不登校になる子どもの心理 親ができる対応を解説

こんにちは。生徒さんの勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする完全個別指導塾・キズキ共育塾です。
あなたは、以下のようなお悩みはありませんか?
- 不登校の子どもの心理がわからない…
- 不登校の心理がわからないから、適切に対応するのが難しい…
私は高校時代に不登校になった経験があり、当時、両親は私の心理を理解できず戸惑い、親子で対立することがよくありました。
ですが、不登校の子どもには「よくある心理」があり、その心理を理解すると適切な対応が見えてきます。
このコラムでは、不登校状態にあるお子さんによくある心理や不登校状態にある子どもの親ができる対応方法について解説します。
お子さんが不登校の次の一歩に進むための一助となり、親であるあなたのお悩みを少しでも減らせましたら幸いです。

共同監修・不登校ジャーナリスト 石井志昂氏からの
アドバイス
お子さんの心理を知れば、好転していきます
学校への登校しぶりがなぜ起きているのか、その心理をお子さん本人がしっかり説明できることの方が少ないです。
不登校当時の心境を正確に説明できるのは、不登校を経験してから10年後からだと私は思います。お子さんの心境は推測するしかありません。
ですが、その心理を知ることで、状況が好転していきます。
私たちキズキ共育塾は、不登校状態にある子どものための、完全1対1の個別指導塾です。
10,000人以上の卒業生を支えてきた独自の「キズキ式」学習サポートで、基礎の学び直しから受験対策、資格取得まで、あなたの「学びたい」を現実に変え、自信と次のステップへと導きます。下記のボタンから、お気軽にご連絡ください。
目次
不登校になる子どもの心理10選
不登校になる子どもの心理には、次のようなものがあります。
- 学校の全てがイヤなのではなく、一部がイヤ
- 1人ぼっちはイヤだけど、集団の中での振舞い方がわからない
- 勉強はしたいけれど、学校ではしたくない
- 周りと仲良くしたいけど、話題が合わない
- 失敗・失敗続きで自信をなくした
- 特定の先生への苦手意識から、学校もイヤになった
- 言いたいことはあるけど、怖くて言えない
- 朝起きたいのに、起きられない(学校に行きたいのに、いつも具合が悪い)
- 学校に行きたいけど、行けない
- 周りに合わせるのが疲れた
これらの心理は、キズキ共育塾の知見に基づいています。
一括りに不登校と言っても、このように様々な心理があり、お子さん1人ひとりによっても違うのです。
「不登校の子どもの心理がわからない」とお悩みの方は、以下に解説するそれぞれの心理を、ぜひ参考にしてください。
心理①学校の全てがイヤではないけど、一部がイヤ

次のように、学校の「全て」がイヤなわけではなく、一部がイヤという心理です。
- 授業は大丈夫だけど、休み時間にどう過ごせばいいのかわからない
- 部活には出られるけど、授業には出られない
このように、学校の一部に何か嫌な場所や時間があることで、不登校になることがあります。
心理②1人はイヤだけど、集団の中での振舞い方がわからない
学校でうまく人と関われない、友達をつくれないという心理が、不登校の原因になることがあります。
- 友達がほしいし、一人ぼっちになりたくない(一人ぼっちだと思われたくない)
- だけど、友達を作る方法がわからない、声の掛け方もわからない
ほかにも、「年度の最初に友達をつくれず、仲よしグループが固定し、学校にいづらくなった」ということもよく耳にします。
心理③勉強はしたいけれど、学校ではしたくない

(将来のために)勉強はしたいけれど、学校の授業についていけない、授業が合わない、先生と相性が悪いなどの心理によって不登校になるケースもあります。
勉強だけで言えば、学校以外での勉強の場(学習塾・家庭教師など)を持つことで、対応できるでしょう。
心理④周りと仲良くしたいけど、話題が合わない
クラスメイトとは仲よくしたいし、話題が合う人とは話せるはずなのに、今の環境には話題が合う人がいなくてつらい、という心理です。
例えば、「周りは漫画やお笑いの話が多いけれど、自分は興味がないので話についていけない」などです。
ご家庭が厳しく、テレビ・漫画・ゲームなどを禁止されていることで友達の話題に入れない場合もあります。このようなご家庭では、ある程度テレビやゲームを許することも必要でしょう。
逆に、「自分は漫画の話をしたいけれど、周りは真面目な話題ばかり」という場合もあるかもしれません。
特に「教育熱心なご家庭のお子さんが、いわゆるヤンキー校に入る」「そんなに勉強熱心ではないのに、真面目な私立校に合格して入学した」などの場合に見られます。
心理⑤特定の先生への苦手意識から、学校もイヤになった

