学校に行きたくないあなたへ 理由や対処法を解説!リアルな体験談も

こんにちは。生徒さんの勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする完全個別指導塾・キズキ共育塾です。
「学校に行きたくない…」という、辛い気持ちを抱えていませんか?また、そんな気持ちがありつつも「学校に行かなければ」と悩んでいませんか?
学校に行かないことは、決して悪いことではありません。
このコラムでは、キズキ共育塾の生徒さんなどのアンケートや実例に基づき、学校に行きたくない理由や対処法などについて解説します。
いまの苦しい状況を、変えるきっかけになれば幸いです。

共同監修・不登校ジャーナリスト 石井志昂氏からの
アドバイス
学校に行きたくないあなたへ
このページを開いたということは、あなたの心には、「学校でうまくいかない」などのモヤモヤした気持ちがきっとあるはずです。
その気持ちは、なまけでも弱さでもありません。「自分を大切にしたい」「自分の将来を大切にしたい」という思いのあらわれなのです。
このコラムには、そんなあなたのための現実的な選択肢をお伝えします。ぜひ、「自分(の将来)を大切にしたい」と思いながら読んでみてください。
本コラムでは、学校に行きたくないという感情そのものが、理由があるという証拠と書かれています。不登校関係のコラム(学校に行きたくない気持ち関係のコラム)にはなかなか書かれていないのですが、まさにそのとおりだと思います。直前にも書いていますが、自分を責めず気持ちを落ち着かせて、自分自身をいたわってください。
私たちキズキ共育塾は、学校に行きたくない人のための、完全1対1の個別指導塾です。
10,000人以上の卒業生を支えてきた独自の「キズキ式」学習サポートで、基礎の学び直しから受験対策、資格取得まで、あなたの「学びたい」を現実に変え、自信と次のステップへと導きます。下記のボタンから、お気軽にご連絡ください。
目次
「学校に行きたくない」は甘えじゃない!
「学校に行きたくない」という気持ちは、決して甘えではありません。心と体からの、大切なサインの可能性が高いです。まずはその気持ちに、正直に応えて大丈夫です。
学校に行きたくないときは無理して行く必要ありません〜心と体を大切にしましょう〜

学校に行きたくないときは、無理して行く必要はありません。その気持ちは、心や体が「少し休んでほしい」と訴えているサインの可能性があります。
無理をして通い続けることで、心身の不調が悪化するケースも、実は少なくありません。「甘えだ」と切り捨てず、必要なときはしっかり休んでください。
まずはひとつしかない心と体を、大切にしましょう。
そもそもなぜ学校に行くの?
「学校に行くのは当たり前」と思われがちですが、そもそも私たちは、なぜ学校に行くのでしょうか?
学校は、勉強を通じて知識を身につけたり、友達や先生と関わる中で社会性を学んだり、将来の進路や仕事のための準備をしたりするために通います。つまり、学校は生きる力を育てるための場所です。
しかし、それは「いま、学校でなければできない」という意味ではありません。前述のように、心や体が疲れている中で無理に通い続けると、心身の健康を損ね、かえって学ぶ意欲を失うこともあります。
あなたにとって最適な学びの形やタイミングは、必ずあります。むしろ、自分の状態を理解し、必要なときに立ち止まることは、とても勇気ある行動です。
焦らず、自分のペースで進んでいきましょう。
まずは自分と向き合おう
学校に行きたくないときは、自分としっかり向き合いましょう。ただし、向き合い方を間違えると自分自身を追い詰める可能性があるので注意してください。特に「学校に行きたくない自分はだめだ」というように、自己否定するのは危険です。
また、「もう二度と学校に行けない」「勉強が遅れて進学できないかも」など、マイナスな思考には陥らないようにしましょう。
学校に行きたくない気持ちと向き合うときは、自分が置かれている状況を受け入れ、自己受容を意識することが大切です。
学校に行きたくないときに知っておきたい基本情報
学校を休むと、さまざまなことが心配になるものです。「不登校の定義は?」「留年になる欠席日数は?」「進学にどう影響するの?」といった、学校に行けないときに浮かびがちな不安に回答します。
どれくらい休んだら不登校?~定義~
不登校とは、病気や経済的な理由を除いて、年間30日以上学校を欠席している状態を指します。
文部科学省では、「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」と定義しています。(※出典:文部科学省「不登校の現状に関する認識」)
ただしこれは文部科学省の定義で、実際には1日でも「学校に行きたくない」「行けない」と感じた時点で、その気持ちはとても重要です。「まだ30日も休んでないから」と日数だけを気にすることはやめましょう。
注目したいのは数字ではなく、あなたの「学校が辛い」という気持ちです。
どれくらい休んだら留年になるの?

