高校中退から再入学する流れ 解決が期待できることを解説

こんにちは。高校中退した人の勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする完全個別指導塾・キズキ共育塾です。

あなたは、高校中退から少し時間が経ち、「高校中退したけれど、別の高校に再入学ってできるのだろうか」「やっぱり高校に行っておきたいけど、どうしたらいいのだろうか」などと悩んでいるのではないでしょうか?

このコラムでは、高校中退から再入学(転入・編入)までの流れ、高校を卒業するための条件、高校中退後の再入学の選択肢、高校中退後の再入学以外の選択肢、高校中退から再入学することで解決が期待できることを解説します。

このコラムが、高校に再入学したいあなたが次の一歩に進むきっかけとなったなら幸いです。

私たちキズキ共育塾は「高校中退からの再入学」について無料相談を受け付けています。お気軽にご相談ください。

お子さんから「高校中退したい」と言われてお悩みの親御さんや、実際にお子さんが高校中退した親御さんに向けて、高校中退を決めたお子さんにできることについては、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

目次

高校中退は、悪いことではありません

高校中退からの再入学を検討しているあなたにお伝えしたいのは、「高校中退は悪いことではない」ということです。

高校中退について親や先生から責められたり、いろんな人から質問攻めされたりしたことで、「悪いことをした」と思う人もいます

高校中退後に「次の進路」が決まっていないことで、罪悪感を覚える人もいます。

キズキ共育塾の授業の中でも、生徒さんから「みんなが行っている高校を途中でやめた自分は、悪いんでしょうか?」といった言葉を聞くことがあります。

そして、「そんな悪いことをした自分が、高校に再入学したいなんて思っていいんだろうか」とまで悩む人もいます。

しかし、高校中退は、「悪いこと」ではありませんし、責められるようなことでもありません

確かに、多くの高校生は、高卒という資格を手に入れて大学受験や就職活動に臨んでいきます。

それが、いわば「多数派の道」なのかもしれません。

多数派の道を外れたことに罪悪感を覚える気持ちも、わかります。

でも、高校中退は、決して間違いでも悪いことでもありません

多数派と異なる選択をすることは、勇気のいることです。

高校中退する必要があった。または、中退せざるを得なかった。

事情は様々ですが、高校中退を選択した自分を否定的に考える必要はありません。

そして、高校中退後の再入学や学び直しについては、通信制高校、定時制高校、高認の取得など、様々な道があります

気持ちをいきなり切り替えることは難しいかもしれません。ですが、「再入学などの選択肢がある」と知っていただくことで、少しでも心が軽くなればと思います。

再入学(編入・転入)とは?

高校中退からの再入学について検討中のあなたは、再入学の他に「転入」「編入」という言葉も気になっていると思います。

この章では、再入学・転入・編入について解説します。

再入学とは?

「再入学」という言葉は、次のように、様々な意味で使われています。

  • 高校中退した人が、同じ高校にもう一度入学すること
  • 高校中退した人が、別の高校に1年生の最初から入学すること
  • 高校中退した人が、別の高校に1年生(以上)の途中から入学すること
  • 高校中退した人が、学年の概念がない高校に入学すること
  • 高校を卒業した人が、もう一度高校に入学すること

