受験の失敗が引きこもりにつながる理由とは?引きこもりから脱出した事例も紹介
こんにちは。生徒さんの勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする完全個別指導塾・キズキ共育塾です。
あなたは、「受験の失敗をきっかけに引きこもりになったが、これからどうしてよいかわからない」と悩んでいませんか?
または、「なぜ受験の失敗が引きこもりにつながるのか?」という理由がわからず、どう接してよいか悩んでいる親御さんもいるでしょう。
受験の失敗による引きこもりに悩んでいるのは、決してあなただけではありません。
引きこもりのきっかけは人によって異なり、その内容も様々ですが、中には受験の失敗がきっかけとなって、引きこもりなったという場合もあるのです。
この記事では、「受験の失敗が引きこもりにつながる理由」と「引きこもりから次の一歩を踏み出すための考え方や行動」について、私自身の経験や引きこもりから復帰したキズキ共育塾の生徒の事例も交えながらお話しします。
目次
受験の失敗が引きこもりにつながる理由
まずは、受験の失敗が引きこもりにつながる理由をご紹介します。
ご本人の気持ちの整理に役立つと思います。また、親御さんで「受験の失敗が引きこもりにつながると言われても、その理由や心理がイメージしづらい」という人の参考にもなるはずです。
理由①受験の失敗で自信を失う
まずは「受験の失敗で自信を失うこと」が原因として挙げられます。
この原因に当てはまるのは、それまで勉強をがんばってきて、着実に成果を残してきた人に多いです。
それまで子どもの自信を支えていた勉強による成果が、受験の失敗をきっかけに一瞬で失われるのです。
また、親御さんの中には、勉強ができることや、偏差値の高い学校に進学することを重視する人もいます。
その親御さんの期待を実現しようとすることが、子どもの自信や存在価値につながっていると、受験の失敗をきっかけに、「自分はダメな人間なのだ」と思い込み、結果として引きこもるということもあります。
理由②自信の喪失が自己否定につながる
前述した自信の喪失は、自己否定にもつながります。
なぜなら、受験の失敗は、それまで子ども自身を支えていたものを否定することになるからです。
勉強ができることが自分の価値であると考えていた子どもが、受験に失敗した場合、勉強ができない自分には価値がないと考えるようになることもあります。
そこに、親御さんが子どもを奮起させるために、「勉強ができないと負け組になる」といったように声をかけると、結果として子どもを追い詰め、引きこもりにつながる場合もあります。
理由③自己否定から周りとの関わりが怖くなる
自己否定は周りとの関わりにも影響することがあります。
「自分を支えるものがなくなる」ということは、「自分はダメな人間だ」と思い込み、周りと関わることに恐怖を感じることにもつながります。
「ダメな人間である自分は周りに認められない、嫌われてしまう」など悲観的に考えて、「周りと関わってつらい思いをするくらいなら関わること自体を避ける」ようになる場合もあります。
受験の失敗は、このような気持ちの変化を起こして引きこもりにつながることもあるのです。
私が引きこもりから社会復帰するまで〜当事者の経験から〜
ここからは、引きこもりからの復帰につながる考え方をご紹介します。
引きこもりになると、「もう自分はこの状況から抜け出せないのではないか」と悩むこともあるかと思います。
一度怖いと感じた周りとの関わりや失った自信を取り戻すのは、ある程度の時間が必要かもしれません。ですが、そこから再度自信をつけて復帰することはもちろん可能です。
実は、私自身も引きこもりを経験した当事者です。
中学・高校時代の不登校、高校の中退、社会人になってからの休職など、短期的ではありますが、それぞれの時期に引きこもっていたことがあります。
しかし、現在ではキズキ共育塾での講師の仕事を含め、自分で様々な仕事を持ちながら社会人として独り立ちすることができました。
私が引きこもりから復帰した際の経験や、大切だと感じた考え方をお伝えします。ぜひ参考にしてみてください。
①世の中が自分を否定しているように感じた
私の最初の挫折経験は、中学生時代の不登校です。
不登校になるまでは、親や先生の言うことを守り、いつも褒められるような成績優秀でスポーツ万能な、いわゆる「いい子」であり「できる子」でした。
しかし、中1の夏休みに差し掛かったある日から、部活に行けなくなり、そのまま学校にも行けなくなりました。
部活に行けなくなった理由は、いまでもはっきりとはわかりません。
中学生になって、「勉強や部活がハードで体力的に限界がきていたこと」「自分より勉強も運動もできる人が周囲にたくさんいて、少しずつ自信がなくなっていったこと」が関係していたのではないかと思います。
「これまで自分はできる子だと思っていたのに、突然ダメな子になってしまった」
このときは、そんなふうに思っていました。
さらに、「これまで自分が認められていたのは勉強や運動ができるからであって、そうでない自分はきっと周囲から認められない」と考えるようにもなったのです。
そう考え始めると、「世の中が自分を否定している」と思い込むようになりました。
