不登校の後悔、よくある内容や体験談〜親自身のストレスケア法も紹介〜

不登校の後悔、よくある内容や体験談〜親自身のストレスケア法も紹介〜

こんにちは。学校が苦手な人たちの勉強とメンタルを完全個別指導でサポートするキズキ共育塾の藤井祐太朗です。

あなたは、子どもの不登校について悩んでいませんか

「この子が成長したとき、不登校だったことを後悔しないだろうか」

そんなふうに、後の人生に不登校の経験を悪い形で引きずることを心配しているかもしれません。

このコラムでは、国が発表しているデータや、実際に中学校で不登校の経験がある子たちの意見をもとに、次のような点をご紹介します。

  • 不登校に関する後悔があるか、また、その具体的な内容
  • 不登校時代を後悔しないための方法は何か
  • 中学校時代に不登校経験のある筆者の体験談

なおこの記事は、不登校の子を持つ親御さん向けですが、今不登校であるご本人にも役に立つ内容だと思います。

この記事を読むことで、不登校で後悔しがちな内容をあらかじめ知っておくことができ、不登校でも後悔しないような選択をするための助けとなるはずです

お子さんと、そして親であるあなた自身の「後悔」について、お役に立てればうれしいです。

監修 / キズキ代表 安田祐輔

やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、不登校・偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。また、不登校の子どものための家庭教師「キズキ家学」、発達障害やうつ病の方々のための就労移行支援事業所「キズキビジネスカレッジ」も運営。

【新著紹介】

『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法』
(2022年9月、KADOKAWA)
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KADOKAWA公式

【略歴】

2011年 キズキ共育塾開塾(2023年7月現在10校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年7月現在4校)

【メディア出演(一部)】

2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)

共同監修 / 不登校新聞社代表理事 石井志昂

いしい・しこう。
1982年、東京都町田市出身。NPO法人全国不登校新聞社代表。
中学校受験を機に学校生活が合わなくなり、教員や校則、いじめなどを理由に中学2年生から不登校。同年、フリースクール「東京シューレ」へ入会。19歳からNPO法人全国不登校新聞社が発行する『不登校新聞』のスタッフとなり、2006年から2022年まで編集長。これまで、不登校の子どもや若者、識者など400人以上に取材してきた。

【著書など(不登校新聞社名義も含む)】

「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること(ポプラ社)』『フリースクールを考えたら最初に読む本(主婦の友社)』『学校に行きたくない君へ(ポプラ社)』『続 学校に行きたくない君へ(ポプラ社)』

【寄稿など(一部)】

AERAdot」「プレジデントオンライン」「東洋経済オンライン」「FRaU」など多数

サイト運営 / キズキ

「もう一度学び直したい方」の勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする学習塾。多様な生徒さんに対応(不登校・中退・引きこもりの当事者・経験者、通信制高校生・定時制高校生、勉強にブランクがある方、社会人、主婦・主夫、発達特性がある方など)。授業内容は、小学生レベルから難関大学受験レベルまで、希望や学力などに応じて柔軟に設定可能。トップページはこちら。2023年7月現在、全国に10校とオンライン校(全国対応)がある。

共同監修・不登校新聞社 代表理事 石井志昂氏からの
アドバイス

不登校は、子どもが「答え」にたどり着ける期間になります

この記事で紹介する、「不登校に関する後悔の有無」の割合は、非常に意外なはずです。先に言いますと、不登校の経験を「よい」とも「悪い」とも言いきっている人は少ない(どちらも過半数に至らない)のです。このデータは、私も含めていろんな人が精査しました。

共通して言えるのは、「不登校の経験者は、その期間に『価値』や『気づき』を得ている」ということです。不登校の期間は無駄ではなく、子どもが「納得のできる答えにたどり着ける期間」と言えるのではないでしょうか。親御さんには、不登校の専門家や支援団体とも話しながら、そのためのサポートをしていただければと思います。

不登校の後悔について

あなたは、不登校の子どもの現在や将来について、次のように心配・悲観しているかもしれません。

  • 人生で一度しかない学生時代を不登校で過ごすなんて、後悔するんじゃないか
  • 関連する情報を収集したくても、実際に不登校だった人に「後悔してる?」なんて気軽に聞けない
  • 聞けたとしても「あなたのお子さん」に当てはまる話かどうかはわからない
  • そもそも、周りに不登校だった人がいない

