不登校からの復帰と、復帰後の通学持続のために、保護者さまにできる4つのこと

2017年5月12日 金曜日 投稿

キズキ共育塾スタッフの宮野唯です。
お子さまが不登校になったとき、一番悩んでいるのは、もちろんお子さま本人なのですが、お子さまと一番近くで接している保護者さまの不安もまた大きいことでしょう。

「休みがちでも学校へ行ってくれれば…」
「もう1年間学校に行っていない…復帰できるのだろうか」
と不安な日々を過ごしている保護者さまも多いかと思います。

お子さまにとって、「学校復帰まで」に大きなエネルギーがいるのはもちろんなのですが、「学校復帰後」はエネルギーを維持しなくてはなりません。

今回は、お子さまが不登校から復帰するために、そして復帰後に通学を続けるために、保護者さまにできる対応をご紹介します。

ご紹介するような手助けがあると、お子さまは安心して学校復帰までの道のりを歩め、また復帰後に再び「辛く」なっても通い続けられるようになる可能性が高まります。ご参考になれば幸いです。

なお、私がお会いしてきた不登校の生徒さんの多くは、不登校になってから(学校や社会に)復帰するまで、大きく分けて3段階の気持ちの変化を経ていました。各段階と、段階を軸にした保護者さまにできる対応については、こちらのコラムでご紹介していますので、合わせてご覧ください。

不登校からの復帰のために、保護者さまにできる4つのこと

①不登校への罪悪感を減らすこと
②生活習慣を少しずつ改善すること
③家などの、学校以外で安心できる場所を確保すること
④学校との連絡を保つこと
(上記①〜④の項目名は、「不登校から復帰した後」の対応と同じですが、復帰前後で内容が異なるため、復帰前後に分けてご紹介します)

①不登校への罪悪感を減らすこと

お子さまは、不登校になると、周囲の人に対して罪悪感でいっぱいになります。例えば、親御さんに「せっかく産み育ててくれたのに、こんな自分でごめん…」と思ったり、部活の仲間に「チームの人数が減って迷惑をかけている…」と思ったり、ということです。

また、「世間から取り残されてしまった…」と絶望的な気持ちにもなっています。

そうなると、授業のある昼間に起きていることが辛くなり、寝て過ごすようになります。カーテンを閉め切り、だんだん昼夜逆転の生活となります。

これまで私が見てきた方々に限れば、「お悩み」を抱えている方々にとって、昼夜逆転がよい結果につながったケースはほとんどありません。気持ちがどんどん沈み込み、復帰に向けて気持ちの向上が難しくなります。

不登校を経て成功した有名人もたくさんいます(例えば髭男爵の山田ルイ53世さんなどもそうですね)。不登校を悪いことと考える必要は、全くありません。

保護者さまが「不登校である」という状態に目を向け過ぎず、「(お子さま本人が)健康でいてくれればよい」などと伝えると、お子様の罪悪感が軽減され、昼夜逆転を招かず、復帰しやすくなることがあります。

「不登校である」ということにどうしても目を向けてしまうようであれば、「『不登校の子』には『普通の人』と違った感受性やよさがあるかもしれない」と発想を変えてみるのも一手です。

②生活習慣を少しずつ改善すること

①でご紹介したような理由から、不登校のお子さまには、生活習慣が乱れがちな方が多いです。

昼夜逆転を防げればよいのですが、すでにそうなってしまっていたり、昼夜逆転まではいかなくても睡眠や食事が乱れがちだったりすると、気力も沸かないものです。

お子さまと一番身近に接する保護者さまだからこそできることとして、お子さまの生活習慣を改善していくと、時間とともに気力・体力が回復して、不登校からの復帰につながることがあります。

ですが、ただ「規則的な生活をしなさい」と言っても、授業のある時間に起きていたくないお子さまは嫌がることもあります。

(①とも関連しますが、)そういう場合は、自分はお子さまの味方であるという意思表示を前提に、不登校であることを責めず、「段階的でもよい」と考えて粘り強くはたらきかけることが必要です。

具体的には、朝に予定を入れるようにする、昼寝をしないようにするなどがあります。また、「睡眠クリニック」に通ってみるのもよいでしょう。

後ほど、保護者さまのご協力もあって昼夜逆転を解消し、不登校から復帰した生徒さんの例をご紹介します。

③家などの、学校以外で安心できる場所を確保すること

不登校になり「学校」という居場所をひとつなくしたお子さまにとって、安心できる場所が他にあるかどうかは非常に大切な問題です。

一番わかりやすい例としては、「家庭」が安心できる場所であったから(安心できる場所になったから)、次第に気力・体力が満たされて不登校から復帰した…という方たちは多く見てきました。

そして「居場所」は、家庭以外にも複数あるとより気持ちが安定します(多すぎても疲れてしまうことがあるので、その辺りはお子さまの性格などにもよります)。

学校以外の場所の例として、お子さまが通いたいと思う塾があれば通うのも一手です。 進学のために勉強を進められたり、復帰したときの勉強面でのハードルが下げたりすることが可能です。

また、お子さまの興味のあることを開始する・再開することも、復帰に繋がることもあります。

お子さまは、不登校になるとそれまでの趣味など「楽しいこと」についても、「学校へ行っていない自分にはやる資格はないのでは」と思いがちですが、そんなことは決してありません。

例えば趣味の団体に通うなど、「楽しいこと」を行うことが、気分転換や気力・体力の充電になることも多々あります。また、家族同様、信頼できる「居場所」での人との交流は、「がんばること」の支えになります(これは不登校のお子さまだけでなく、大人でもそうですよね)。

