
やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、不登校・偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。また、不登校の子どものための家庭教師「キズキ家学」、発達障害やうつ病の方々のための「キズキビジネスカレッジ」も運営。
こんにちは。学校が苦手な方の勉強とメンタルを完全個別指導で応援するキズキ共育塾の大阪校講師、木原彩です。
あなたは、学校が苦手な(不登校の)中学生ご本人またはその親御さんで、高校受験について、次のようなお悩みをお持ちではありませんか?
私は、中3の秋から春まで不登校になり、引きこもりも経験しました。
そのため内申書は5段階中2がついた科目が複数あり、当初は高校入学を絶望視していました。
私も、私の親も、高校受験について様々な心配を抱えていました。
ですが結果として、全日制の高校(普通科)に進学することができました。
あなた(のお子さん)も、大丈夫です。
中学生(中3)で不登校でも、進学できる高校はありますし、受験勉強もできます。
この記事では、不登校の中学生の高校受験について、一般論だけでなく「中3で不登校」だった私の経験も含めたアドバイスをお伝えします。
高校受験に向けて、具体的な「これからの行動」に繋がったら幸いです。
中学生本人にも親御さんにも役立つ内容となっていますので、ぜひご一読ください。
目次
まずは一般論として、不登校の中学生が高校受験で注意すべきポイントを、大きく次の3つに分けて紹介します。
わかりやすく説明しますので、順番に見ていきましょう。
「調査書」とは、中学の先生が書く「生徒の学校生活の態度と成績について記述した文書」です。
調査書のうち、教科の成績を得点化した項目を「内申点」と言います。
調査書や内申点には、「中学3年間の成績」が書かれる場合もあれば、「3年生のときだけのこと」が書かれる場合もあります。
教科の成績以外にも、出席日数、英検などの資格取得、作文コンクールなどの受賞についても記入されます。
高校受験の出願時には、この「調査書(内申書)」を志望校に提出することがあります。
一般的には、公立高校の受験時には提出することが多いです。
内申点に注意が必要なのは、高校受験の際に、「学力試験の点数」に加えて「調査書の内容」も審査の対象となることがあるからです。
特に公立高校では審査されることが多いです。
例えば、東京都の全日制公立高校では、学力試験700点、調査書の内容300点という配分になっています(芸術及び体育に関する学科は600:400)。(参考:東京都ウェブサイト※PDF『学力検査に基づく入試(第一次募集・分割前期募集)』)
調査書や内申点の付け方は、都道府県によって異なります。
また、内申点(調査書)の点数配分も、都道府県・高校・学科などによって異なります。
したがって、大切なのは、次の3つを知ることです。
気になる方は、高校の募集要項を見たり、中学校の担任の先生や塾に相談したりして、一緒に確認してみましょう。
参考として、不登校と内申点の関係の詳細や、不登校状態の中学生が内申点を上げる方法などについては、コラム「不登校からの高校受験〜調査書・内申点、欠席日数、高校の選び方などを解説〜」に掲載していますので、ご興味のある方はご覧ください。
欠席日数も、不登校の人が受験を考えるときに、特に注意したいポイントです。
なぜなら、前項の「調査書」には、欠席日数(出席日数)も記入されるからです(つまり、調査書を提出する場合、不登校であったことは受験する高校にはバレるということです)。
そして、高校によっては、「欠席日数が年間○○日以上だと、審議の対象となる(不合格の確率が上がる)」ことがあります。
とはいえ、高校の受験方式によっては、「不登校で欠席日数が多いと必ず不利になる」とは限りません。
また、学校・教室に行かないままでも「保健室登校を利用する」「学校と提携しているフリースクールに出席する」などで、出席日数を増やす方法もあります。
参考として、欠席数と高校受験の関係や、欠席日数への対策については、コラム「不登校からの高校受験〜調査書・内申点、欠席日数、高校の選び方などを解説〜」にもう少し詳しく掲載していますので、ご興味のある方はご覧ください。
最後に「学力」も、受験を考えるときに注意したいポイントです。
当たり前かもしれませんが、高校受験で学力試験がある場合は、学力は合否に大きく関わるからです。
ただし、現時点で学力が不安でも、学習塾などを利用してこれから学力を上げていくことはもちろんできます。
また、学力試験を行わない高校もあります。
参考として、不登校による勉強の遅れを取り戻す方法を、コラム「不登校による勉強の遅れと進学について、元不登校生が対策法を紹介します」に掲載していますので、ご興味のある方はご覧ください。