このコラムでは、以上のうち、高校中退からの「再入学」全てを対象として扱っています。以降の転入・編入についても同様です。

再入学について人に相談するときは、「あなたが考える再入学の意味」も合わせて伝えるようにしましょう

転入とは?〜以前在籍していた高校と次の高校に「間」がないこと〜

転入とは、以前在籍していた高校と次の高校の在籍日に空白がない状態での「再入学」のことです。

例えば、以前在籍していた高校を3月31日に中退して、次の高校に4月1日から在籍する場合は、転入に該当します。

これは書類上の話であるため、春休みなどの長期休暇や不登校などの関係で実際に登校していなくても関係ありません。

注意点として、以前在籍していた高校で休学を経験していた場合、休学期間は在籍期間としてカウントされないことが一般的なようです。

編入とは?〜以前在籍していた高校と次の高校に「間」があること〜

編入とは、以前在籍していた高校と次の高校の在籍日に空白がある状態での「再入学」のことです。

例えば、以前在籍していた高校を3月31日に中退して、次の高校に9月1日から在籍する場合は、編入に該当します。

すでに高校中退している場合は、転入はできずに編入のみ可能です。

転入と編入の違い〜高校卒業の時期に関係する〜

転入と編入の違いは、高校を卒業する時期に関係します

こちらで解説するとおり、高校を卒業するためには、「通算で3年間の高校在籍」が必要です。

転入の場合、在籍期間に空白がないので、最短で、元々の予定での「高校3年生の3月」に卒業できます。

編入の場合、空白分の在籍期間が後ろ倒しで必要になります。そのため、元々の予定での「高校3年生の3月」には卒業できないということです。

通信制高校では、そうした人たちに配慮して、「10月編入(再入学)、9月卒業」という仕組みを設けていることもよくあります。

高校中退から再入学(転入・編入)までの流れ

この章では、高校中退してから新たな学校に再入学(転入・編入)するまでの流れを解説します。

「再入学したいけど、どうしたらいい?」「何から手を付けたらいいかわからない…」という人は、ぜひ参考にしてみてください。

前提:詳しい人に相談しながら、自分に合った進路を探してみよう

「自分にどの高校が向いているのかわからない」「高校再入学と高認取得のどっちがいいのかわからない」というお悩みも生じるでしょう。

高校中退からの再入学やその流れについて、詳しい人たちに相談することで、あなたにより向いた選択ができると思います。

流れ①高校中退した理由と向き合う

高校中退後に再入学を検討する場合、まずは以前在籍していた高校中退した理由と向き合うことが大切です。

理由と向き合うことで、次の高校での、(不本意な)中退を防ぎやすくなるからです。

「何となく嫌だったから」というように、曖昧な理由の場合も、その「なんとなく」を可能な限り具体的にしてみましょう。

高校に在籍していた頃のことを思い出すことがつらく感じる人もいると思います。そういう人は、無理のない範囲で理由を探っていきましょう

参考例として、高校中退の事情の上位3件を紹介します。(参考:文部科学省「令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」

  • 進路変更
  • 学校生活・学業不適応
  • 学業不振

高校中退の理由が明らかになれば、再入学先を選ぶ際にも役立ちます。

例えば、進路変更を理由に高校中退をした場合は、希望する進路に進みやすい高校が選択肢となるでしょう。

また、希望する進路がない場合は、幅広い選択肢を模索できる高校を選ぶと、高校に通いながら自分自身の進路について考えられます。

高校中退の理由については、以下のコラムで解説しています。親御さん向けのコラムですが、参考になると思います。ぜひご覧ください。

流れ②在籍していた高校に単位・在籍期間を確認する

次に、在籍していた高校に取得単位(≒履修済み科目)と在籍期間を確認しましょう。

取得単位と在籍期間は、再入学する高校に引き継ぐことができます

高校を卒業するためには、一定以上の単位取得(≒科目履修)と、36か月以上の在籍が必要です。以前の高校からそれらを引き継ぐことで、新しい高校での高校で学ぶ科目・在籍日数を減らせます。

高校の単位は、基本的には「その学年の3月」に確定します。

3月を待たずに中退した場合、「その学年」で取得できる単位はないのが基本です。1年生の場合は取得単位ゼロ、2・3年生の場合は前学年の3月までに取得していた単位を引き継ぎます。

高校中退後に、高校に在籍していない空白期間がある場合は、その時点で36か月の在籍期間を満たさないため、一般的な卒業時期である「18歳になる年度の3月」に卒業できない可能性が高いです。

高校は「18歳の3月」に卒業しなくてはいけないものではありません。ですが、あなたがまだ中退しておらず、かつ「18歳の3月」に高校を卒業したいなら、空白期間を作らずに再入学できる方法を確認しましょう。