全日制高校では、一般的に欠席日数が3分の1を超えると、留年の可能性が出てきます。
しかし、「何日休んだら即留年」という明確な基準はありません。学校によって基準はさまざまです。
留年が心配な場合は、早めに学校の先生に相談することが大切です。「休みが多いからもうだめだ」と決めつけず、状況に応じたサポートや対処法を探していきましょう。あなたの将来のために、周囲を頼ることも立派な行動です。
高校受験・大学受験への影響は?
学校を休む日数が多いと、「進学に影響するのでは?」という不安も出てくるでしょう。
実際、高校受験においては、欠席日数が内申点に影響するケースがあり、進学先の選択肢が少なくなる可能性があるのは事実です。
ただし、「内申点が低い=進学できる高校がひとつもない」というわけではありません。内申点を審査しない高校(通信制高校など)や、学力試験の得点を重視する入試方法を採用している高校も多くあります。
何年生のときの内申点が評価対象になるのかも確認しておきましょう。例えば、「中学3年生の成績のみを審査対象とする高校」であれば、中学1〜2年生の欠席日数は影響しません。現在休んでいる場合でも、いまから無理のない範囲で学習を進めたり、学校と相談して「塾の出席を出席日数としてカウントできる制度」を活用するなど、対策は可能です。
一方、大学受験においては、欠席日数が合否に直接影響するケースは少なくなります。指定校推薦は、欠席がマイナスに働いて利用できない可能性があります。しかし、それ以外の入試方式であれば心配し過ぎる必要はありません。
まず、一般入試(学力試験の点数だけで審査される入試)では、学校の欠席日数は、全く関係ありません。
次に、総合型選抜では、面接や志望理由書で「なぜ学校を休んだのか」「その経験をどう乗り越えたのか」などを自分の言葉で、前向きに、かつその大学・学部で学びたい理由と関連づけて語ることができれば、かえってよい評価を受ける可能性もあります。辛い経験を乗り越えようとする姿勢は、受験でも大きな強みです。
学校に行きたくない理由は?
「学校に行きたくない」という気持ちには、さまざまな理由が隠れています。キズキ共育塾で、実際に「学校に行きたくない」と打ち明けたお子さんの親御さんを対象にアンケートを実施し、その声をもとに主な理由を整理しました。
【お子さんが話した学校に行きたくない理由を教えてください】
- 不安・気分の落ち込み:28件(18.30%)
- いじめを除く友人関係:22件(14.38%)
- 教職員との関係:21件(13.73%)
- いじめ:18件(11.76%)
- 学校の決まり(校則):17件(11.11%)
- 学校生活へのやる気のなさ:13件(8.50%)
- 入学・転入・編入・進級後の環境:12件(7.84%)
- 勉強の不振:8件(5.23%)
- 心身の障害(の可能性)に関する配慮のこと:6件(3.92%)
- 家庭生活の変化:3件(1.96%):17件(11.11%)
- 生活リズムの不調:3件(1.96%)
- 身の障害(の可能性)以外の配慮のこと:1件(0.65%)
- 親子関係:1件(0.65%)