特定の先生(の授業)を苦手に思ううちに、他の先生・クラスメイト・学校そのものなどに苦手意識を持つことがあります。
「先生や科目の苦手さが、学校の他の『楽しさ』を上回り、学校に行きたくない」パターンもあるでしょう。
例えば、次のようなケースがあります。
- 体育(の先生)が苦手
- →体育がある日は学校に行きたくない
- →体育の先生と顔を合わせるのもイヤだし、他のクラスメイトは楽しそうに体育をしているから気が合わない
- →学校に行きたくない
心理⑥周りに合わせるのが疲れた
周囲に自分を合わせようとする心理が強すぎるあまり、疲弊するケースです。
次のような例があります。
- クラスメイトが楽しそうに話す「アイドルの話」に入りたいが、興味が持てず(自分に合わず)苦しい
- 優等生的性格で、先生や周囲の友達への気遣いを、自分の「楽しさ」よりも優先する
心理⑦言いたいことはあるけど、怖くて言えない

先生やクラスメイトに対して言いたいことはあるけれど、言ったらどうなるのかが怖くて誰にも言えないという心理です。
例えば、次のような例があります。
- 一緒に行動する友達に不満があるが、揉めたくないので自分の気持ちをため込んでいる
- 「学校に行きたくない」「学校が嫌い」と思っているが、言うと周りから非難されそうで言えない
「思っていることを言語化できなくて言えない」人もいます。ですが、私が知る限り「頭の中では言葉にはできているけれど、我慢してためこむ」性格でストレスがたまり、不登校になるケースの方が多いです。
心理⑧失敗または失敗続きで自信を喪失した
授業・部活・人間関係などの失敗で、自信がなくなった心理状態です。
失敗を恥ずかしく思ったり過剰に気にしたりすることで、不登校になることがあります。
「そんなの大した失敗じゃない」「確かに失敗は続いてるけど、そんなに気にすることはない」と客観的には思うような状況でも、本人が「失敗だ」「もうダメだ」と思い込み、学校に行きにくくなるのです。
心理⑨学校に行きたいけど、身体・メンタルの不調から行けない

「学校に行きたい」「朝はちゃんと起きたい」という心理はあるものの、起きられない、毎朝具合が悪くなる、といった状態です。
明確なストレスがある場合や、本人も気付いていないストレスによる場合があります。
また、特に思春期の時期はそれまでと体が大きく変化するため、睡眠サイクルなどが変わります。
その結果起きられなくなることがあるのです。
また可能性として、うつ病や統合失調症などの精神疾患、発達障害などが関係している場合も考えられます。
「明確な心身的な不調」がある場合は、病院を受診することが大切です。。
ADHD(注意欠如・多動性障害)やASD(自閉症スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害)、LD/SLD(学習障害/限局性学習症)については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
心理⑩本当は学校に行きたいけど、行けない
「学校に行きたいけど、行けない」という矛盾した心理状態であることも少なくありません。
より具体的な心理としては、次のようなイメージです。
- 学校に行くのが普通だから、行かなくてはいけない
- 学校に行けない自分はダメな人間、弱い人間だ
- みんなと同じがいい
- だけど、行けない
様々な事情が重なって、「学校には行くべき」という、ある種の「社会常識」に従って生きたいと思っているのに、「だけど、学校には行きたくない(行けない)」という心理状態です。
人の心理は、白黒はっきりと割り切れるものではないため、このような矛盾した心理で苦しむことがあります。
不登校の子どもに親ができる3つの対応