すでに空白期間がある場合は、再入学した高校をいつくらいに卒業できそうかについて、確認しましょう。

再入学の際の単位や在籍期間の引継ぎについては、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

流れ③再入学先の高校を選ぶ

高校中退からの再入学に限ったことではありませんが、高校選びは慎重に行いましょう。

特に、高校中退した経験がある人は、以前在籍していた高校での何らかの要因が「自分に合わなかった」「自分の希望に沿うものではなかった」のではないでしょうか

こちらで解説したとおり、その理由を明確にしたうえで、自分に合う再入学先を選ぶことがとても重要になります。

例えば、次のようなポイントから自分に合う高校かどうかを考えられるでしょう。

  • 高校の種類(全日制・定時制・通信制)
  • 公立・私立
  • 授業の難易度・スピード
  • 学校の雰囲気・校風
  • 卒業後の進路(進学が多いか、就職が多いかなど)

高校中退から再入学する場合にオススメの高校については、こちらで解説します。

流れ④再入学の手続きを行う

再入学する高校の候補が決まれば、再入学の手続きを行います。

通信制高校への再入学する場合を例に紹介します。

以前在学していた高校でもらうもの

  • 在籍証明書
  • 成績・単位修得証明

自分で用意するもの

  • 入学願書
  • (公立の場合のみ)住民票記載事項証明書

高校によっては、手続きの前に、転入・編入試験を受け合格する必要がありますが、試験がない高校もあります。

特に通信制高校では、入学審査(がある場合)は、書類選考・作文・面接などであることが多いです。

通信制高校への編入の条件や手続きについては、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

高校を卒業するための条件〜「単位」「在籍期間」〜

この章では、高校中退後の再入学から卒業のために必要な条件を解説します。

条件①単位〜高校で必要なことを学んだという証明のようなもの〜

単位とは、「高校で必要なことを学んだ」という証明のようなもので、科目ごとに、「授業への出席回数」と「テストなどの成績」が基準を上回れば取得できます。詳細な条件は学校によって異なります。

高校を卒業するためには、法律や各学校の定めによって、一定の単位を取得する必要があります。

なお、単位認定は学年末に行われますので、1年生の途中で中退した場合には、取得できた単位がないことが一般的です。

条件②在籍期間〜通算で3年間必要〜

高校を卒業するためには、「最低3年間の高校在籍期間」が必要です。

どれだけ成績がよくても、在籍期間が3年間に満たなければ卒業することはできません。

補足:単位も在籍期間も、前の高校で取得したものを引き継ぎ可能

単位も在籍期間も、前の高校で取得したものを、再入学した高校に引き継ぐことができます。

例えば、前の高校で1年間在籍していた場合、「再入学した高校では2年間の在籍で卒業できることがある」ということです。

単位についても、例えば世界史の単位を取得していた場合、再入学した高校では世界史の授業を受ける必要がない、ということです。

ただし、取得期間・単位の内容、再入学した高校のカリキュラム、再入学の条件などによって「必ず早く卒業できる」というわけではありません。

実際のあなたがどうなるかについては、前の高校に取得単位・在籍日数を確認するとともに、再入学を検討している高校にも確認してみましょう

高校中退後の再入学の選択肢①通信制高校

この章では、高校中退後の再入学の選択肢の1つである通信制高校について、キズキ共育塾の生徒さんの体験談とあわせて解説します。

通信制高校とは?

