高校中退の理由とは? その後の進路を解説

こんにちは。生徒さんの勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする完全個別指導塾・キズキ共育塾の岡田和哉です。

進学や進級からある程度時間が経った夏の時期には、新たな環境になじめないことで悩んでいる高校生が多くなります。

より具体的に言えば、高校中退を検討している人が増えてきています。あなたも、そうなのではないでしょうか?

私もかつて、この時期に高校になじめず不登校状態となり、最終的には中退しました。

高校中退を検討中の方や、すでに中退を決断した方は、他の人はどんな理由で中退しているのか、高校を中退したら「次」にどんな選択肢があるのかなど、気になることも多いと思います。

このコラムでは、文部科学省及び内閣府の調査と、キズキ共育塾での実例、そして私の経験に基づいて、高校中退の理由とその後の状況・進路などについて解説します。

このコラムが、あなたが今後後悔しない進路を選択するためのヒントとなれば幸いです。

高校を中退する理由とは?

高校を中退したら「自分はまわりの人よりも劣る」と感じることもあるでしょう。

しかし実際には、一度入った高校を卒業せず、中退して別の進路を選ぶ生徒はそれほど珍しくありません

そうした人たちは、高校を中退した後に別の学校へ編入したり、就職したりして、自分にあった生き方を模索しています。

まずは文部科学省の発表した「令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」から、高校を中退する生徒の割合や、理由についてみていきましょう。

2021年は1.2%の高校生が中退

2022年度(令和4年度)中に高校を中退した人数は、4万3401人でした。全高校生の約1.4%が中退した計算です。

前年(2021年度、令和3年度)中の高校を中退した人数は3万8928人、全体のうち約1.2%だったため、中退者が4473人増加したことがわかります。

ただし、高校を中退した人の割合は、約2.6%で最も高かった1997年度(平成9年度)・1998年度(平成10年度)、2000年度(平成12年度)、2001年度(平成13年度)と比べると、減少していることがわかります。

学校の種類別の高校を中退した人数と割合は、以下のとおりです。

学校の種類 中退者の人数 生徒数に対する中退者の割合
国立 64人 0.7%
公立 2万2631人 1.1%
私立 2万706人 1.7%
合計 4万3401人 1.4%

(参考:文部科学省「令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」 )

高校中退の理由は「進路変更」「学校生活・学業不適応」「学業不振」がトップ3

次に、同調査から高校中退の理由について見てみましょう。

高校中退の理由として最も多かったのは、「進路変更」(約43.9%)でした。

次いで、「学校生活・学業不適応」(約32.8%)、「学業不振」(約6.0%)も多く報告されています。

「進路変更」とは、具体的には以下のようなことです。

  • 別の高校への入学を希望
  • 専修・各種学校への入学を希望
  • 就職を希望
  • 高卒程度認定試験受験を希望

(参考:文部科学省「令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」 )

高校中退には、複数の要因が影響することも

少し古いデータですが、2011年(平成23年)の内閣府の資料によると、最も多かった高校中退の理由は、「欠席や欠時がたまって進級できそうもなかった」(約54.9%)でした。

次いで、「校則など校風があわなかった」(約52.0%)「勉強がわからなかった」(約48.6%)などが、理由として挙げられています。

高校中退の理由の割合は以下のとおりです(複数回答、数字は「とても当てはまる」「まあ当てはまる」の合計値)。(参考:内閣府「若者の意識に関する調査(高等学校中途退学者の意識に関する調査)報告書(解説版)」

  • 欠席や欠時がたまって進級できそうもなかった:54.9%
  • 校則など校風があわなかった:52.0%
  • 勉強がわからなかった:48.6%
  • 人間関係がうまくいかなかった:46.3%
  • 早く経済的に自立したかった:30.0%
  • 問題行動を起こした:24.1%
  • 早く家を出たかった:22.2%
  • 第一希望の高校ではなかった:20.8%
  • 健康上の理由:18.5%
  • 経済的な余裕がなかった:16.0%
  • 遅仲の良い友人が辞めてしまった:14.8%
  • 妊娠した:4.0%
  • 親に辞めさせられた:2.9%

合計値が100%を超えているので、高校中退する際、複数の理由が重なった人もいることがわかります。

さらに同調査では、高校中退者は高校を「やめるまでに、3分の1以上休んだ」割合が約66.7%に上ります。

この回答から、「校風や人間関係、勉強がわからないなどの『問題』で不登校(気味)になり、その後中退する人が多い」と推測できます

あなたの状況はどうですか?

