子どもが不登校を繰り返すのはなぜ? 原因と解決策を解説

子どもが不登校を繰り返すのはなぜ

こんにちは。生徒さんの勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする完全個別指導塾・キズキ共育塾です。

このコラムをお読みのあなたは、お子さんについて、以下のようなことにお悩みではないですか?

  • 「不登校から学校に復帰したと思ったら、再び休み始めた」
  • 「小学校・中学校・高校を経て、何度も繰り返して不登校になる」

これまでキズキ共育塾では、不登校からの学校復帰について、または学校復帰以外の道について、多くのご相談を受けてきました。

学校復帰や新しい進路に向かい始めたとしても、再び不登校に戻ったというお話もよく聞きます。

「子どもに学校復帰の意欲はあるように見えたのに、なぜか不登校を繰り返す」というお話も耳にします。

不登校を繰り返すことについて、悩んでいるお子さんや親御さんは、決して少なくないのです。

このコラムでは、不登校に詳しいキズキ共育塾の講師に聞いた、不登校を繰り返す原因とその解決策について解説します

不登校を繰り返す原因と解決策

不登校には、繰り返しのパターンが2つあります。

  1. 小学校で複数回、中学校で複数回のように、同じ学校の中で不登校を繰り返す場合
  2. 小学校・中学校・高校と学校が変わっても、何度も不登校になる場合

2つのパターンでは、それぞれ原因が異なります。

ここからは、それぞれのパターン別に、不登校を繰り返す原因と解決策をご紹介します。

小学校で複数回、中学校で複数回のように、同じ学校の中で不登校を繰り返す場合

このパターンでは、以下の原因が挙げられます。


原因①:ストレス耐性が低い

ストレス耐性が低い

他のクラスメイトと同じような環境で過ごしていても、ストレス耐性が低いと、不登校になる(繰り返す)ことがあります

「テストの点数が悪くて先生に怒られた」「友達にちょっと嫌なことを言われた」など、誰もが経験し得るようなことにも、多大なストレスを感じて学校に行けなくなるのです。

それは、お子さんがとても繊細であるのかもしれませんし、HSPなどの特性を持っているのかもしれません。

お子さんのストレス耐性が原因で不登校につながった場合は、学校の担任の先生やスクールカウンセラーに相談してみましょう

ご相談される際は、「いきなり週5日・全ての授業で復帰する」のではなく、以下のように、段階を踏んだ復帰を相談してみましょう。

  • 最初は週に数日間だけ通学する
  • 通学はするけど、保健室登校をする

自分が不登校であることを知っているクラスメイトの中に戻ることは、お子さん本人にとっては多大なストレスになります。

そのため、このように段階を踏んで、学校生活に慣れていくことが大切です。

また、登校再開のタイミングとしては、現在のクラスメイトと少し離れることのできるクラス替えの時期がオススメです

もし、本人が嫌でなければ、どこかに通う練習として、習い事を始めるといった方法もあります。

その際は、同じ学校の人が通っている習い事を選ぶと、学校の人たちと顔を合わせることに慣れることができるかもしれません。

次に、今のクラス、学校が合わない場合には、転校することも一つの方法です

転校を選択する際は、お子さんの性格やご家庭の雰囲気に合わせて学校を選びましょう。

お子さんの性格からほど遠い児童・生徒が集まる学校では、うまく馴染めないこともあります(わかりやすく言えば、勉強熱心なご家庭のお子さんが荒れた学校に行くと、周囲と比べて浮くことがあります)。

もし、過疎地などで学校の選択肢がない場合は、引っ越しや一人暮らし(寮暮らし)を視野に入れて、転校先を探す必要もあるかもしれません。

転校のタイミングも、復帰と同じように学年が替わる時期がオススメです

学年途中だと、すでにクラスの人間関係ができ上がっているため、その輪に入っていくことが難しく、お子さんがストレスを感じるかもしれません。

小学校時代の友達が通っている中学校など、知っている(仲の良い)子が通う学校に転校するのもよいでしょう。

私たちキズキ共育塾は、不登校を繰り返す人のための、完全1対1の個別指導塾です。

生徒さんひとりひとりに合わせた学習面・生活面・メンタル面のサポートを行なっています。進路/勉強/受験/生活などについての無料相談もできますので、お気軽にご連絡ください。

