高校留年が不安なあなたへ 留年の基準や救済措置、その後の選択肢を解説
こんにちは。生徒さんの勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする完全個別指導塾・キズキ共育塾です。
あなたは、「高校を留年するんじゃないか」と不安ではありませんか?
高校を進級・卒業するためには、各科目で「単位」の取得が必要です。
次のような状況で単位を取得できなかった場合、留年することがあります。
- 出席日数が少ない
- 赤点が多い
高校を留年すると、同じ学年にもう一年留まらなくてはいけません。
一学年下の生徒たちと一緒に机を並べることをイヤだと思うことなどから、留年はぜひとも避けたいという人も多いでしょう。
このコラムでは、高校留年の基準となる「単位」の概要や高校留年しそうな人への救済措置、高校留年が決まる時期・タイミング、高校留年して同じ高校に在籍し続けるメリットとデメリット・注意点、高校留年が決まった後の選択肢について解説します。
このコラムを最後までお読みいただくことで、きっと、高校留年に関するあなたのお悩みが解決すると思います。
目次
高校留年する人は年間約1万人
高校を留年した人は、2023年度には、9482人(全高校生の約0.3%)いました。(参考:文部科学省「令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」)
高校留年する人の数は、「少なくはない」と言っていいのではないでしょうか。
人生すべてが順調である人はいません。
どんな人でも、人生のどこかの段階で「理想どおりではないこと」を経験します。
高校留年しそうなあなたは、「今がたまたま人生でうまくいかない時期」なのだというだけなのです。
「留年しても、それで人生が終わるわけではない」と心を落ち着かせましょう。
高校留年の基準となる「単位」とは?
高校で進級・卒業するためには、「単位」を取得する必要があります。
「単位」とは、「各科目で、高校で必要な勉強をきちんと完了した」という証明のようなもののことです。単位は、各科目の「成績」と「学習した量=出席日数」が基準を満たすことで取得できます。
各学年で必要な単位を取得すると進級(3年生の場合は卒業)し、足りなければ留年になります。
少し別の言い方をすると、「各学年の時間割」について、「全ての授業」で成績と出席日数が基準を満たせば進級・卒業、一つでも満たさなければ留年、ということです。
単位取得の条件①成績
単位取得の条件の1つは、「その科目の定期テストで基準以上の点を取ること」です。
つまり、定期テストで基準に満たない点(赤点)を取ると、単位を取得できず、留年します。
ただし、学校によっては、次のようなパターンもあります。
- 定期テストの点数ではなく、通知表の成績が基準になる
- 定期テストの点数だけではなく、「提出物を出したか」「授業や生活の態度がどうか」などが成績に影響する
成績と単位について、あなたの学校がどのような基準を採用しているのか、先生に聞いてみましょう。
単位取得の条件②出席日数
単位取得の条件の1つには、「その科目の授業に基準以上の出席をすること」もあります。
一般的には、「4分の1から3分の1」欠席すると、単位が取得できず、留年します。
出席日数は、科目ごとに判定されます。たとえば、「数学の授業を受けた後、世界史の授業の前に早退した日」は、世界史の出席日数はカウントされません。
また、病気で入院したり、素行不良で停学処分になったりしても、出席日数が足りなくなる可能性があるため注意が必要です。
単位取得の条件③成績・出席日数の両方が必要
単位取得のためには、「成績」と「出席日数」の両方が必要です。
たとえば、「世界史」の単位を取得するには、次の2つの基準を満たす必要があります。
- 世界史の成績(テストの点数、通知表の評定)
- 世界史の授業の出席日数
逆に言うと、次のようは場合は留年となる可能性があります。
- テストの点がいいけど、欠席が多い
- 出席はしているけど、テストが赤点だった