私の場合は、人間関係がうまくいかなかったことから不登校状態になり、その後中退しました。やはり複数の理由が関係していると言えるでしょう。

私たちキズキ共育塾は、高校中退の人のための、完全1対1の個別指導塾です。

生徒さんひとりひとりに合わせた学習面・生活面・メンタル面のサポートを行なっています。進路/勉強/受験/生活などについての無料相談もできますので、お気軽にご連絡ください。

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高校を中退した人は、2年後になにをしている?

先述の内閣府資料によると、高校中退から概ね2年以内の人が「現在(調査当時)していること」は、以下のとおりです(複数回答)。(参考:内閣府「若者の意識に関する調査(高等学校中途退学者の意識に関する調査)報告書(解説版)」

  • 働いている:56.2%
  • 在学中:30.8%
  • 仕事を探している:13.6%
  • 家事・家事手伝いをしている:11.0%
  • 妊娠中・育児をしている:5.4%
  • 特に何もしていない:4.0%
  • その他:7.0%

過半数は就職し、約30%が在学中と、ほとんどの人は「次」へ進んでいることがわかります。何もしていないという人は、わずか約4%です

また、「何もしていない」のも、「高校中退後から2年後」の時点のことです。キズキ共育塾の生徒さんの例だけを見ても、2年以上経過してから大学進学したり就職したり、ということはよくある話です。

「高校を中退したら人生終了だよ」などという声を聞くこともあるのですが、決してそんなことはなく、将来は多様に広がっています。

高校を中退して「よかった」人は5割以上

2009年に内閣府が公表した「高校生活及び中学校生活に関するアンケート調査」では、高校中退について「やめてよかった」「まあ、やめてよかった」と回答した人の合計は約57.5%でした。(参考:内閣府「高校生活及び中学校生活に関するアンケート調査」

過半数の生徒が、高校中退を肯定的にとらえているのです。

特に「現在(調査当時)別の学校に在籍している人」では、「やめてよかった」と回答した割合が約75.8%と大きな割合を占めます。

もしあなたが今の学校になじめなかったり、通えなくなってしまったりしているのなら、「今の高校を中退し、他の高校に転校する」など、別の選択肢を検討してみるのもいいかもしれません

高校中退後の6つの選択肢

高校中退後の進路については、大きく分けて「全日制高校に通う」「定時制高校に通う」「通信制高校に通う」「専門学校に通う」「高卒認定を取る」「就職する」の6つの選択肢があります。

それぞれの選択肢について、簡単に紹介します。

中退後の選択肢については、以下の記事で解説しています。ぜひご覧ください。

選択肢①全日制高校に通う

全日制高校とは、いわゆる「普通の高校」のことです。平日に毎日登校して、朝から夕方まで授業を受けます。

再入学ではなく転校(転入・編入)の場合は、選択肢が少ないと言えます(転校生を受け入れない高校も多くあります)。

選択肢②定時制高校に通う

定時制高校は、平日に登校することは全日制高校と同じでです。その上で、授業の時間帯が昼から・夕方からなど遅めに設定されている高校のことです(最近では、朝から授業を行っている高校もあります)。