続いて、私の実体験も踏まえて、不登校からの受験・進学できる高校を紹介します。
先述のとおり、私は中3の秋から春にかけて不登校になりました。
そのため内申点がかなり低く、担任からは、母を通じて「これでは高校に行けないかもしれません」と言われました。
それを聞いた私は、「もうダメだ…」と感じ、2週間ほど家で無気力に過ごしました。
しかし、高校に行きたいという思いは日に日に高まりました。
そして、「不登校で内申点が低い自分でも、進学できる高校があるはずだ」と気持ちを前向きに切り替えて、当時住んでいた神奈川県の高校について調べ始めました。
すると、意外にもたくさんの選択肢があったのです。
まず、全日制高校の中でも、私立高校が候補となりました。
全日制高校とは、高校と聞いて一般的にイメージされる、「平日に朝から夕方まで学校で授業を受ける高校」のことです。
公立の全日制高校は、内申点が審査されるため、現実的には難しい状況でした。
しかし私立高校について調べてみると、内申点の審査がないところもあるとわかったのです。
例えば、ある私立高校は、内申点や調査書がほとんど考慮されず、ほぼ「学力試験の得点」のみで合否を決める仕組みでした。
入試科目も英・数・国・面接と、公立高校に比べて少なく、また出題傾向もはっきりしていました。
そのため、きちんと対策をすれば、受験・入学できるとわかったのです(結果として、私はこうした私立高校・全日制・普通科に入学しました)。
このように、全日制高校の中でも私立高校は受験の方式が様々ですので、「今の状況」から受験して合格できる高校を探しやすいと思います。
なお、私立高校については学費の心配をするご家庭もあるかもしれませんが、各種の奨学金制度があります。
例えば神奈川県では、家庭の経済状況によって年間最大40万円ほどの授業料の補助が受けられる学費支援制度があります。
また、母子父子寡婦福祉資金という、ひとり親世帯へ就学資金に充てられるお金を貸す制度もあります。
実際に、私の友だちはそうした奨学金や補助金をいくつか組み合わせ、私立高校を卒業しました。
次に、通信制高校がありました。
通信制高校とは、全日制高校とは違い、毎日通学する必要のない高校です。
通学して授業を受ける代わりに、自宅でレポート等の課題を通じて勉強します(課題やレポート等は、インターネットや郵送で送受信します)。
ただし全く登校しないわけではなく、学校が指定した日にスクーリング(登校)をする必要もあります。
通信制高校は、受験で内申点の審査や学力試験がなく、作文や面接のみの学校も多いため、内申点・学力に心配があった私にとって候補になったのです。
内申点・学力以外にも、次のような方にオススメです。
また、通信制高校には、中学までに不登校を経験した人や、別の高校で不登校になった後に編入した人も多く在籍していますので、不登校経験者への配慮があることもあります。
なお、レポート等の課題は自分でスケジューリングをして実施・提出する必要があります。
「自分でスケジュールをつくったり、実施したりすることが自分に向いてないな」と思う人にはオススメできないかもしれません(私もその自信がなかったので通信制高校を選びませんでした)。
通信制高校の概要については、コラム「通信制高校とは?特徴・メリット・選び方・オススメの高校などをご紹介」をご覧ください。
定時制高校も選択肢の一つでした。
定時制高校とは、全日制高校と同様に平日に登校して授業を受けますが、授業の時間帯が全日制高校よりも遅い午後や夜になる高校のことです。
定時制高校も、内申点や学力試験のハードルが全日制高校よりも低いため、候補となりました。
定時制高校は、内申点・学力以外の観点では、次のような方にオススメです。
1日の授業数が全日制高校よりも少ない学校も珍しくありませんが、その場合、卒業までに4年間を要することになります。
ただし最近では朝から授業を行っている定時制高校もあり、そうした学校では3年間で卒業できます。
高校卒業認定試験(高認)、英検、漢検等の合格を科目の単位として利用できる高校もあります。
私が受験生だった当時、神奈川県内の公立定時制高校の入試科目は、国語、数学、英語の3科目プラス面接でした。
生徒会、部活動、文化祭などがある学校もあり、通信制に比べると、いわゆる「高校生活」を楽しめると思います。
私自身は3年間で確実に高校を卒業したかったため受験しませんでしたが、私の友達は定時制高校に進学しました。
その友達は朝起きるのが苦手で、小1のときに毎日遅刻が続いたことがきっかけで、小2から中3まで断続的に不登校でした。
私と同様に不登校から進学できる高校を探し、定時制高校に進学したところ、朝早く起きる必要がないために毎日通学できるようになり、無事卒業して現在は大学生になっています。