高校中退後に再入学したい人にオススメの一つが、通信制高校です。

通信制高校とは、毎日通学する必要がなく、学校から送られてくる教材を使って自宅で勉強する高校のことです。

高校中退して再入学に悩んでいる人は、「高卒資格はほしい…でも、学校に通うのはいやだな…」と悩むケースが多くあります。

また、睡眠障害や体調不良などから、決まった時間に学校に通うのが困難な人もいるでしょう。

通信制高校では、高校中退経験者の再入学を多く受け入れています。

通信制高校は、特にそんな人にオススメです。もちろん、そうじゃなくても大丈夫です。

通信制高校では、スクーリングと呼ばれる「登校する必要のある日」を除けば、ほとんどの授業を自宅で行うレポート・課題提出という形で修了することができます

通信制高校は、学校の課題をきちんと提出していれば、卒業することができます。

通信制高校はもちろん正規の高校であり、卒業すると「高卒」になります。

卒業後または卒業見込みになれば、大学などの受験も可能になります。また、「高卒」を対象とする求人にも応募できるようになります

スクーリングの頻度・回数・内容や、進路指導・就職指導などの体制は、学校ごとに大きく異なります。

見学や資料請求などを行い、ご自身の性格や体調とマッチする高校を選びましょう。

通信制高校については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

高校中退から通信制高校に再入学した人の体験談

キズキ共育塾の生徒であるAさんは、最初に通っていた全日制高校中退して、通信制高校に再入学しました。

Aさんは、最初の高校に在籍していた高校2年生のときに、しょっちゅう起きる頭痛と腹痛に悩まされていました。

病院で処方された薬を飲みつつも、体調のよい日は少なく、遅刻や早退、欠席を繰り返し、不登校を経て、高校中退となりました。

Aさんは「高校は卒業したい」と思っていました。ですが、体調が治らなければ全日制高校に編入してもまた通えなくなるのではないかと不安を抱えていました。

そこで、Aさんは、通学の必要のない通信制高校への再入学を決めたのです。

結果として、通院と勉強を無理なくストレスなく両立できるようになり、次第に体調も回復していきました。

キズキ共育塾には、学校の課題の学習サポートを中心に、通信制高校では不足しがちな「人とのコミュニケーション」を取ることも目的として通っていました。

その後、Aさんは無事に通信制高校を卒業し、いまは社会人として立派に働いています。

高校中退後の再入学の選択肢②定時制高校

この章では、高校中退後の再入学の選択肢の1つである定時制高校について、キズキ共育塾の生徒さんの体験談とあわせて解説します。

定時制高校とは?

高校中退後に再入学したい人にオススメのもう一つの候補は、定時制高校です。

定時制高校とは、全日制高校と同様に毎日通う高校で、全日制高校よりも授業実施の時間帯が遅い、昼から夕方・夜にかけて授業が行われる高校のことです。

定時制高校も、通信制高校同様に、高校中退経験者を多く受け入れています。

近年では、午前中からの授業が可能な定時制高校もあります。

毎日通学して授業を受けるため、特に「高卒資格がほしいし、いわゆる『高校生活』も送りたい」と考えている人にオススメです。

なお、他の種類の高校と同じく、進学・就職に関する進路指導の充実度や、実際の授業の時間帯、カリキュラムなどが学校によって異なります。

見学や資料請求などを行い、高校の特徴を調べてから学校を選択しましょう。

定時制高校については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

高校中退から定時制高校に再入学した人の体験談

キズキ共育塾の生徒であるBさんは、高卒資格がほしい、高校卒業後には大学に進学したいと思っていました。

そんなBさんは、もともとは全日制高校に在籍していました。

しかし、様々な理由から「全日制高校」という仕組みそのものが自分に向いていないと思い、中退しました

中退後のBさんは、「高卒資格がほしい」という理由に加え、次のような理由で全日制以外の高校を探しました。

  • 進路について相談できる場所がほしい
  • 友人・知人と日常会話をしたい
  • 通学によって生活習慣の乱れを防ぎたい

そして、その条件に一致する定時制高校へ再入学しました。同じような理由でキズキ共育塾にも入塾しました。

Bさんは、楽しい高校生活を送り、卒業し、いまは大学生になっています

Bさんの体験談をより詳しく知りたい人は、以下の体験談をご覧ください。高校中退ではありませんが、参考になると思います。

高校中退後の再入学の選択肢③全日制高校〜あまりオススメできません〜

この章では、高校中退後の再入学の選択肢の1つである全日制高校について、メリットとデメリット・注意点を解説します。

全日制高校とは?