定時制高校には「単位制」「学年制」の2種類があります。学年制の場合、卒業に4年かかる学校が多い傾向です。

朝から、昼から、夕方からなど、多様な授業時間帯の中から、自分の生活スタイルにあった学校を選びましょう。

選択肢③通信制高校に通う

通信制高校は、中退後の進学先として一番多く選択されている高校です。毎日の登校が必要なく、基本的には学校から送られてくる教材を利用して、自習で勉強を進めます。

学校によって登校・通学の状況は異なり、日常的に通学がある通信制高校や、ほとんど通学がない通信制高校などさまざまなタイプがあります。

選択肢④専門学校に通う

専門学校では、仕事に直結する知識やスキル、資格を取得できます。授業は実習・実技が中心です。

ただし、専門学校の入学には、多くの場合、高卒認定や高校卒業が必要です(高校中退後、そのまま入学することは難しいケースが多いです)。

将来的な入学先として目標にするのもよいかもしれません。

選択肢⑤高卒認定試験を取る

高卒認定試験は、合格すると、大学や専門学校の受験が可能になる試験です(=高校を卒業しなくても、大学や専門学校の受験・入学が可能になります)。

4択問題で、100点満点中40点取れれば合格と言われている、比較的合格が容易な試験です。

ただし、この試験は、あくまでも「学力が」高校卒業程度であると認定するためのものです。

高卒認定試験に合格しても、「高卒の学歴」を得られるわけではありません

選択肢⑥就職する

就職では、雇用形態(アルバイト、契約社員、正社員など)によって待遇や内容が異なります。

「高校中退(中卒)」の場合、求人の選択肢が「高卒」などと比べて限られることもあります

例えば、「アルバイト先で店長になりたい」などといった希望がでてきたとき、中卒だとなれないケースもあります。

就きたい職業の求人が少ないときは、高校を改めて卒業したり、高卒認定などを取得したりすることで選択肢を広げるのもオススメです。

高校を中退すると、就職で不利になる?

高校を中退したら、最も不安なのは「就職」についてではないでしょうか。

私も働こうとしたとき、高校中退について面接でどのように伝えたらいいかなどについて悩んでいました。

就職活動では、中退したことは正直に伝えるべきです。面接で尋ねられれば、理由についてもきちんと話しましょう

そうすることで自分のことをよりよく理解してもらえ、企業側の姿勢も知ることもできます。

就職活動は、求人側と労働者が互いに相性を確認する場です。こちらからもしっかりと相手の考えを確認し、働きやすい環境かどうかを見極めることが重要です。

高校を中退したあとに就職するときの疑問点やポイントについてまとめました。

ポイント①実力や人柄ではなく、学歴が重視されることもある

高校を中退すると、最終学歴は「中学校卒業(中卒)」となります。

さて、文部科学省 の「学校基本調査」によると、2022年度(令和4年度)の高校卒業後の大学や短期大学、専門学校入学者への進学率は、全体の約83.8%です。(参考:文部科学省「学校基本調査」 )

このように、高校を卒業した人の8割以上が進学する現代では、高校中退(=中卒)という学歴が低いことは、就職活動においてマイナス要素となることがあります。

ポイント②学歴による選別の実態

厚生労働省が2019年(令和元年)に発表した「平成30年若年者雇用実態調査の概況」 では、全労働者に占める若年労働者(満15〜34歳の労働者)の割合は約27.3%となりました。

そのうち正社員が約17.2%、正社員以外の若年労働者が約10.2%と、大きく差がついています。

また、若年正社員の採用選考をした事業所が「採用選考にあたり重視した点」では、「学歴・経歴」が約25.4% (中途採用の場合は約23.1%) に上ります(参考 : 厚生労働省「平成30年若年者雇用実態調査の概況」  )

これは、事業所全体の4分の1以上にあたる割合です。学歴による選別は、まだ根強く残っていることがうかがえます。

ポイント③学歴が気になるときは、学びなおしもオススメ

とはいえ、現代では多様な生き方や働き方を大切にする企業が増えてきました。新しい生活様式の定着とともに、就労にハンディキャップを抱えている人でも働きやすい環境も整いつつあります。

学歴で選別する企業よりも、意欲や人柄を見てくれる企業のほうが、働きやすいと言えるでしょう。

それでも学歴が気になるときは、学びなおしもオススメです。

高卒認定を取って大学受験をしたり、専門学校や通信制高校などで学んだりして学歴を得ることは、やはり大きな自信につながります。

高校中退後の進路や人生設計については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

ポイント④面接や履歴書での「高校中退」の伝え方

履歴書には、学歴を記載する欄があります。

高校を中退すると、別の高校に転入した場合でも、「中退」の時期や学校名の記載が必要です。また、面接で高校中退の理由を聞かれることがあるかもしれません。

そうしたとき、嘘をついてはいけませんが、詳細を告げる必要はありません。

求人側が知りたいのは、「中退したことは、あなた自身にとってどんな意味を持ったのか」です。中退した事情を事細かに説明するよりも、そのことが自分のプラスになったことを伝えましょう。

高校中退の経歴に関わらず、「自分のこと」をどうアピールしたらよいのかについては、あなた一人で考え込まず、就職エージェントなどに相談することをオススメします。

ポイント⑤最も重視されるのは、​​「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」

先述の「平成30年若年者雇用実態調査の概況」 では、新規学卒者の「正社員の採用選考にあたり重視した点」として最も高いのは、「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」で、約77.9%です。(参考:厚生労働省「平成30年若年者雇用実態調査の概況」

