
やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、不登校・偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。また、不登校の子どものための家庭教師「キズキ家学」、発達障害やうつ病の方々のための「キズキビジネスカレッジ」も運営。
社会人からの大学受験を目指す人は少なくありません。
そして、ポイントを押さえて受験に臨めば、社会人からの大学進学は充分に可能です。
この記事では、社会人の大学受験について、徹底解説します!
この記事を読んでわかること
あなたの「社会人の大学受験」について、お悩み解決の一助となれば幸いです。
目次
大学進学のメリットを知ることで、あなたの大学受験のモチベーションアップや、「実際に大学受験をするかしないか」の決断に役に立つと思います。
高校までと大学での勉強は、次のように違います。
勉強内容
先生
勉強方法
図書館
このように、大学では充実した環境で専門的な勉強に打ち込めるというメリットがあります。
2つ目のメリットは、「大卒の方が、高卒よりも職種の幅が広くなる」です。
学部で学んだ知識が必要な職種
学部と関係のない(薄い)職種
このように、大学を卒業することで、高卒よりも職種の幅が広がるというメリットがあるのです。
3つ目のメリットは、「高卒よりも待遇がよくなる可能性がある」です。
一般的には、高卒よりも大卒の方が、給料(初任給・生涯賃金)や出世において有利です。
退職金を含まない生涯賃金の比較は、次のようになっています。(参考:独立行政法人労働政策研究・研修機構(※PDF)「ユースフル労働統計 2019」)
また、正規雇用となる確率も、大卒の方が高いです。
15~34歳までの若年労働者における正社員の割合は、次のとおりです(参考:厚生労働省「平成30年若年者雇用実態調査の概況」)。
しかしもちろん、労働の目的や価値はお金や出世「だけ」ではありませんし、非正規雇用は一概によくないものでもありません。
そして、「大卒だと、必ず高卒よりも待遇がよい」というわけでもないのは、覚えておきましょう。
特に「社会人からの大学受験」に限定せず、大学に行く意味やメリットは他にもあります。このコラムで長く述べると趣旨から外れるので省略しますが、気になる方はコラム「大学に行く意味って何?7つの意味と5つのメリット〜大学に行く意味に悩んだ私の結論〜」をご覧ください。
ただし、どれも「デメリット」というわけではなく「注意点」です。
「注意した上で、どうしていくか」を考えることで、大学受験は成功に近づいていきます。
なお、これから何度か繰り返しますが、こういう「注意点」についても、あなた一人で抱える必要はありません。
社会人の大学受験に詳しい塾などを頼ると、「あなたのための対策」が見つかります。
1点目として、「受験勉強や大学生活と現在の仕事の兼ね合い」を考える必要があります。
受験生活や大学生活を送る上で、仕事を辞めるか続けるかを判断しなくてはなりません。
退職する場合
仕事を続ける場合
退職と仕事の継続には、一般的に「どちらが正解」と言える回答はありません。
なぜなら、次のようなポイントは個人や家庭によって異なるからです。
特にあなたに配偶者や子どもがいる場合や、あなたが家計の中心を担っている場合などでは、「あなたの大学受験」であっても、「あなた一人の問題」ではないのです。
2点目として、「学費の捻出方法」を考える必要があります。
仕事を辞める場合にはなおさらです。
学費も含めて、今後の収入や、学費以外の支出についても、よく考えましょう。
ただし、社会人だからといって、「学費や生活費は、自分の収入や貯金だけで対応しなくてはいけない」わけではありません。
援助依頼や借金もアリ
奨学金もアリ
最後は、「大卒としての就職活動」についての注意です。
特に仕事を辞めた方や、卒業後に新しい仕事に就きたい方などは、大学卒業を見越して就職活動を行う必要があります。
今から大学受験を行う場合、卒業は最短でも4年以上先のことですが、知っておいて損はないのでご紹介します。
注意
いずれにしても、求人元によって扱いが異なります。
就職活動を行う場合には、各求人元に「自分が応募資格を満たしているか」を確認するようにしましょう。
なお、新卒で就職する場合には、社会人経験があっても、基本的には「初任給」からのスタートとなることも覚えておきましょう。
大学受験に合格するためには、個人の努力はもちろん必要です。