最も多かったのは、「不安・気分の落ち込み」(18.30%)でした。これは、特定の出来事がなくても、心理的なエネルギーの低下や、抑うつ感などから学校生活が困難になるケースが多いことを示しています。また、「友人関係」「教職員との関係」「いじめ」を合わせると、約4割が対人関係のストレスを理由に挙げており、人との関わりが大きな負担になっているケースが多いことがわかります。
さらに、「校則」や「やる気のなさ」「環境の変化」といった、学校という制度や文化自体への違和感を抱えている人も一定数います。つまり、「学校が合わない」と感じること自体が、十分な理由になり得るのです。
知っておいてほしいのは、学校に行きたくない理由は1つではなく、いくつもの要因が複雑に絡み合っていることがほとんどだということです。学校に行きたくないという気持ちは、「原因を特定して取り除けば解決する」という単純なものではありません。
なお、気分の落ち込みややる気のなさなど自覚症状があるかどうかは置いておいて、学校に行きたくないという気持ちにはうつ病などの病気や発達障害が関係していることもあります。病気や障害の可能性については医療機関を利用しましょう。
学校に行きたくない理由がわからない人も多い
学校に行きたくない理由がわからない人も、中にはいます。理由が自分自身でもわからない背景には、無意識・無自覚な原因が潜んでいる可能性があります。行きたくない理由がわからないと、「怠けや甘えではないか」と自分を責めがちです。しかし、理由がわからないからといって、理由がないというわけではありません。
例えば、以下のようなことが考えられます。
- 理由がいくつもあって特定できない
- エネルギー不足で考えることができない
- 本当は理由があるが無意識に押し殺している
- 理由を口に出してはいけないと思っている
- 学校は行くものだと思っている
学校に行きたくない気持ちこそが、すでに理由がある証拠です。なお、自覚症状に関わらず、学校に行きたくない気持ちにはうつ病や発達障害が関係している場合もあります。病気や障害の可能性については、医療機関を適切に利用しましょう。
学校に行きたくないと思ったときの対処法11選
ここで、学校に行きたくないと思ったときの対処法を紹介します。あなたに合った対処法を、見つけてみてください。
対処法➀周りの人に相談する

学校に行きたくないと思ったときは1人で抱え込まず、まずは周りの人に相談してみてください。相談には、以下のような効果があります。
- 悩みに対する直接的な答えが見つかる
- 人に悩みを話すだけで気持ちが楽になる
身近な相談相手として、以下のような人が考えられます。
- 親やきょうだいなどの家族
- 友人
- 学校や学習塾の先生
- 保健室の先生やスクールカウンセラー
対処法②専門家や支援機関に相談する
周りの人以外にも、公的機関やNPOなどが行っている、電話、メール、LINE、ネット掲示板などの相談先があります。インターネットで「〇〇市 中学生 悩み相談」「文部科学省 高校生 悩み相談」のような検索をしてみてください。お住まいの地域・年齢・悩みに応じて、さまざまな相談先が表示されます。
なお、自分のことを人に相談することに抵抗のある人もいるでしょう。
- 自分の悩みは自分で解決しなきゃと思う人
- 相談するほどのことではないと思う人
- 相談することが恥ずかしいと思う人
- 相談しても解決しないと思う人
- どんな言葉が返ってくるか不安な人
しかし、相談すると、以下のような効果があります。
- 自分では気付けないアドバイスをもらえる
- 悩みを聞いてもらえるだけで心が晴れることがある
- 誰かに話すことで悩みを整理でき、自己分析にきっかけになる
学校に行くメリットについて考える
もしあなたが無理をしてでも学校に行っているのであれば、それは以下のような思いがあるからではないでしょうか?
- 学校いは〇〇な価値があるから絶対に行かなくてはならない
- 行かないと人生が終わってしまう
- 親の期待に応えたい
- 逃げいてるようでイヤだ
- いま在籍している学校をどうしても卒業したい
まずは、あなたが思う学校に行くメリットについて考えてみてください。「学校にはイヤなところもあるけれど、全てがイヤなわけではない」「好きなところもある」ということが見えてくるかもしれません。あなたにとっての学校に行くことの価値を、整理していきましょう。
対処法④学校に行くデメリットについて考える

次に、あなたが思う学校に行くデメリットを考えてください。学校に行くことに、努力と見合うほどの価値があるのか考えてみましょう。
自分が何に対して負担を感じているかを整理すると、具体的な対処法が見えてきます。
対処法⑤学校に行くメリットとデメリットを比較して判断する
学校に行くメリットとデメリットを冷静に比較すると、自分にとって何が大切なのかわかるはずです。学校に行く価値も見えてくるでしょう。
学校に行くことに、努力と見合う価値がないようであれば、無理して学校に行く必要はありません。「学校に行くことがいまの自分にとって本当に必要なのか?」を考えた上で、自分に合った選択をすることが大切です。
対処法⑥デメリットを軽減する工夫をする
もちろん、すぐに学校に行かないという判断をすることは難しいでしょう。その場合、デメリットと感じる部分を少しでも軽くする工夫をして、心の負担を和らげてみてください。例えば、以下のようなイメージです。
- テストの目標を10点下げる
- 人の輪に無理に入らない時間をつくる
- 苦しくなったら保健室登校や早退をする
- 朝が辛いなら遅刻する
- 調子が悪いなら2~3日学校を休む
また、メリットを感じられる部分が少しでもあるならば、そのメリットのために学校に行っていると割り切ることで、肩の荷が下りることもあります。もしデメリットを減らす工夫をした上で心の負担が和らがないのであれば、学校を休んでこれからどうするかを前向きに考えてください。
ただし、心身に不調がある場合はすぐに決めず、まずは休養することが大切です。焦らず、調子が良くなってからこれからのことを考えましょう。
対処法⑦教室以外の学校内の居場所を探す

