学校に行きたくない中学生のあなたへ 対処法を解説

こんにちは。生徒さんの勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする完全個別指導塾・キズキ共育塾です。

学校に行きたくないと思う中学生は案外、多いものです。しかし、行きたくない理由や適切な対処法は人によって異なります。

このコラムでは、学校に行きたくない中学生ができる対処法について解説します。

あわせて、親御さんに向けて、中学生の子どもが学校に行きたくない理由や、親ができる対応についても解説します。

学校に行きたくないことで悩んでいる中学生と親御さん、どちらも参考になるはずです。

私たちキズキ共育塾は、学校に苦手意識のある人のための、完全1対1の個別指導塾です。

生徒さんひとりひとりに合わせた学習面・生活面・メンタル面のサポートを行なっています。進路/勉強/受験/生活などについての無料相談もできますので、お気軽にご連絡ください。

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中学生が学校に行きたくない理由6選

中学生が学校に行きたくないと思うとき、学校生活の悩みや体調の問題など、複数の要因が絡みあっていることが多いです。理由を1つに特定できるとは限らないのです。

しかし、一般的にどのような理由で学校に行きたくないと思う人が多いのかを知ることには意味があります。

本人にとってはモヤモヤとした気持ちを整理するのに役立ちますし、親御さんにとってはお子さんを理解する助けになるからです。

そこでこの章では、中学生が学校に行きたくない理由について解説します。(参考:菅野純・あらいぴろよ『子どもが学校に行きたくないと言ったら読む本』

理由①勉強面の悩みがある

学校に行きたくない中学生は、以下のような勉強面の悩みを抱えていることが多いです。

  • 授業のペースが早すぎる/遅すぎる
  • 授業のレベルが高すぎる/低すぎる
  • カリキュラムに興味が持てない
  • 勉強そのものに意義が見出せない
  • 授業で指名されるのが怖い
  • グループワークが苦手

もちろん、授業のレベルやペースが合わなくても、学習塾に通ったり家庭学習の時間を増やしたりして対応できる中学生もいます。

しかし、レベルやペースの差があまりにも大きいと、「学校に通っていてもしょうがない」「この学校は自分には合わない」という思いを抱きやすいです。

特に中学校からは部活動が始まるため、勉強の時間をなかなか取れず、気付いたら授業に追いつけなくなっていたという人もいるでしょう。

また、あがり症の人やコミュニケーションが苦手な人の場合、授業中に指名されて多人数の注目を浴びるのが怖かったり、共同作業で緊張したりすることで、もう学校に行きたくないと思うこともあります。

理由②人間関係に問題がある

人間関係に問題を抱えている中学生は、学校生活でストレスを感じることが多くなりがちです。

  • 友達関係
  • 先生との関係
  • 異性との関係
  • 部活動での関係

中学校に上がってから友達が作れない、担任の先生との性格が合わないなど、人間関係の悩みは人によってさまざまです。部活動に入っている中学生の場合は、さらに先輩・後輩の関係も加わります。

小学生の頃には意識しなかった上下関係や、異性との関係に悩む中学生も少なくないでしょう。

人付き合いがうまくいっているように見える中学生でも、クラスや部内での人間関係に気を遣うことに疲れて、ある日突然「もう学校に行きたくない」と思うこともあります。

理由③新しい学校に慣れない

小学生までは定期的にクラスが変わるだけでしたが、中学生になると通う学校が変わります。新しい学校に慣れず、登校がつらくなったという人も少なくありません。

  • 校則が厳しい
  • 部活動が苦痛
  • 学校行事が苦手
  • 制服を着たくない
  • 授業時間が長くなった
  • 学校までの距離が遠い

明確な原因が無くても、なんとなく学校の雰囲気が好きになれない、校風が合わないということもあります。進学校で切磋琢磨を求められて息苦しいなど、ケースはさまざまです。

なかには、中学校というシステム自体が合わないと感じる人もいます。

日本財団が2018年に実施したアンケート調査では、「教室にいるけど学校が辛いと感じている」「本当は授業に参加したくない」「登校はするけど、教室には入りたくない」と感じている中学生が、全国で約33万人にのぼるという結果が出ています。(参考:日本財団「不登校傾向にある子どもの実態調査」

