中1ギャップとは? 原因や予防策、解消法を解説
こんにちは。学校生活に悩みのある生徒さんの勉強とメンタルを完全個別指導でサポートするキズキ共育塾です。
小学校までは楽しく通学していた子どもが、中学校に入学してから学校に馴染めなかったり、いじめに遭ったり、不登校になったりすることがあります。
なぜそのような状況になるのでしょうか?
その背景には、小学校から中学校へ進学する時期が、環境の変化に十分に適応できず、学習や人間関係でつまずきやすいタイミングであることが挙げられます。
こうした環境の変化をきっかけに、心身の不調や成績の低下、不登校につながることを「中1ギャップ」と呼びます。
このコラムでは、中1ギャップの概要と事前にできる対策、中1ギャップになったときの解決策と原因を解説します。中1ギャップで悩むお子さんはもちろん、親であるあなたのお悩みも減らすことができたら幸いです。
共同監修・不登校ジャーナリスト 石井志昂氏からの
アドバイス
中1ギャップが始まると、保護者や周囲の方はもちろん、本人自身も驚くものです。「まさか自分が学校へ行きづらくなるとは」と。
しかし、本コラムでも紹介したとおり、本人はさまざまな理由で違和感や生きづらさを感じています。
こんなときに必要なのは、中1ギャップが起きる原因探しではありません。悩んでいる本人を支えてあげることが大切です。
中1ギャップは、本人にとっては苦しいことなので、「よいこと」とは言えません。ただ、中1ギャップに限らず、「人は誰しも、成長する中で苦痛を感じることがある(=そうした苦痛を覚えることは、悪い意味で特別なものではない)」と考えると、気が楽になるかもしれません。
私たちキズキ共育塾は、中1ギャップに悩む人のための、完全1対1の個別指導塾です。
10,000人以上の卒業生を支えてきた独自の「キズキ式」学習サポートで、基礎の学び直しから受験対策、資格取得まで、あなたの「学びたい」を現実に変え、自信と次のステップへと導きます。下記のボタンから、お気軽にご連絡ください。
目次
中1ギャップとは何か
中1ギャップという言葉には明確な定義はありません。一般的には、「中学校入学後に学校生活に適応できず、精神的に不安定な状態が続くことで起こる困難」を指すとされています。
中学入学後は、勉強の難易度、生活環境、人間関係などにおいて変化が生じやすい時期です。その結果として心身にストレスが重なり、以下のような行動や不調がお子さんにみられる場合があります。
- 遅刻や欠席が増える
- 朝になると体調が悪くなる
- 授業についていけなくなる
- 家での会話が減る
- 元気がなくなる
- 友だちとの交友関係が少なくなる
- 家にいる時間が増える
中1ギャップについての正式な調査結果は、現在のところ報告されていません。ただし、学年別の不登校児童生徒数から、中1ギャップの現状を推測することができます。(参考:文部科学省「令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」)
不登校の人数
- 小学校1年生:8,738人
- 小学校2年生:1万4,125人
- 小学校3年生:1万9,460人
- 小学校4年生:2万5,322人
- 小学校5年生:3万1,979人
- 小学校6年生:3万8,080人
- 中学校1年生:5万8,736人
- 中学校2年生:7万7,066人
- 中学校3年生:8万464人
以上のデータから、小学校6年生から中学校1年生にかけて、不登校の生徒数が増えていることがわかります。
生活環境がガラリと変わることで生じる中1ギャップによって、学校に通いにくくなる子どもが増えていると考えられるでしょう。
補足①:中1ギャップの原因は、必ずしも中学校にあるとは限らない
中学校に入学してから、学習への姿勢や家族・友人とのコミュニケーションに変化が見られたとしても、その原因が必ずしも中学校にあるとは限りません。
小学校の頃から、または学校とは関係のない理由で抱えていた悩みや不調が、たまたま中学入学後に表面化することもあります。
お子さんに何らかの変化が見られた場合には、「中1」という言葉にとらわれすぎず、どのような悩みを抱えているのか、丁寧に向き合うことを心がけてみてください。
補足②:小1プロブレムと高1クライシス
中1ギャップとあわせて覚えておきたいのが、小1プロブレムと高1クライシスです。
小1プロブレムとは、小学校入学後に学校生活に適応できず、精神的に不安定な状態が続くことで起こる困難のこととされています。
以下のような意味として報告されています。(参考:名張市教育委員会「平成 28 年度~平成 30 年度 幼児教育の推進体制構築事業 事業実施報告書」)