学校に行きたくない理由が教室にある場合、教室以外の居場所を探しましょう。「居場所がある」と安心すると、学校に行きたくない気持ちが和らぎます。例えば、以下のような場所が考えられます。
- 保健室
- 図書室
授業の時間帯での利用方法や許可は、担任の先生、学年主任の先生、保健室の先生などに相談してください。
対処法⑧学校以外の居場所を探す
あなたの居場所は、学校の外にもあります。
- 習い事
- 趣味の団体
- 学習塾
- フリースクール
- アルバイト先
気になるところが見つかったら、以下のことを確認しましょう。
- 安心できる居場所か
- 好きなことが思いっきりできる場所か
居場所が見つかれば、気持ちも前向きになります。ぜひ、自分に合う場所を探してみてください。新しい自分に出会えることも、あるかもしれません。
対処法⑨いま在籍している学校に行かない選択肢を調べる
いま在籍している学校に「行かない場合」の選択肢を調べてみましょう。人生には、意外とたくさんの選択肢があります。例えば中学生なら、内申点が低くなっても進学できる高校を探してください。高校生であれば、いまの高校とは違うタイプの学校や高校認定の取得方法を調べてみましょう。
いまの学校以外の別のルートがあると知っておくと、いざとなればそちらに進めると思えるため、気持ちが楽になります。
対処法⑩学校に行かなかった人の価値観に触れる

学校に行かないことは、悪いことでも特別なことでもありません。学校に行かなくても幸せに生きている人はたくさんいます。
一度、学校に行かなかった有名人のインタビュー記事や本を読んでみてください。例えば、インターネットで「不登校 芸能人 インタビュー」「不登校 有名人 本」などで検索すると見つかります。
キズキ共育塾の生徒さんや講師だけを見ても、以下のようにさまざまな人がいます。
- 中学不登校から通信制高校に進学して、部活も生徒会活動も充実した学生生活を送っている人
- 高校を中退して、高卒認定を取得して大学に進学した人
- 大学中退後に、別の大学に入学し直して学業に励んでいる人
新しい価値観に出会うと、悩みの解決につながる可能性が高まります。
参考として、不登校や引きこもりを経験した芸能人・有名人の一覧は、「不登校やひきこもりを公表した芸能人38人を紹介~出典リンクつき〜」をご覧ください(キズキ共育塾と同じく株式会社キズキが運営するウェブメディア「不登校オンライン」のリンクが開きます)
対処法⑪勉強を継続する

学校に行かない選択をしても、可能な範囲で勉強は続けましょう。どんなルート、進路を選ぶにしろ、勉強はある程度重要です。ただし、ひとり人で勉強を続けるのはとても大変です。独学で勉強して挫折する人は少なくありません。
幸いなことに、いまは学校以外に勉強できる場所がたくさんあります。例えば、この記事の運営元である私たちキズキ共育塾は、学校に行けない悩みを抱える人のための個別指導塾です。同じような気持ちを抱える生徒さんが多く在籍しています。
勉強のことだけでなく、学校に行きたくない気持ちそのものや、学校に行かない場合の進路についても相談できます。きっとあなたの力になれるはずです。このコラムを読んでキズキ共育塾に興味を持ったら、ぜひお気軽にご相談ください。
学校でのストレスや疲れた気持ちを解消する方法
学校に行きたくない人の中には、学校でのさまざまなストレスに疲れている人がいるかもしれません。
そんな場合は、以下のストレスや疲れをを緩和する方法を実践してみてください。
- 考え方を変えてみる
- 人間関係の枠を広げる
- 学校生活の目的を見つける
- 運動をしてやる気ホルモンの分泌を促進する
- 状況を変えられないか調べる
- 3年間と割り切って過ごす
- 心療内科やカウンセラーを利用する
学校でのストレスや疲れた気持ちを和らげる方法については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
「学校に行きたくない」と感じた人のリアルな体験談
実際に「学校に行きたくない」と思った人の体験談を紹介します。友達関係や学業、進路の不安など、リアルな気持ちをお届けします。個人の特定に紐づかないよう、各体験談は、複数の事例を統合・編集しています。
「学校に行きたくない」と言えずに悩んだ私(小4)の話と親への伝え方