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原因②:体力的に弱い・生活リズムが崩れている(学校と合わない)

体力的に弱い・生活リズムが崩れている

ストレス耐性同様、クラスメイトと同じ生活をしていても、体力的についていけず、心身ともに疲れた結果、不登校になることがあります

学校に通うということは、毎日、朝から決まった場所に行くということです(通信制・定時制高校は除く)。

その朝型の生活に合わせることが難しいというお子さんもいます。

「朝早く起きて出かける」「朝から授業を受ける」ことが、体力的に厳しいのです。

このような場合は、「明るいうちにやる用事を作る」「午前中に起きる生活リズムを作る」などを心がけて不登校期間中の生活をすることで、対策をすることもできます

習い事を始めて、どこかに通う習慣・体力をつけるという手段もオススメです。

いきなり朝に習い事のスケジュールを入れるのではなく、無理なく通うことのできる遅い時間に習い事を入れて、少しずつ早い時間にシフトしていきましょう。

また、学校復帰のためには、連続して外出できる体力を身につけなくてはいけません

1日外出したら疲れてしまい、次の日には家で休まなくてはいけないというお子さんもいらっしゃいます。

まずは、連続して2日外出する予定を立ててみましょう。

予定の内容は、習い事でもいいですし、買い物に行くというような気軽なものでも構いません。

習い事を入れると、習い事の時間を意識して生活するようになるので、より有効かもしれません。

また、心療内科やカウンセリングルームへの通院を予定としてもよいでしょう

病院に通っていると、親御さんやお子さんご本人も気付けないような適切なアドバイス、回復に向けての有益な情報が得られるかもしれません


原因③:学校に対して苦手意識が芽生えた

学校に対して苦手意識が芽生えた

学校でのふとしたで出来事が、お子さんのトラウマ・苦手意識となった結果、不登校につながった可能性があります

不登校になると、お子さんが「学校が苦手…」と感じるようになるのは、よくあることです。

その場合は、「これからずっと学校に通うぞ!」という意識ではなく、「まずは1週間だけ行ってみよう」というくらいの気持ちで、お子さんが気負うことなく通えるように促してみてください

これは、1週間通うという小さな登校サイクルを実践することで、お子さんの成功体験を積み重ねるという目的があります。

そして、がんばって学校に行けた際は、お子さんに休日を満喫させましょう

「午後まで寝る」「ゲームをたくさんする」など、お子さんが好きなように過ごせるように、親御さんは見守ることが大切です。

登校再開後は、登校するだけで精一杯で、勉強が手に付かないこともあります。

お子さんはきっと、そのことを不安に思っているでしょう。

ですので、親御さんは、「学校に行けてよかったね」「よくがんばったね」といったような声をかけて、お子さんの不安を和らげることを心がけてください


原因④:登校再開時に、先生やクラスメイトから言われたことに傷つく

登校再開時に、先生やクラスメイトから言われたことに傷つく

お子さんが不登校であることは、先生だけではなくクラスメイトも知っています。

「人の口に戸は立てられぬ」と言うとおり、クラスメイトだけでなく、その親御さんや他のクラスの子も知っている可能性があります。

先生はともかく(心無い先生も残念ながら存在しますが)、精神的にまだ成長段階であるクラスメイトは、久しぶりに登校した同級生に、好奇の目を向けてくるかもしれません

もちろん、親切に接してくれる子もいるでしょう。

しかし、残念ながら、全員がそうとは限りません。

久々に登校した時に、クラスメイトから心無い言葉をかけられて、お子さんが傷つく可能性もあります

それを少しでも防ぐためには、シナリオ(想定問答)を作っておくとよいでしょう

簡単に言うと、「こう聞かれたら、こう返そう」といった決まりをつくるということです。

「お前だけずる休みできていいよな」「〇〇くん、病気だったの?」と言われることも様々だと思いますが、そのような質問にお子さんは何と答えるでしょうか?