それでは、参考になる情報はないのか…というと、実は文部科学省が「不登校生徒に関する追跡調査」というものを行っています。

この調査は、簡単に言うと、以下のような内容で調査・分析したものです

  • 「かつて不登校だった子が何年かを経て、現在どのような状況なのか」を調査・分析
  • 「平成18年度に中学校第3学年に在籍し学校基本調査において不登校として計上された者(調査概要より抜粋)」を対象
  •        
  • 平成23年度に行われた調査内容をもとにして、平成26年度に『「不登校に関する実態調査」~平成18年度不登校生徒に関する追跡調査報告書~』(以下、報告書)として公表された

私たち「不登校の生徒さんの支援実績が豊富なキズキ共育塾」から見て、現在でも大筋としては通用する内容だと思います。

それでは、ご紹介していきます。

①不登校に対する後悔の有無

不登校に対する後悔の有無

報告書には、不登校に対する後悔の有無として、以下のような設問があります。

「今、考えると、小中学生の頃、不登校で学校に行かなかったことをどう思いますか。次の1~4の中からいちばん近いものをひとつ選んで○をつけてください。」

この設問の回答結果は以下のとおりです(有効回答数1,604)。

  • 行けばよかった 606件(37.8%)
  • しかたがなかった 494件(30.8%)
  • 行かなくてよかった 183件(11.4%)
  • 何とも思わない 273件(17.0%)
  • 未回答・無効回答 48件(3.0%)

この回答結果から、次のことが読み取れます。

  • 「行けばよかった」と後悔の念を抱いている人が最も多く、37.8%
  • 「行かなくてよかった」という肯定的な回答は最も少なく、11.4%

つまり、不登校に対して後悔している人は、肯定的な人に比べて3倍以上いると言えます

ただし上記は、次のようなグループ分けで考えることもできます。

  • 「行けばよかった」は「後悔がある」で、37.8%
  • 「しかたがなかった」は「中立的」で、30.8%
  • 「行かなくてよかった」「何とも思わない」は、「後悔がない」で、28.4%

こうすると、不登校について「中立的」「後悔がない」という人の割合が、「後悔がある」人たちよりもかなり多いことがわかります

②不登校に対する後悔の内容

次に、報告書内で触れられている不登校に対する後悔の内容を紹介します。

「なぜ、不登校を後悔しているのか」ということを、報告書の内容から分類・要約しています。

当該項目は、「不登校により失ったものがある」と回答した人数を100とし、失ったものの具体的内容の内訳をパーセンテージで示しています。

また、併せて私たちキズキ共育塾の生徒さんの声もご紹介します。

(a)学力、勉強(14.6%)

・一般知識が欠如していると感じる
・進みたい学校に進学できなかった
・不登校による勉強不足で、高校、専門学校、大学でも学力差や勉強についていけない感覚がある

(b)友人関係(6.9%)

・不登校当時に友人との時間が持てなかった
・学生時代の友人が少なく、周囲がうらやましい
・留年や浪人で、同級生が年下になった
・学校でもっと友人をつくればよかった

(c)進路(10.9%)

・進学や就職に悪影響を感じた
・不登校でなければもっといい進学先や就職先に行けた
・「今の自分の力ではこんな仕事しかできない」と自己否定的になった

(d)思い出(6.3%)

・学校の楽しい思い出ができなかった
・今の友人と、中学時代の思い出を語り合えない
・成人式で、周りの参加者と思い出を共有できなかった

キズキ共育塾の生徒さんたちからは、次のような声もあります(一部です)。

  • 中学で不登校になって、そのまま学校の友達と会わなくなった。そのモヤモヤを5年も引きずっている
  • 学校行事に参加する、友だちと買い食いする、ちょっと誰かとケンカするといったような、中高生時代にしか体験できないことができなかった
  • 不登校であることに劣等感を持って、面白そうな場所や活動にどんどん行けなくなった
  • 高校を不登校から中退したことで最終学歴が中卒になった。進学や就職で不利になったため、今学び直している
  • 些細なことで先生とケンカをして高校を不登校になったけれど、もっとよく考えてから行動すればよかった