ただし、留年の基準は高校によって違います。
あなたについても、「何点以下は絶対に留年」「何日欠席すれば絶対に留年」とは言えません。
高校留年の不安がある場合、自分の状況や学校の制度を、高校の先生に相談してみましょう。
なお、ご紹介したのは、「学年制の高校」の留年についてです。
「単位制の高校」は学年の概念がないので、別途注意が必要です。単位制についてはこちらで解説します。
高校留年しそうな人への救済措置
定期テストで赤点を取っても、必ずしも高校を留年するわけではありません。
高校によっては、成績・出席日数が基準に満たない人への救済措置があります。
救済措置の例
- 赤点を取った場合は、追試や補習を受ける
- 出席日数が足りない場合、夏休みなどに補習を受ける
- 赤点を取った科目が少ない場合、進級できることもある
繰り返すように、留年の基準は高校によって異なります。
その上で、留年する生徒を出さないよう、救済措置を豊富に設けている高校も少なくありません。
「留年するのではないか」と不安な方は、次のように行動してみてください。
- まずは気持ちを落ち着ける
- 自分の成績・出席日数の状況を、先生に聞く
- 実際に留年の可能性があるなら、今後の対策や救済措置についても先生に相談する
私たちキズキ共育塾は、高校に留年しそうな方のための、完全1対1の個別指導塾です。
生徒さんひとりひとりに合わせた学習面・生活面・メンタル面のサポートを行なっています。進路/勉強/受験/生活などについての無料相談もできますので、お気軽にご連絡ください。
高校留年が決まる時期・タイミング
続いて、高校留年が決まるタイミングについて解説します。
前提として、各高校によって留年の基準が異なるため、高校留年が決まるタイミングもそれぞれだということを踏まえて、参考にしてください。
高校留年の基準となる「単位」の説明でも解説した通り、高校留年の基準には「成績」と「出席日数」の2つがあります。
それぞれが進級・卒業の条件に満たない場合の、高校留年が決まるタイミングについて解説します。
なお、一般的には、「留年が決まった」という時点でいきなり知らされることは少ないようです。
それまでに「この成績・出席日数では留年になる可能性が高い。そうならないためには…」などと、事前の忠告とこちらで解説した救済措置を得られることが多いようです。
ケース①単位を取得できなかった場合
単位が取得できなかったことで留年になる場合は、学期末試験後に留年が決まります。
決定の過程は学校によって異なります。よくあるケースとしては、「学期末試験後に成績会議が行われ、中間試験と期末試験の成績、提出物の提出状況、授業態度などをもとに、留年対象者を決定する」ようです。
ケース②出席日数が足りなくなった場合
出席日数が足りないことで留年になる場合は、学校で定められている出席日数を下回ったタイミングで留年が決まります。
たとえば、出席日数が3分の2未満だと単位が得られないということです。ただし、対応は学校によって異なります。
高校留年して同じ高校に在籍し続けるメリットとデメリット・注意点
留年が決まった場合、今の高校に在籍し続けるか、中退して別の進路を選ぶか、迷う人もいるかと思います。
この章では、今の高校に在籍し続ける場合のメリットとデメリット・注意点について、解説します。
留年が決まったとき、在籍し続けたい気持ちがある一方で、在籍する事への不安を感じる人は多いと思います。
ここでは、高校を留年して在籍し続ける場合のメリットとデメリット・注意点をお伝えします。
留年して在籍し続けるメリット
今の高校に在籍し続けるメリットとしては、主に次のようなことがあります。
- もう一年がんばれば、進級・卒業できる可能性が高い
- 転校や中退の手続き、転校先探しなどが不要
- 一年先に卒業した同級生から大学や就職の情報が得られる
- メンタルが強くなる(年下の同級生とやり直す体験を通じて、どのような環境でもやっていけるメンタルが身につく)
今の高校に在籍し続ける場合、1つ年下の学年の生徒たちと1年間を過ごすことになるので、不安を感じるかもしれません。