ここで大切なのは、嫌なことを言われたら言い返すといったように、お子さんが休んでいた自分に劣等感を抱かないことです

ただ、お子さんだけでは、想定問答を考えることも言い返すのも、少しハードルが高いかもしれません。

親御さんや、支援者などの協力があると、より行いやすくなります。

いずれにせよ、「自分は劣っているわけでも、悪いわけでもない」といった姿勢を、周囲に示すことが大切です。

お子さんが毅然とした態度でいると、心無い声をかけてくる子どもは、近寄って来なくなります。

もし、お子さんが学校で嫌な思いをして帰ってきたら、親御さんはお子さんの悲しさ、くやしさを受け止めてあげましょう。

小学校・中学校・高校と学校が変わっても、何度も不登校になるパターン

何度も不登校になるパターン

このパターンでは、まず、「小学校で複数回、中学校で複数回のように、同じ学校の中で不登校を繰り返す場合」でご紹介した原因が、小学校、中学校、高校で繰り返していることが考えられます

これは、不登校を繰り返す原因がストレス耐性が低いということであれば、小学校、中学校、高校でも、同じ原因で不登校を引き起こしているといったケースです。

一方、小学校での不登校と中学校での不登校の原因が全く異なる場合もあります

一見したところ、同じ不登校の繰り返しでも、前回の不登校と今回の不登校の間には関係がなく、異なるきっかけが生じた結果、不登校を繰り返すこともあるのです。

この場合は、不登校の原因やきっかけが、環境の変化によるものが多いと言えるでしょう

例えば、小学校のときは、友人関係がうまくいかず不登校になり、なんとか友人関係を修復して中学校に進学したが、環境の変化があり、それについていけず不登校になったといったというような場合です。

環境の変化には、以下のようなものがあります。

  • 通学時間が伸びた
  • 今まで経験したことのないグループワークを行う必要が生じたが、それが苦手だった
  • 初めての一人暮らしで生活リズムが崩れた

このケースに当てはまる場合は、第三者に相談することが重要になってきます

ここで言う第三者とは、ご家族などの周囲の人に限らず、カウンセラーなどの専門家も含まれます。

ご家庭内だけで抱え込むと、お子さんが不登校を繰り返す原因・きっかけが前回と異なることに気が付かないかもしれません。

積極的に第三者への相談をして、適切なアドバイスを得るようにしましょう。

5つの重大な原因によって繰り返すケース

不登校には、今までご紹介した他に、精神疾患やいじめなど、学校に行けない重大な原因が潜んでいるケースがあります

ここからは、不登校を繰り返す重大な原因のうち、5つをご紹介します。

原因①:精神疾患

精神疾患

うつ病や統合失調症など、思春期、青年期に発症しやすい精神疾患が、不登校の繰り返しにつながる可能性があります

例えば、以下のような場合です。

  • うつ病が原因で朝起きることができない
  • 統合失調症が原因で無気力になっている
  • 同じく統合失調症で生活リズムの乱れが起こり、規則正しい生活が行えない