③不登校を後悔していないという意見

不登校を後悔していないという意見

報告書には、不登校を肯定的にとらえている人の意見も掲載されています。

こちらも、報告書の内容及びキズキ共育塾の生徒の声を、分類・要約して記載します。

当該項目は、「不登校により得たものがある」と回答した人数を100とし、得たものの具体的内容の内訳をパーセンテージで示しています。

(a)休んだおかげで今の自分がある(18.9%)

・苦しんでいた時間があったから今の自分がいる
・不登校のつらさを乗り越えて自信がついた

(b)成長した、視野が広がった(13.2%)

・自分のことや周りのことが見つめ直せて成長できた
・肯定的な休息だった
・学校のメリット・デメリットが俯瞰的に見ることができた

(c)出会いがあった、学校に巡りあった(16.0%)

・不登校の間に、新しい友達やカウンセラーなど、自分を支えてくれる存在と出会えた
・不登校の自分を見捨てないでいてくれる友人や先生の大切さを実感した

(d)人とは違う経験をした(11.3%)

・学校では得られない経験を積んだ
・他の人とは違う見方ができるようになった

(e)その他

・同じ経験をしている人の気持ちが理解できる
・自分で決めたことなので後悔はしていない
・無理して学校に行っていたら取り返しがつかなかったかもしれない
・学校に行っていても今よりいい状況になるかわからない
・友だちもいるし仕事もしているので後悔はない

キズキ共育塾の生徒さんからは、次のような声があります(一部です)。

  • 登校し続けていたら精神的な不調が悪化したかもしれず、それを防げてよかった
  • 他人と違う道を進むことに抵抗がなくなった
  • 不登校をきっかけに、将来のことを真剣に考えるようになった
  • 不登校のときに身につけた知識や雑学が、思わぬところで役に立った

④不登校の後悔についての補足

不登校の後悔について、補足します。

不登校期間は、学校に行かない分、自分で「何か」をする時間が多く取れます。

不登校期間中に継続して「何か」をやっておくと、継続できたという事実そのものや、それが具体的に役立つ機会によって、「不登校の期間があってよかった」と思える可能性は高まります