全日制高校は、再入学先の候補としてはあまりオススメできません

全日制高校とは、「高校」と聞いて一般的にイメージされる、平日に朝から夕方まで学校で授業を受ける高校のことです。

とはいえ、全日制高校へ再入学を目指したいという人も多いと思います。ここでは、全日制高校に再入学するメリットとデメリットをお伝えします。

高校中退から全日制高校に再入学するデメリット・注意点

再入学先として全日制高校はオススメできない部分が多いです。なぜなら、以下のようなデメリット・注意があるためです。

高校中退から全日制高校に再入学するデメリット・注意点

  • 再入学者を受け入れる定員枠が少ない、少ないことがある
  • 再入学者への配慮が少ない
  • 再入学した本人が、高校中退の経歴などを気にして周りと仲よくなれず、再び中退する可能性がある

「絶対にやめておいた方がいい」とまでは言いません。向いている人もいるでしょう。ですが、以上のようなデメリット・注意点があることは、意識しておきましょう

高校中退から全日制高校に再入学するメリット

もちろん、全日制高校に再入学することで得られるメリットはあります。

高校中退から全日制高校に再入学するメリット

  • いわゆる「普通」の高校生活を送ることができる
  • コンプレックスを解消できる

多くの人が「高校」と聞いて思い浮かべるのは、朝から通学をして夕方まで授業を受ける全日制高校なのではないでしょうか。

このような、いわゆる「普通の高校生活」を送ることができるのが全日制高校なのです。

また、なんらかの事情で全日制高校に通えなかったことについて、コンプレックスを抱える人も少なくありません。

そういう思いを抱える人は、全日制高校に再入学することで、コンプレックスの解消につながるでしょう。

全日制高校が合っているかを考えよう

「全日制高校がいいな」と思う場合は、まずはこれらのメリットとデメリットを知った上で、自分に合っているかどうかを考えてみてください。

また、実際に再入学できそうな全日制高校があるかどうかについても、調べておくことが必要です。

ただし、1人で悩んでいても答えが出づらい場合もあるはずです。詳しい人にも相談しながら、通信制高校・定時制高校と合わせて候補を探していきましょう。

高校中退後の再入学以外の選択肢①高卒認定試験

あなたはなぜ、高校に再入学したいのでしょうか。

再入学の目的が「高校を卒業して、その後に大学・短大、専門学校に進学したい」ということなら、高校に再入学せずに、「高卒認定試験」を取得するという方法もあります

この章では、高校中退後の再入学以外の選択肢の1つである高卒認定試験について、メリットとデメリット・注意点を解説します。

高卒認定試験とは?

高卒認定試験とは、正式名称を「高等学校卒業程度認定試験」という、文部科学省が実施する公的な試験です。「高認」と呼ばれることもあります。

高卒認定試験に合格すると、高校を卒業していなくても、大学や専門学校などの受験(入学)ができるようになります。

高卒認定試験については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

再入学ではなく高卒認定試験を選ぶメリット

高校への再入学ではなく、高卒認定試験を選ぶメリットは以下のようなものがあります。

高卒認定試験を選ぶメリット

  • 高校に通わず(高校を卒業せず)、大学入試の受験資格を得られる
  • 試験が比較的簡単(100点中40〜50点で合格と言われている)
  • 高校在籍時の取得単位によって、試験科目が免除される場合がある(1科目だけの試験でOKな場合もある)

以上のメリットを踏まえて、「大学などに進学したい。でも、いまから高校に再入学するのはちょっとな…」「いまの状況を変えたいんだけど、何をすればいいのかわからない」という人は、高卒認定試験の方が合っているのかもしれません。