ですが、社会人の大学受験をサポートする団体、ご家族、職場などの力を上手に借りることで、受験勉強も、その後の大学生活も、グッとスムーズに進みます。
「相談しても理解されなさそうだから黙っておきたい」という方は、職場・家族への相談方法も含めて、「社会人の大学受験に詳しい団体に聞いてみましょう(ポイント①で紹介します)。
なお、現時点で志望校や学びたい分野が定まっていない場合でも、各ポイントをこなすうちに定まっていくと思います。
社会人の大学受験に詳しい塾・予備校・サポート団体などは、もちろん存在します。
受験・進学・周囲への相談などについて、あなた一人で考えるよりも、そういう塾などを利用するのがオススメです。
そうすることで、次のようなことについて、「あなたに向いた、よりよい案」がわかります。
これから紹介する各ポイントについても、頼れる相手に積極的に相談することを心がけましょう。
なお、私たちキズキ共育塾にも、大学受験を目指す社会人の生徒さんがたくさんいます(合格実績も多数!)。ご相談は無料で受け付けていますので、少しでも気になる場合はお気軽にご連絡ください。
ご家族に相談し、協力を得ることで、受験勉強はよりよい方向に進んでいきます。
特に相談が必要なのは、次のような方々です。
言いづらいな…と思って相談をためらっていると、勉強に身が入らなかったり、受験を途中で反対されたりすることがあるのです。
あなたの受験にご家族が関係する場合は、大学受験を検討しはじめた段階で、きちんと相談しましょう。
相談内容の例
どのように相談したらいいのかわからない人は、社会人の大学受験をサポートする塾などに、相談方法を相談してみましょう(私たちキズキ共育塾でも無料相談を行っています)。
なお、「大学受験・進学について、お金も生活も、家族には影響がない」と思っている人も、(家族仲が悪くない限りは)一応話しておくことをオススメします。
それは、次のような理由からです。
職場によっては、次のような配慮がなされる可能性があります。
配慮の例
「受験勉強や大学進学のためには、退職するしかない」と思い込まず、人事や総務などの部署に相談してみましょう。
目的がはっきりしていれば、進学後や卒業後のイメージがつきやすく、勉強のモチベーションにもつながります。
明確ではない場合、次のような迷いが生じて、勉強に集中できないことがあるのです。
そうした迷いを解消するために、いま一度、大学受験・進学の目的を明確化することをオススメします。
先ほども掲載しましたが、大学に進学する意味やメリットについては、コラム「大学に行く意味って何?7つの意味と5つのメリット〜大学に行く意味に悩んだ私の結論〜」でご紹介していますので、よろしければ参考にご覧ください。
受験資格は、どの方式でも共通して、次のどれか一つは必要です。
受験資格
高卒認定については、コラム「【すぐ読める】高卒認定試験とは?意外と簡単!取得のメリット・合格のポイントをご紹介」を、高等専修学校・高専についてはコラム「高校中退から専門学校への進学方法を紹介!〜高等専修学校・高専も解説〜」をご覧ください。
それぞれの受験の特徴(違うところ)は、次のようになります。
「一般入試」とは、大学入試では最もメジャーな、いわゆる「学力一本勝負」の試験方式です。
一般入試の方法は、国公立大学と私立大学で異なります。
国公立
私立
社会人入試とは、受験対象を社会人に限定した入試のことです。
「社会人入試」の特徴は、次のとおりです。
受験資格
合否判断
社会人入試は、受験勉強に使える時間が限られている社会人が比較的受験しやすい入試制度です。
面接や書類審査では、次のような質問で、将来を見通した判断の説明を求められます。
社会人入試のスケジュールや詳細は、後で詳しく説明します。
最後は、AO入試です。
AOとは、Admissions Officeの略称で、大学側の求める人物像をもとに出願者の人格を判断して合否を決める試験方式です。
受験内容
試験内容や評価基準の点では、社会人入試と似ているともいえるでしょう。
ただし、AO入試は現役・浪人・社会人を問わず受験できることが多いので、社会人入試と比べて出願者が多くなります。
私たちキズキ共育塾は、大学受験を目指す社会人のための完全個別指導塾です(会社員・自営業・公務員・主婦・主夫・フリーターなど)。勉強/受験方式/志望校探しなどについて、無料相談ができます。社会人の大学合格実績多数。お気軽にご連絡ください。
LINEで問い合わせまず、大学生活に必要な費用には、次のようなものがあります。