ただし、心身の調子を整っていないときに無理は禁物です。心身の調子を整えることが一番です。

嫌なことを無理やりするのではなく、楽しみながら自分の自信につながることのほうがよいでしょう。

例えば、次のようなことはいかがでしょうか。

  • 読書
  • 動画編集
  • イラスト
  • プログラミング

また、もしかしたら「楽しんで」はできないかもしれませんが、「勉強」はもちろん一般論として役に立ちます。

不登校の「次の一歩」は「今の学校への登校再開」とは限らない

不登校に対するとらえ方は人それぞれ

ご紹介してきたように、不登校にまつわる「後悔」については、しているかいないかも含めて、その思いや内容は様々です

現実として、「後悔している人はそれなりにいる」「学力や進路とに苦労が生じる場合がある」ことは否めません。

とはいえ、後悔があること自体は「絶対的に悪い」ということでもありません。学力や進路を後からカバーすることも可能です

その上で、「できれば子どもには後悔や苦労をしてほしくない」というのが親心でしょう。

では、あなたのお子さんが不登校について後悔をしない、または、後悔はあっても前向きに生きていくためには、どうすればよいのでしょうか。

そのためには、主には次の3つの観点があります。

  • 在籍している学校への登校を再開する
  • 別の学校へ転校する
  • 学校以外の居場所を見つける

不登校の「次の一歩」として「在籍している学校への登校再開」を考える親御さんは多いのですが、それだけとは限りません。

新しい学校も、学校以外の居場所も、「次の一歩」になり得ます

「今の学校で、不登校のためにできなかったこと」や、それに伴う後悔を、全く同じ形で取り戻すことはできないでしょう。

ですが、新しい学校や学校以外の場所で「同じような経験」や「全く別の経験」をすることはできますし、それらが後悔を小さくしていくこともできます。

学校以外の居場所とは、次のような場所です。(後で改めて紹介します)。

  • 塾・予備校
  • フリースクール
  • アルバイト先

学校以外の居場所のメリットは、以下のようなことが挙げられます。

  • 勉強やコミュニケーションを直接的に学ぶこともできる
  • 登校再開や転校に向けて自尊心やエネルギーを回復させることができる

報告書からは、「不登校を後悔するかどうかは、不登校の時間をどのように過ごすかに左右されやすい」といった傾向が読み取れます。

ぜひ、在籍している学校に限らず、お子さんのための「次の一歩」を探してみてください

ただし、親御さんだけで探す必要はありません。

次章で紹介するように、お子さんのことや親御さん自身のことを相談できるところはたくさんあります。

相談先を積極的に頼ることで、どのルートを選んだ方がいいかもわかるでしょう。

そうすれば、お子さんも親御さんも、きっと今の状況は変わっていきます。

特に親御さんにとっては、「あのとき、子どもにこうすればよかった(こうしなければよかった)」という後悔を減らすことにもつながります。

なお、不登校からの転校については、コラム「『我が子の不登校、転校した方がいいの?』〜親御さんへのアドバイス〜」に詳細を記していますので、ご興味があればご覧ください。

不登校について相談できる相手の紹介

不登校について相談できる相手の紹介

お子さんの不登校について、また親であるご自身のお悩みについて、相談先をご紹介します。

まずは、お子さんの在籍している学校(担任・学年主任・保健医・スクールカウンセラーなど)へのご相談をオススメします

「親ではわからない、学校での様子」を知ることで、次の一歩が見つかるかもしれません。

学校以外には、次のように、市区町村が運営している相談窓口があります。

  • 児童相談所、児童相談センター
  • 教育センター
  • ひきこもり地域支援センター(不登校に加え、引きこもりの兆候・状態もある場合)
  • 発達障害支援センター(発達障害が関係しそうな場合)

公的な窓口の詳細は、お住まいの市区町村の公式サイトから確認できます。

名称や機能はお住まいの市区町村によって異なることもありますので、窓口がわからない場合は、総合窓口にメールや電話で確認してみましょう。

さらに、公的な機関以外にも、次のような相談先があります。

  • 病院(児童精神科など)
  • 不登校に詳しい塾・予備校
  • フリースクール

その他、「相談」機能はなくても、お子さんが楽しく過ごすことで「次の一歩」に進めるようになるところもあります。

例としては、次のようなものがあります。

  • 習い事教室
  • 趣味のサークル
  • (高校生年齢であれば)アルバイト

このように、お子さんの不登校について相談できる場所、お子さんが次の一歩に進むための場所はたくさんあります。

こうした場所を適切に頼る・利用することで、不登校に関連して将来的に後悔が生じる可能性を減らすこともできるでしょう

相談先によっては、前章で述べた「学校以外の居場所」として、「学校に代わり、学力や社会性を身につけたり、楽しく過ごせたり、将来のためのする場所」となる可能性もあります。

子どもの言葉に耳を傾けよう

子どもの言葉に耳を傾ける

「データも、不登校経験者の声も、相談機関のこともわかった。それでもわが子のことは客観的には見られない。どうしても心配だ」と思う親御さんもいらっしゃるでしょう。

不安や心配のあまり、お子さんの生活などについて、ついつい厳しく口を出したくなるかもしれません。

しかし、不登校の子どもは、自分の言葉に耳を傾けてくれる存在を求めています

望んで不登校になる子は多くありません。

お子さんには、不登校になる、不登校にならざるをえなかった理由があるはずです。

厳しいことを言いたくなる気持ちはよくわかりますが、子どもの気持ちを第一に考えましょう

相談機関のアドバイスにも従いつつ、親が自分の意見を言うのは、子どもから相談などを通じて求められたときにとどめておきましょう。

親であるあなた自身のストレスケア

親であるあなた自身のストレスケア

ここまで不登校に対する後悔に関して、子どもを中心に解説してきました。

ただ、親であるあなたも、子どもと同じくらい、あるいはそれ以上に心に負担を抱えているかもしれません

自分のことではないぶん、余計に歯がゆかったりじれったかったりしますよね。

前章でお伝えしたように、「厳しいことを言わない」ようにすると、余計に心配が増すこともあるでしょう。

親御さん自身も、その不安をケアしていく必要があります。

そのために大切なのは、次の2つです。

  • 「常に子どものそばにいる」のではなく、「子どもの世話はしつつ、自分自身の人生を生きる」こと
  • 子どもが不登校かどうかに限らず、どんな親子関係においても、子どもと適度な距離感を保つこと