再入学ではなく高卒認定試験を選ぶデメリット・注意点

ただし、高卒認定試験を選ぶデメリット・注意点も存在します。高卒認定試験を選ぶデメリット・注意点は以下のようなものがあります。

高卒認定試験を選ぶデメリット・注意点

  • 正式な学歴にはならない
  • 試験の出題範囲が広い
  • 勉強にブランクや苦手意識がある場合は苦戦する可能性がある

以上の中での注意すべきポイントは、「高卒認定の取得」は正式な学歴にはならないということです。

高卒認定試験に合格しても、その後大学・短大・専門学校などを卒業しないと、学歴は「高校中退(中卒)」のままです

また、試験の出題範囲が広いため、高校中退までに学んだ内容を忘れている場合や、勉強の習慣がない場合は、試験勉強がつらく感じることもあるかもしれません。

高卒認定試験対策を行う塾に通えば、デメリット・注意点は軽減出来る

高卒認定試験を選ぶデメリット・注意点は、高卒認定試験対策を行う塾などに通いながら効率的に勉強することで軽減できます。

また、高卒認定試験の勉強に取り組むことで、次のように、「よいサイクル」をつくり、一歩ずつ成功していけることもあるのです。

  • 高卒認定試験に受かることを目指す
  • 学習習慣と生活習慣を身につける
  • 高卒認定試験に受かる
  • 大学受験に向かっていく
  • 大学に合格する!

このように、高校への再入学以外にも、高卒認定試験を受験するという選択肢もあります。

高卒認定試験を選ぶメリットやデメリット・注意点も含めて、詳しい人にも相談しながら、どの選択肢が自分自身に合っているかを検討してみてください

高校中退後の再入学以外の選択肢②その他

この章では、高校中退後の再入学以外のその他の選択肢を解説します。

選択肢①専門学校など、高校以外の学校

高校中退から進学できる学校は、高校以外にもあります。

例えば、「手に職をつけたい」と思い、専門学校に入学したいと考える人もいるでしょう。

世間でイメージされる専門学校に入学するためには、基本的には高卒資格または高卒認定の取得が必要ですので、専門学校に行きたい場合はどちらかを目指しましょう

なお、高等専修学校という学校では、専門学校と似たような分野で専門学校よりも基礎的なことを学べます。

高等専修学校は、高校中退(中卒)の状態で入学できます。また、学校によっては、卒業することによって大学受験の資格なども得られます。

また、いわゆる高専(こうせん)も高校中退の状態から入学可能です。

高専とは、技術者になるためおことを5年一貫で学ぶ学校で、いわゆる五教科などの一般科目と、工学・技術・商船などの専門科目の両方を学びます(商船学科は5年6か月)。

高等専修学校も高専も、高校の普通科とは学ぶ内容が大きく異なりますので、向き不向きも人によって大きく異なります。

気になる場合は、学校見学会などを利用して、自分に合いそうかどうかをよく検討しましょう。

高校中退後の専門学校・高等専修学校・高専への進学については、以下のコラムで解説します。ぜひご覧ください。

選択肢②就職

「自立したい」「社会とのつながりを持ちたい」といった人は、「就職」という選択肢があります。

高校中退(中卒)の状態で働いて暮らしていくことは、もちろん可能です。

しかし、現実として、高校中退(中卒)では、高卒以上の人に比べると就職の選択肢が狭まります。また、給料などの待遇がよくない傾向があります。

将来の選択肢を広げるためには、働きながらでもいいですし、いますぐでなくてもよいので、「できれば高校や前掲の各種学校の卒業、または高認取得は目指した方がよい」ということは、正直にお伝えします。

なお、一度働いてから高校・大学などへ進学することも、もちろん可能です。

高校中退後の就職については、以下のコラムで解説します。ぜひご覧ください。

選択肢③海外留学

国内の学校以外に、海外の各種学校に進学するという選択肢もあります。

日本国内の「学校」という仕組みが合わない場合は、中卒の状態で進学できる海外の学校に進学してみることも考えられる、ということです。

日本とは異なる環境で勉強や交流を行うことは、知識やスキルの獲得に加えて、自信にも繋がるでしょう。

学校の種類によっては、日本国内の「高卒」に該当する資格を取得できることもあります。

ただし海外留学は、言葉が違う、お金がかかる、ビザが必要など、国内の高校への再入学とは異なる手間や大変さがあります

留学に興味がある場合は、留学エージェント、領事館・大使館、留学経験者に話を聞くなどして、よく考えましょう。

高校中退から再入学することで解決が期待できること5選

高校中退は悪いことではありません。また、高校中退した自分を悪いように考える必要もありません。

ただし、高校中退にともなって、いくつかのデメリットが生じることは事実としてあります。

この章では、高校への再入学によって解決が期待できることを解説します。

「なんとなく高校に再入学したいけど、理由を言葉にできないな」「高校再入学するか迷っていて、迷いを解消する理由がほしいな」などと思っている人の参考となれば幸いです。

