「高校中退から編入」の情報まとめ|転入との違い・学校の種類・注意点

こんにちは。「お悩みのある人」の勉強とメンタルをサポートする完全個別指導塾・キズキ共育塾の岡田和哉です。
あなたは、高校中退して(または中退を検討中で)、これから編入できる高校(進路)を調べているのではないでしょうか?
そんなあなたのために、この記事では次の3つのことを解説します。
- 編入と転入の違い
- 編入時の単位や在籍期間の引き継ぎの注意点
- 編入先の高校の種類
あなたが「次の一歩」について考えるための、参考になれば幸いです。
目次
高校中退からの「編入」と「転入」は何が違う?
今在籍している高校から違う高校に移ることついて、「編入」や「転入」という言葉を耳にしたことがある人は多いと思います。
ですが、「編入」と「転入」について、「なにが違うの?」と思う人が多いかもしれません。
そこでまずは、編入と転入の違いから解説します。カンタンに説明すると、次のようになります。
編入
- 元の高校を中退した翌日よりも後の日に、他の高校に転校すること(前の高校と新しい高校の間に、高校に在籍していない期間がある)
転入
- 元の高校を中退した翌日に、他の高校に転校すること(高校は変わっても、高校在籍の期間は途切れない)
すでに高校中退した人は、「編入」のみが可能です(もちろん、改めて高校受験をして1年生からやり直す「再入学」は可能です)。
高校中退を検討中の人は、中退せずに「転入」するか、中退して「編入」するかを選べます。
高校中退からの「編入」と「転入」って、どっちがいい?
「編入と転入、どっちがいいの?」という質問も多いので、解説します。
結論としては、「転入」の方がメリットがある場合はあります。ですが、それほど大きな差はありません。
そのため、「もう中退したから編入しかできない…」と不安になることはありません。詳しくは次の章でお伝えします。
高校中退からの「編入」「転入」、何に気をつければいい?
では、実際に編入や転入を考えるとき、どんなことに気をつければいいのでしょうか?
よく疑問点として挙げられる、単位や在籍期間などの注意点をお伝えします。
注意点①単位について

「編入・転入する場合、単位はどれくらい引き継げるの?」と、単位について疑問に思う人は多いと思います。
編入でも転入でも、引き継げる単位は、「先に在籍していた高校(いま在籍中の高校)で認定された単位のみ」です。
つまり、自分がどれだけ単位を取得している(引き継げる)のかは、在籍中・在籍していた高校への確認が必要になります。
多くの高校は、年度の終わり(3月末)に単位の認定を行います。
そのため、前年度が終了した時点で取得している単位のみ、編入先の高校に引き継げるます。
具体的にお伝えすると、ほとんどの場合は次のようになります。
- 1年生が終わって中退・編入をする場合は、1年生で取得した単位を全て引き継げる
- 1年生の途中に中退・編入をする場合は、単位を引き継げない(引き継ぐ単位がない)
- 2年生・3年生の途中で中退・編入をする場合は、前の学年で取得した単位のみ引き継ぎ可能(今の学年で途中まで受けていた授業は単位として認定されずに引き継げない)
学年途中で中退・編入をした場合、その学年になってから学んでいた授業は、編入した高校でまた一から授業を受けなければなりません(例外もあるようですが、あくまで例外です)。
「通信制高校への編入の場合、年度途中の単位も引き継げる」という情報もあります。
ですが、私が調べた範囲ではそのような通信制高校は見つかりませんでした(これも例外はあるのかもしれませんが…)。
高校1年生で中退・編入した場合は、引き継げる単位が基本的にないため、編入ではなく「入学」という形になる場合もあります。
また、1年間に取得可能な単位は学校によって違います。
そのため、「卒業に必要な単位を編入先の高校で何年で取得できるか」を計算しておく必要があります(高卒認定の合格科目を単位認定する高校もあります)。