特に不登校の子どもは、常に親がそばにいると、「いつも親に心配をかけて、自分に時間を割いてもらって申しわけない」といった罪悪感を抱く可能性があります。

子どもに対しては、必要な世話はもちろん行いつつ、少し距離を置いて、自分の時間を持つように心がけましょう

子どもにとっても、そうした生活は、上記のような罪悪感が発生せず、安心して過ごせるようになります。

また、子どもは、楽しそうな時間を過ごす親を見ることで、自分の将来に対して希望を持つこともできます

「どこまでが必要な世話か」ということは、前章の相談先にも話をしつつ、子どもと同じように、あなた自身のケアを心がけましょう。

具体的なストレスケアの方法を紹介します。

①同じ悩みを抱える人に相談する

一人だけ・夫婦だけ・親子だけで悩んでいると、どうしても行き詰まることが多くなります。

他者からの視点によるアドバイスをもらうことで、状況を打開できる場合があります

そんなときは、次のような行動を起こしてみましょう。

(1)友人や親戚など、同じような悩みを抱える人に相談する

具体的な解決策に繋がらなくても、気持ちを話すだけでもすっきりしたり、共感をもらえて安心したりできて、ストレスの解消につながります。

(2)「不登校の親の会」に参加する

不登校の子どもを持つ親が情報交換や交流を行える、「不登校の親の会」は全国にたくさんあります。

気になるようならインターネットで調べてみましょう。

②一人の時間・夫婦の時間を持つ

子どもから離れて、自分一人の時間や夫婦の時間を持つことも有効です

そうした時間を有意義に過ごすことで、ストレスが緩和されます。

有意義に過ごすとは、必ずしも何かをしなければならないということではありません。

日常の悩みから一時的に避難することができる、リラックスできる環境に身を置くということです

そのためには、次のような自分や夫婦に合ったリラックス法を見つけましょう。

  • アロマ
  • マッサージ
  • 入浴
  • カフェで過ごす
  • 映画館に行く
  • 睡眠をとる

特に睡眠が足りていないと、ストレスがたまりやすくなるので注意です。

③専門機関を利用する

繰り返しとなりますが、専門機関を利用することをオススメします

親は、不登校の専門家ではありません。

もっと言うと、子育ての専門家でもありません。

不登校や子育てなどについての専門的な知識や経験を持つ専門機関を利用することで、お子さんのみならず、親御さんのストレスケアにも役立ちます

専門機関はさまざまなケースを通じて知識やノウハウを蓄積しているため、類似ケースから解決策を見出してくれることも多いです。

不登校の後悔についての、キズキ共育塾講師の体験談

私たちキズキ共育塾の講師には、挫折経験がある人もたくさんいます。

不登校経験についても例外ではありません。

筆者自身も、中学1年生から3年生までの間、不登校でした。

この章では、そんな私自身や他の講師の、「不登校と後悔」にまつわる体験談をお伝えします。

①全く後悔していない

①全く後悔していない

私自身は、結論から申し上げると、不登校だったことに全く後悔はありません

理由は2つあります。

(1)中学不登校から進学した高校で、今でもつき合いのあるかけがえのない友人たちと出会えた

私は、高校受験・進学にあたり、私が中学で不登校だったことを知る人がいないであろう、地元から少し離れた学校を選びました。

不登校でなかったなら、家から遠いその高校は選ばず、違う高校に進学していたと思います。

それでも楽しい生活を送れたかもしれませんが、少なくとも、今の友人たちとは出会えなかったでしょう。

(2)今に通ずる価値観を得られた

もし不登校になっていなければ、おそらくこうして不登校の子を支援する仕事に就くことはなかったでしょう。

また、自分自身が不登校というマイノリティを体験したことは、社会的にマイノリティな立場の人や弱い立場の人の不安や苦しみを理解する上での助けとなっています。

ただし、後悔はしていないものの、特に高校では、次のような中学不登校の悪影響を感じることはありました

  • 中学内容の基礎学力が完全に身についていなかったため、高校で学ぶ単元の一部において、基礎がある他のクラスメイトとの間にハンデキャップを感じた
  • 不登校時の生活習慣がなかなか改まらず、平均的な生徒と比べて欠席日数も多かった