しかし、そういった経験が人生の別のところでも役に立つこともあり得ます。
また、今の同級生とも関係を続けることができれば、大学や就職に関する情報を得られ、今後の自分の進路に役立てられることもあるのです。
留年して在籍し続けるデメリット・注意点
続いて、今の高校に在籍し続けるデメリット・注意点です。
- 同級生たちが先輩になり、下級生と一緒に勉強することになる。友人関係がぎくしゃくすることもある
- 進学校など成績の基準が厳しい場合、赤点を取った科目をもう一年がんばっても基準点が取れるとは限らない
- 病気・体調不良・不登校などで出席日数を確保できなかった場合、体調や状況が変わらないなら、もう一年在籍しても通学できるとは限らない
- その学年の全ての授業をもう一度やり直さなくてはいけない
- 学費が一年分余分にかかる
今の高校に在籍し続けたとしても、来年度も成績や出席日数の条件を満たすことができなければ、進級・卒業が難しくなります。
そのため、周りからの視線や人間関係以外にも、「今の学校の勉強についていけるか」「出席日数の条件をクリアできるか」についても、今の自分自身の状況を踏まえて考えておくことが大切です。
高校留年が決まった後の選択肢
この章では、高校留年が決まった方の、その後の選択肢の候補を紹介します。
選択肢①現在の高校で留年・継続して在籍
1つ目の選択肢は、現在の高校で留年した後、継続して在籍することです。
先述した通り、現在の高校で留年した後、継続して在籍する場合には、様々なメリットとデメリット・注意点があります。
その上で、同じ環境や状況でも、人によってメリットと感じることもあれば、デメリットと感じることもあるのです。
たとえば、これまでは学年が1つ下だった人たちと過ごすことや成績に対しては、次のような例があります。
留年をメリットに感じる人
- 自分のメンタルを成長させる機会になるかも
- 新しい人間関係を築く(方法を見つける)チャンスかも
- 去年1回習ったことだから、もう1年がんばれば他の学校に転校するよりも楽に進級(卒業)できそう
留年をデメリットに感じる人
- 年下の後輩たちと授業を受けるなんて恥ずかしい…
- クラスメイトとどうやって接すればいいんだろう…
- 今の体調を考えると、出席日数も成績も、この学校の進級(卒業)の基準に達するのは難しいかも
自分にとってのメリットやデメリット・注意点を考えることで、留年するかどうかの判断が変わってくるはずです。
自分の状況や気持ちなどを踏まえた上で、メリットとデメリット・注意点について吟味して、現在の高校に継続して在籍するかどうかを決めることが大切です。
選択肢②通信制高校へ転校
通信制高校は、中退から転校(編入・転入)しやすい学校です。
通信制高校の特徴
- 毎日の通学が必要ない
- 入試は面接や作文のところも多く、無試験の学校もある
- 勉強は、学校から送られてくる教材を利用して、自宅学習を中心に進める
- 単位取得は、レポート提出・年に数回の登校授業・定期テストなどで行う
不登校などで留年になった場合、通学の必要のない通信制高校は適切な選択肢かもしれません。
通信制高校や通信制高校への編入条件については、下記コラムで解説しています。ぜひご覧ください。
選択肢③定時制高校へ転校
定時制高校も、高校中退から転校しやすい高校です。
定時制高校の特徴
- 平日は毎日学校に通って授業を受ける
- 授業が、昼から夕方・夜にかけて行われる(朝から行う高校もある)
- 入試は面接や作文のところも多く、無試験の学校もある
- 昼間に働いている社会人や、高校を卒業していない高齢者なども在籍している
定時制高校は、毎日通って授業を受けるため、いわゆる「高校生活」を送りたい人にはオススメです。
定時制高校については、下記コラムで解説しています。ぜひご覧ください。
通信制高校・定時制高校には、「学年制」と「単位制」の二つがあります(通信制高校は、基本的には単位制です)。
あなたが転校しようとしている学校がどちらなのか、あらかじめ調べておきましょう。
カンタンに言うと、次のような区別があります。
