定時制高校のメリット デメリット・注意点を解説

定時制高校ってどんなところ?定時制高校のメリット・デメリット

こんにちは。生徒さんの勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする完全個別指導塾・キズキ共育塾です。

このコラムでは、定時制高校のメリットとデメリット・注意点について解説します。

定時制高校に進学・転入を検討する際の参考になれば幸いです。

定時制高校の3つのメリット

この章では、定時制高校のメリットについて解説します。

定時制高校のメリットを把握しておけば、自分に合った定時制高校を選ぶ際にも役立ちます。

有意義な高校生活を送るためにも、定時制高校のメリットや特色を押さえておきましょう。

メリット①授業時間が短く、全日制高校と比べて時間の自由度が高い

定時制高校を4年で卒業する場合、1日の授業時間が4時間程度と少ないため、朝から夕方まで授業時間がある全日制高校と比べ、学業以外の活動時間を確保しやすくなります。

また、学ぶ時間帯の自由度も高く、夜のみに授業を行う定時制高校や、複数の授業時間帯を設けている定時制高校などさまざまです。体調や仕事など、自身の都合に合わせて通学しやすいのも、定時制高校のメリットと言えるでしょう。

なお、単位制の定時制高校だとしても、完全に自由に時間割を組めるわけではありません。各部内では授業時間が決まっています。とは言え、全日制高校と比べれば、自由度が高いといえるでしょう。

メリット②さまざまな事情がある生徒が多いため、あなたの事情も理解されやすい

定時制高校には、以下のようにさまざまな背景を持つ生徒が多く在籍しています。

  • 元不登校
  • 高校中退経験者
  • 働いている人
  • 定年退職している人 など

そのため、互いの背景を相談し合ったり、分かり合えたりする雰囲気があり、自身と似た境遇や、全く異なる境遇を持つ友人ができやすいのも大きな特徴です。

無理に話す必要はありませんが、話したいときに話せる、話したら共感してもらいやすいという環境は、安心して高校生活を送るうえでとても大切な要素といえるでしょう。

定時制高校に通っていた筆者も、入学当初に元不登校であることを積極的に話すことで、似たような経験を持つ友人がたくさんできました。

もちろん、いわゆる普通の人もたくさんいます。定時制高校には、いろんな人受け入れられる環境があるということです。

メリット③就職のサポートが手厚い傾向がある

定時制高校は、就職のサポートは手厚い傾向があります。そのため、全日制高校より就職率は高いです。

筆者が通っていた定時制高校では、毎年、さまざまな職業の人が講師として来校し、生徒それぞれが興味のある講座を受講するというイベントがありました。

このイベントに参加することで、その職業自体や働くということについて、知識や考え方を深めることができました。

ただし、そのようなイベントがあるかどうかは、学校次第です。具体的な就職サポートについては、資料請求や学校説明会などで確認してみましょう。

定時制高校の2つのデメリット・注意点

この章では、定時制高校のデメリット・注意点について解説します。

定時制高校にはデメリット・注意点もありますが、事前に確認しておけば対策可能です。

いざ入学してから「思っていたのと違った」とならないように、しっかりと確認・対策をしておきましょう。

注意点①中途退学率が高い

以下のように、定時制高校の中途退学率は、全日制高校や通信制高校よりも高いです。(参考:文部科学省「令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」

  • 全日制高校の中退率・人数:約1.0%(2万8987人)
  • 定時制高校の中退率・人数:約7.6%(5430人)
  • 通信制高校の中退率・人数:約3.8%(8984人)

高校中退は悪いことではないですが、不本意な中退を避けるためには、入学前に以下の点は必ず確認しておきましょう。

  • 校則や校風、先生や生徒の雰囲気などが自分に合うか
  • 卒業後の進路が自分の希望と合うか

これらの確認には、資料請求や学校見学会などを利用するのがオススメです。

注意点②進学のサポートが少ない傾向がある

定時制高校は、進学のサポートが少ない傾向があります。これは、そもそも進学志望者が少ない点が原因として考えられます。

2018年(平成30年)度の定時制高校を卒業した人のうち、大学や専門学校などへ進学した人の割合は、約30.0%です。(参考:文部科学省「令和元年度学校基本調査」

もちろん、受験対策の講座など、学校によっては進学のサポートも手厚く行っている定時制高校もあります。

そのため、資料請求や学校説明会への参加などを通して、事前に進学サポートの詳細を確認しておきましょう。

また、全日制高校・定時制高校に関わらず、大学受験のための勉強を学習塾や予備校で補うことは珍しくありません。学校のサポートが心配なら、高校と並行して通える学習塾や予備校などを探すと、進学への助けになるはずです。

定時制高校とは?

定時制高校とは、夜間、もしくは昼間の決められた時間に通学して学習する高等学校課程のことです。基本的に全日制高校より1日の授業時間が少ない場合が多く、通学する時間帯も選べるのが特徴です。(参考:文部科学省「三 新制高等学校の発足:文部科学省」

定時制高校は、1948年に勤労青少年、つまり就業などのために全日制高校に進学できない青少年のために発足しました。

全日制高校とは異なる時間帯にも授業を受けられるため、働きながら高等学校教育を受けたい人や、自分のペースで学びたい人にオススメです。

定時制高校については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

まとめ〜学校ごとに特色も異なります〜

全日制高校にも通信制高校にも、それぞれメリッとデメリット・注意点はそれぞれあります。また、学校ごとに特色も異なります。

進学したい定時制高校があるなら、資料請求、学校見学を行ってみてください。また、進学や就職のサポートが心配なら学校と並行して相談できそうなところを探したりしましょう。

また、定時制高校への進学・転校や、定時制高校からの大学進学について、少しでも不安がある場合、キズキ共育塾の無料相談をご利用ください。あなたのための次の一歩を、一緒に考えていきます。

監修 / キズキ代表 安田祐輔

やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、不登校・偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。また、不登校の子どものための家庭教師「キズキ家学」、発達障害やうつ病の方々のための就労移行支援事業所「キズキビジネスカレッジ」も運営。

【新著紹介】

『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法』
(2022年9月、KADOKAWA)
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KADOKAWA公式

【略歴】

2011年 キズキ共育塾開塾(2023年7月現在10校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年7月現在4校)

【メディア出演(一部)】

2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)

共同監修 / キズキ相談担当 半村進

はんむら・すすむ。1982年、茨城県生まれ。東京大学文学部卒。
小学校時代から転校を繰り返し、運動ができないこと、アトピー性皮膚炎、独特の体形などから、いじめの対象になったり、学校に行きづらくなっていたことも。大学に入学してようやく安心できるかと思ったが、病気やメンタルの不調もあり、5年半ほど引きこもり生活を送る。30歳で「初めてのアルバイト」としてキズキ共育塾の講師となり、英語・世界史・国語などを担当。現在はキズキの社員として、不登校・引きこもり・中退・発達障害・社会人などの学び直し・進路・生活改善などについて、総計1,000名以上からの相談を実施。

【執筆記事・インタビューなど(一部)】

日本経済新聞 / 朝日新聞EduA / テレビ東京 / 不登校新聞 / 通信制高校ナビ

サイト運営 / キズキ

「もう一度学び直したい方」の勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする学習塾。多様な生徒さんに対応(不登校・中退・引きこもりの当事者・経験者、通信制高校生・定時制高校生、勉強にブランクがある方、社会人、主婦・主夫、発達特性がある方など)。授業内容は、小学生レベルから難関大学受験レベルまで、希望や学力などに応じて柔軟に設定可能。トップページはこちら。2024年10月現在、全国に11校とオンライン校(全国対応)がある。

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