高校中退のその後はどうなる?どうすればいい?選択肢に今できることも解説
こんにちは。生徒さんの勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする完全個別指導塾・キズキ共育塾です。
高校生活の中で「このまま通い続けていいのだろうか」「中退した方が自分に合っているのでは」と悩む人は少なくありません。実際、令和6年度には全国で4万人以上が、高校を中退しています。高校中退は決してめずらしいことではなく、誰にでも起こりうる選択です。
しかし、中退後の進路や生活に不安を感じる人も多いでしょう。このコラムでは、高校中退の実態や理由、直面しやすい困難、そして中退前にできること・中退後の進路までを、最新のデータをもとに詳しく説明します。
今まさに中退を考えている人も、子どもの中退を心配している親御さんも「どんな選択肢があるのか」「後悔しないためにできることは何か」を一緒に考えていきましょう。
私たちキズキ共育塾は、高校中退を考えている人のための、完全1対1の個別指導塾です。
10,000人以上の卒業生を支えてきた独自の「キズキ式」学習サポートで、基礎の学び直しから受験対策、資格取得まで、あなたの「学びたい」を現実に変え、自信と次のステップへと導きます。下記のボタンから、お気軽にご連絡ください。
目次
どのくらいいる?高校中退率を紹介
実際に高校中退をした人は、どのくらいいるのでしょうか?現在の高校中退率を確認しましょう。
文部科学省の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、高校中退した人は、令和6年度で4万4,571人います。割合にすると1.4%の人が、高校を中退しています。(参考:文部科学省『令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果』)
高校中退率は長年継続して調査されており、20年前の高校中退率は2.2%でした。数値としては低下傾向にあるものの、依然として全国で 数万人 が高校を中退している状況にあります。高校中退は、決してめずらしいことではありません。
まずは、「高校中退を検討しているのは(実際に高校中退するのは)自分だけではない」と安心してください。たくさんいるということは、高校中退後の進路もしっかり確保されているということです。
高校中退のその後はどうなる?後悔するの?
いざ高校を中退するとき、「中退したことをいつか後悔するのではないか」と不安になる人は多いものです。内閣府の調査で集まった、高校中退に対する経験者の気持ちを見ておきましょう。
2009年の調査によると、高校中退の経験を振り返って「やめてよかった」「まあ、やめてよかった」と回答した人の合計は57.5%で、全体の過半数を超える結果になっています。(参考:内閣府『高校生活及び中学校生活に関するアンケート調査』)
高校中退を前向きに捉えている人が、実はたくさんいることがわかります。
一方で、後悔している人が一定数いることも無視はできません。そこで知っておきたいのが、高校中退した人が直面しやすい困難です。これから起こりうる困難をあらかじめ知っておけば、対策も取れ、中退を前向きに捉えられる確率も高まるのではないでしょうか。
次章では、高校中退した人が直面する可能性のある困難を5つ紹介します。
高校中退した人が直面する可能性がある困難5選
高校中退した人が直面する可能性のある5つの困難を、詳しく説明します。
困難➀学歴で判断される場合がある
1つ目の困難は「学歴で判断される場合がある」ことです。もちろん、人柄や能力は学歴のみでわかるものではありません。
しかし、残念ながら現在の日本社会では、学歴が大きな判断材料の1つになっています。やや厳しい言い方になりますが、高校中退をすると、学歴差別を受けることがあるかもしれなない、ということです。
就職の際、高校中退の経歴から「やり抜く力がなさそうだ」と評価されたという話も耳にします。こうした困難から、高校中退した人の中には、自分の経歴に自信が持てなくなる、いわゆる学歴コンプレックスに悩む人も少なくありません。
一方で、学歴で判断された悔しさをバネに、大学進学を目指すべく学び直しをする人もいます。高校中退後にどうすればいいかわからない人は、学び直しで学歴を更新する方法もあることを、覚えておいてください。
困難②大学進学へのルートが複雑になる