精神疾患は、努力や叱責で治るものではありません。

疑われる場合は、すぐに精神科、心療内科を受診してください

原因②:発達障害

発達障害

発達障害を抱えていると以下のような傾向があり、学習・生活上の困難を抱えることがあります

  • 集団生活に馴染めない
  • 勉強について行けない
  • なかなか友達ができない

周囲から見れば、「少し変わっている子」だということで、同級生からいじめられることもありますし、先生からは浮いた生徒だと思われることも少なくありません。

発達障害の場合、親子でその特性をしっかりと認識し、子どもに合った学習方法を選ぶ必要があります

原因③:いじめ

いじめ

不登校から学校に復帰すると、いじめの標的になる場合もあります

いじめられた子どもは、それを「恥ずかしい」と思って親に隠すことで、親がその事実に気づかない場合も多いのです。

また、中には、自分のクラスで騒ぎを大きくしたくないがために、いじめを見て見ぬふりをする先生もいます。

お子さんがいじめの対象になっている場合には、まず在籍している学校に相談して、それでも解決しないようであれば、転校するなどの根本的な対応が必要です

原因④:家庭の問題

夫婦間の問題、経済的な問題といった家庭内の事情が、子どもの心を傷つけた結果、不登校につながっている可能性もあります。

「子どもは気づいていないだろう」「あの子は気にしないはずだ」と親が思っていても、子どもは家庭の問題に敏感で、親にも言えず一人悩んでいるかもしれません

原因⑤:虐待

虐待

このコラムをご覧になっている親御さんは、きっと不登校のお子さんを心配されていることでしょう。

ですので、関係のない話だとは思いますが、親の虐待によって子どもが学校に行けないということも現実としてありえます。

「親が学校に行かせない」「学校に行けない家庭環境を作っている」などがこのケースに当てはまります。

虐待が疑われる家庭があった場合には、まずはお住まいの地域にある役所の窓口などの公的な機関へすぐに相談することが大切です

「どこに相談すればよいかわからない」という場合には、まずは在籍している学校に事情を伝え、しかるべき相談先を紹介してもらいましょう。

キズキ教育塾が考える繰り返す不登校への5つの解決策

不登校を繰り返す原因は様々ですが、ここからは、ご紹介した原因全てに共通する5つの解決策をご紹介します。

解決に向けて大切なことは、繰り返しになりますが、第三者への相談です

解決策①:学校復帰だけが正解とは考えない

学校復帰だけが正解とは考えない

不登校から次の一歩を踏み出すとき、今の学校への復帰だけが正解とは限りません。

今の学校に復帰をしなかったとしても、別のルートで進学を目指すことは可能です

「今の学校で登校を再開しなければならない」という考え方から離れることで、新たな一歩を踏み出せるお子さんもいます。

学校という集団には、様々な性格の子どもがいて、その中でも集団に馴染めないという子どもは必ず一定数いますし、それは決して悪いことではありません

もちろん全ての子どもが当てはまるとは言えませんが、「独創的で個性的な子どもほど、集団になかなか馴染めない」ということもあるそうです。(参考:河合隼雄『子どもと悪』)

例えば、代表作「生きる」で有名な詩人の谷川俊太郎さんは、中学生のころに不登校を経験したそうです。(参考:BRUTUS.jp:『僕は母親に、100%愛されたんですよね。|谷川俊太郎』)

そのきっかけを、集団行動に馴染めずに学校を嫌いになったこと、授業でクラスメートにからかわれたこと、先生を信用できなかったことなど、様々に挙げられています。

もしかすると、お子さんが不登校を繰り返すのは、お子さんの個性が際立っていて、集団行動を基本とする学校生活には合わないだけかもしれません。

そのような場合は、無理に今の学校に行くのではなく、お子さんに合いそうな学校に転校する、塾や家庭教師の支援を受けて勉強したり、インターネットの学習動画などを通して独学をしたりすることで、自分のペースで学習を進めることも選択できます。

フリースクールや習い事、地域のサークル、ボランティアを通して、人とのコミュニケーションを学ぶことも可能です。

お子さんが義務教育中であれば、登校しなくても卒業はできますし、高校生であれば、「通信制高校に転入する」「高卒認定試験を受ける」などの方法で、大学・専門学校に進むこともできます

私たちキズキ共育塾に通った生徒さんにも、今の学校へ復帰するのではなく、別のルートで大学受験・進学を実現した方がいらっしゃいます。

学校に行かない選択をした人は世の中にいて、社会で活躍している人も多くいますので、学校へ復帰することだけが不登校解決の正解ではないということを、ぜひ覚えておいてください。