小学校には普通に通えていたけれど、中学校になった途端に行きたくなくなったという人もいるのです。

理由④家庭環境に不安がある

家庭に心配事がある中学生は、家を離れるのが不安で学校に行きたくない場合があります。

  • 家族の体調・病状が気になる
  • 両親が不仲で気が休まらない
  • きょうだい・祖父母を家に残すのが不安

一口に家庭環境と言っても、その内実は千差万別です。

家族関係に伴うストレスを感じ続けたことで意欲が無くなる場合もあれば、歳の離れた家族を残して登校するのが不安だから行きたくないという場合もあります。

理由⑤他にやりたいことがある

学校生活や勉強以外に夢中になれることがある、やるべきだと感じていることがあるという理由から登校を拒む中学生もいます。

  • ゲーム・音楽・スポーツなどの趣味
  • 動画視聴やマンガなどの娯楽
  • 学校で学べない専門的な勉強
  • 恋人や友達との交流

趣味などに熱中していると、親としては「わがままを言っているだけでは?」と思うかもしれません。

しかし、もともと学校生活に不満を抱いていて、一種の逃避からそうした娯楽などに走っていることもあります。その場合は、お子さんが夢中になっているものを取り上げても、学校に行こうという気にならない可能性があります。

なかには、家計を支えられるように、早く手に職を付けるための勉強をしたいと考えている中学生もいます。

理由⑥お腹が痛いなど体調が悪い

体調不良が不登校の直接的な原因になることも多いです。特にストレスなどの胃痛を含め、お腹が痛いというのは学校に行きたくない理由として多く聞かれます。

実際、文部科学省が中学2年生を対象におこなったアンケート調査でも、「身体の不調」が最初に学校に行きづらいと感じ始めたきっかけのトップになっています。(参考:文部科学省「令和2年度不登校児童生徒の実態調査 結果の概要」

特に、過敏性腸症候群や起立性調節障害は不登校の原因になりやすいと言われています。

学校に行かない中学生でも卒業できる

学校に行かないと「卒業できなくなるのでは?」と不安に感じる中学生のお子さんは多いのではないでしょうか?

結論から言えば、学校に行かなくても中学校を卒業できます。

出席日数と卒業とは関係ありません。卒業式に参加して卒業証書をもらうのも必須ではないので、安心してください。

中学校では、留年も基本的にはありません。

特に公立中学校の場合は、学校側から例外的に「不登校で勉強が不充分なので、留年しますか?」と問われることはあっても、留年を強制されるような仕組みはありません。

ただし、私立中学校の場合は学校によって決まり・基準が異なるので、場合によっては留年になる可能性があります。心配な場合は、学校の先生に質問してみましょう。

仮に今の学校では留年するかもしれないという場合も、公立中学校に転校するという方法があります。

なお、親御さんのなかには「卒業しても高校に進学することができないのでは?」と思う人もいるかもしれません。

しかし、出席日数や内申点にかかわらず入学できる高校はたくさんあります。

子どもが学校に行かない・行きたくないからと言って、思いつめなくても大丈夫です。

中学卒業後の進路について検討したい人は、学習塾や学校の先生に相談することをオススメします。

学校に行きたくない中学生ができる4つの対処法

  • 学校に行きたくないけど、何もしないでいるのは気が引ける…
  • 次のステップを踏みだす方法を知りたい
  • 少しずつ学校に行けるようになりたい

学校に行きたくない中学生のなかには、以上のように考えている人もいるでしょう。

この章では、学校に行きたくない中学生ができる対処法について解説します。

対処法①学校外の居場所を探す

学生のうちは学校がすべてだと思いがちですが、学校外にもあなたの居場所になりそうなところはたくさんあります。

  • 学習塾
  • フリースクール
  • 趣味や習い事の教室
  • 教育支援センター(適応指導教室)

学習塾やフリースクールへの通学は、学校の出席にカウントされる場合があります。

インターネットで「フリースクール 〇〇市」などと検索すると、たくさんありますので、ぜひ調べてみてください。気になるところが見つかったら、出席日数にカウントできるかを学校に確認しましょう。

教育支援センター(適応指導教室)とは、主に不登校状態にある児童生徒の学校復帰を支援し、社会的自立をサポートする施設のことです。集団生活への適応、情緒の安定、基礎学力の補充などのサポートを行っています。(参考:文部科学省「適応指導教室(学校支援センター)の取り組みについて」

