかもしれません

「思春期だからかもしれない」と思う場合もあります。しかし、入学から1〜2か月程度でこのような変化が起きる場合は、中1ギャップの可能性も挙げられます。

また、こういった時は無理やり部屋から出させたり学校についてしつこく聞いたりすると、かえって子どものストレスを増やしてしまうので、控えることをオススメします

  • (3)自分に自信がない発言をするようになる

三つ目は、「自分に自信がない発言をするようになる」です。

「自分は何をやってもだめだから……」、「私じゃできない……」といった自分に自信がない発言が多くなってきたら、中1ギャップを感じている可能性があります

小学校ではさまざまなことを要領よく行なってきた子でも、中学に入り自分よりもすごいと思える友達・先輩に囲まれると、次第に自信をなくしていくことがあります。

特に勉強や部活動に関する話題で上記のような発言が増えたら、注意してみておく必要があります

入学前からできる中1ギャップの対策

ここからは、まだ小学生だったり、中1ギャップを感じていなかったりするお子さんについて、家庭でもできる具体的な対策をご紹介します。

実際に中1ギャップと思えるような状態の解消法については、次章「中1ギャップの解消法」でお伝えします。

「ご家庭でできる」ものではありますが、後述するような「子どもの心理・悩み・勉強」などに詳しい人たちに相談しながら行うと、より効率的です

対策①家庭学習の習慣をつけておく

対策①家庭学習の習慣をつけておく

一つ目は、「家庭学習の習慣をつけておく」です。

特に勉強面での中1ギャップを回避するためには、学習面でのサポートが必要です。

中学校は、小学校よりも学習の難易度が高くなることや、授業のペースが速くなることを、前もってお子さんに伝えておきましょう

その上で、お子さんと、無理のない範囲で少しずつ学習習慣を身につけていきましょう。

学習習慣が早い段階でつけば、予習・復習が自主的にできるようになり、授業についていけないといったケースも未然に防げる可能性があります。

ここでは、全てをお子さんに任せるのではなく、お子さんと親御さんが一緒に慣れていくことが大切です

お子さんがわからないところがあった場合は、「一緒にやってみよう」とアドバイスをしたりすることで、お子さんは安心感を持つことができます。

勉強に行き詰ったとき、親や先生など頼れる人がいれば心強いものです。

勉強のサポートする際は、理解できないことに対して叱らず、わからないところがあれば、ひとつずつゆっくりと確認し、お子さんに寄り添ってアドバイスをしましょう

ただし、親御さんは「そのお子さんに向いた、勉強内容や勉強方法」を教えられるとは限りません。お金が必要にはなりますが、塾や予備校に通うこともオススメです。

対策②あらかじめ、中学校生活に関する情報を子どもに共有する

二つ目は、「あらかじめ、中学校生活に関する情報を子どもに共有する」です。

中学校へ入学する際、いわゆる「中1ギャップ」に対する心の準備がないと、困難に直面したときに戸惑いを感じるかもしれません。

特に、先生や先輩に対する礼儀は、小学校では経験できないのです(その礼儀が本当に必要なものなのかは、いったん置いておきます)。

そこで、お子さんが中学校へ入学する前の早い段階で、小学校と中学校の違いをきちんとお子さんに情報共有するようにしましょう

地域や学校によっても文化や礼儀は異なります。親同士のつながりや学校の先生を通じて話を聞くことで、より具体的なことがわかると思います。

聞いた話をお子さんに伝える際は、親御さん自身の中学生時代のことも交えてお話しするのがオススメです

なぜなら、親御さんの経験談があることで、お子さんは身近な話題だと感じとってくれるからです。

先輩や先生へのあいさつの仕方など、ご自身の経験を話してみましょう。より身近な話題として興味を持ってくれるはずです。

対策③子どもが家庭でリラックスできる環境をつくる

予防法③子どもが家庭でリラックスできる環境をつくる

三つ目は、「子どもが家庭でリラックスできる環境をつくる」です。

部活動、勉強、人間関係などで疲れる子どものために、家庭の環境をゆっくり休めて安心できる場所として整えましょう。

「学校から帰ったとき、ホッとできる」場所があれば、お子さんが中1ギャップを感じたとしても、家では安心して毎日を過ごすことができます

親は味方であることがちゃんと伝わっていれば、中学進学後も学校での悩み事を話してくれるかもしれません。

そうすれば、いち早く解決策を考えることもできます。

中1ギャップの解消法

次に、実際に中1ギャップを覚えているお子さんへの解消法についてご紹介します。

解消法①ありのままを受け入れ、子どものいい部分をほめる

解消法①ありのままを受け入れ、子どものいい部分を褒める

一つ目は、「ありのままを受け入れ、子どものいい部分をほめる」です。

中1ギャップになったお子さんの多くは、自分に自信がなかったり、そんな自分にイライラしていたりすることが多いです

お子さんのありのままを受け入れ、お子さんの良いと思う部分を伝えてほめてください。

一方的にアドバイスをしたり、叱ったりしないようにしましょう。

中学生になると、親御さんとのコミュニケーションが少なくなるかもしれません。

また、思春期や反抗期を迎え、悩みや不安を親に言えない子が増えてきます。

もし、「お子さんが疲れてイライラしているな」と感じたら、親御さんから「どうしたの?最近元気がないね」と声を掛けましょう

「何かあったらいつでも力になるよ」という姿勢を見せることで、お子さんが悩みを相談しやすくなります。

お子さんひとりで悩むことがないよう、親御さんはサポートすることが大切です

お子さんの様子を日頃からよく観察し、変わったことがあればすぐに声を掛けましょう。

解消法②専門家・支援機関に相談する

二つ目は、「専門家、支援機関への相談」です。

中1ギャップにお悩みの際は、専門家・支援機関を積極的に利用しましょう。

家庭内だけで解決しようとせず、不登校の専門家や支援機関に相談することが大切です

これは、すでに紹介してきたサインの見極めや対策の実施などについても同じです。

身近な相談先としては、まず身近でいつもお子さんの状況を見ている担任の先生やスクールカウンセラーが挙げられます。