解決策②:家庭以外で人との接点を持つ

家庭以外で人との接点を持つ

お子さんが家庭以外の環境で人との接点を持てるように促しましょう。

「不登校=悪いこと」ではありませんが、お子さんが不登校になった際は、コミュニケーションの点で不都合が起こることもあります

それは、不登校のお子さんが、親御さんを含む家庭外の人と交流を持つことが、少なくなることです

キズキ共育塾に通う不登校の生徒さんの中にも、「母親としか話さない」「ほとんど人と話さず、親ともラインで会話する」という人が多くいらっしゃいます。

学校の本質の一つに、家族以外の人との接点を持つ場所という側面があります。

家族ももちろん大切ですが、成長段階で家族以外の様々な人と交流を持つことは、社会性やコミュニケーション能力を養う役割を果たします。

様々な人と交流を持つことは、自分がどういう人間であるかを知るために、とても大切なことなのです

学校に行かなくても構いません。

しかし、できる限り家族以外の人とコミュニケーションを持つように、お子さんに促してみましょう

フリースクール、習いごと、ボランティア、地域のサークルなど、家庭外での交流の機会を得るために、気軽に参加できるコミュニティ・イベントは様々にあります。

また、不登校支援を目的とした団体も世の中にはたくさんあります。

インターネットやスカイプを通じて連絡することが可能な支援団体も多いので、そのような団体を通してコミュニケーションの機会を得ることも手段のひとつです。

在籍している学校のスクールカウンセラーや信頼できる先生とお話しすることを、外部の人と接する第一歩としてもよいでしょう。

お子さんが家族以外の人と話さない時期が長く続くと、家族以外と話すこと自体にハードルが上がり、不登校からの復帰にも時間がかかるかもしれません。

お子さんが安心してコミュニケーションを取れる場所を、積極的に探すことをオススメします。

解決策③:趣味・楽しみを見つける

趣味・楽しみを見つける

お子さんが自分の趣味・楽しみを見つけるのも、解決策のひとつです。

趣味を持つことで、リラックスする時間と場所を作ったり、同じ趣味の人が集う場所でコミュニケーションを取ったりと、お子さん自身の新たな居場所をつくることができます

安心できる居場所があれば、次第に気持ちも明るくなりますし、将来について前向きに考えるきっかけになるかもしれません。

地域のサークル、習いごと、インターネット上のコミュニティなど、趣味を基本とした居場所づくりの手段は様々です(あくまで一部ですが、インターネットのコミュニティにおいては、お子さんが悪質なことに巻き込まれないよう、親御さんも注意が必要です)。

無理に他の人と関わりを持たなくとも、登山、鉄道、読書、創作活動、カラオケ、釣りなど、ひとりでできる楽しみもたくさんあります。

趣味を見つけることが、お子さんが安心できる居場所づくりにつながるかもしれません。

解決策④:親御さんの生活を充実させる

親御さんの生活を充実させる

お子さんが不登校であっても、親御さんは自分の生活を充実させましょう。

「子どもが不登校で悩んでいるのに、私だけが仕事に行ったり、趣味を楽しんだりしてもよいのだろうか」

もちろん、そのように思われるのは自然なことです。

しかし、親自身の人生を充実させることが、実は不登校の解決に繋がります

親が自分の生活を充実させることには、主に以下のような効果があります。

  • 親が子どもにかかりきりになることを防ぐ
  • 親が大人のロールモデルになることができる

ここでは、この2点についてお話しします。


■親が子どもにかかりきりになることを防ぐ

親が子どもにかかりきりになることは、不登校解決のために防がなくてはなりません。

親が子どもだけに気を取られていると、視野が狭くなり、不安がどんどん膨らんでいきます

そして、膨らんだ親の不安や心配が、「叱責」「悲観」「過干渉」「感情的になる」などの形で表れて、子どもの心を圧迫していくのです

子どもは不安に駆られた親に叱責されたり、過度に干渉されたりすると、自尊心を傷つけられます。

それを防ぐためにも、親は子ども以外のことに目を向ける必要があるのです。

そして、心に余裕をもって子どもに接することが、不登校解決に向けて大切です。


■親が大人のロールモデルとなることができる

ひとりの社会人として充実した姿を子どもに見せることは、望ましい大人のロールモデルを子どもに与えることになります。

充実した社会人である親の姿を見ることで、子どもが「自分もいずれは社会に出て、このように人と関わっていくんだ」と自然と思うようになります

「外の世界は楽しいよ」「大人になるってよいものだよ」という姿勢を、ぜひ子ども見せるようにしましょう。

不安に駆られた親の叱責より、充実して生活する親の姿の方が、子どもの心に何倍も大きな、よい影響を与えるのです。

解決策⑤:家族だけで抱えず第三者(専門家)に相談する

家族だけで抱えず第三者(専門家)に相談する

不登校を解決するためには、家族だけでその悩みを抱えずに、第三者へ相談をするようにしましょう。

ここでいう第三者とは、スクールカウンセラーや支援団体など、不登校に関する専門家のことです。

不登校解決のために避けるべきことは、親子が社会や学校から孤立し、家庭の中に引きこもることです

家庭が孤立した結果、不登校の長期化を招くということもあります。

第三者への相談が大切な理由として、不登校の子どもへの適切な接し方は、その子どもによって異なるということが挙げられます

書籍やインターネットでは、様々な情報が流れており、「不登校の子には優しく接するべきだ」という情報もあれば、「不登校は怠けなので厳しくするべきだ」という情報もあります。