学校外の居場所が見つかるだけでも、気持ちが楽になるはずです。

対処法②親や学校の先生に相談する

自分の悩みを誰かに話したいと思ったら、親でも学校の先生でも構いませんので、信頼できる人に相談しましょう。

一人で悩む時間も、ときには必要です。しかし、ずっと問題を抱え込んでいると、あなた自身がつらくなるかもしれません。

もちろん無理に打ち明ける必要はありませんが、「ちょっと話してみようかな?」と思う相手がいるなら、一度相談してみることをオススメします。

気持ちが軽くなるだけでなく、自分の思いや考えを整理したり、一人では気付かなかった解決策が出てきたりするかもしれません。

対処法③保健室登校や別室登校を考える

教室に行くのが怖いという人は、保健室登校や別室登校という手段もあります。

保健室登校とは、「常時保健室にいるか、特定の授業には出席できても、学校にいる間は主に保健室にいる状態」のことです。(参考:NHK「不登校の子どもをめぐる基礎情報 第5回「学校のオアシス:養護教諭と保健室」」

別室登校も同様に、教室以外の部屋に登校することを指します。

保健室登校も別室登校も、出席扱いにしてもらえる可能性があります。教室に入るのはまだ怖いけど登校にはチャレンジしたいという人にオススメです。

ちなみに、日本学校保健会の調査によると、約35.1%の中学校で保健室登校が実施されており、学校あたりの年間利用人数は約3.8人にのぼります。(参考:日本学校保健会「保健室利用状況に関する調査報告書」

保健室登校は決して珍しいものではありません。ぜひ学校の先生に聞いてみてください。

対処法④規則正しい生活をする

無理なく学校に通うためには、生活リズムを整えることが不可欠です。

  • 毎日同じ時間に食事を取る
  • 毎朝決まった時間に起床する
  • 日中に外に出て陽射しを浴びる
  • 夜更かしせずに早めに就寝する

特に夜更かしが当たり前になると、起床がつらくて、学校に行こうという気になれなくなります。睡眠不足が続くと、日光に当たりたくないと思うことも増えます。

まずは早めの就寝を心がけて、生活リズムの起点を作りましょう。

学校に行きたくない中学生のために親ができる5つの対応

学校に行きたくない中学生のために親ができる対応には、以下の5つが挙げられます。

  • 行きたくない気持ちを受け入れる
  • 相談されたら否定せずに最後まで聴く
  • 子どもの生活リズムに気を配る
  • 原因が明確な場合は対処する
  • 学校の先生や支援機関に相談する

学校に行きたくない中学生のために親ができる対応については、以下のコラムで詳細に解説しています。ぜひご覧ください。

学校に行きたくない中学生にしてはいけない5つのNG対応

学校に行きたくない中学生にしてはいけないNG対応には、以下の5つが挙げられます。

  • 登校を無理強いする
  • 感情的に叱りつける
  • 訴えや相談を聞きながす
  • 理由を無理に聞き出す
  • 今の学校への登校にこだわる

学校に行きたくない中学生のために親ができるNG対応についても、以下のコラムで詳細に解説しています。ぜひご覧ください。

学校に行きたくない中学生がいる親の3つの心構え

学校に行きたくない中学生がいる親はお子さん問題に掛かりきりになりやすいですが、お子さんへの接し方や距離感を変えただけで、事態が好転したというケースも少なくありません。

また、親御さん自身のセルフケアを考えるのも非常に大切です。

この章では、学校に行きたくない中学生がいる親の心構えについて解説します。

心構え①自分のせいだと責めすぎない

重要なのは、お子さんが学校に行きたくない理由が自分にあると考えすぎないことです。

  • 私の育て方に問題があったのかもしれない
  • 私の言い方が厳しすぎたんじゃないか…
  • 知らないうちに子どもを傷付けてた?

お子さんから「学校に行きたくない」と言われると、以上のような自問が頭を駆けめぐるかもしれません。

しかしこちらで解説したとおり、中学生が学校に行きたくなる理由にはさまざまな要因が絡みあっています。あなただけが原因だということは考えにくいです。

気を病まないためにも、子どもの不登校は自分のせいだと責めすぎないようにしましょう。

心構え②子どもと距離を置ける時間を作る

お子さんと距離を置くことで互いに余裕ができ、次のステップを踏みだせることもあります。

とりわけ、中学生は小学生に比べて自立心が強くなってくる時期なので、親からの干渉を嫌う傾向が強いです。

それに合わせて、親も子どもの判断にまかせて見守る姿勢に変えると、関係性が改善されることがあります。

お子さんと距離を置くことは、不登校の問題を自分に引き付けすぎないためにも有効です。親御さんの心の健康を保つためにも、ときにはお子さんのことを忘れて、リフレッシュする時間も作りましょう。