費目も金額も、学校によって大きく異なります。
次に、卒業条件というのは、「卒業のために、通常の授業・試験・レポートの他に、必要なことがあるかどうか」ということです。
例えば、次のようなものがあります。
学費や卒業条件をよく調べて、現実的に進学や卒業が可能かを検討しましょう。
「可能である」とわかると、受験勉強のモチベーションはきっと上がっていきます。
社会人が大学受験の科目選択をするときには、「昔の得意科目・苦手科目」にこだわりすぎないことが大切です。
「自分は、何を学びたくて、大学に入ろうとしているのか」から考えましょう。
次の例から、ちょっと考えてみてください。
ロケットエンジンの開発に携わりたいから、機械工学を学びたい。そのため、ある大学の理工学部を志望している。
受験では、理科(物理・化学・生物・地学)の中から、1科目が必要。
高校時代は物理は苦手で生物が得意だった。
この方は、理科のうち、どの科目を選ぶべきでしょうか。
この方は、物理を選ぶべきです。
なぜなら、機械工学を学ぶためには、物理の知識が必須だからです。つまり、大学受験の勉強を通じて、大学の勉強の基礎となる部分を身につけておく必要があるのです。
大学の授業を理解するためには、「高校時代に苦手だったから」という理由で物理以外の科目を選択するのは、あまりオススメできません。
「かつて得意か苦手だったか」という視点ではなく、「今から何を学びたいのか、そのために必須な科目は何か」という視点で、受験科目を選びましょう。
ちょっと大変かもしれませんが、大学生活にきっと役立ちます。
何を選択してもいい場合もある
仕事を続けながら大学受験を目指す方は、勉強に使える時間が限られている上に、仕事の悩みや疲労もあるでしょう。
退職した方も、勉強が思うように進まなければ、焦りや重圧を感じます。
そうした状況は、効率のよい勉強計画を立てることで解決できます。
例えば、次のような例があります。
このように、勉強の計画をしっかり立てることで、大学受験を成功させることができます。
社会人からの大学受験は、なにも大変なことばかりではありません。
高校生と比べて、社会人が勉強を有利に進められる理由を知っておくことで、どのような特長を活かして勉強すればいいのかがイメージしやすくなります。
具体的に、3つご紹介します。
目標を見据えたスケジュール管理は、高校生よりも社会人の方が圧倒的に得意です。
仕事のスケジュール管理では、業務を予定どおりに進行させるための能力も、予定どおりに進まなくなったときにリカバリーする能力も必要です。
この能力は、大学受験の勉強においても、予習復習をどう進行管理するか、予定どおりに勉強が進まなかったらいつ取り戻すか…といったように、大いに役に立ちます。
仕事同様、スケジュールを意識して受験勉強に臨みましょう。
社会人が有利な2つ目の理由は、「目的が具体的だから大学受験のモチベーションを維持しやすい」です。
高校生と比べると、社会人の方が大学受験の目的が明確であることが多いです。
大学受験に向けて勉強を続けるためには、モチベーションの維持が欠かせません。
目的が具体的であればあるほど、モチベーションは持続します。
例えば、次のような感じです。
大事なのは、「大学で『何か』をしたい」と思っている、その気持ちです。
その「何か(=目的)」が達成されるイメージを持つと、受験勉強がよりはかどるはずです。
3つ目の理由は、「社会人入試を選択できる」です。
社会人入試とは、「大学受験・進学を目指す社会人を対象とした入試」のことです。
詳細は次章に譲りますが、社会人入試は一般入試よりも受験科目が少なく、書類審査やキャリアが重視されるため、社会人が挑戦しやすい試験内容になっています。
このように、高校生では出願できない枠を活かせるという点も、社会人が大学受験を有利に進められる理由のひとつです。
社会人入試で大学を受験するためには、一般的には、次の受験資格の両方をクリアする必要があります。
社会人入試の受験資格
次のどれか一つとお考えください。
○高校卒業
○高卒認定の取得
○高等専修学校や高専での一定の在籍・成績
高卒認定についてはコラム「【すぐ読める】高卒認定試験とは?意外と簡単!取得のメリット・合格のポイントをご紹介」を、高等専修学校・高専についてはコラム「高校中退から専門学校への進学方法を紹介!〜高等専修学校・高専も解説〜」をご覧ください。
次のような条件があります。
○22歳以上の人が受験できる
○3年以上の社会人経験がある人が受験できる
大学によって異なりますので、具体的に気になる大学があるなら調べてみましょう。