「小1プロブレム」とは、1年生の学級において、入学後の落ち着かない状態がいつまでも解消されず、教師の話を聞かない、指示通りに行動しない、勝手に授業中に教室の中を立ち歩いたり教室から出て行ったりするなど、授業規律が成立しない状態へと拡大し、こうした状態が数ヵ月にわたって継続する状態をいう。
(参考:名張市教育委員会「平成 28 年度~平成 30 年度 幼児教育の推進体制構築事業 事業実施報告書」)
また、高1クライシスとは、高校入学後に学校生活に適応できず、精神的に不安定な状態が続くことで起こるお子さんの行動のこととされています。
中1ギャップ同様に、小1プロブレムと高1クライシスともに、明確な定義はありません。
中1ギャップに限らず、小学校、中学校、高校へと進学する節目では、お子さんに大きなストレスや負担がかかるということを認識しておきましょう。
中1ギャップを防ぐための3つの対策
中1ギャップを防ぐためには、中学校で起こりやすい変化に対応できる環境を用意しておくことが大切です。
この章では、親御さんが事前にできる3つの対策を解説します。
対策①学習習慣を身につける
中1ギャップを防ぐための対策のひとつ目は、家庭で学習習慣を身につけることです。
中学校では学習内容の難易度が上がり、学習範囲も広がります。また、定期テストや高校受験を意識し始めることで、プレッシャーを感じるお子さんも少なくありません。
その結果、「自分は勉強ができない」と感じて、自主的に机に向かう時間が減ったり、学校に行く意欲そのものが低下したりすることもあります。
早い段階で学習習慣が身につけば、学校の授業の予習・復習に自主的に取り組めるようになり、中学校の授業にもついていきやすくなるはずです。また、日々の積み重ねが自信につながります。
ただし、急に「今日から毎日勉強しなさい」と促しても、うまくいかないことがほとんどです。大切なのは、お子さんに無理のない範囲で、少しずつ習慣化していくことです。
例えば、次のような点を意識してみてください。
親御さんができること
- 中学校では、学習の難易度が高くなることを伝える
- お子さんがわかない問題は一緒に考えてみる
- 叱らずにさまざまな角度からアドバイスをしてみる
- できたことに目を向けて認める
なお、親御さんだけで全面的にサポートしようとすると、負担を感じるかもしれません。家庭だけで抱え込まず、学習塾や家庭教師の活用も検討してみてください。
対策②子どもがリラックスできる家庭環境をつくる
中学校に入学するタイミングを機に、あらためてお子さんがリラックスできる家庭環境づくりを意識してみましょう。
部活動や勉強、人間関係など、中学校生活は想像以上にエネルギーを使います。外で頑張っているお子さんにとって、ゆっくりと心と体を休められる家庭は、何よりの安心できる居場所です。
また、親御さんが味方であることが日頃からしっかり伝わっていれば、困ったときや悩んだときにも、自然と相談しやすくなります。
リラックスしやすい家庭環境づくりをするためには、以下の点を意識してみてください。
親御さんができること
- 子どもが一人で落ち着ける時間や空間を確保する
- 規則正しい生活リズムを整える
- 家庭内で笑顔や雑談の時間を意識的につくる
- 親御さん自身も無理をしすぎず、余裕を持つ
- 家の中で怒鳴らない・強い口調を控える
完璧な家庭を目指す必要はありません。できることを一つでもいいのでやると決めて、習慣化することを意識してみてください。
対策③中学校生活に関する情報を子どもに共有する
お子さんが中学校に入学する前に、小学校と中学校の違いをお子さんに伝えておくことが大切です。
事前に変化を知っておくことで、中学校入学後の環境の変化にも心の準備ができます。困難に直面したときに大きな戸惑いを感じにくくなるでしょう。
また、地域や学校によって、中学校の文化や礼儀は異なります。親同士のつながりや学校の先生を通じて話を聞き、より具体的な情報を集めましょう。
特に、次のような点は事前に伝えておくとよいでしょう。
事前に伝えておきたいこと
- 学習内容の難易度や授業のスピードが上がること
- 定期テストが実施されること
- 成績が数値化・順位化されやすくなること
- 校則が小学校よりも厳しくなる場合があること
- 部活動では先輩への挨拶など礼儀が求められること
ただし、これらをそのまま伝えるだけでは、「中学校は厳しい場所」という先入観を与える可能性もあります。それぞれの変化によるポジティブな側面を伝えることを意識しましょう。
例えば、「テストがあるから、勉強しないといけないよ」と義務として強調するのではなく、「テストがあるからこそ、計画的に勉強する力が身につくよ」と、その意味を添えて伝えることが大切です。
このように、同じ内容でも伝え方を少し変えるだけで、子どもの受け止め方は変わるでしょう。
保護者ができる中1ギャップの解消法
どれだけ対策をしていても、お子さんが中1ギャップで悩む場合があります。そうした際にできる、具体的な2つの解消法をお伝えします。