なお、ご紹介する「期待」は代表的なものであり、高校に再入学したい理由はもちろんなんでもOKです。

期待①高校レベルの知識が身につく

当たり前のことかもしれませんが、高校で学ぶと、高校レベルの知識が身につきます。

知識が身につくということは、自分のこと、社会のこと、仕事のことなど、様々なことについてそれまでよりも理解が深まるということであり、より生きやすくなるということです。

期待②大学・短大・専門学校など、進路の幅が広がる

高校中退(中卒)のままでは、大学・短大・専門学校に進学できません。

高卒資格を取得することで、中卒では進学できない大学・短大・専門学校などへの進学が可能になります。例外的に中卒で進学できる場合もありますが、数は少ないです。

そうした学校では、専門的な知識や技術を身につけることができますし、次項にも関連して就職の選択肢も増えます。

また、新たな友達ができたり、勉強以外についても視野が広がったりということもできるでしょう。

中卒から高卒になることで選択肢が増えた上に、その後別の学校に進学することで、さらに選択肢を増やすことができるということです。

まだ高校にも再入学していないあなたにとっては「少し遠い話だな」と思うかもしれません。ですが、「卒業したら選択肢が増える」というメリットは、高校生活を送るモチベーションに役立ちます。

ただし、大学などに進学するためには、高校の授業とは別に受験勉強も必要になる点には注意が必要です(特に働きながら高校生活を送る場合には)。

大学などの受験を考えている場合には、通信制高校・定時制高校・社会人・高卒認定経由の受験に詳しい塾や予備校などに相談することをオススメします。キズキ共育塾でも無料相談を受け付けています。

期待③就職先の選択肢が増え、収入が増える

高卒資格を取得することで、「就職先の選択肢が増え、収入が増える」ことが期待できます。

なぜ「就職先の選択肢が増える」のかというと、世の中に出回っている求人には、学歴を「高卒以上」に限定しているものがたくさんあるからです。求人サイトを見てみるとわかると思います。

また、なぜ「収入が増える」のか、というと、高卒資格を取得することで正規雇用の仕事につきやすくなるからです。

高校中退で応募できる仕事には、正規雇用が少ないのです。

もちろん、「正規雇用がよい」「契約社員・アルバイト・パートなどの非正規雇用はよくない」と一概に言えるものではありません。

しかし、「給料、その他の待遇、キャリア」という観点では、一般的には正規雇用の方が非正規雇用よりもよい、というのは事実です。

「正規雇用で働きたい」という人にとっては、「望まぬ非正規雇用」は避けたいところでしょう。

厚生労働省の統計によれば、15~34歳までの若年労働者における正規雇用の割合は、中卒で約35.4%なのに対し、高卒では約56.3%、大卒で約80.9%と、最終学歴によって大きな開きがあります。(参考:厚生労働省※PDF『平成30年若年者雇用実態調査の概況』

以上から、高卒資格を取得することによって、「就職先の選択肢が増え、収入が増える」というメリットが期待できます。高校卒業後に大学・短大・専門学校などを卒業すると、その期待はもっと上がります。

期待④新たな交友関係、友人ができる

高校中退後にそれまでの友人と交流が減った、友達が減った、という悩みを抱える人は多くいます。

高校に再入学することで、新たな交友関係や友人ができることは、イメージしやすいと思います。通信制高校や定時制高校には、高校中退の経験者も含めて、様々な学生が在籍しています。

再入学した高校では、年齢も境遇も含めて、自分と同じような人、全く違う人などとの出会いがあるのです。

通信制高校の場合、日常的に同級生と会う機会が少ないのでは?と思うかもしれませんね。ですが、スクーリング(通学)の日が多い高校もありますし、同じ通信制高校に通う人たちが集まって通信制高校の勉強をサポートしてもらう「サポート校」というところもあります。