上記を踏まえて、出願の際は、一般的には以下のような証明書類等が必要になります(必要な書類の名称や内容は、大学によって異なります)。
社会人入試の必要書類
氏名・年齢・住所などを記入する事務的な書類です。大学から取り寄せることになります。
自分がなぜその大学・学部に入りたいのかを記入する書類です。合否の判定に大きく関わりますので、塾などで専門的な指導を受けて準備すると、合格につながる可能性が高くなります。
最終学歴の成績証明書や卒業証明書は、卒業した高校などに問い合わせましょう。発行に時間を要するため、早めの準備が必要です。
少数ではありますが、「推薦状」の提出を求めてくる大学もあります。推薦状とは、文字どおり、「受験者をその大学に推薦する書類」のことです。推薦状は、一般的にはお勤め先の所属長や同僚に依頼することになるでしょう。こちらも、早めの準備が必要です。
社会人入試に向けたスケジュールの一般的な流れについて、4月から大学受験に向けて準備を始めるケースを例に見てみましょう。
あくまで例ですので、4月から始めなくてはならない、という意味ではありません。
4月~ 大学に関する情報収集
7月~ 出願準備と試験対策
9月~11月 出願と受験
〜1月 合格発表と入学手続き
社会人入試では出願や受験の時期が「9月~11月」であることが多いため、上記のようなスケジュールを例示しましたが、大学によっては別の日程や、通年での募集を行っているところもあります。
各大学に合わせてスケジュールを立てることが大切です。
私たちキズキ共育塾は、大学受験を目指す社会人のための完全個別指導塾です(会社員・自営業・公務員・主婦・主夫・フリーターなど)。勉強/受験方式/志望校探しなどについて、無料相談ができます。社会人の大学合格実績多数。お気軽にご連絡ください。
資料を無料ダウンロード繰り返すとおり、大学受験を成功させるためには、専門的な知見を持つ人や塾を頼ることが効果的です。
Aさんは、仕事、プライベート、受験勉強の予定を手帳にキッチリ書きこむ几帳面な人でした。
講師が「昔からこんなに几帳面だったのですか」と聞いたところ、Aさんは「高校生のときは、こんなことは全くできませんでした」とのこと。
「社会人になって、嫌でもスケジュール管理せざるを得なくなった」――Aさんは、その経験のおかげで、大学受験の勉強も、具体的に計画・管理できるようになったそうです。
Aさんのスケジュール管理方法
Aさんは、状況に合わせて柔軟かつ効果的にスケジュールを調整して、大学受験を成功させることができました。
Bさんは、高校卒業後には大学に進学せず、社会人としてずっと働いていました。
そして社会人として様々な経験をするうちに、「教員になりたい」という目的が心の中に芽生えてきました。
その目的のために、Bさんは大学受験を目指し、キズキ共育塾に入塾したのです。
Bさんはもともと勉強が得意ではなく、理解できるまで時間のかかる問題も多くありました。
そんなとき、Bさんは粘り強く、理解できるまで取り組み、積極的に講師に質問しました。
Bさんの「目的」による変化・効果
具体的な目標は、このように、モチベーションの維持・向上に役立つのです。
Cさんは、仕事を続けながら、大学受験を目指していました。
週に2日、仕事の帰りにキズキ共育塾で授業を受け、予習・復習は通勤の合間や休日に行っていました。
仕事で不測の事態が起きることも、少なくありませんでした。
授業の直前になって、Cさんから「仕事の都合で遅れます」という連絡をいただいたこともよくありました。
そんなときのCさんは、勉強の遅れを取り戻すために、講師に積極的な要望を出していました。
Cさんの積極性
仕事を辞めなくても、Cさんのように、積極的な姿勢を活かして大学受験に挑むことは可能なのです。
Dさんは、中学・高校時代に、社会科の「公民」分野が苦手でした。
一方、地理は得意で、高校卒業後も人並み以上の知識を持っていました。
Dさんの志望学部の受験では、地理と公民のどちらを選択しても問題ありませんでした。
ですが、Dさんが大学で学びたい分野には、公民の知識が必須だったのです。
Dさんは講師と話し合い、大学入学後のことを考えて、「得意だった地理ではなく、苦手だった公民で受験する」と決めました。
そして、授業や復習は次のように進めていきました。
Dさんの苦手科目克服法
このような方法で授業を進めたことで、Dさんは、苦手だった公民の内容を理解できるようになっていきました。