定時制高校の概要は、コラム「定時制高校ってどんなところ?定時制出身の私が紹介する、定時制のリアル」をご覧ください。
最後に、私が受験生だった当時にはなかったのですが、現在の神奈川県にはクリエイティブスクールがあります。
クリエイティブスクールは、元不登校生の学生を積極的に受け入れている高校の1つです。
入試では、調査書の「関心・意欲・態度」・面接・自己表現検査(スピーチなど)で合否が判定されます。
2020年8月現在、『田奈高校』、『釜利谷高校』、『横須賀南高校』、『大井高校』、『大和東高校』の5校があります。(参考:神奈川県「新しい学びのかたちから高校をさがす」)
クリエイティブスクールでは、一人ひとりが基礎学力を身につけるための指導や、職場体験学習等キャリア教育なども行うことで、将来的に自立できる人材の育成を行っています。
クリエイティブスクールは全日制高校なので、「中学はきつかったけど、高校は『普通に』楽しみたい…」という方にも向いていると思います。
学校によって様々な試みがあるのを見て、私の受験当時にもこんな学校があればよかったなと感じています。
例えば、田奈高校では週に1回図書館内でカフェを開き、生徒さんの居場所をつくる試みを行っているそうです。
なお、東京都にはチャレンジスクールやエンカレッジスクールという、クリエイティブスクールと同じような高校があります。
お住まいの自治体によって、同じような制度の高校があることもありますので、調べてみることをオススメします。
私たちキズキ共育塾は、学校が苦手な中学生を応援する完全個別指導塾です。勉強や生活のことなどの無料相談ができます。不登校からの高校進学実績多数。お気軽にご連絡ください。
フォームで問い合わせ「通信制高校や定時制高校に進学すると、その後の大学進学や就職が不利になるのでは…?」という不安の声をお聞きすることもあります。
この心配も、基本的には無用です。
実際に、勉強や就職のサポートが手薄な通信制・定時制高校があることは事実です。
ですがそれは全日制高校でも同じで、サポート体制は学校によって異なりますよね。
また、「よほどの進学校」に通っていない限り、全日制高校の学生も、大学受験のための勉強のためには塾などを利用しています(就職についても似たようなことが言えます)。
そして、通信制高校や定時制高校は全日制高校に比べて自由な時間が多いため、時間を上手に活用すると、大学受験のための勉強に集中しやすくさえあるのです。
つまり、「通信制・定時制だから絶対に不利」ということはないのです。
私たちキズキ共育塾の生徒さんだけを見ても、通信制・定時制高校などから、または中学不登校を経験していて、大学受験に合格する方は全く珍しくありません。
ただしその上で、高校の種類に関わらず、学校のサポート体制が薄いのであれば、勉強や進路について相談できる塾などを利用した方がよいことは、正直にお伝えします(勉強については、無料や安価で利用できるネットの動画教材などもあります)。
私たちキズキ共育塾でも、無料相談を行っています。
参考として、通信制高校からの大学受験については、コラム「通信制高校から大学進学するための6つの対策〜オススメの通信制高校も紹介〜」に詳細を記していますので、ご興味がありましたらご覧ください。
続いてこの章では、不登校の中学生が受験高校を選ぶときに大切なコツを3つに分けて紹介します。
最初のコツは、「担任の先生などとよく相談する」ことです。
中学校の先生は、基本的な公立・私立高校などの知識だけでなく、不登校の生徒さんにあった進路や受験先をたくさん知っています。
さらに、あなた(のお子さん)の欠席日数、内申点、学力などを理解していますので、より具体的なアドバイスをもらえるはずです。
高校受験を考えている不登校の人は、まずは在籍している学校の先生に相談してみましょう。
ご本人が学校や先生に拒否感があるようでしたら、親御さんだけでも話してみましょう。
また、これまでの対応から学校に不信感がある場合も、事務的な情報だけは確認するようにしましょう。
2つめのコツは、「不登校の指導実績がある学習塾などに相談する」です。
独学でもいいのですが、勉強も進路も、詳しい人に教わったり相談したりする方が効果的です。
私自身が中学生だったときは、不登校の人を対象とする塾がなく、独学で入試対策をしました。
11月の終わりから受験勉強をはじめたので、約3か月の短期決戦での受験勉強でした。
当時の私は国語が苦手で、受験勉強を始めた時点では小学6年生レベルの漢字すら書くことができませんでした。
そんな私は、母をはじめとする周囲の人に支えられ、入試本番で得意な問題が出題されたこともあり、高校に合格しました。
これは私にとって、「必死の努力が実った」という成功体験ではあります。
