いじめ、アトピー、うつ病…度重なる苦難を経て、「僕だからこそできること」に出会う。
コンプレックスを抱えていた学生時代
小さい頃からアトピーなどたくさんのコンプレックスを抱えていて、どうしても自分に自信が持てませんでした。
そんな僕でも勉強は比較的得意で、地元の名古屋大学を志望していました。しかし、「学生のうちに東京を見ておくのもいいんじゃないか」という父の助言に背中を押され、思い切って東京大学に志望校を変更。一生懸命、勉強に取り組みました。
勉強は大変でしたが、当時抱えていた病気との付き合いに比べれば、まだマシだったと思います。猛勉強を重ねた末、なんとか東大に合格できました。
ところが、入学後はあまりに優秀な友達に囲まれて、自分は場違いなんじゃないかと思うようになりました。東大に入れても、自信を持つことができなかったんです。その後、身体の弱さと精神面の不調が重なり、うつ病になってしまいました。
治療のため大学に通うことが難しくなり、その結果留年することになってしまいましたが、なんとか卒業することはできました。しかしそのときにはすっかり周りから取り残されていて、働くことはできない状態でした。
キズキとの出会い
そんなとき、キズキの代表である安田さんのブログ記事を見つけたんです。当時の僕には胸に響くものがあり、調べていったところ、キズキ共育塾を知りました。
はじめは「他人様にものを教えるなんて、自分にできるのか」と不安を抱いてしまいましたが、「人生につまずいてきた僕だからこそ、自分にできることがあるんじゃないか?」と考え、講師になることを決意したんです。
キズキ講師としての今
講師を始めてみると、自分の挫折経験が生徒さんのために役に立っているかもしれないという実感を得ることができ、自信を持てるようになりました。
授業では、生徒さんのやる気が続く工夫を心がけています。例えば歴史の授業なら、生徒さんが行ったことのある地域の歴史から始めたり。
また、趣味の読書の時も、「生徒さんが興味を持ちそうな話はあるかな」という視点を忘れないようにしています。「この話、A君にすると喜んでくれそうだな」「Bさん、このテーマに興味あったな」と、どんなに些細なことであっても、心に留めるようにしています。その方が読書の楽しみも増しますし、記憶にも定着しやすいんです。
さいごに。私の好きな言葉に「挫折の原因は他人だが、立ち直る原因もまた他人である」というものがあります。私の場合は、キズキ共育塾にいる「他人」――同僚講師やスタッフ、そしてもちろん生徒さんたち――が、自分が立ち直る「原因」になってくれました。これからは、私が他の誰かが立ち直る「原因」になれるよう、地に足をつけながら成長していきたいです。
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