2つ目の困難として、「大学(・短大・専門学校)進学へのルートが複雑になる」ことがあげられます。
高校を中退せずに卒業すれば、自動的に大学受験の資格を得られます。しかし、高校を中退すると、まずは大学受験資格の取得から始めなくてはなりません。
大学進学に向けたルートが、多少複雑になります。
最終学歴が中卒の状態から大学受験を目指す方法については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
困難➂就職の選択肢が少なく給料面で不利になりやすい
3つ目は「就職の選択肢が少なく給料面で不利になりやすい」ことです。就職先を探すときの重要な確認事項として「正規雇用かどうか」があります。
非正規雇用は悪いものではありませんし、正規雇用に比べて雇われやすい(辞めやすい、興味のある仕事を掛け持ちしやすい、シフトによって労働時間を調整しやすい)などといった利点があります。
しかし、給料、福利厚生、キャリアの点から言えば、一般的には非正規雇用(アルバイト・パートなど)よりも、正規雇用の方が条件がよいと考えられます。
正規と非正規のどちらがよいかは一概には言えませんが、望まぬ非正規雇用は避けたいところでしょう。
厚生労働省の統計によると、15〜34歳までの若年労働者における正社員の割合は、中卒で35.4%なのに対し、高卒では56.3%、大卒で80.9%と、最終学歴によって大きな差があります。(参考:厚生労働省『令和5年若年者雇用実態調査の概況』)
中卒向けの正規雇用での募集自体が少ないため、限られた候補の中から就職先を探すことになり、どうしても正規雇用の割合が下がってしまうのです。
ただし、長く働き続けているうちに、正規雇用への転換を提案された人もいますので、展開次第で可能性が広がるかもしれない点は、心に留めておきましょう。
なお、学歴による就職面の違いや、中卒での就職については、以下のコラムにもまとめています。参考として、ご欄ください。
困難④高校時代の友達と疎遠になりやすい
高校中退をすると、高校に在籍し続けている友達や、その後大学進学した友達と距離ができるかもしれません。4つ目の困難は、「進学した友達と疎遠になりやすい」ことです。
会ったときに、話題に共感できない、話についていくのが難しいと感じる可能性があります。
ただし、高校時代の友達と疎遠になること自体は、高校を中退せずに卒業したとしても充分に起こりうることです(中退・卒業しなくても、クラス替えなどでも起こります)。
高校中退後にかつての友達と疎遠になったとしても、中退したせいだと思い詰める必要はありません。
困難⑤「何もしない期間」ができて不安になる
最後は「何もしない期間ができて不安になる」という、メンタル面の困難です。進路を決めずに高校中退した人の中には、仕事や勉強をせずに(できずに)、どうすればいいかわからないまま毎日を過ごす人もいます。
敢えて言い切りますが、何もしない期間は絶対に悪いことではありません。休養が必要な人もいますし、長い人生の中では遊ぶ時期があってもよいと思います。「ブランクがあったからこそ、今後の人生で巻き返しを図ろうと決心し頑張れた」という声もあります。
しかし、何もしない期間、先行きに不安を感じる人は少なくありません。「早く何か行動しないと」と、焦りを感じる人もいるようです。
こうしたメンタル面の困難の可能性も、あらかじめ把握しておきましょう。
そもそもどんな理由で高校中退を選ぶの?
実際に高校を中退した人は、そもそもどんな理由からだったのでしょうか?中退する主な理由を、文部科学省の調査をもとに説明します。 高校中退の背景として、以下の要因があげられます。(参考:文部科学省『令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果』
- 進路変更…18,505人(41.5%)
- 学校生活・学業に適応できなかった…15,618人(35.0%)
- 学業不振…2,814人(6.3%)
- 問題行動…1,506人(3.4%)
- 家庭の事情…1,306人(2.9%)
- 経済的理由…549人(1.2%)
調査で比較的多かった理由は、進路変更です。全体の41.5%が、進路変更を理由に高校を中退しています。具体的には、別の高校への入学(転校)や就職などがあげられます。「この学校は(自分の目指したい将来に)合っていない」「別の道を早く進みたい」などのケースが考えられるでしょう。