そして私は人前に出ることが怖くなって、学校はおろか、友達や先生、親戚に会うことも避けるようになりました。
この時期は、親に対しても申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
その結果、親との会話も少なくなり、「どのように親に接してよいかわからない」と悩むようになっていきました。
いまの自分であれば、「学校以外に居場所を見つける選択肢もある」と冷静に考えられます。ですが、当時の私にとっては学校が自分の世界の全てであり、学校に行けないことは自分を全否定することだったのです。
②少しの自信の積み重ねで気持ちが変わった
不登校になってからの私の心の安らぎは、趣味でつながるインターネットの世界でした。
インターネットの世界では、自分が不登校であることが相手にはわかりません。
「不登校かどうか」「引きこもりであるかどうか」に関係ないやり取りができる世界でした。
インターネット上のやりとりの中で、不登校になる前の自分を思い出し、私は少しだけ自信を取り戻すことができました。
そのやりとりは、「少しだけ自分が褒められたりした」という些細なものだったのですが、それが当時の私にはとてもうれしかったのです。
その後、少しずつではありますが、次は自分が好きなことをきっかけに、リアルの世界で学校以外の関わりを増やしていきました。
そこでは、自分の背景に関わらず普通に接してくれる人たちと出会えたため、また少し自信を取り戻すことができました。
インターネット、リアルな世界と様々な人と関わる中で、「学校に行っているかどうかは、自分の存在を否定するほど大事なことではないかもしれない」と思えるようになってきたのです。
人前に出る際も、少しずつ恐怖感がなくなっていき、自分に対する自信も回復してきたことで、改めて学校にも通ってみようと思えるようになりました。
そして、自分の中の迷いが振り切れた中学3年のときに、学校復帰に成功することができました。
このときは、小さな自信の積み重ねのおかげで、少しずつ周囲と接することに対する恐怖を取り除くことができたように感じます。
また、自分の思い込みによって恐れていただけで、実際はそんなに重要ではないことにこだわっていたのだと気付かされました。
この挫折経験を乗り越えたことは、自分にとって大きな自信に変わりました。
③見方によって挫折もプラスに変わる
中学3年で学校に復帰した後、私はその後何度も挫折を経験しています。
しかし、その度になんとか乗り越えてきたのは、自分の挫折経験を多面的にとらえられるようになったからです。
中1で初めて不登校による挫折を感じた際は、その経験は自身にとってマイナスでしかないと思っていました。
しかし、高校で不登校になり、その後中退した際は、「マイペースに歩むチャンスが与えられた」「自分の好きなことができる時間ができた」とプラスに捉えることができました。
もちろん、中退したことによるショックや落ち込みはありました。
ただ、中学の不登校の際に、「学校以外の世界があること」「挫折を自分の力に変えられること」が経験としてわかっていたので、マイナス面だけにとらわれることがなかったのです。
私はそれから自分のペースで好きなことや勉強などを進め、高卒認定試験を経て、目標としていた大学に進学することができました。
一見するとネガティブに見えるできごとも、見方によっては世界が変わるのだと感じるようになりました。
その経験があったからこそ、社会人になって会社へ行けずに休職した際も、「何かこの状況をチャンスに変えられないか」という思考で乗り切ることができたと思います。
「自分がそれまでとらわれていた価値観は、たくさんある価値観の一つでしかない」 「自分なりにできるところから、小さな成功体験を積み重ね自信を取り戻していく」
この2点を意識できたことが、引きこもりを継続させなかった要因ではないかと思います。
引きこもりからの復帰につながる4つのポイント
ここからは、私自身の体験やこれまでのキズキ共育塾の生徒との関わりで感じた、引きこもり復帰につながる4つのポイントをご紹介します。
ポイント①体調や気分の安定を優先する
まず大切なのは、体調や精神面が安定していることです。
引きこもりの状況が続くと、「いますぐなんとかしないと」とあせることもあります。ですが、体調や気分がすぐれなければ、何かに向かってチャレンジもできませんし、やってみても続きません。
まずは、体調や気分の安定を優先してください。
ポイント②いろんな世界や価値観を知る
引きこもりの最中には、「こうでなければならない」「これができない自分はダメだ」と自身を否定することもあるかと思います。
しかし、あなたが知っている世界は、ほんの一部のものかもしれません。
自分の周りの世界はよく知っていても、「一歩その外に出るとわからないことばかり」という人もたくさんいます。
実際、あなたの知らない世界はまだまだあります。触れたことのない価値観が、世の中にはきっとあるはずです。
本、テレビ、インターネットなどを通じて、自分が知らなかった世界を知ると、これまでの見方が変わって、自分を肯定できるきっかけをつかめるかもしれません。
ポイント③小さな成功体験を積み重ねる