ですが一方で、「勉強のわからないことや進路の悩みを、詳しい人に相談できなかった」という苦労体験でもあります。
今は、私たちキズキ共育塾をはじめ、不登校の方(学校が苦手な方)が通える塾があります。
一人だけで、家族だけで抱え込みすぎず、そうした専門団体の手を借りることをオススメします。
ぜひインターネットで「不登校 高校受験 相談 お住まいの市区町村名」などと検索して、探してみてください。
3つめのコツは、学校見学会・学校説明会などに参加することです。
それぞれの学校は校風や雰囲気も異なりますし、進学や就職についての実績やサポート体制も異なります。
学校見学会などに参加することで、気になることを質問できたり、実際の様子を確認したりできると思います。
私の場合は、「高校卒業後には大学に進学したい」と考えていましたので、卒業後の進路が進学メインである普通科高校を探しました。
そして、説明会でもそれに関連することを確認して、また雰囲気も自分に合いそうかを確認していました。
高校卒業後の進路を就職や専門学校と考えていたり、高校卒業後に何をしたいか決まっていなかったり、その他に高校生活に希望があったりする場合には、私とは別の観点での確認事項もあると思います。
ぜひ、説明会に参加して、進路や雰囲気などを確認してみてください。
ご本人の参加が難しそうな場合は、ご本人の希望も聞きつつ、親御さんだけでも参加してみてください。
また、時期的に説明会が終わっている場合は、高校のウェブサイトをよく見たり、電話やメールなどで個別に質問したりしてみましょう。
一口に「不登校」と言っても、人によって状況は様々です。
例えばですが、次のようなことが考えられるでしょう。
そうした不登校のパターン別の高校の選び方や高校受験の対策は、コラム「不登校でも高校進学できます!受け入れOKな高校・受験方法・対策を紹介」に記していますので、ご興味があればご覧ください。
この章は、特に親御さんに向けた内容です。
高校受験に限らず、不登校のお子さんに親御さんができることはいくつかあります。
大前提となるのは、次の2つです。
より詳細なことは、コラム「お子さんの不登校にお悩みの親御さんへ〜解決するためにするべきこと〜」に書いていますので、ご興味がありましたらご覧ください。
私たちキズキ共育塾の生徒さんにも、中学不登校から高校受験を成功させた生徒さんがたくさんいます。
参考として、一つの例を紹介します。
中学1年生で不登校になった杉本達郎さん(仮名)は、2年生の終わりまで、家で漫画を読んだりゲームをやったりしながら過ごしていました。
3年生になってからは高校受験に向けて少しずつ勉強を再開したのですが、どこから勉強を始めたらよいものやら見当がつかない状況でした。
そんな杉本さんは、完全個別指導のキズキ共育塾で勉強を基礎から学び直し、また面接対策も行うことで、通信制高校であるクラーク記念国際高等学校に合格しました。
杉本さんの体験談の詳細は、「勉強の仕方がわからなかった不登校の僕が、基礎から学び直して高校合格」をご覧ください。
次の動画「高校受験の面接で、不登校経験をどう語る?3つの対策で合格が近づきます!」では、このコラムの内容に関連して、面接のある高校受験の際に不登校の経験をどう話せばいいかをお伝えしています。
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ポイントは、次の3つです。
ご興味がありましたら、ぜひご覧ください。
私たちキズキ共育塾は、学校が苦手な中学生を応援する完全個別指導塾です。勉強や生活のことなどの無料相談ができます。不登校からの高校進学実績多数。お気軽にご連絡ください。
LINEで問い合わせこれまでのことをまとめます。
中3で不登校になると、本人も親も「高校に進学できるのだろうか」と不安になるでしょう。
ですが、受験・進学できる高校はたくさんあります。
例えば、私立高校、通信制高校、定時制高校、クリエイティブスクール(神奈川県)などです。
いずれの高校でも、高校卒業後の進路やサポート体制、実際の雰囲気などの確認も行う方がよいでしょう。
また、受験勉強や進路相談については、不登校の方をサポートする塾や団体を頼ることをお勧めします。
「受験・進学できる高校がある」とまずは安心した上で、ぜひ親子で一緒に高校を探してください。
高校受験がうまくいきますよう、祈っています。
さて、私たちキズキ共育塾も、「不登校からの高校受験」について無料相談も行っています。
面談の中で一緒に受験できる高校を探すこともできますし、お子さん、ご家庭一人ひとりに合わせて受験勉強の仕方などもアドバイスできます。お気軽にご相談ください。【2021年2月23日、一部内容を最新に改訂】
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