次いで多いのが、「コミュニケーション能力」(約71.1%)、「マナー・社会常識」(約61.0%)です。

いずれも、「学歴・経歴」(約25.4%)を上回っており、採用にあたっては、仕事に対する積極的な態度や、人とのかかわり方が重視されていることがわかります。

高校中退は、ある意味で大きなチャレンジです。どうしてその決断をしたのか、その結果、どんな人と出会い、どんな課題を乗り越えることができたのかをきちんと伝えることで、中退もプラス材料のひとつとなります

また、中卒から就職しやすい業種や職種を選ぶこともオススメです。中卒の採用が多い業種・職業は、以下の5つです。

  • 公務員
  • 力仕事
  • サービス業
  • IT職
  • 営業職

詳しくは、こちらの記事も参考にしてください。

高校中退の「次」を考えよう

高校を中退する理由は、人それぞれです。その後の状況や進路も異なります。

高校中退は、人生の一要素。どんな人生を生きるかは、高校中退に関わらず、その人次第なのです。

高校中退自体は、「よいこと」でも「悪いこと」でも「特別なこと」でもありません。だからこそ、あなたが高校中退を検討しているのなら、慎重に決断してください。

なぜならば、決断次第では、高校中退が「悪いこと」になってしまう可能性があるからです。

高校を中退して、「よかった」と思っている人はたくさんいます。その一方で、後悔している人もいます

かつての私は、高校を中退したことを後悔していました。

私は不登校状態で出席日数が足りなくなり、進級できないことから退学を決断しました。その後のことをあまり考えていなかったと思います。

そして、その後は長いひきこもり状態に陥ってしまいました。

「高校中退後に何をするか」をもっと前向きに考えてから中退していれば、その後の状況は違っていたかもしれません。

現在の私は楽しく生活していますが、ここに至るまでには非常な悩みや、苦しみがあったのです。

高校中退の「次」をどうしようか悩んだときや、すでに「次」のことを考えずに高校中退して苦しんでいるのなら、キズキ共育塾にお気軽にご相談いただければと思います。

かつての私のような「苦しみ」の中にある人が1人でも減ればと思い、このコラムを執筆しています。

高校を中退したキズキ共育塾・A君の事例

以前、キズキ共育塾に通っていたA君も、そうした経験をした一人です。

A君は高校受験で第一志望の公立高校に合格せず、「仕方なく」別の私立高校に進学しました。

しかし、鬱屈した気持ちで入った高校では同級生に馴染むこともできず、1年生の秋には中退を考えていました。

このときの心境について、A君は「やっぱり、自分の行きたかった高校へのコンプレックスが大きかった」と言っていました。

その一方で「だからと言って『次』のことを何も考えずに中退しても仕方ない」とも考えていたそうです。

通っている高校には愛着はなく、かといって行きたかった高校に今から行くこともできない…という状況でA君が気づいたのは「自分のコンプレックスは、高校の知名度に対するものだった」ということでした。

第一志望の高校はとても有名で、通っている高校はほとんど名前が知られていないところだったのです。

いわゆる「学歴コンプレックス」です。

そしてA君は、「この学歴コンプレックスを解決するためには、高校のことは忘れて、有名大学に行けばいいんだ」と思うに至りました。

A君は、「大学受験に真剣に取り組む」ことを明確な目標に据えて、大学受験に熱心ではない今の高校を中退し、比較的時間が自由で学習スケジュールを立てやすい単位制高校へ編入しました。

そんなA君がキズキ共育塾にやってきたのは、単位制高校に編入して3か月ほど経ったタイミングでした。

独学での受験勉強に限界を感じたのが理由です。

キズキ共育塾は、「がむしゃらに偏差値を上げる」「とりあえず有名な大学を目指させる」という方針は取っていません。

ですが、面談や授業でA君の話を聞くにつれ、「A君が自分に自信をつけ、自分の力で生きていくためには、学歴コンプレックスの解消が必要だな」とお互いに話し合った上で、A君の希望どおり、「有名な」大学に向けた受験勉強を開始しました。