いずれにしても、在籍中の高校もしくは、在籍していた高校と、編入を考えている高校の両方に、「自分の単位の状況」をきちんと確認すると、今後の方向が見えやすくなるはずです。
注意点②卒業時期(在籍期間)について

「編入したら、卒業の時期が変わるの?」というのも、よくある質問の1つです。
在籍期間も、前の高校から編入先の高校に引き継ぐことが可能です。ですが、高校を卒業するためには、高校に36か月(以上)在籍する必要があります。
中退・編入の場合、学校に在籍していない空白期間生まれます。
合計36か月(以上)の在籍期間を設けるために、基本的には「3年生の3月」での卒業はできない、と考えておいた方がよいでしょう(こちらも例外はあるかもしれませんが、基本的にはできません)。
転入の場合は、在籍に空白期間が生じないため、単位の引き継ぎがスムーズにいけば場合は「3年生の3月」で卒業できます。
特に通信制高校では、「転入は随時受けつけるが、編入は時期が固定されている(例えば4月・9月のみ)」学校も少なくありません。その点も含めて注意しましょう。
単位同様、前の(今の)高校と、編入を考えている高校に「自分の在籍日数・卒業までに必要な日数」「卒業時期のめど」を事前に確認しておきましょう。
注意点③編入は就職に不利?
将来的に就職活動をするときの履歴書では、転入の場合は「中退」と書かずに「○○高校転入」と書くことができます。
一方、「編入」の場合は、最初の高校について「○○高校中退」と書く必要があるのです。
「高校中退の経歴は就職に不利なのでは…?」という声もあります。
ですが、面接などで「高校中退の理由」を筋道立てて話せれば、大きな影響はありません。
個人的には、「高校中退の理由」は「全くの嘘」はいけませんが、多少の「後付け」や「盛った話」でも問題ないと思っています。
高校中退後、編入先・進路の選択肢は?
ここからは、編入する高校の選択肢についてお伝えします。
選択肢①全日制高校

全日制高校への編入は、引っ越しなどの理由がない限り、あまり例がないようです。
中途退学者向けの募集や学期ごとの補欠募集を行っている場合もありますが、枠に限りがあるため、一般的に難易度が高くなります。
編入ではなく、もう一度高校受験をして1年生からの再スタートすることも可能です。
なお、一度全日制高校を中退して別の全日制高校に編入した人が、再び中退することをよく見位にします(もちろん編入した全日制高校で充実した高校生活を過ごす人もいます)。
そのため、自分が「なぜ前の高校を中退したか(中退しようとしているか)」「再び全日制高校に通えそうか」「どんな全日制高校なら通えそうか」などについて、よく考えることが大切です。
選択肢②定時制高校
定時制高校は、全日制高校と同じように通学して授業を受けます。
授業時間が昼から、夕方から、夜からなど遅めに設定されているのが、全日制高校と異なる点です。
どの時間帯に通うかを選べる学校もあります。
通学が苦にならない人や、友達と学校生活を送りたい人には向いているでしょう。
また、中退などの経験がある生徒も多く在籍しています。そういう意味では「馴染みやすい環境」と感じやすいかもしれません。
ただし、「1年生から入学した場合、卒業までに4年必要」という学校もあります。
また、全日制高校同様に、制度的な部分も含めて、「校風などが自分に合いそうな高校か」を調ベておくことが大切です。
定時制高校については、コラム「定時制高校ってどんなところ?定時制出身の私が紹介する、定時制のリアル」でより詳しく解説しています。ご興味がありましたらご覧ください。
選択肢③通信制高校

高校中退後の編入先として人気が高いのが、通信制高校です。
通信制高校は、基本的には自宅での学習とレポートの提出などで単位を取得します。
通学して授業を受ける機会が少ないので、自分のペースで勉強したい人や、継続的な通学に不安がある人に向いているでしょう。
また、編入時期について複数の時期が用意されている学校も多くあります。