とは言え、その悪影響は深刻なものではなかったようで、学力も出席日数も、中学に比べるとよくなっていたことは確かです

結果としてその後の私は、高校を卒業し、大学に進学・卒業でき、就職することもできています。

このように、あなたのお子さんも、今現在で学校や不登校にまつわる悪影響や後悔をすでに持っていたとしても、これから楽しい時間や充実した時間を過ごすことで、それらを次第に小さくしていくこともできます

大切なのは、不登校という過去や今にこだわりすぎず、これからの人間関係や勉強環境を大切にしていくことだと思います。

②後悔もあるが、いいこともあった

②後悔もあるが、いいこともあった

私以外の体験談として、佐藤講師(仮名)も、中学で不登校を経験しています。

以下、佐藤講師の一人称で、「不登校と後悔」についてお伝えします。


私が不登校で後悔したことは、次のようなことでした。

  • 給食、授業、運動会、文化祭、合唱祭、修学旅行、卒業遠足、卒業式などのイベントを経験できなかった

ただ、不登校だった当時には、そのことに気づいていませんでした。

なぜなら、経験していないために、それらが楽しいかどうかもわからなかったからです。

そんな私は、その後高校と大学を卒業し、一時期は都立の学校で教師として働いていました。

そして、教師として上記のようなイベントを経験したとき、教師という立場であっても、それらを楽しんでいる自分に気づいたんです

そのとき私は、学校に行けなかったことをどこかで後悔していたんだなとあらためて感じました。

しかし、不登校でよかったこともあります。それは次のようなことです。

  • 不登校を経験したからこそ出会えた人がたくさんいること

不登校でぽっかり穴があいたような気持ちだった私の心を、出会った人たちが少しずつ埋めてくれたように思えます

世の中には優しい人たちがいる、自分のことを思ってくれる人たちがいる…。

学校に通っていたら、こうしたことはあまり意識せずに過ごしていたかもしれません。

よい出会いがあったこと、そしてそれに気づけたことが、不登校をしてよかったと思う理由です

参考:学校休んだほうがいいよチェックリストのご紹介

2023年8月23日、不登校支援を行う3つの団体(キズキ不登校新聞Branch)と、精神科医の松本俊彦氏が、共同で「学校休んだほうがいいよチェックリスト」を作成・公開しました。LINEにて無料で利用可能です。

このリストを利用する対象は、「学校に行きたがらない子ども、学校が苦手な子ども、不登校子ども、その他気になる様子がある子どもがいる、保護者または教員(子ども本人以外の人)」です。

このリストを利用することで、お子さんが学校を休んだほうがよいのか(休ませるべきなのか)どうかの目安がわかります。その結果、お子さんを追い詰めず、うつ病や自殺のリスクを減らすこともできます。

公開から約1か月の時点で、約5万人からご利用いただいています。お子さんのためにも、保護者さまや教員のためにも、ぜひこのリストを活用していただければと思います。

私たちキズキでは、上記チェックリスト以外にも、「学校に行きたがらないお子さん」「学校が苦手なお子さん」「不登校のお子さん」について、勉強・進路・生活・親子関係・発達特性などの無料相談を行っています。チェックリストと合わせて、無料相談もぜひお気軽にご利用ください。

まとめ

まとめ

以上、不登校と後悔についてのお話でした。

少しでもあなたとお子さんの役に立ったなら幸いです。

繰り返しとなりますが、不登校に伴って後悔や困難が発生する可能性は否定できません。ですが、必ず発生するとも限りません。

また、発生したとしても、その後の「別の経験」で、それらを小さくしていけます。

あなたとお子さんの人生が、これから、より充実していくことを祈っています。

さて、私たちキズキ共育塾は、お悩みを抱える人のための個別指導塾です。

生徒さんには、不登校の人や、過去に不登校を経験している人も少なくありません。

キズキ共育塾の概要をご覧の上、少しでも気になる人は、お気軽にお問い合わせください。

あなたのお子さんのための、これからの話ができると思います。

 
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