引きこもりの人は、学校に復帰する、社会に復帰するなど、いきなり大きく目標を掲げて、がんばろうとすることがあります。
しかし、目標のハードルが高いと、うまくいかずに余計に自信を失うこともあります。
最終的な目標を達成するために、まずは無理をせず、自分ができそうなところからやってみましょう。
例えば、朝の時間にちゃんと起きる、近所のコンビニまで行ってみる、家族と会話するなど、無理なくできそうなところから、少しずつチャレンジしてみましょう。
1つできれば、それは少しであっても自信になりますし、次もチャレンジしてみようという意欲にもつながります。
こうやって、小さな成功体験を積み重ねることが、最終的な大きな目標を達成するために大切なのです。
ポイント④専門家や支援団体をうまく活用する
引きこもりについて、私自身や生徒さんの体験談について紹介してきました。ですが、「いまは先のことを考える余裕がない」と思うかもしれませんね。
そんなときは、1人で思い悩むのではなく、引きこもりの専門家、支援団体などを積極的に利用してください
大切なのは「自分たちだけで抱え込まないこと」です。
自治体や地域の支援機関をはじめとして、引きこもりのサポートを行っているところは、全国各地になります。
また、私たちキズキ共育塾のように、民間でサポートを行っている団体も存在します。
支援機関や団体は、基本無料で相談を受けているところが多いです。さらに最近ではオンラインでの相談を実施しているところもあります。
ご自身が相談しやすい、悩みをきちんと受け入れるところが見つかれば、状況が好転することもあります。
相談できる相手がいるだけで、気持ちが楽になることもあると思います。ぜひご活用ください。
引きこもりから脱出したキズキ共育塾の生徒の事例
先ほどは私の経験をご紹介しました。続いてはキズキ共育塾の生徒さんの事例もご紹介したいと思います。
高校受験の失敗をきっかけに引きこもりになったものの、最終的に慶應義塾大学に合格した生徒の体験談です。
①高校受験失敗で自信喪失
こちらの生徒さんの引きこもりのきっかけは、高校受験の失敗でした。
中学では生徒会長をして、勉強にも自信があり、楽しい学校生活を送っていました。
このときは、「もちろん、第一志望の高校にも受かるだろう」という自信を持っていましたが、結果は予想外の不合格。
この生徒さんは、初めて挫折を味わったのです。
その後、滑り止めで受かっていた高校に進学することになります。
②劣等感からの猛勉強の末、体調を崩す
高校受験失敗による劣等感を跳ね返すために、高校入学後は休日返上で勉強に取り組みます。
高校受験のときに失敗をした分、それを取り戻そうと必死に勉強したのです。しかし高校2年生のはじめに、無理な猛勉強により体調を崩します。
それをきっかけに、体が急に動かなくなり、学校にも行けない日が続きました。
その後は、そのまま自室に引きこもり、ゲームをして過ごすようになります。
出席日数も足りなくなり、高校中退をすることになりました。
③体調が回復し、大学受験を意識
高校中退後も引きこもりの生活が続きましたが、1年ほど経つと、少しずつ本人にも余裕が生まれてきました。
「自分が無理しすぎていたこと」に気づくことができたのです。
そこから次第に体調が安定していき、アルバイトを始めました。
アルバイトを始めることは、生活リズムが安定するというよい効果がありましたが、働く中で「高校中退」や「フリーター」に対する社会の厳しい目を実感することになります。
そして、19歳になる年に大学受験を決意しました。
④キズキ共育塾に入塾、信頼できる大人と出会う
大学受験を決意したものの、具体的にどうすればよいかわからないという状態でした。
そんなとき、新聞記事でキズキ共育塾の存在を知ります。
「不登校や高校中退からの大学受験を応援する」という言葉に興味を持ち、教室見学に申し込み、面談をする中で、「ここだったら、自分のことをわかってもらえる」と思い、入塾を決意しました。
入塾してからは信頼できる先生との出会いもあり、少しずつ成績も上がっていきました。
⑤高卒認定合格を経て、慶應大学合格へ
キズキ共育塾で勉強を続け、受験の年の夏には高卒認定試験に合格を果たしました。
高卒認定試験合格後は、大学受験に集中して勉強を進め、無事に慶應義塾大学に合格をしました。
このときに、「生きていてよかった」と心から思ったそうです。
学費を稼ぐため、アルバイトもしながらの受験勉強で大変な面もあった中、1年間勉強を続けられたことが本人の自信につながりました。
そのがんばりが自身を肯定してくれるものになりました。
まとめ:少しずつ、一歩ずつ前に進んでいきましょう
受験の失敗がきっかけで引きこもりになり、悩んでいる人は少なからずいらっしゃいます。
つい自分を否定して、一歩を踏み出すことに恐怖感を感じることもあるのではないでしょうか。
すぐに引きこもりから復帰しようと思う必要はありません。
小さな積み重ねでよいのです。
一歩ずつ、自分のペースで進むことが大切です。
私たちキズキ共育塾では、無料で相談も行っています。何かのきっかけとしてお気軽にご活用ください。
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