ご紹介したとおり、不登校の子どもはさまざまな心理を抱えています。
お子さんが前に進むために大切なのは、親御さんがこの「心理」を理解することです。
ただし、我が子とは言え「他人」の心理は、完全に理解することはできません。
では、親はどのような対応をすればよいのでしょうか?
子どもが不登校になった時に親ができる対応は、3つあります。
- 不登校の子どもをありのままに受け入れる
- 子どもが家庭で安心して過ごせるような環境をつくる
- 第三者・専門家に相談する
親がありのままの子どもを受け入れ、焦らずに見守ることで、時間とともに子どもは前に進めるようになります。
「不登校の子どもが家庭を居場所にすると、そのままひきこもりになるのでは…?」と親御さんが不安に思うこともあるでしょう。
ですが、「何もすることがない」「部屋で孤独にこもっている」状態は意外と苦しいものです。
まずは、親御さんが子どものありのままを受け止め、居心地のいい家庭をつくることを心掛けてください。そうすることで、子どもは「次の一歩に進みたい」という心理になりやすいのです。
また、「居心地のいい家庭」には、「親が、自分自身の生活を楽しんでいる家庭」という意味も含まれます。
「子どもが不登校で苦しんでいる時に、自分だけ楽しく生活するなんて…」という心理になるかもしれません。ですが、そのように遠慮したり罪悪を持つことは無用です。
子どもは、親が楽しく過ごすことで、「家庭での過度なプレッシャー」を感じにくくなります。
また、子どもに「楽しい大人」のロールモデルを示すことにもつながるのです。
一方で、「じゃあ、ありのままに受け入れるって、どういうこと?」「安心できる家庭って、具体的にどういう家庭?」と、疑問に思うのではないでしょうか。
それぞれのご家庭の状況や子どもの性格などによって、「安心」や「ありのまま」の定義は異なります。
より具体的な方法は、お子さんのことを家庭だけで抱えず、不登校に詳しい第三者や専門家に相談することでわかります。
ここでいう第三者(専門家)の例は、下記になります。
- 学校のスクールカウンセラー
- 不登校支援を行うNPO
- 不登校の生徒を受け入れている学習塾
- 自治体の相談窓口
- メンタルクリニック
インターネットで「不登校 相談」「不登校 塾」「子ども カウンセリング」などと検索するとたくさん見つかるはずです。お子さんに合いそうなところを見つけたら、積極的に相談・見学してみください。
また、以下のコラムでは、ほかの不登校のお子さんに対して親御さんができることについて解説しています。ぜひご覧ください。
不登校の心理への理解・信頼関係構築が大切

子どもが時間をかけて悩み、ようやく「前に進むための一歩を踏み出そう」という心理状態になったときに重要になってくるのは、親子の信頼関係です。
不登校から一歩踏み出す時、子どもは不安を抱えています。
そのとき、親御さんがお子さんにとって安心して相談できたり、不安を話したりできる相手になってほしいのです。
そういった関係を構築できていれば、親御さんから新しい学校や進路を提案できるはずです。
>家庭が安心できる居場所であり、親がありのままの子どもを受け入れていると、自然と信頼関係は築かれていきます。
不登校と家庭環境、不登校と親子関係については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
原因の追究よりも「不登校の心理を理解」

ここまで、不登校の子どもの心理や親御さんができる対応などを解説してきました。
ですが、実は不登校の解決に「その原因の追究」は必ずしも必要ではありません。
ご紹介してきた「不登校の心理」や「不登校の原因」は、本人でもうまく言葉で表現できなかったり、特定が難しかったりすることがあります。
逆に心理・理由を特定できる場合でも簡単には解決できないことが多いのです。
例えとして、学校の先生の言葉に傷つき不登校になったケースを考えてみます。
その先生から謝罪があったとしても、心の傷が癒えてなければ登校の再開は難しいでしょう。
逆に、先生からの謝罪がないままでも、その先生が異動したり、お子さんが転校したりして登校を再開できることもあるのです。
「次の一歩に向けて、前向きになる」ことを意識し、原因の追究はある程度にとどめておくことが大切です。
そうすれば、自然と子どもの心理が変わっていくはずです。
ただし、精神疾患や発達障害が関連しそうな場合は、「原因」を放置せず、病院や専門機関の支援を求めてください。
不登校のよくある原因・きっかけや解決策については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
学校以外にも「不登校の次の選択肢」はあります