Eさんは、短大卒業後に就職して働いていましたが、「もう一度勉強がしたい」と思い、大学受験への再チャレンジを決めました。
Eさんがキズキ共育塾に入塾したのは12月です。
直近の社会人入試は翌2月と、準備が間に合わない可能性も高い状況でした。
しかし、講師とも相談の上、「志望大学の社会人入試に向けた、効率よく勉強できる授業」を受けて、短期決戦に挑むことにしました。
Eさんの社会人入試対策
身につけた文章力は、志望動機書を書くときにも大いに役立ちました。
Eさんの事例の詳細は、「30歳を超えてからの社会人入試。仕事と勉強を両立して大学受験合格をつかむまで」に掲載していますので、ご興味がありましたらお読みください。
最後に、大学受験を目指す社会人の方からよく聞かれる質問をまとめてみました。
代表的なもの5つをQ&A形式でご紹介します。
例えば、「通信制大学・学部」や「二部学部(夜間学部)」は、仕事と並立して通いやすい大学です。
通信制大学・学部・コース
二部学部(夜間学部)
「大学に行って授業を受ける、昼の学部」については、時短勤務や勤務時間の変更などが可能かどうかを職場に相談・確認しましょう。
「働きながら大学で学ぶことは誰にでもできる、カンタンである」とは言いません。
ですが、最初から「無理だ」と決めつけずに、大学やお勤め先のことを調査・相談することで、あなたに合った方法で、仕事と大学を両立する方法が見つかるはずです。
お金と時間がかかるので積極的にはオススメしませんが、仕事と大学生活を両立させるためには、「最初から留年を視野に入れる」という方法もあります。
例えば、4年制大学を5年間(以上)で卒業するという計画を立てると、1年間あたりの授業数が少なくなるので、時間的には仕事との両立がしやすくなる、ということです。
ただし、お子さんの年齢や状況などによって様々な優先順位が変わりますので、勉強のスケジュールを柔軟に調整し、効率のいい勉強計画を立てることが特に重要になります。
そのため、周りの人の協力や塾などの専門的なサポートを得ることが大切です。
キズキ共育塾でも、子育てをしながら一般受験で大学受験に合格した方がいます(詳しくは、「シングルマザーの大学受験体験記〜講師の支えのおかげで勉強と子育てを両立できた〜」をご覧ください)。
例えば、日本学生支援機構(JASSO)の貸与型の奨学金は、社会人も利用可能です。
また、独自に奨学金制度を設けている大学もあります。
奨学金の応募資格などは大学ごとに異なりますので、志望校に問い合わせてみる価値はあるでしょう。
若いころに比べると、新しいことを覚える能力は弱くなっているかもしれません。
お伝えしたように、注意すべきポイントもあります。
ですが、ご紹介した成功例のように、社会人ならではの「強み」を活かして合格することは充分できます。
私たちキズキ共育塾の生徒さんにも、大学受験に成功した社会人が大勢いらっしゃいます。
一口に「社会人」と言っても、目的や状況は一人ひとり異なるため、一概に「どこがいい」と言うことはできません。
何度も繰り返すとおり、社会人の大学受験に詳しい塾などに相談すると、「あなたの状況」に合わせて、具体的な志望校が見つかると思います。
私たちキズキ共育塾でも、社会人の大学受験について、無料相談を行っています。
この章では、「社会人の大学受験」について、社会人のための個別指導塾・キズキ共育塾の講師たちからのアドバイスを紹介します。
実際に社会人の生徒さんと日々接している講師たちのアドバイスですので、きっと参考になると思います。(これまでの内容もキズキ共育塾の知見に基づくものであるため、一部重複する部分もあります。また、講師名は仮名の場合もあります)
また、私たちキズキ共育塾の無料相談では、「実際のあなた」のための、より具体的なアドバイスが可能です。ぜひご相談ください。
Y.N講師のアドバイス
「文系の、社会人入試」を利用する場合は、ほとんどの大学で面接と小論文が課されます。それぞれの対策が必要となりますが、まずは自分が受ける学部・学科の専門分野についてあらかじめ調べて学んでおくことが大切です。
①小論文について
小論文では、関連分野について出題されると考えましょう。志望先でどのような過去問が出されていたかを参考に、類似の形式や題材を設定して複数回練習しましょう。
過去問はパスナビや大学の入試サイトに掲載されている場合が多いので、参考にしましょう。ネット上に出ていなくても、大学で直接過去問を閲覧できることがあるので、ぜひ問い合わせてみてください。