学校生活・学業不適応を理由とした高校中退も、35%とかなりの割合を占めています。
また、学業不振、問題行動、家庭の事情、経済的理由などを背景とする中退も少なくありません。授業についていけず自信を失ったり、人間関係のトラブルから登校が難しくなったりするケースもあれば、家族の介護や学費の負担が高校中退の理由になっていることもあります。
なお、高校中退の理由については、キズキ家庭教師のコラム「高校中退の理由は?中退後の心境・進路の調査、6つの選択肢、実例も」でも詳しく説明しています。
高校中退前にできる4つのこと
この章では、高校中退を検討している人に向けて、中退前にできることを解説します。
「中退するしかない!」と思い込んで行動するのではなく、一度立ち止まった方が、よりよい選択ができるはずです。紹介する4つの方法を参考に、問題を解決できないか考えてみましょう。
できること➀まずは親に相談する
高校中退を考えている人は、しっかりと親に相談しましょう。いきなり高校中退の話をすると、親御さんは驚くかもしれません。
まずは、あなたが抱えている学校での悩みを打ち明けるのがおすすめです。親御さんはきっと、悩みを解決するために、寄り添って考えてくれるはずです。
真面目に取り合ってくれない場合は、高校中退を考えている旨を真剣に告げた上で今後のことを話し合ってみてください。
いつもあなたを見守り味方でいてくれる親御さんに、まずは一番に相談しましょう。
親や、②の学校が頼りにならない場合は、③の「学習塾などの専門の支援機関」を探してみてください。私たちキズキ共育塾でも、ご相談をお受けしています。
できること②担任の先生・スクールカウンセラーに相談する
高校中退を検討している場合は、担任の先生にも相談してください。担任の先生は、親御さんではわからない、あなたの学校の様子をしっかりと把握しています。相談もスムーズに進むはずです。
高校中退を考える理由にお金の面が関係している人もいるでしょう。担任の先生に相談して、利用できる奨学金制度を紹介してもらうこともできます。
また、学校の制度にもよりますが、心のケアやストレス対処を専門とするスクールカウンセラーが在籍していることもあります。相談すれば、現在の状況を変えるための有益なアドバイスをもらえるかもしれません。
なお、抱えている悩みがクラスの人間関係にある場合は、担任の先生やスクールカウンセラーに相談した上で、保健室登校への切り替えを検討するのも1つの方法です。
担任の先生やスクールカウンセラーは、あなたの知らない対処法や制度を多く知っている頼りになる存在です。相談すれば、きっと良い解決策を提案してくれるでしょう。
できること➂「高校中退に詳しい学習塾」などの専門の支援機関を利用する
3つ目は、「高校中退に詳しい学習塾」や「公的な相談窓口」などの専門の支援機関を利用することです。
高校中退について相談できる機関は、数多くあります。例えば、次のようなものがあります。
- 児童相談所、児童相談センター
- ひきこもり地域支援センター
- 発達障害支援センター
- 教育センター(各自治体のウェブサイトに詳細が記載されています。「教育センター ○○(市区町村名)」で検索してください。)
どの支援機関に相談できるかわからない場合は、お住まいの自治体のウェブサイトを確認すると、関連窓口の案内を見つけられます。
民間の支援機関であれば、フリースクールや、高校中退に詳しい塾・家庭教師などもあります。そうしたところは事例も豊富に持っているので、具体的で役立つアドバイスが得られるでしょう。私たちキズキ共育塾でも、高校中退に関する相談をお受けしています。
できること④他校への転校を考える
「他校への転校を考える」ことも、高校中退を考えている今、できることの1つです。今の学校の雰囲気や授業の進め方が合わずに高校中退を考えている人は、環境を変えるだけで楽に通える場合があります。ぜひ一度、親御さんと転校・転入について話し合ってみてください。
具体的には、通信制高校や定時制高校への転校がおすすめです(後で紹介します)。
「高校を中退して、高校に所属していない期間を経てからの転校(編入)」では、高校に所属していない期間があることで、卒業までの時期が延びます。18歳の3月に高校を卒業したい場合は、「高校中退前に手続きを進めて、中退と同時に転校(転入)」する必要があります。
他校への転校・転入で悩みが解決できないか、高校中退前に周囲とよく相談し考えてみましょう。
高校を中退するための4つの手続き