「今の学校への登校再開」だけが、不登校の解決ではありません。
転校や高卒認定の取得など、「不登校から前に進む」ための選択肢があることを知っているだけでも、心理的な負担が軽減されるはずです。
高校生であれば転校先も、全日制高校だけでなく、通信制高校や定時制高校もあります。
また、学校以外にも、趣味や習い事の団体を通じて人間関係を築くことで、前向きな心理状態になることもあるでしょう。
ただ、転校にしても習い事にしても、子どもだけの力で学校や団体を探したり転校・入会したり通ったりすることは、簡単ではありません。
話し合いができる親子関係を作り、今後の進路に関してしっかり相談しましょう。
参考:学校休んだほうがいいよチェックリストのご紹介

2023年8月23日、不登校支援を行う3つの団体(キズキ、不登校ジャーナリスト・石井しこう、Branch)と、精神科医の松本俊彦氏が、共同で「学校休んだほうがいいよチェックリスト」を作成・公開しました。LINEにて無料で利用可能です。
このリストを利用する対象は、「学校に行きたがらない子ども、学校が苦手な子ども、不登校子ども、その他気になる様子がある子どもがいる、保護者または教員(子ども本人以外の人)」です。
このリストを利用することで、お子さんが学校を休んだほうがよいのか(休ませるべきなのか)どうかの目安がわかります。その結果、お子さんを追い詰めず、うつ病や自殺のリスクを減らすこともできます。
公開から約1か月の時点で、約5万人からご利用いただいています。お子さんのためにも、保護者さまや教員のためにも、ぜひこのリストを活用していただければと思います。
- 「学校休んだほうがいいよチェックリスト」はこちら(LINEアプリが開きます)
- 「学校休んだほうがいいよチェックリスト」作成の趣旨・作成者インタビューなどはこちら
- 「学校休んだほうがいいよチェックリスト」のメディア掲載・放送一覧はこちら
- 【オリジナル書籍プレゼント】学校外で友だちができるBranchコミュニティ(Branch公式LINEが開きます)
私たちキズキでは、上記チェックリスト以外にも、「学校に行きたがらないお子さん」「学校が苦手なお子さん」「不登校のお子さん」について、勉強・進路・生活・親子関係・発達特性などの無料相談を行っています。チェックリストと合わせて、無料相談もぜひお気軽にご利用ください。
まとめ~不登校の心理を「理解しようとする姿勢」が大切です~

不登校の子どもは、さまざまな心理を抱えてします。
そのため、親だからと言って子どもの心理が完全にわかるわけはありません。
とても大切なのは、子どもの心理を理解しようとする姿勢です。
また、不登校のお子さんに対して、親御さんに意識していただきたいのは、次の3つです。
- 安心して子どもが過ごせる家庭づくり
- 子どもをありのままに受け入れる
- 家庭だけで悩まず、第三者に相談したり、専門機関を利用する
これらの行動がお子さんの心理を理解することに繋がり、不登校の解決にも役立つはずです。
お子さんが、不登校の次の一歩へ進めるよう、心から祈っています。
そして、このコラムがお子さんの心理への理解を進め、親御さんの不安や悩みを和らげることの助けとなりましたら幸いです。
さて、私たちキズキ共育塾では、多くの不登校の生徒さんを支援しています。
生徒さんは、穏やかな講師と一対一で会話をしながら、高認や大学受験に向けての勉強を行っています。
お子さんの不登校でお悩みでしたら、ぜひ一度無料相談・見学をご利用ください。
親御さんのみのご相談も受け付けております。
/Q&Aよくある質問
不登校の子どもの心理を知りたいです。
- 学校の全てがイヤなのではなく、一部がイヤ
- 1人ぼっちはイヤだけど、集団の中での振舞い方がわからない
- 勉強はしたいけれど、学校ではしたくない
- 周りと仲良くしたいけど、話題が合わない
- 特定の先生への苦手意識から、学校もイヤになった
- 周りに合わせるのが疲れた
- 言いたいことはあるけど、怖くて言えない
- 失敗・失敗続きで自信をなくした
- 学校に行きたいけど、身体・メンタル面の不調から行けない
- 本当は学校に行きたいけど、行けない
不登校の子どもに、親はどんな対応をするべきでしょうか。
- 不登校の子どもをありのままに受け入れる
- 子どもが家庭で安心して過ごせるような環境をつくる
- 第三者・専門家に相談する