さてA君は、まず文系・理系のどちらでも必要になる英語の学習から始めました。

その後、理系に進むために数学と物理の受講をはじめ、無事に「有名な」私立大学の理学部に合格してキズキ共育塾を卒業していきました。

A君は、最後の授業で「やっぱり高校を中退してよかったと思う」と言いました。

理由を訊くと、「これで学歴コンプレックスが解消されるから…でも、それよりも、今の自分の状況はよく考えて選んだことで、『自分の道』なんだって思えるからです」と答えてくれました。

もちろん、A君の事例はA君のものでしかなく、高校中退をすればみんながこのようにすぐ前向きに自分の人生を歩めるわけではありません。

それでも、A君は自分自身についてよく考え、選んだ選択肢に納得していました。

高校中退を考えているあなたにも、ぜひこういう熟慮をしていただきたいと思います。

キズキ共育塾は「学習塾」ですので、知っている事例は「勉強」や「受験」(そして「学歴」)に関するものが多くなります。

他の場所でも、例えば「専門学校で手に職をつける」「働いて自立する」「結婚して家庭を築く」など、それぞれの場所でそれぞれの「A君」が「高校中退の次」を見つけているのだと思います。

なお、A君の事例について、「学歴コンプレックスなんてバカバカしい」とか、「有名な大学に進学する動機が不純だ」とか、そう思う方もいらっしゃるでしょう。

ですが、悩みもその解決法も、人によって様々であることはご理解いただきたいと思います。

高校中退を希望する子どもに、親ができること

この章は、高校中退を希望するお子さんを持つ親御さんに向けた内容です。

お子さんに「高校を中退したい」と言われたら、親御さんはショックですよね。「中卒」という言葉に抵抗を覚え、なんとか子どもの気持ちを変えさせようと説得するかもしれません。

そうした行動は、子どものことを思ってのことです。

しかし子どもには、高校に行けないと思う理由があります。

まずはゆっくり時間を取り、子どもの話を聞いてあげてください。子どもの気持ちを受け止めつつ、今後のことについて話し合いましょう

また、高校中退に詳しい第三者・専門家のサポートを受けることも効果的です。

高校を中退したあとの勉強や進学については、フリースクール、NPO、キズキ共育塾をはじめとする「高校中退」に詳しい学習塾などから支援を受けられます。ぜひ相談してみてください。

実際に中退するかしないかも含めて、話し合いを行ったりサポートを利用したりすることで、「全体的に、よりよい方向」に向けて考えていくことができます

高校中退を決めた子どもと向き合う親の心構えについては、こちらの記事に詳しくまとめてあります。ご参考になさってください。

まとめ〜高校中退を考えているあなたへ〜

もしあなたが高校中退を選択し、将来そのことを理由に何か不利益を被ったとしても、自分を責めないでください。

自分を責めても苦しみを深めるだけですし、責めたところで過去は変わらないからです。

それよりも、「次」のことを考えた方が楽しく生きられます。

また、世間には、高校中退するかしないか悩む人に「根性で何とかしろ」と言ったり、高校中退で不利益な状況になった人に「遊んでいたやつが悪い」と言ったりする人もいます。

しかし、高校中退を検討する人や経験した人が「精神的に弱い」「サボっている」という決め付けに根拠はありません。たまたまそうならなかった人たちが、想像で悪口を言っているだけです。

キズキ共育塾にも、たまたま環境や相性が合わなかったために高校中退した人は大勢います。

彼らは、決して「ダメな人間」ではありません。

そうした偏見がなくなればいいな、「何度でもやり直せる社会」をつくりたいなと思ったことも、このコラムの執筆理由です。

そして、もしあなたが現代社会に生きづらさを感じているのなら、「社会が悪い」と言ってもいいんじゃないでしょうか。

「社会のせいにしてはいけない」とはよく言われることですが、実際に「社会が悪い」ことだってあります

これは、「他人のせいにする」という意味ではありません。

社会は、あなたや私も含めて、いろいろな人の集合でできています。

つまり、「社会が悪い」なら、その一員であるあなたや私が、社会を変えることができるはずなのです。

キズキ共育塾は、「何度でもやり直せる社会をつくる」ことを理念に掲げています。

高校中退や不登校で後悔なんてしなくていい社会をつくっていきたいと思っています。

あなたもぜひ、自分の信じた道に自信を持って進んでいってほしいです

とは言え、高校中退の「次」について自分だけで考え込んでも、答えが出ないかもしれません。

そんなときは、お気軽にキズキ共育塾にご相談いただければと思います。多くの高校中退経験者と接してきた私たちが、心からお話しいたします。

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