いざ高校中退を決めたものの、「手続きはどうすればいい?」と疑問に思っている人もいるでしょう。必要な退学手続きを詳しく説明します。
学校によって多少変わりますが、一般的な手順は、主に以下の4つに分かれます。
- 親と、担任・学年主任の先生との面談
- 退学届の提出と必要書類の確認
- 授業料や教材費など金銭面の精算
- 私物や書類の持ち帰り
順番に確認していきましょう。
手続き➀担任・学年主任の先生との三者面談
本人・親・学校の先生(担任・学年主任など)との三者面談を行います。
三者面談では、退学の意思を確認し、理由を説明したのちに手続きの流れや必要書類を案内されます。
なお、高校中退後の進路を問われるかと思いますが、明確に定まっていなくても大丈夫です。
手続き②退学届の提出と必要書類の確認
三者面談が終わったら、退学届と必要書類を記載して提出します。退学届については、中退の意思が固く印鑑を持ってきているのであれば、当日中に提出することもできます(もちろん後日でも大丈夫です)。
退学届には、以下の内容を記載します。
- 署名
- 捺印
- 退学理由
退学理由は進路変更や一身上の都合といった書き方で問題ありません。
手続き➂授業料や教材費など金銭面の精算
高校中退に伴って、金銭面の精算が必要です。親御さんが行うことが多いようです。
授業料や生徒会費などの不足があれば支払います。
中退の時期が3月末ではなく4月1日以降にずれ込んだ場合、新年度の分の学費を払わなければならない場合があります。日付によって変わってくるため、計画的に進めることが大切です。
手続き④私物や書類の持ち帰り
最後に、学校に置いてある私物を片付けて終了になります。ロッカーの中にある教科書やプリント、上履きなどを持ち帰りましょう。
可能であれば、中退するまでに単位取得証明書を申請して受け取っておくことをオススメします。単位取得証明書とは、あなたが中退するまでに修得した単位が記載・証明されている書類です。
後述する高卒認定試験の際の受験科目の免除に役立ったり、就職の際に必要になったりします。後日でも構いませんが、受け取っておくとスムーズでしょう。
高校中退後の6つの進路・選択肢
高校中退後の選択肢として、主には以下の6つが考えられます。
- 高卒認定資格を取得して大学進学を目指す
- 通信制高校へ再入学(転入・編入)する
- 定時制高校へ再入学(転入・編入)する
- 高等専修学校へ入学する
- 就職する
- 海外留学する
- 休養する
高校を中退しても、多くの選択肢があります。あなたの前に広がっている可能性を、1つずつ見ていきましょう。
進路➀高卒認定資格を取得して大学進学を目指す
1つ目は「高卒認定資格を取得して大学(・短大・専門学校)進学を目指す」ことです。高卒認定資格は高校卒業と同程度の学力があることを公的に証明する資格です。正式名称を「高等学校卒業程度認定試験(旧大検)」と言い、取得すれば、大学・短大・専門学校、一部の公務員試験などの受験が可能になります。
取得には、年に2回(8月・11月)実施される試験に合格する必要があり、その年度で16歳以上、かつ大学入学資格のない人であれば、誰でも試験を受けられます。もちろん、中退後に再入学して高校に在籍している人も受験可能です。
全部で8〜10科目を受ける必要がありますが、高校での学習状況によっては、受験を免除される科目もあります。さらに、一度合格となった科目は、その後もずっと有効です。
高卒認定資格を取得するには、制度を理解し、あなたに合った学習方法を見つけることが大切です。
高認対策を行う学習塾もあります。高認取得後の志望校探しや受験対策まで総合的にサポートするところもあります。私たちキズキ共育塾もその一つです。
高卒認定資格の詳細については、以下のコラムで解説しています。
進路②通信制高校へ再入学(転入・編入)する
2つ目の進路として「通信制高校への再入学(転入・編入)」があげられます。通信制高校とは、学校から送られてくるテキストや動画などを使った、自宅学習を軸とする高校を指します。
通信制高校の最大の特徴は、基本的に通学の必要がないことです。登校するのは、スクーリング日と呼ばれる限られた日数だけになります(必要なスクーリング日は、学校によって大きく異なります)。
通信制高校では、主にレポート提出や試験で卒業単位を修得します。あなたのペースで勉強でき、学校の授業に追いつけない、授業の進度が遅すぎるなどの理由で高校を中退した人には、より適した選択肢と言えるでしょう。