スクールカウンセラーは、カウンセリングなどを通じて、学校に通う子どもの心をケアする心理学の専門家です。

また、各自治体が運営する児童相談所や教育センターなど、地域ごとにも相談できる支援機関があります。

気になる人はインターネットで検索したり、自治体の窓口に聞いてみたりしてみましょう

ひとりで問題を抱えこまず、専門家のアドバイスを受け、早期解決に努めましょう。私たちキズキ共育塾でも、中1ギャップや不登校に関するご相談を承っています。

また、以下に紹介することは、ただでさえ中1ギャップでストレスを抱えている子どもたちにより負担を与えることになるため、控えるようにしましょう。

  • 子どもと周りを比較する
  • 子どもができていない部分を責める
  • 求められていないうちからアドバイスをする
  • 無理やり学校の話を聞こうとする、行かせようとする

常に子どもの味方であることを伝えられるような行動を心がけていただくと、お子さんのよい変化がみえてくるかもしれません。

参考:学校休んだほうがいいよチェックリストのご紹介

2023年8月23日、不登校支援を行う3つの団体(キズキ不登校新聞Branch)と、精神科医の松本俊彦氏が、共同で「学校休んだほうがいいよチェックリスト」を作成・公開しました。LINEにて無料で利用可能です。

このリストを利用する対象は、「学校に行きたがらない子ども、学校が苦手な子ども、不登校子ども、その他気になる様子がある子どもがいる、保護者または教員(子ども本人以外の人)」です。

このリストを利用することで、お子さんが学校を休んだほうがよいのか(休ませるべきなのか)どうかの目安がわかります。その結果、お子さんを追い詰めず、うつ病や自殺のリスクを減らすこともできます。

公開から約1か月の時点で、約5万人からご利用いただいています。お子さんのためにも、保護者さまや教員のためにも、ぜひこのリストを活用していただければと思います。

私たちキズキでは、上記チェックリスト以外にも、「学校に行きたがらないお子さん」「学校が苦手なお子さん」「不登校のお子さん」について、勉強・進路・生活・親子関係・発達特性などの無料相談を行っています。チェックリストと合わせて、無料相談もぜひお気軽にご利用ください。

まとめ:中1ギャップの兆候を早期に発見して、解決に向けたサポートをしましょう

まとめ:中1ギャップの兆候を早期に発見して、解決に向けたサポートをしましょう

中学生になると、お子さんは小学生時代との「差」と向き合います。

そのギャップが悩みにつながっているようでしたら、できるだけ早く問題を発見することで、お子さんの心は晴れていきます。

これから中学校に進学するのであれば、進学先の情報を集めて準備しておくといいでしょう。

すでに中学校生活を送っている中で、お子さんが不安を抱えているようでしたら、早めに専門家・サポート団体・第三者へ相談することをオススメします

このコラムが、中1ギャップに関連するお悩みの解決につながったなら幸いです。

さて、私たちキズキ共育塾は個別指導塾であり、お悩みのあるお子さんなどの勉強を支援してきた経験が豊富です。

キズキ共育塾は、無料相談も承っております。ご相談いただければ、お子さんの勉強や受験などについて、「あなた」のための具体的なお話ができると思います。

キズキ共育塾の概要をご覧の上、少しでも気になるようでしたらお気軽にご相談ください。親御さんだけでのご相談、お子さんと親御さんご一緒でのご相談も承っております。

監修 / キズキ代表 安田祐輔

やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、不登校・偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。また、不登校の子どものための家庭教師「キズキ家学」、発達障害やうつ病の方々のための就労移行支援事業所「キズキビジネスカレッジ」も運営。

【新著紹介】

『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法』
(2022年9月、KADOKAWA)
Amazon
KADOKAWA公式

【略歴】

2011年 キズキ共育塾開塾(2023年7月現在10校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年7月現在4校)

【メディア出演(一部)】

2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)

共同監修 / 不登校新聞社代表理事 石井志昂

いしい・しこう。
1982年、東京都町田市出身。NPO法人全国不登校新聞社代表。
中学校受験を機に学校生活が合わなくなり、教員や校則、いじめなどを理由に中学2年生から不登校。同年、フリースクール「東京シューレ」へ入会。19歳からNPO法人全国不登校新聞社が発行する『不登校新聞』のスタッフとなり、2006年から2022年まで編集長。これまで、不登校の子どもや若者、識者など400人以上に取材してきた。

【著書など(不登校新聞社名義も含む)】

「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること(ポプラ社)』『フリースクールを考えたら最初に読む本(主婦の友社)』『学校に行きたくない君へ(ポプラ社)』『続 学校に行きたくない君へ(ポプラ社)』

【寄稿など(一部)】

AERAdot」「プレジデントオンライン」「東洋経済オンライン」「FRaU」など多数

サイト運営 / キズキ

「もう一度学び直したい方」の勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする学習塾。多様な生徒さんに対応(不登校・中退・引きこもりの当事者・経験者、通信制高校生・定時制高校生、勉強にブランクがある方、社会人、主婦・主夫、発達特性がある方など)。授業内容は、小学生レベルから難関大学受験レベルまで、希望や学力などに応じて柔軟に設定可能。トップページはこちら。2023年7月現在、全国に10校とオンライン校(全国対応)がある。

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