新学期が始まったとき、私は急に「学校に行きたくない」と思うようになりました。クラス替えで友達と離れたり、授業についていけなくなったりして、学校に行くのが怖くなったんです。けれど、親にはなかなか本当の気持ちを言えなくて、朝になると「お腹が痛い」「頭が痛い」とだけ伝えていました(これは嘘ではなく、実際に痛みを感じていました)。
そんな私を見て、親は「仮病でしょ」「行かなきゃだめ」とランドセルを持たせて玄関まで連れて行きました。泣いて座り込んで動けなくなっても、無理やり立たせて家の外に連れ出します。なんとか登校するものの、どんどん心が追い詰められていきました。
そしてある日、布団から出られなくなり「もう無理」と泣き出してしまったんです。そのとき、親はようやく私の気持ちを理解してくれて、「いままでごめん。学校には行かなくていいよ」と言ってくれました。それからは親は無理に登校させることをやめ、一緒に散歩したり、ゲームをしたりして、私のペースで過ごす時間を大切にしてくれました。そのおかげか、朝の頭痛や腹痛はなくなりました。
いまも、学校にはまだ行けそうにありません。「親に悪いことをしているなあ」という思いもありますが、親は「気にしなくていいよ」と言ってくれています。いつか登校を再開したいと思いつつ、できれば、学校ではない新しい居場所も見つけたいと思っています。
友達関係の悩みから「学校に行きたくない」と思った僕(中2)の話
知り合いがいない中学校に入学して、友達ができず、周りと馴染めない毎日が続きました。1年生のときはなんとか耐えていましたが、2年生になってからも同じ状況で、「これからずっとこうなのかもしれない」と思ったことで、気持ちが暗くなりました。
朝になると学校に行くのが怖くなり、心の中で「学校に行きたくない」と繰り返していました。でも、親にも先生にも言えず、ひとりで悩みを抱え込んでいました。
そんな日々が続いたある日、親に「学校に行くのがつらい」と打ち明けました。親は驚いていたけれど、話をじっくり聞いてくれて、学校にも相談してくれました。先生やスクールカウンセラーに話す機会をもらい、自分の気持ちを少しずつ言葉にすることで、心が軽くなったのを感じました(先生は、僕のことを「一人で過ごすのが好きなタイプ」だと思っていました…)。友達の作り方についてもアドバイスをもらいました。
いまも、毎日学校に行っているわけではありません。でも、アドバイスを実践することで、少しずつ「話せるクラスメイト」ができたので、前よりもつらさはありません。また、自分の気持ちを無理に押さえつけず、少しずつ進めばいいんだと思えるようになりました。
誰かに気持ちを伝えることで、心が楽になったり、具体的な解決策が見つかったりすることを知りました。
進路の不安で「学校に行きたくない」と悩んだ僕(高1)の心の葛藤
高校に入ってから、授業の難しさ、進路のこと、友達との関係に悩むことが増えました。どんどん不安が大きくなり、「学校に行きたくない」という気持ちが強くなっていきました。
「学校に行きたくないなんて自分はダメだ」と、毎日自分を責めていました。親にも心配をかけたくなくて、なかなか本当の気持ちを言えずにいました。
でもある日、限界が来ました。そして勇気を出して「学校に行くのが怖い」と親に話しました。親は驚いていましたが、気持ちを受け止めてくれました。学校の先生やカウンセラーにも相談し、少しずつ気持ちを整理できるようになりました。無理に頑張ろうとせず、自分のペースで進めばいいんだと気づきました。
いまは、学校に行ける日と行けない日があっても、自分を責めずに過ごしています。高校卒業後の進路を考える余裕も出てきました。「学校に行きたくない」と感じている人も、誰かに話すことから始めてみてほしいです。
親の気持ちは?実際の声
「学校に行きたくない」という子どもに対して親がどのように感じるかは、気になる人も多いでしょう。親のリアルな声も、紹介します。(※個人の特定に紐づかないよう、各体験談は、複数の事例を統合・編集しています)
「学校に行きたくない」と泣いた小4娘…親の無理な対応と気づき