そのどれが正しくて、どれが間違っているかを一概に言うことはできません。

例えば、優しく接することで心を回復していくお子さんもいれば、その優しさを「腫れ物に触るような対応をされている」と感じて、親に不信感を抱くお子さんもいます。

反対に、厳しくされることで自分を見つめ直すお子さんもいれば、ひどく落ち込むお子さんもいます。

親は、不登校の専門家ではありません。

あなたのお子さんに最適な対応は何なのかを理解するために、積極的に専門家の判断を仰ぎましょう

専門家には守秘義務があるので、相談に行ったからといってそれが周囲に知られることはありません。

専門家には守秘義務があるので、相談に行ったことが周囲に知られることはありませんのでご安心ください。

具体的な相談先については、後ほどお話しします。


【補足】

複数の専門家へ相談した結果、「それぞれから異なるアドバイスを受ける」「納得がいかない進言をされる」などのことが起こるかもしれません。

どのアドバイスに従うかは、最終的に親御さん(とお子さん自身)が決めることになります。

専門家とお子さん・親御さんとの相性、アドバイスの内容を考慮して、納得がいくまで頼れる専門家を探すことをオススメします

不登校の相談先

ここでは、不登校の具体的な相談先についてご紹介します。

相談先①:お子さんが在籍している学校

お子さんが在籍している学校

まずは、お子さんが在籍している学校に相談してください。

担任の先生はもちろんのこと、学校にはスクールカウンセラーが在籍しています

学校はお子さんの普段の状況を把握しているため、相談もスムーズに進みます。

また担任の先生やスクールカウンセラーが、お住まいの地域にある相談先を、別途紹介してくれることもあります。

相談先②:自治体の相談窓口

主な自治体の相談窓口は以下のようなものがあります。

「どこに連絡すればよいのかわからない」という場合は、まずはお住いの市町村のウェブサイトにある教育関連のページを開くと、関連窓口の連絡先が記載されています。

それでも不明な場合は、役所の総合窓口にお問い合わせいただくのがオススメです。

相談先③:不登校親の会

不登校親の会

全国には、様々な不登校の子を持つ親御さん同士が集まる会が存在します(「不登校親の会」という名前の団体がひとつあるわけではありません)。

そうした親の会では、悩みを相談したり、有益な情報交換をしたりすることができます

直接的な解決方法が見つかることもあれば、同じ悩みを持つ人と話すことで、親御さんの心理的負担の軽減にもなるでしょう。

全国の親の会の情報をまとめたウェブサイトもあるので、お近くで参加できる親の会をぜひ探してみてください。

相談先④:不登校の支援団体

不登校の支援団体

主な支援団体として、民間の支援団体、NPO、フリースクール、キズキ共育塾のような不登校支援を行っている学習塾などがあります

心理面サポートを重視しているところ、学習面のサポートを重視しているところなど、支援団体によって特徴は異なります。

また、フリースクールなど、学外の場所への出席が、学校の出席日数として認められることもあります。

これらの支援団体は、不登校の支援をしてきた経験とノウハウを持っています

かつ、無料で相談を受け付けているところも多いので、気になる支援団体があれば、相談だけでも足を運んでみましょう。

お住まいの市区町村名などと合わせてインターネット検索をすると候補が見つかります(例:「渋谷区 不登校 支援団体」「東京都 不登校 塾」「台東区 フリースクール」など)。

不登校の相談先は、全国に設置されています。

お住まいの地域で、一番利用しやすい相談先を見つけてください。

過疎地などで相談先が近くにない場合でも、電話やメールで相談することもできます。

参考:学校休んだほうがいいよチェックリストのご紹介

2023年8月23日、不登校支援を行う3つの団体(キズキ不登校新聞Branch)と、精神科医の松本俊彦氏が、共同で「学校休んだほうがいいよチェックリスト」を作成・公開しました。LINEにて無料で利用可能です。

このリストを利用する対象は、「学校に行きたがらない子ども、学校が苦手な子ども、不登校子ども、その他気になる様子がある子どもがいる、保護者または教員(子ども本人以外の人)」です。

このリストを利用することで、お子さんが学校を休んだほうがよいのか(休ませるべきなのか)どうかの目安がわかります。その結果、お子さんを追い詰めず、うつ病や自殺のリスクを減らすこともできます。