また、説得力のある小論文を書くためには、時事問題に関する知識を身につけることが大変有効です。経済、社会、教育、法律分野の知識は、新聞を読むのが最も手っ取り早く、かつ確実です。
慣れないうちは、自分の関心のある記事やコラムなどを斜め読みする程度で構いません。ある程度続けていれば、様々な事件の経過や特定の問題を深掘りした解説記事などが目に入ってくると思います。新聞は紙媒体でも電子媒体でもいいのですが、紙媒体の方が一度に全体が視野に入るため、知りたい情報を効率的に認知できるメリットがあります。
②面接について
面接の対策で重要なのは、「大学に入って何を研究したいかを明確にしておくこと」です。そのため必要なことは、志望先にどのような専門分野やゼミがあり、講師の専門に自分が専攻したい分野があるかを調べておくことです。
特に社会人入試の場合、大学側に「この人を指導したい、我が大学で学んでほしい」と思わせなくてはなりません。「ここでしか学べない理由がある」と熱意を持って語れる人ほど、合格する確率は高くなるはずです。
志望理由は、自分のそれまでの経歴と関連付けられるといいですね。ただしそれが必須というわけではありませんので、しっかりした動機や理由が語れれば問題ありません。
以上いろいろ書きましたが、社会人を経て大学で学び直しをしたいあなたは、強い意志をお持ちだと思います。ご自分のよりよい未来のために、がんばってください。
O.S講師のアドバイス
①「現在の自分」に合わせたスケジュールを立てる
社会人だからというわけではないですが、頭を使う体力や集中力というのは、基本的に20歳前後をピークにどんどん衰えていきます。学生の頃の体力やテンションを想定してスケジュールを立てると、思いのほかスケジュールどおりに進まない事態もありえると思います。スケジュールなどは、「現在の自分」に合わせて作成しましょう。
②頼れる存在やコミュニティを利用する
塾・予備校などの「同じタイミングで同じ目標を持っている仲間がいる場所」に物理的に所属していないと、モチベーションの管理が難しかったり、進捗の比較が他人としにくくて不安になったりということがあると思います。しかし、特にコロナ禍のある現在では、「物理的な所属」が難しいケースもあるでしょう。私の場合は大学受験ではなく公務員試験の受験でしたが、それでメンタルをやられていた時期があります。
そういう状態が苦手な人は、頼れる存在(コロナ対策を行っている、社会人の大学受験をサポートする塾など)を利用したり、ネット上でもよいので何かのコミュニティに所属したり、という工夫が必要かも知れません。
具体的な計画を立てる
社会人の大学受験で留意した方がよいポイントは、「具体的な計画を立てること」です。
社会人の生徒さんからよくお聞きするのは、「今週は仕事が忙しくて勉強ができなかった」という言葉です。もちろん、「しかたない話」ではあります。ただ、「勉強ができなかった」という事実が積み重なっていけばいくほど、学力が身につかないだけではなく、「勉強したという自信」からも離れていき、受験への不安も強くなりがちです。
忙しい社会人が学力や自信を身につけるため注目すべき点は、漠然とした「勉強した・しなかった」ではなく、どこができるようになって、何を克服できたのか、何を覚えることができたのかなどだと思います。そのために、「具体的な計画」が必要なのです。具体的な計画があれば、計画がうまくいかなかったときのリカバーもしやすくなります。計画のクリアを積み重ねていけば、学力、達成感(自信)、そして合格につながります。
これは、「いまから実際に大学(受験)を目指すべきかどうか」を考える際の一助となるアドバイス・判断材料です。
「自分への投資」という観点で検討する
大学に通うには、お金も時間もかかります。そのため、大学を目指すか否かは「自分への投資」という観点で検討するのがよいと思います。
検討した結果、「いまではなく、仕事でもう数年経験を詰んだ後に受験しよう」「専門性がより高い学部を目指そう」「大学受験ではなく転職する方がキャリアアップにつながる」など、より合理的で自身で腹落ちできる道を選ぶことができると思います。
D.M講師のアドバイス
入学方法が一般入試以外でも、気にしなくて大丈夫
「大学受験をするからには、『いわゆる一般入試(=学力のみの試験)』で挑まなければ」「一般入試以外で合格したことを、引け目に感じる」と思う人がいます。
ですが、自分が利用する・した入試の方法が一般入試以外のものだとしても、気にしなくてよいです。なぜなら、大学では様々な学生がおり、また学ぶ理由も同様に様々あるからです。