通信制高校はたくさんあり、高校ごとに特徴が大きく違っています。それぞれがどんな高校かを、しっかりと事前に調べて比較しておくことが大切です。
例えば、通学する日が多いか少ないか、文化祭などのイベントがあるかないかなどです。
自分で勉強を進めることが苦手な人や勉強に自信のない人は、通信制高校と同時に塾などにも通って、勉強の習慣を身につけることを検討してみてください。
通信制高校については、コラム「通信制高校とは?特徴・メリット・選び方・オススメの高校などをご紹介」でより詳しく解説しています。ご興味がありましたらご覧ください。
選択肢④専修学校・高専
高校とは違いますが、専修学校・高専も選択肢の1つです。
専修学校は、次の3つに分かれていますが、今回は高等課程(高等専修学校)について紹介します。
- 高等課程…「高等専修学校」と言われ、中卒で入学可能
- 専門課程…いわゆる「専門学校」。入学には基本的に高卒以上の資格が必要
- 一般課程…学歴や年齢に関係なく誰でも入学が可能
高等専修学校は、中学卒業者が対象です。社会に出てすぐに役立つ実践的な職業教育を行い、高等学校の枠に収まらない多様な教育を行っています。
授業内容としては、座学だけでなく、実習・実技も多くなっています。仕事に直結する知識やスキルを学びたい人や、そのための資格を取得したい人にはよい選択肢となるでしょう。
学科は「工業」「農業」「医療」「衛生」「教育・社会福祉」「商業実務」「服飾・家政」「文化・教養」の8つの分野があり、学校ごとにさまざまなコースがあります。
1年制や5年制など、さまざまな制度があり、学校によっては高卒資格も取得できます。
また、「高等専門学校(いわゆる高専)」も中卒からも入学できます。主には技術者になることを目的に、五教科などのいわゆる一般科目と、工学・技術・商船などの専門科目の両方を学ぶことになります。
一般的に、専修学校も高専、「高校の普通科」よりも学ぶ内容が専門的です。そのため、自分が向いているかどうか、事前にしっかりと考えておきましょう。
専修学校・高専については、コラム「高校中退から専門学校への進学方法を紹介!〜高等専修学校・高専も解説〜」で、より詳しく解説しています。ご興味がありましたらご覧ください。
選択肢⑤高卒認定
こちらも編入ではありませんが、高卒認定についてもお伝えします。
高卒要件が必要な大学や専門学校などへの受験ができるようになる資格が、高校卒業程度認定試験(高卒認定)です。高校に在籍したまま受験することもできます。
高卒資格とは異なりますが、高卒資格が必要な大学や専門学校の受験、一部の公務員試験・公的資格の受験が可能になります。
大学受験に現役年齢で受験したい人や、高校に通わずに大学などの受験資格がほしい人に向いている選択肢です。
高卒認定の難易度はほぼ高1レベル、合格ラインは100点満点で約40点と言われています。適切な勉強をすれば合格できる可能性が高いです。
勉強に慣れていない人や、効率的に対策したい人などは、塾などに通って勉強することを検討してみてください。
高卒認定については、コラム「【すぐ読める】高卒認定試験とは?意外と簡単!取得のメリット・合格のポイントをご紹介」で、より詳しく解説しています。ご興味がありましたらご覧ください。
私たちキズキ共育塾は、高校中退から大学などへの進学を目指す人のための完全個別指導塾です。勉強や生活について、無料相談ができます。高認・大学合格実績多数。お気軽にご連絡ください。
フォームで問い合わせ「高校中退からの編入・転入」について、キズキ共育塾の講師のアドバイス
この章では、「高校中退からの編入・転入(転校)」について、高校中退経験のある人たちのための個別指導塾・キズキ共育塾の講師たちからのアドバイスをお伝えします。
高校中退から編入・転入・高卒認定・大学受験などを目指す人たちに勉強を教えている講師の「生の声」です。きっと参考になると思います。(これまでの内容もキズキ共育塾の知見に基づくものであるため、一部重複する部分もあります。また、講師名は仮名の場合もあります)