新学期が始まったとき、小学4年生の娘・陽菜(ひな)が突然「学校に行きたくない」と言い出しました。
私は最初、「甘えているのでは」と思いました。「行かなきゃだめ」と繰り返し、ランドセルを持たせて、無理に登校させ続けました。
陽菜は毎朝「お腹が痛い」「頭が痛い」と言い、学校に行くのを嫌がりました。そしてある日、布団から出られなくなったんです。「もう無理」と泣いた陽菜の姿に、胸が締めつけられました。それからは無理に登校させるのをやめ、陽菜の気持ちを尊重することにしました。散歩をしたり、一緒にお菓子を作ったりして、陽菜のペースを大切にしました。
すると少しずつ表情が和らぎ、「フリースクールに行ってみたい」と話してくれるようになりました。
学校に行きたくない気持ちの原因は、後から聞いたところ、「隣の席の女子からちょっかいを出されることが本当に嫌だった」とのことでした。先生に相談して、登校を再開する際には席を離してもらうようにしました。
「学校に行きたくない」と訴えた中2息子と支援機関の支え
中学2年生の息子・大翔(ひろと)は、夏休み明けから朝に「頭が痛い」「お腹が痛い」と言って登校を嫌がるようになりました。最初は「反抗期かな」と軽く考えていましたが、1週間経っても状況は変わらず、心配が募りました。
担任の先生に相談したところ、スクールカウンセラーとの面談を勧められ、初めて息子と一緒にカウンセリングを受けることに。学校に行きたくない気持ちの原因は、結局、大翔自身にもよくわからないままでした。
ただ、カウンセラーから「無理に登校させるより、行きたくない気持ちを受け止めて支えることが大切」と教えられ、学校側も「登校しないこと」に理解を示しました。家族も大翔の気持ちを尊重し、無理に登校を促すことはせず、オンライン相談や支援教室も活用しました。
次第に大翔は少しずつ表情が和らぎ、家族との会話も増え、大翔自身のペースで少しずつ登校するようになっていきました。支援機関を利用しながら見守る大切さを痛感しました。
子どもが学校に行きたくないとき親はどうすべき?
「学校に行きたくない」と言う子どもに対して、親御さんができる対応について説明します。
親ができる3つの対応

「子どもが学校に行きたくない」というときに、親ができる対応として、以下の3つがあります。
- 専門家・専門機関を利用する
- 親は親で生活を楽しむ
- つながりをつくる
親は、学校に行きたくない気持ちの専門家ではありません。スクールカウンセラーや臨床心理士・公認心理士などのカウンセラー、子どもの悩み相談を行う支援機関、不登校に詳しい学習塾など、専門家を頼ることで、解決策が見つかります。また、親は親で生活を楽しみましょう。これは、子どもにかかりきりにならない、と言い換えることもできます。
将来に不安を抱えるお子さんにとって、親御さんが楽しく生活する姿は、楽しい将来のロールモデルになります。生活を楽しむ意味でも、つながりをつくることは重要です。例えば、不登校の親どうしで話をする場である不登校オンラインの「親コミュ」などの場所があります。悩みを抱え込みすぎないためにも、ぜひご検討ください。
やってはいけない2つのNG行動
「学校に行きたくない」と言う子どもに親がやってはいけない2つのNG行動についても解説します。
- 「学校に行け」と叱る
- 「明日は行くから」を真に受ける
「学校に行け」と叱るのは、逆効果です。理由がなんであれ、学校に行きたくない気持ちがある場合、休養が必要です。仮に、叱られたその日は、学校に行くかもしれません。
しかし次第に、叱られずに学校に行かない方法を考えることにエネルギーを注ぎ出します。学校に行きたくない気持ちの前向きな解決策を考える方にエネルギーを使えなくなります。
また、「明日は学校に行くから」という言葉は、真に受けてはいけません。お子さんは、嘘をついているわけではありません。ただ、「明日は行くから」の心の中には、「今日休んでしまったのだから、明日こそは行かなければ」「学校を休んでいると、親に見捨てられるかもしれない」など、葛藤を抱えていることが多いです。
お子さんからのSOSと考えて、どうか責めないでください。
学校に行きたくないあなたへ〜キズキ共育塾の講師からのメッセージ・アドバイス〜
この章では、学校に行きたくない人に向けた、キズキ共育塾の講師からのアドバイスを紹介します。
参考として、ぜひご覧ください。
学校に行くか行かないかで迷ったときは、両方のパターンを考えてみることが大切です。
紙を用意して、今の状態で学校に行ったときのメリット・デメリットと、行かないときのメリット・デメリットを考えられるだけ書いてみましょう。
そして、現時点でメリットだ(メリットが多い)と判断した方を選択するといいと思います。
いずれ、別の方を選択する可能性もあります。そのときに相談に乗ってくれる人がいれば、その人と一緒に書いてみることをオススメします。
人に相談することで、どちらか一方に縛られず中立的な目線でそれぞれのいいところや悪いところがわかるからです。
また、一定の期間空けてやることもオススメします。
T.A講師からのアドバイス
学校生活の中で楽しいと思えることを探して、そのことに意識を集中させてみましょう。
ネガティブなポイントに意識を向けると、そればかりが気になるからです。
楽しいことに意識を集中させることで、徐々に学校に行くことが気にならなくなるかもしれません。
逆に、家にいる方がポジティブでいられそうなときは、家にいる選択をするのもいいと思います。
つまり、どこにいるのがその日一番自分が楽しく、心穏やかに過ごせるのかを基準に選択するようにしましょう。
参考:学校休んだほうがいいよチェックリストのご紹介