解消法①子どものありのままを受け入れる
中1ギャップに直面しているお子さんの多くは、自分に自信が持てなかったり、思うようにできない自分にイライラしていたりするものです。
そんなときに、一方的にアドバイスをしたり、叱ったりすることは避けましょう。よかれと思っての行動であっても、「どこにも頼れる場所がない」「わかってもらえない」と感じ、孤立する可能性があるからです。
ありのままの気持ちを受け止める姿勢を大切にしてください。具体的には、次のような点を意識して関わってみましょう。
お子さんとの関わり方
- 「何かあったら、いつでも相談してね」と日頃から伝えておく
- 気持ちをうまく言葉にできないときは、焦らずゆっくり待つ
- 話をさえぎらず、最後まで聞く
- 「つらかったね」「それは不安になるよね」と気持ちに共感する
- 無理に解決策を提示せず、まずは「一緒に考えよう」と寄り添う
また、お子さんから何も言ってこないからと言って、何もしなくても大丈夫というわけでもありません。中学生になると、思春期や反抗期を迎え、悩みや不安を親に打ち明けにくくなることもあります。
だからこそ、「いつでもあなたの味方だよ」「何かあったら力になるよ」という姿勢を、言葉や態度で伝え続けることが大切です。
解消法②専門家・支援機関に相談する
お子さんが中1ギャップで悩んでいる場合は、専門家や支援機関を積極的に活用することが大切です。
外部のサポートを利用することで、専門的な知識に基づいた適切な支援を受けられます。
身近な相談先としては、普段お子さんの様子をよく見ている担任の先生が挙げられます。
校内では、スクールカウンセラーを活用することも可能です。心のケアに詳しい専門家が、話を聞き、適切な対応を提案してくれるでしょう。
また、地域にも相談できる支援機関があります。例としては以下のような施設です。
相談先の例
- 地域の支援機関
- 児童相談所、児童相談センター
- ひきこもり地域支援センター
- 発達障害支援センター
- 教育センター
- 子どもの生活や勉強について相談できる塾やNPO法人など
こうした支援機関の場所は、自治体のウェブサイトや窓口で簡単に調べることができます。
中1ギャップを親御さんだけで解決しようとするのは、大変なはずです。
親御さん自身も、ストレスや不安を抱え込みすぎないよう、専門家や支援機関に話をしてみてください。私たちキズキ共育塾でも、中1ギャップや不登校に関するご相談を承っています。
中1ギャップになる4つの原因
中1ギャップは、お子さんや保護者のせいでは決してありません。
中学校進学後は、誰でもさまざまな変化や心理的な負担を経験します。こうした変化が重なることで、一時的に戸惑いや不安を感じるのは自然なことです。
原因を把握することで、子どもがどのような点でつまずきやすいかを理解し、適切にサポートしやすくなるでしょう。
この章では、中1ギャップになる4つの原因を解説します。
原因①学習面の変化
中学校では、学習内容の難易度や範囲が小学校より大きく増えます。定期テストの実施や成績の数値化、順位付けなどもあり、学習に対するプレッシャーが強まるでしょう。
主なつまずきポイント
- 授業スピードが速く、ついていきづらくなる
- 複雑な問題が増え、基礎学力がないと遅れが生じやすい
- 提出物の量が増え、負担を感じやすい
- テストの結果が評価と繋がりやすい
- 定期テストや模試で自分のランクが可視化されるセンター
前述した家庭での学習習慣に加え、学習塾や家庭教師を利用して、わからない点を気軽に質問できる環境を整えておくと、学習の遅れを防ぎやすくなります。
また、定期テストや模試の結果が「将来の全て」を「いますぐに」決めるわけではありません。大切なのは、お子さん自身がどこに進学したいか・将来何がしたいかという目標です。
周囲との順位やランクではなく、目標にどれだけ近づいているかを意識することが、過度なプレッシャーを避けて前向きに学習を続けるポイントになります。
現時点で目標がない場合は、いろんな人と相談をすることで、スモールステップで目標を決めていくことができます。
原因②人間関係の変化
中学校ではクラス替えや部活動など、人間関係が大きく変化します。新しい友達関係や先輩との関わりに戸惑うことも、中1ギャップの一因です。
主なつまずきポイント
- 小学校の友達と離れ、新しい環境に慣れるのが大変
- 先輩への挨拶や礼儀など、初めて求められるルールがある
- 仲間同士の距離感やいじめの不安を感じる
- 自分だけがうまくできないと感じ、孤立感を覚える
人間関係の変化は、必ずしもネガティブな結果に結びつくとは言い切れません。
価値観や趣味・嗜好の合わない相手と出会ったとしても、そうした経験の中で、どうやってうまく関わっていくかを学ぶ機会にもなるでしょう。