心構え③子どもの悩みを一人で抱え込まない

最後に覚えておいていただきたいのは、お子さんの悩みを一人で抱え込まないことです。

家族、学校の先生、学習塾の講師、医師など、あなたの助けになる人は大勢います。無料で頼れる支援機関もあります。

ぜひ、問題を抱え込まずに、周囲の信頼できる人や専門家に相談してみてください。

学校に行きたくないお子さんを理解したり、次のステップを踏みだすための糸口を探す手段として、不登校状態のお子さんがいる親同士のコミュニティに参加するのもよいでしょう。

例えばキズキでは、不登校の親専用のオンラインコミュニティ「親コミュ」を運営しています。

匿名で参加しやすく、同じ悩みを抱える親同士で気軽にチャットでコミュニケーションが取れるため、オススメです。興味のある方は、ぜひ参加してみてください。

参考:親コミュ

まとめ~学校に行きたくない中学生にも卒業後の進路はたくさんあります~

学校に行きたくない中学生は、「このまま学校に行かなくなったらどうなるんだろう?」と不安に思うことが多いかもしれません。

しかし、学校に行かなくても卒業はできます。卒業後の進路もたくさんあります。

一人で思い悩まずに、周りの人に相談しながら、できることをやっていきましょう。

親御さんも同様です。あなたの悩みを聞いて、解決に繋がるアドバイスを与えられる人は大勢います。

不登校の期間が長い子どもがいる親御さんほど、知識やノウハウを持っている専門家のアドバイスが役に立つはずです。

私たちキズキ共育塾でも、不登校の中学生に特化した支援を提供しています。

まずはお気軽にご相談ください。

Q&A よくある質問

中学生が学校に行きたくない理由を教えてください。

以下が考えられます。

  • 勉強面の悩みがある
  • 人間関係に問題がある
  • 新しい学校に慣れない
  • 家庭環境に不安がある
  • 他にやりたいことがある
  • お腹が痛いなど体調が悪い

詳細については、こちらで解説しています。

学校に行きたくない中学生ができる対処法はありますか?

以下が考えられます。

  • 学校外の居場所を探す
  • 親や学校の先生に相談する
  • 保健室登校や別室登校を考える
  • 規則正しい生活をする

詳細については、こちらで解説しています。

監修 / キズキ代表 安田祐輔

やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、不登校・偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。また、不登校の子どものための家庭教師「キズキ家学」、発達障害やうつ病の方々のための就労移行支援事業所「キズキビジネスカレッジ」も運営。

【新著紹介】

『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法』
(2022年9月、KADOKAWA)
Amazon
KADOKAWA公式

【略歴】

2011年 キズキ共育塾開塾(2023年7月現在10校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年7月現在4校)

【メディア出演(一部)】

2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)

共同監修 / キズキ相談担当 半村進

はんむら・すすむ。1982年、茨城県生まれ。東京大学文学部卒。
小学校時代から転校を繰り返し、運動ができないこと、アトピー性皮膚炎、独特の体形などから、いじめの対象になったり、学校に行きづらくなっていたことも。大学に入学してようやく安心できるかと思ったが、病気やメンタルの不調もあり、5年半ほど引きこもり生活を送る。30歳で「初めてのアルバイト」としてキズキ共育塾の講師となり、英語・世界史・国語などを担当。現在はキズキの社員として、不登校・引きこもり・中退・発達障害・社会人などの学び直し・進路・生活改善などについて、総計1,000名以上からの相談を実施。

【執筆記事・インタビューなど(一部)】

日本経済新聞 / 朝日新聞EduA / テレビ東京 / 不登校新聞 / 通信制高校ナビ

サイト運営 / キズキ

「もう一度学び直したい方」の勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする学習塾。多様な生徒さんに対応(不登校・中退・引きこもりの当事者・経験者、通信制高校生・定時制高校生、勉強にブランクがある方、社会人、主婦・主夫、発達特性がある方など)。授業内容は、小学生レベルから難関大学受験レベルまで、希望や学力などに応じて柔軟に設定可能。トップページはこちら。2024年10月現在、全国に11校とオンライン校(全国対応)がある。

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