通信制高校の詳細については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
進路➂定時制高校へ再入学(転入・編入)する
3つ目にオススメしたい進路は、「定時制高校への再入学(転入・編入)」です。定時制高校は、朝から夕方にかけて授業を受ける全日制高校とは異なり、昼、または夕方から授業を受ける高校です。
授業は1日4コマが目安のため、全日制高校よりも時間管理がしやすいでしょう。
ただし、高校によっては、卒業までに4年かかるところもあります。あらかじめ確認しておいてください。
定時制高校には、高校中退者が少なからず在籍しています。同じ背景を持つ人と友達になりやすく、卒業後の進路の悩みや不安も話しやすいでしょう。
定時制高校の詳細については、以下のコラムでも解説しています。
進路④高等専修学校へ入学する
4つ目は、「高等専修学校へ入学する」という進路です。高等専修学校とは、専門的な知識や技術を学べる教育機関で、文部科学省の認可を受けた学校です。
高校と同じように15歳以上であれば入学でき、ファッション、デザイン、調理、美容、情報処理など、実践的な分野を中心に学べます。
高等専修学校の中には、卒業時に「高等学校卒業と同等の資格」を取得できる学校もあります。そのため、専門技術を学びながら将来的に大学や専門学校への進学も可能です。
「実践的なことを学びたい」「早く社会で役立つスキルを身につけたい」という人には、非常に向いている進路と言えるでしょう。
高等専修学校について詳しく知りたい人は、以下の記事もご覧ください。進路⑤就職する
「就職する」ことも、1つの選択肢です。仕事が充実したことで、高校中退前よりも生活が楽しくなった人はたくさんいます。
ただし、前述のとおり、最終学歴が中卒の場合は就職先の候補が少なく、希望した給料や待遇が得られない場合もあります。
そこで、先に紹介した選択肢と組み合わせて、1つの進路と考えるのもよいでしょう。「日中は働いて、夜は定時制高校に通う」「働きながら高卒認定資格取得を目指す」などが考えられます。
仕事と勉強以外の時間はどうしても減ってしまいますが、勉強だけをしていたときより、充実した毎日を過ごせる可能性もあります。特に経済面で高校中退を選んだ人は、検討してみてください。
進路⑥海外留学する
高校中退後に、海外留学する人もいます。留学して現地の学校を卒業すれば、日本でいう高卒資格とともにその国の言葉も身につけられるため、一石二鳥です。
留学先としては、アメリカ、イギリス、カナダが多い傾向にあります。海外に慣れたことで「進路選択の幅が広がった」と話す留学経験者もいます。
ただし、海外留学は、言語能力・お金・精神面において、決してカンタンではありません。必要な段取りも多く、勢いやなんとなくで実行するには、ハードルが高い選択肢です。
本気で検討したい人は、親御さんと相談を重ねた上で、経験者の意見を聞くことが大切でしょう。
進路⑦ 休養する
高校中退の理由に病気などが関係する場合は、中退後に休養することも立派な選択肢の一つです。しっかり休んでから、その後のことを考えましょう。
ただしこの場合は、中退ではなく休学という選択肢が向いている可能性もあります。自分だけで「中退するしかない」と思い込まず、これまでに紹介した相談先などとしっかり話し合いましょう。
「子どもが高校中退を希望しているけど、どうすればいい?」と悩む親御さんへ
いきなりお子さんから高校中退の相談をされると、慌てたり驚いたりして、「そんなのはダメ」と否定から入ることもあるかもしれません。しかし、まずはお子さんの選択や判断を否定せずに、話を聞くことに徹しましょう。
頭ごなしに否定されると、反抗心が芽生え、意固地になって「なんとしても中退する」と言い張る場合があります。自分がどうすればいいのか、どうしたいのかがわからなくなって混乱しているお子さんもいるはずです。
お子さんの本心としては、「単に悩みを聞いてほしい」「引き留めてほしい」と思っているだけかもしれません。
まずはじっくり話を聞いて、このコラムで述べてきた「高校中退後の困難」や「高校中退前にできること」をアドバイスとして伝えてください。
それを踏まえて、できることを一緒に考えたり、悩みの相談に乗ったりするとよいでしょう。
ただ、お子さんのことを親だけで抱え込む必要はありません。私たちキズキ共育塾も含めて、高校中退について相談できるところはたくさんあります。親御さんとしても、ぜひ、そうしたサポート団体を利用してください。