とはいえ、学校というひとつの環境だけにいると息苦しさを感じたり、どう対応すればよいかわからなくなることもあります。
だからこそ、安心できる家庭環境を整えることや、学習塾など学校以外の居場所を用意しておくことが大切です。
いじめなどで悩んでいる場合は、学校に相談するのはもちろん、24時間子どもSOSダイヤルなど相談窓口も活用して、解決策を一緒に考えてみましょう。
原因③生活・環境の変化
中学校では通学距離が長くなったり、部活動や塾などで生活リズムが変化したりします。これによって、体力的にも精神的にも負担がかかりやすくなります。
主なつまずきポイント
- 部活動や塾、習い事で自由時間が減る
- 朝の準備や持ち物管理など、小学校より自立が求められる
- 睡眠不足や不規則な生活で集中力が落ち、ストレスが増す
生活習慣の乱れは、必ずしも中学校生活だけに原因があるとは言えません。スマートフォンやゲームの長時間利用による就寝時間の遅れや、不規則な食事などによる疲れやすさも影響します。
そのため、規則正しい生活リズムや十分な睡眠、バランスのよい食事を意識して整えることが大切です。必要に応じて、スマートフォンやゲーム機の使用についてのルールを親子で決めましょう。
生活の基本が整っていれば、学校での学習や活動にも集中しやすくなり、中1ギャップの負担を軽くすることにつながります。
原因④心理的変化
思春期の始まりも中1ギャップに影響します。自己肯定感や感情のコントロールが揺れやすく、学校での小さなつまずきでも大きな不安や落ち込みにつながることがあります。
主なつまずきポイント
- 自分に自信が持てず、ちょっとした失敗でも落ち込む
- 周囲と比べて劣っていると感じる
- 学校での出来事を家族に話すのをためらう
- 親に心配をかけたくない気持ちから、悩みを隠す
これらは思春期の自然な変化の一部ですが、しんどさを感じているのは事実です。しっかりと悩みに耳を傾けましょう。
安心して相談し、必要に応じて専門家の支援を活用したりすることで、子どもが悩みを抱え込まずに乗り越えられるようサポートすることが大切です。
参考:学校休んだほうがいいよチェックリストのご紹介
2023年8月23日、不登校支援を行う3つの団体(キズキ、不登校ジャーナリスト・石井しこう、Branch)と、精神科医の松本俊彦氏が、共同で「学校休んだほうがいいよチェックリスト」を作成・公開しました。LINEにて無料で利用可能です。
このリストを利用する対象は、「学校に行きたがらない子ども、学校が苦手な子ども、不登校子ども、その他気になる様子がある子どもがいる、保護者または教員(子ども本人以外の人)」です。
このリストを利用することで、お子さんが学校を休んだほうがよいのか(休ませるべきなのか)どうかの目安がわかります。その結果、お子さんを追い詰めず、うつ病や自殺のリスクを減らすこともできます。
公開から約1か月の時点で、約5万人からご利用いただいています。お子さんのためにも、保護者さまや教員のためにも、ぜひこのリストを活用していただければと思います。
- 「学校休んだほうがいいよチェックリスト」はこちら(LINEアプリが開きます)
- 「学校休んだほうがいいよチェックリスト」作成の趣旨・作成者インタビューなどはこちら
- 「学校休んだほうがいいよチェックリスト」のメディア掲載・放送一覧はこちら
- 【オリジナル書籍プレゼント】学校外で友だちができるBranchコミュニティ(Branch公式LINEが開きます)
私たちキズキでは、上記チェックリスト以外にも、「学校に行きたがらないお子さん」「学校が苦手なお子さん」「不登校のお子さん」について、勉強・進路・生活・親子関係・発達特性などの無料相談を行っています。チェックリストと合わせて、無料相談もぜひお気軽にご利用ください。
まとめ ~中1ギャップに悩んだときは。専門家に相談しましょう~
小学生から中学生になると、学習面や人間関係、学校生活などの変化により、さまざまな困難に直面し、中1ギャップで悩むお子さんは少なくありません。
親御さんがお子さんの悩みに寄り添い、適切に専門家に相談することで、お子さんの心は軽くなっていきます。
また、お子さんが今は小学生で、これから中学校に進学するのであれば、進学先の情報を集めて準備しておくとよいでしょう。
このコラムが、中1ギャップで悩むお子さんと親御さんの不安や困りごとを解決するヒントになりましたら幸いです。
さて、私たちキズキ共育塾は個別指導塾であり、お悩みのあるお子さんなどの勉強を支援してきた経験が豊富です。
キズキ共育塾は、無料相談も承っております。ご相談いただければ、お子さんの勉強や受験などについて、具体的なお話ができると思います。
キズキ共育塾の概要をご覧の上、少しでも気になるようでしたらお気軽にご相談ください。親御さんだけでのご相談、お子さんと親御さんご一緒でのご相談も承っております。