2023年8月23日、不登校支援を行う3つの団体(キズキ、不登校ジャーナリスト・石井しこう、Branch)と、精神科医の松本俊彦氏が、共同で「学校休んだほうがいいよチェックリスト」を作成・公開しました。LINEにて無料で利用可能です。
このリストを利用する対象は、「学校に行きたがらない子ども、学校が苦手な子ども、不登校子ども、その他気になる様子がある子どもがいる、保護者または教員(子ども本人以外の人)」です。
このリストを利用することで、お子さんが学校を休んだほうがよいのか(休ませるべきなのか)どうかの目安がわかります。その結果、お子さんを追い詰めず、うつ病や自殺のリスクを減らすこともできます。
公開から約1か月の時点で、約5万人からご利用いただいています。お子さんのためにも、保護者さまや教員のためにも、ぜひこのリストを活用していただければと思います。
- 「学校休んだほうがいいよチェックリスト」はこちら(LINEアプリが開きます)
- 「学校休んだほうがいいよチェックリスト」作成の趣旨・作成者インタビューなどはこちら
- 「学校休んだほうがいいよチェックリスト」のメディア掲載・放送一覧はこちら
- 【オリジナル書籍プレゼント】学校外で友だちができるBranchコミュニティ(Branch公式LINEが開きます)
私たちキズキでは、上記チェックリスト以外にも、「学校に行きたがらないお子さん」「学校が苦手なお子さん」「不登校のお子さん」について、勉強・進路・生活・親子関係・発達特性などの無料相談を行っています。チェックリストと合わせて、無料相談もぜひお気軽にご利用ください。
学校行きたくないあなたにおすすめの動画
以下の動画で、このコラムの内容に関連して、キズキ共育塾のスタッフが中学校に行きたくなかったときの話、自己肯定感を身につけた方法などをお伝えしています。 興味がありましたら、ぜひご覧ください。まとめ~学校に行きたくない状況は必ず変えられます~

学校に行きたくないと思うあなたの苦しみを理解する人は必ずいます。そして、あなたの状況も必ず変えられます。
1人で悩んで思い詰めすぎないようにしてくださいね。
あなたの今後が、よりよい方向に向かうことを願っています。
/Q&Aよくある質問
学校に行きたくない気持ちと向き合う方法を知りたいです。
- 学校に行くプラスとマイナスの部分を比べて、折り合いをつける
- 学校に行かなかった人の価値観に触れる
- 相談できる人を見つける
- 学校以外の居場所を探す
- 「いま在籍している学校」に行かない選択肢を調べる
- 将来に希望を持ち、何よりも生きていく
「なんとなく学校に行きたくない」状態で、原因が自分でもわかりません。
- 理由がいくつもあって、特定できない
- エネルギー不足で、原因を考えることができない
- 本当は理由があるが、無意識に押し殺している(理由を口に出してはいけないと思っている)
- 「学校は行くものだ」と思い込んでいる