また、私たちキズキ共育塾の無料相談では、「実際のあなた」のための、より具体的なアドバイスが可能です。ぜひご相談ください。
S.K講師のアドバイス
①編入・転入前にしておいた方がよいこと
「本当に転校していいか」を、改めて自分と向き合って考えておきましょう。
②編入・転入について、注意しておくべきこと
(1)高校転校の経歴は履歴書に残るため、さまざまな「面接の場」で聞かれやすくなります。高校転校に対するエピソードや感じたことなどを、あらかじめ答えられるようにしておくことがオススメです(「挫折を乗り越えた」のようなプラスのエピソードだとなおよしです)。
(2)特に通信制高校に転校した場合、生活が乱れたり、家から出なくなったりする人も多いようです。無理のない範囲で、規則正しい生活や適度な外出を心がけましょう。
③編入・転入について、気にしなくていいこと
高校転校の経歴は、一切後ろめたくありません。全く気にしなくてOKです。
「高校中退からの編入・転入」について、キズキ共育塾の講師の体験談
この章では、「高校中退からの編入・転入(転校)」の経験がある、キズキ共育塾の講師たちの体験談を紹介します。前章同様、こちらも参考にしてみてください。(講師名は仮名の場合もあります)
また、私たちキズキ共育塾の無料相談では、他の具体例もお話しできます。ぜひご相談ください。
S.K講師の体験談
高1の10月に、全日制高校から通信制高校に転校しました。高校を変えてよかったことをお伝えします。
①人間関係の強いストレスから解放された
いじめられていて、精神的に限界だったためです。
②「本気で勉強をがんばって人生を変えてやろう」という気持ちになれた
元の高校に何事もなく通っていたら、大学受験はおそらく適当に終わらせていただろうと思います。転校に伴い気持ちを切り替えたことで、「元の全日制高校のボリューム層が進学する大学」よりも、偏差値が上の大学に合格できました。
まとめ〜高校中退後の編入は、周囲に相談しましょう〜

ここまでの内容をまとめます。
- 編入とは、一度高校を中退して別の高校に転校すること
- 転入とは、高校を中退せずに別の高校に転校すること
このように、編入と転入にはそれほど大きな違いはありません。
また、先に在籍していた高校で取得した単位は編入先の高校に引き継ぐことができます。
ですが、年度途中での編入の場合は、基本的には引き継ぎはできません。
卒業のタイミングが気になる人は、中退・編入の時期に注意してください。
単位も在籍期間も、具体的には在籍している(していた)高校と編入を検討している高校に確認しておきましょう。
編入する高校・学校の選択肢はたくさんあります。
だからこそ、「それぞれがどのような学校か」「自分に合うか」をしっかり調べておくことが大切です。
高校中退後、学校には通わずに高卒認定を取得して大学や専門学校に進学する、という手段もあります。
高校中退・編入や転入を検討していると、将来について漠然とした不安を抱きがちです。
どうか一人で悩んだり思いつめず、周りの人や詳しい人、各学校などに相談してください。
自分一人で考えるよりも、「よりよい方法」がきっと見つかるはずです。
キズキ共育塾でも無料相談を行っています。お気軽にご連絡ください。知識と経験が豊富なスタッフが、あなたと一緒に進路を考えます。
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関連リンク
/Q&Aよくある質問
高校の「転入」と「編入」の違いを知りたいです。
- 転入:元の高校を中退した翌日に、他の高校に転校すること(高校は変わっても、高校在籍の期間は途切れない)
- 編入:元の高校を中退した翌日よりも後の日に、他の高校に転校すること(前の高校と新しい高校の間に、高校に在籍していない期間がある)
別の高校に転入・編入する際に気をつけておくことを知りたいです。