そうした環境で過ごすことで、新たな友達ができていくと思います。

サポート校については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

また、友だちづくりについては、以下のコラムで解説しています。主には学生と社会人向けではありますが、参考になると思います。ぜひご覧ください。

期待⑤学歴差別・学歴コンプレックスが減る

高校再入学(・卒業)によって、学歴差別を受ける可能性が減り、また、自分の中での学歴コンプレックスを減らすこともできます。

残念ながら、現代の日本社会では、学歴は、人を判断する(人から判断される)大きな基準のひとつになっています。

もちろん、学歴差別は「する方が悪い」ですし、学歴が中卒だからといって気にする必要も本来的にはありません。

ですがその上で、現実として、高校中退について変なことを言ってくる人がいるかもしれないし、自分自身で「中卒であること」が気になることもある、ということです。

高校に再入学して卒業することで、学歴は「高卒」となり、そうした差別やコンプレックスが減ると言えるでしょう。

学歴コンプレックスの解消法については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

まとめ〜あなたに向いた進路は、きっと見つかります〜

高校中退後の再入学も含めて、高校中退から将来に向かう選択肢はたくさんあります

ご自身に合いそうな道のりを、詳しい人にも相談しながら見つけていきましょう。

このコラムが、あなたが先を考えていく助けになったなら幸いです。

さて、私たちキズキ共育塾は、お悩みを抱える人たちのための個別指導塾です。

高校中退した生徒さんも大勢いらっしゃいます。

無料相談や授業では、勉強だけではなく、一人ひとりのための、「高校中退後の進路」を一緒に考えていくことができます。

キズキ共育塾の概要をご覧の上、少しでも気になるようでしたらお気軽にご相談ください。

Q&A よくある質問

高校中退から再入学までの流れを知りたいです。

以下が考えられます。

  • 高校中退した理由と向き合う
  • 在籍していた高校に単位・在籍期間を確認する
  • 再入学先の高校を選ぶ
  • 再入学の手続きを行う

詳細については、こちらで解説しています。

高校中退から再入学すると、いいことあるんですか?

以下が考えられます。

  • 高校レベルの知識が身につく
  • 大学・短大・専門学校など、進路の幅が広がる
  • 就職先の選択肢が増え、収入が増える
  • 新たな交友関係、友人ができる
  • 学歴差別・学歴コンプレックスが減る

詳細については、こちらで解説しています。

監修 / キズキ代表 安田祐輔

やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、不登校・偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。また、不登校の子どものための家庭教師「キズキ家学」、発達障害やうつ病の方々のための就労移行支援事業所「キズキビジネスカレッジ」も運営。

【新著紹介】

『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法』
(2022年9月、KADOKAWA)
Amazon
KADOKAWA公式

【略歴】

2011年 キズキ共育塾開塾(2023年7月現在10校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年7月現在4校)

【メディア出演(一部)】

2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)

共同監修 / キズキ相談担当 半村進

はんむら・すすむ。1982年、茨城県生まれ。東京大学文学部卒。
小学校時代から転校を繰り返し、運動ができないこと、アトピー性皮膚炎、独特の体形などから、いじめの対象になったり、学校に行きづらくなっていたことも。大学に入学してようやく安心できるかと思ったが、病気やメンタルの不調もあり、5年半ほど引きこもり生活を送る。30歳で「初めてのアルバイト」としてキズキ共育塾の講師となり、英語・世界史・国語などを担当。現在はキズキの社員として、不登校・引きこもり・中退・発達障害・社会人などの学び直し・進路・生活改善などについて、総計1,000名以上からの相談を実施。

【執筆記事・インタビューなど(一部)】

日本経済新聞 / 朝日新聞EduA / テレビ東京 / 不登校新聞 / 通信制高校ナビ

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「もう一度学び直したい方」の勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする学習塾。多様な生徒さんに対応(不登校・中退・引きこもりの当事者・経験者、通信制高校生・定時制高校生、勉強にブランクがある方、社会人、主婦・主夫、発達特性がある方など)。授業内容は、小学生レベルから難関大学受験レベルまで、希望や学力などに応じて柔軟に設定可能。トップページはこちら。2024年10月現在、全国に11校とオンライン校(全国対応)がある。

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