この章では、「社会人の大学受験」について、社会人ならではの有利なポイントを、キズキ共育塾の講師たちが伝えます。(これまでの内容もキズキ共育塾の知見に基づくものであるため、一部重複する部分もあります。また、講師名は仮名の場合もあります)
前章に続いて、こちらもぜひ参考にご覧ください。
金城龍介講師のアドバイス
私自身、大学卒業後は全く勉強しておりませんでしたが、40歳手前から学習を開始しました。その中で感じた、「社会人ならではの有利な点」は3つあります。
①目的を達成できる能力を活かせる
社会人は、仕事で結果を出さないといけない経験を積んでいます。その経験(能力)を受験に使えば有利に働きます。例えば、過去問を見たときにどうやってこの問題を攻略するかなどは、目的を達成する能力が高い方ががぜん有利です。
②時間をうまく使える
効率的に時間を使う能力も、仕事で求められるものです。これも勉強に活かせます。
③能動的である
社会人で大学受験する人は、能動的なはずです。能動的であるということは、勉強での成果にもつながる可能性が高いです。特に目的意識が強い場合は、短期間でかなり成績が伸びます。
以上3点の理由で、私は社会人は大学受験に有利だと考えます。
お仕事をはじめ、社会人生活で自然と得た能力は、優位に働くと思います。
例えば私の場合、社会人になってから、扱う情報の量・幅は学生の頃よりも大きくなりました。また、関係者も増えました。そのため、仕事を通じて情報処理能力がかなり強化されたと思います。
近年は、共通テストをはじめ、科目によらず、「問題を理解するための高い読解力と情報処理」が求められる形式の問題が増えています。そのため、私のように仕事を通じて自然と情報処理能力が鍛えられた方は、受験においてかなり有利だと思います。
三島雪よ講師のアドバイス
人間の心理や組織の仕組みを理解している
これは、「大学受験での有利」ではなく、「大学に入学した後の有利」の話です。
社会人は、学生に比べて、社会(=人間の心理や組織の仕組み)についてよく理解しています。
そのため、先生や学校などに対する関わり方を工夫することができます。より具体的には、単位を取得し、学問を身につけ、卒業して次の職業やフィールドにつなげたりすることが、いわゆる「学生年齢」の人たちよりも上手にできる、ということです。
大学での学びを、より効率よく自分の中に取り込むことができるのです。(逆に、私自身が現役学生の頃は、「社会」についての理解があまりなかったために、授業への取り組み方や単位取得などがうまくいかないことがありました)
社会人入試制度を設けて、社会人の受け入れ態勢を整えている大学も少なくありません。
「大学受験なんて無理だ」と決めつける前に、まずは大学受験に詳しい人や、専門の塾などに相談してみましょう。
このコラムが、社会人からの大学受験を目指す人の助けになったなら幸いです。
最後に、幕末の思想家、吉田松陰の言葉を紹介します。
悔いるよりも今日直ちに決意して
仕事を始め技術をためすべきである
何も着手に年齢の早い晩い(おそい)は問題にならない
学ぶのに、夢に挑むのに、遅いということはない。
幕末の動乱期に生きた彼の言葉は、そんな真実を表していると思います。
お読みいただきありがとうございました。
私たちキズキ共育塾は、大学受験を目指す社会人のための完全個別指導塾です(会社員・自営業・公務員・主婦・主夫・フリーターなど)。勉強/受験方式/志望校探しなどについて、無料相談ができます。社会人の大学合格実績多数。お気軽にご連絡ください。
フォームで問い合わせ私たちキズキ共育塾の生徒さんには社会人も多く、毎年、様々な大学に進学しています。
ご相談は無料ですので、少しでも気になるようでしたら、お気軽にご相談ください(ご相談は無料です)。
経験豊富な講師とスタッフが、あなた個人の事情に応じて、あなたの学びを具体的にサポートします。
キズキ入塾に関して少しでもご興味があれば、まずはLINEで友だち追加を。
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「お名前」「電話番号」「メールアドレス」だけの入力で、電子パンフレットをすぐに返信いたします。
電子パンフレットなら場所を取らないのでとっても気軽。
卒業生の声なども載せていますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
/Q&Aよくある質問
社会人が大学受験を成功させるためのポイントを知りたいです。
社会人が受験勉強で有利なことはありますか?