公開から約1か月の時点で、約5万人からご利用いただいています。お子さんのためにも、保護者さまや教員のためにも、ぜひこのリストを活用していただければと思います。

私たちキズキでは、上記チェックリスト以外にも、「学校に行きたがらないお子さん」「学校が苦手なお子さん」「不登校のお子さん」について、勉強・進路・生活・親子関係・発達特性などの無料相談を行っています。チェックリストと合わせて、無料相談もぜひお気軽にご利用ください。

まとめ:繰り返す不登校の解決は第三者の力が不可欠です

繰り返す不登校の解決のために第三者を頼りましょう

繰り返す不登校には、2つのパターンがあり、それぞれ原因と解決策をご紹介してきました。

繰り返す不登校のパターンがどちらであっても、根本的な解決策は以下の5つです。

  • 学校復帰だけを正解と考えない
  • 家庭以外で接点を持つ
  • 趣味・楽しみを見つける
  • 親自身の生活を充実させる
  • 家族だけで抱えず第三者(専門家)を頼る

ただし、精神疾患やいじめなど重大な原因がある場合は、専門家の力を借りつつその解決を図りましょう。

繰り返す不登校の解決のためには、第三者(専門家や支援機関)を頼ることが不可欠です

私たちキズキ共育塾では、多くの不登校の生徒さんを支援しています。

繰り返す不登校に悩んで、入塾された生徒さんもたくさんいらっしゃいます。

入塾された生徒さんは、穏やかな講師と一対一でコミュニケーションを取りながら、不登校で遅れがちな勉強を行っていきます。

地方在住で通塾ができない生徒さんや、外出が困難な生徒さんにはスカイプでの授業を行っています。

また、他人に顔を見せることが難しい生徒さんには、カメラオフで音声のみの授業もできます。

不登校でお悩みでしたら、ぜひ一度ご相談にいらしてください。

ご相談は無料で、電話やメールでも受け付けています。

保護者様のみのご相談も可能です。

お子さんの不登校が解決することをお祈りしています。

監修 / キズキ代表 安田祐輔

やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、不登校・偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。また、不登校の子どものための家庭教師「キズキ家学」、発達障害やうつ病の方々のための就労移行支援事業所「キズキビジネスカレッジ」も運営。

【新著紹介】

『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法』
(2022年9月、KADOKAWA)
Amazon
KADOKAWA公式

【略歴】

2011年 キズキ共育塾開塾(2023年7月現在10校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年7月現在4校)

【メディア出演(一部)】

2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)

共同監修 / キズキ相談担当 半村進

はんむら・すすむ。1982年、茨城県生まれ。東京大学文学部卒。
小学校時代から転校を繰り返し、運動ができないこと、アトピー性皮膚炎、独特の体形などから、いじめの対象になったり、学校に行きづらくなっていたことも。大学に入学してようやく安心できるかと思ったが、病気やメンタルの不調もあり、5年半ほど引きこもり生活を送る。30歳で「初めてのアルバイト」としてキズキ共育塾の講師となり、英語・世界史・国語などを担当。現在はキズキの社員として、不登校・引きこもり・中退・発達障害・社会人などの学び直し・進路・生活改善などについて、総計1,000名以上からの相談を実施。

【執筆記事・インタビューなど(一部)】

日本経済新聞 / 朝日新聞EduA / テレビ東京 / 不登校新聞 / 通信制高校ナビ

執筆 / 内田青子

うちだ・あおこ。1982年生まれ。上智大学文学部卒。大学卒業後、百貨店勤務などいくつかの仕事を経た後、2018年から発達障害・不登校・中退経験者などのための個別指導塾・キズキ共育塾で講師として国語(現代文・古文・漢文)と小論文を指導し、主任講師となる。並行して、聖徳大学通信教育部心理学科を卒業。現在、公認心理師の資格取得を目指して、発達障害や不登校支援についてさらに勉強中。

サイト運営 / キズキ

「もう一度学び直したい方」の勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする学習塾。多様な生徒さんに対応(不登校・中退・引きこもりの当事者・経験者、通信制高校生・定時制高校生、勉強にブランクがある方、社会人、主婦・主夫、発達特性がある方など)。授業内容は、小学生レベルから難関大学受験レベルまで、希望や学力などに応じて柔軟に設定可能。トップページはこちら。2024年10月現在、全国に11校とオンライン校(全国対応)がある。

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