学年制
- 学校の決めた時間割に従って授業を受ける(単位を取得する)高校
- 学年によって、クラス分けや時間割が決められる
- 単位を取得できない科目があると、留年になる
単位制
- 自分で、卒業までの時間割(単位取得スケジュール)を決める高校
- 学年システムがなく、入学年次に関わらず、さまざまな人が同じ授業を受ける
- 学年システムがないので、単位を取得できない科目があっても、「その学年を留年する」わけではない
単位制高校には、「学年としての留年」はありませんが、「卒業できない留年」はあります。
単位制高校で「単位を取得できなかった科目」があると、翌年にもう一度その科目の授業を受ける必要はあります。
場合によっては、「卒業までの期間が伸びる」「翌年に、より多くの授業を登録する」といった状態になります。
また、前の高校で取得した単位は、次の高校に引き継ぐことができます。
ただし、学年制高校に転校する場合は、転校先の時間割に「すでに単位を取得した科目」が含まれていれば、もう一度同じ科目の授業を受けることになります。
また、学年の途中で中退すると、その学年で受けていた授業の単位は取得できていない状態となりますので、注意が必要です。
選択肢④全日制高校へ転校
全日制高校への転校は、現実的にはとても難しい選択肢です。
全日制高校の特徴
- 高校と聞いてよくイメージされる、「平日に、朝から夕方まで学校で授業を受ける高校」のこと
- 病気や引っ越しなどの特別な事情がないと、転校できないことが多い
全く不可能とは言いませんが、ハードルは高いと言っていいでしょう。
現実的には、通信制高校・定時制高校・高卒認定をオススメします。
選択肢⑤高卒認定試験
転校や高校卒業とは異なりますが、高卒認定試験(高認)という進路もあります。
高認の特徴
- 試験に合格すれば、高卒資格が必要な大学や専門学校の受験・入学が可能になる
- 試験内容は、比較的カンタン
- 満16歳以上であれば受験できる
- 年に2回、各都道府県で実施される
- 昔は「大検」と呼ばれていた
高認は、経済的な理由で高校に通うことが難しい方にもオススメです。
ただし、高認に合格しても、学歴は「高校卒業」にはなりません。
その後に大学や専門学校などを卒業しなければ、最終学歴は「中卒(高校中退)」のままです。
ですが、高認の合格は履歴書に書くことができます。また、求人の際に高認合格を高卒とみなす企業や団体もあります。
高校中退後のことが決まっていないなら、「とりあえず高認取得を目指す」のもオススメです。
高卒認定試験については、下記コラムで解説しています。ぜひご覧ください。
選択肢⑥就職
高校を中退後、就職するという選択肢もあります。
ただし、一般論としては「中卒でも大丈夫!」と断言はできません。
中卒で就職して活躍している人ももちろんいるのですが、残念ながら、学歴が中卒だと求人の数や種類が少ないためです。
家業を継ぐなどの場合を除いて、何らかの方法で「高校卒業」「高認合格」を目指すことをオススメします。
また、働きながら定時制・通信制高校に通う、高卒認定を取得することも可能です。
経済的に働く必要がある方も、「もう高卒資格は取れない」と思い込まず、並行して通える学校や高認対策を行う塾を探しましょう。
中卒からの就職については、下記コラムで解説しています。ぜひご覧ください。
まとめ〜一人で悩まず、しっかり相談しましょう〜
高校を留年してもしなくても、あなたの人生はこれから広がっていると前向きになっていただければ幸いです。
留年の不安を抱えているあなたにぴったりの進路が見つかることをお祈りしています。
キズキ共育塾では、留年や中退に関連して、今後の対策・進路・勉強・メンタル・生活などについての無料相談も行っています。
教室では、次のような生徒さんなどが多数在籍して勉強しています。
- 高校を留年した生徒さん
- 中退して通信制・定時制高校に通う生徒さん
- 高認合格を目指す生徒さん
高校留年についてお悩みでしたら、ぜひお気軽にご相談ください。親御さんだけのご相談も可能です。
Q&A よくある質問