なお、お子さんが不登校やひきこもりで悩んでいたとしても、次の一歩を踏みだすためにできることはさまざまにありますので、ご安心ください。不登校やひきこもりについては、以下のコラムで解説しています。
実際に高校中退を選択したキズキ共育塾の講師の体験談
この章では、高校中退について、中退経験者や検討者のための個別指導塾・キズキ共育塾の講師たちの体験談を紹介します。
講師たちの中には、実際に高校を中退した人も、中退を迷ったけれどしなかった人も、たくさんいます。あなたのこれからを考えるために、きっと参考になると思います。
また、私たちキズキ共育塾の無料相談では、実際のあなたのための、より具体的なアドバイスが可能です。ぜひご相談ください。
近藤翔平講師の体験談
高校2年生のときに人間関係に疲れたことが理由で、高校中退を考えました。ただ、大学には行きたい気持ちがあり、高認試験を受けるよりは、無理のないように学校に通った方が負担が少ないと判断して、中退はしませんでした。
その後は休むこともありましたが、高校には通い続けました。人間関係に疲れたときはすぐ帰宅したり、放課後を仲のよい友達と過ごしたりして気をまぎらわせていました。「受験が終わったらもう悩まなくてすむのだから、いまは勉強に集中しよう」と自分自身に言い聞かせていたことを覚えています。
ゴールを意識することによって、目の前のことに取り組めたことがよかったのだと思います。
大草健太講師の体験談
普通科に通っていた私は、2年生の12月に病気のため通学が困難になりました(2年生は修了できました)。3年生の6月ごろに正式に退学して、同年(2012年)11月に高認を受験しました。全ての科目で免除要件を満たしていたので、数学Ⅰのみ受験し合格しています。
補足〜高校中退のタイミングと高卒認定の科目免除に関するアドバイス〜
まず、高卒認定試験の内容は、基本的には普通科なら1年生と2年生で習う範囲です。
そして、高卒認定試験には科目免除制度があります。カンタンに言えば、その科目で、テストや出席日数が基準を満たして学年を終えていれば、試験を受けずに合格扱いになるのです。受験免除のために必要な書類などは、在籍していた高校に依頼すると取得できます。
全ての科目で免除を適用できる場合は、いずれか一つの科目は受験して合格する必要があります。どの科目でもよいので、得意科目を選べます。
免除の目安は、以下のようになります(※あくまで目安ですので、実際のあなたがどうなのかは、学校に確認しましょう)。
■1年生を修了した→全科目数の1/3〜1/2免除
■2年生を修了した→全科目免除(1科目のみ受験)
この先大学受験をしたい(するかもしれない)から中退を迷っている場合も、高校に通っていた年数などによっては、高認試験を楽に乗り切れる(=高校を中退しても大学受験に挑みやすくなる)可能性があります。
まとめ:高校に通っていたことは高認受験において制度的にもムダにはなりません!
まとめ~高校中退で悩んだら専門家に相談を~
高校中退という選択は、終わりではありません。むしろ、自分の生き方や将来を見つめ直すきっかけであり、新たな一歩へのスタートです。
中退を選ぶ背景には、進路変更、学業不振、人間関係、家庭の事情など、さまざまな理由があります。しかし、どんな理由であっても、あなたが前を向いて歩き出すことができれば、その選択には必ず意味があります。
ただし、中退後の進路を1人で考えるのは簡単ではありません。将来に不安を感じたり、何から始めればよいかわからなかったりするのは、当然のことです。
キズキ共育塾では、そんなあなたを勉強面とメンタル面の両方からサポートします。 高校中退を考えている人も、すでに中退した人も、それぞれの状況や目標に合わせて、再スタートを切るための最適な方法を一緒に見つけていきましょう。ぜひお気軽にお問い合わせください。
/Q&Aよくある質問
高校を中退したら、どんな困難があるのでしょうか。
- 学歴で判断される場合がある
- 大学進学へのルートが複雑になる
- 就職先の候補と給料が少ない
- 進学した友達と疎遠になりやすい
- 「何もしない期間」ができて不安になる
高校中退の前に、できることはありますか?
- まずは親に相談する
- 担任の先生やスクールカウンセラーに相談する
- 学習塾などの専門の支援機関を利用する
- 他校への転校を考える
