学校以外で充実した人間関係を築くことができれば、不登校からの復帰につながることがあるということです。

後ほど、趣味の市民劇団に通い続けて不登校から復帰した生徒さんの例をご紹介します。

④学校との連絡を保つこと

お子さまが学校を休みがちになると、担任の先生など、学校と連絡を取られる保護者の方もいらっしゃると思います。

特に担任の先生との連携があれば、復帰しやすさは大きくなります。

本格的な復帰以外にも、あとどのくらい休んでも進級できるのか、保健室でのテスト受験は認められるかなどを相談できれば、学校へ部分的に復帰し進級や卒業ができる場合もあります(柔軟な対応があるかどうかは、学校やお子さまの学年によって様々です)。

ちなみに、私自身も高校3年生のときに不登校になりましたが、保護者の働きかけによって、学校には別室でのテスト受験、課題の提出、出席日数の考慮等をしてもらいました。その結果、不完全ながらも学校に復帰し、卒業と大学進学をすることができました。

一方、残念ながら、学校や先生によっては相談しても「あてにならない」場合があるのも事実です。この場合、不登校から復帰できても学校からのケアは薄く、再び不登校になるというケースも見受けられます。

聞く耳を持たない先生、えこひいきをする先生、勉強が苦手な生徒は相手にしない先生、生徒に高圧的に接する先生、多忙で話せない先生、正論や一般論しか言わない先生、そして自身もいっぱいいっぱいな先生…。

先生(学校)を「悪い」と決めつけるつもりはありません。ほとんどの先生は生徒思いの「いい」先生なのかもしれません。ですが、こういう先生「も」いるというのは、ご自身の学校生活を振り返ると、保護者さまにも覚えがあるのではないでしょうか。

また、お子さまも先生(学校)も「悪い」わけではないのに、どうしてもお互いにソリが合わないということもあります。

もし学校や先生があてにならない、ソリが合わないようであれば、無理にその学校に復帰しなくても、お子さまに合った学校に転校する、(高校生の場合は)中退して高卒認定資格を目指すなど、「次」に進む手段はあります。

キズキ共育塾の生徒さんにも、先生や学校に相談してもうまくいかなかったために、学校に見切りをつけて前向きに「次」に進んだ方は大勢います。

「この学校に復帰しなくてはならない理由」があるかどうか、お子さま本人ともよく話し合いましょう。

不登校から学校に復帰したお子さまへの対応

お子さまが不登校から学校への復帰を果たしたら、保護者さまはほっとすることと思います。

ですが、お子さまご本人にとっては、「がんばり続ける日々」のスタートです。

多かれ少なかれ、復帰から間もなくは、先生やクラスメイトたちの「今までどうしたの?」といった質問や噂話が、お子さま本人の耳にも入ってきます。

特に授業ごとに担当の先生やクラスが異なる場合は、授業が変わるたびに同じ状況を味わうことになります。

ただでさえ久しぶりの登校で緊張しているお子さまは、しばらくの間は体力のみならず精神的にもエネルギーを使い切って帰宅してくるということです。

そういう状況のお子さまについて、保護者さまにできる対応をご紹介します。

復帰後のケアと復帰までの道のりは共通しています

不登校から学校に復帰した直後のお子さまは、何かのきっかけで気持ちが落ち込んだりするとことで、不登校の状態に逆戻りしてしまうこともあります。

学校から帰ってきたお子さまには、「学校に行けたこと」自体をぜひ認めてください。学校復帰後も復帰までのプロセスでご紹介した4つのことは有効です。

①不登校への罪悪感を減らすこと

不登校から復帰したお子さまは、何か失敗をしたときに、「自分は不登校だったから、こんなこともできない」や、「自分の不登校をみんなが気にしている」といったように、自身の不登校経験について必要以上に気にしてしまいがちです。

確かに、長く学校に通っていないことによる失敗は起きうるものですが、それを気にしすぎると、最終的には「不登校を経験した自分は何をやってももうダメだ」となり、再度不登校になってしまうこともあるのです。

客観的には、「不登校であったことは、そんなに気にしなくていいのにな」と思うこともあるのですが、ご本人としてはどうしても気になってしまうのです。

不登校経験について、お子さまが罪悪感を抱き続けているようであれば、保護者さまが「不登校だったことは悪いことじゃないよ」「不登校だったことを気にする必要はないよ」と明確に伝えることによって、その気持ちはおさまっていくことが多いです。そして次第に不登校経験について気にならなくなっていき、通学を持続することができます。

②生活習慣を少しずつ改善すること

不登校から復帰したからといって、毎日朝から学校に行ったり、休まず通ったりできるとは限りません。

特に昼夜逆転(気味)だったりした場合には、学校復帰直後はその傾向が尾を引き、断続的な通学になることも多々あります。また、体力や集中力が続かなくて早退することもあるでしょう。

これも、「すぐに完全な朝方・昼型の生活になれ」「体力を身につけろ」と言っても、いきなりは無理な話です(逆に考えてほしいのですが、朝方・昼型の生活をしている人に夜型になれと言っても、いきなりは無理ですよね)。

保護者さまには、復帰前と同様、と言うよりも復帰前から地続き的に、お子さまの生活習慣が少しずつ改まるようにしていただきたいと思います。

また、こういう場合には、保護者さまは、「学校を休んだ日」や「学校に行けなかった時間」ではなく、「登校できた日」「登校できた時間」に目を向け、「完全じゃないけど、通学を持続できている」とポジティブに考えてください。するとお子さまも「自分は完全復帰に向けて歩んでいるぞ」と自分に自信を持つことができます。

逆に、「どうして夜型の生活が治らないんだ」「どうして全部の授業を受けられないんだ」とネガティブな考えでは、それがお子さまに伝わり、お子さまは「やっぱり自分はダメなんだ…」と思い、不登校に逆戻りする場合があるということです。

生活習慣の改善と不登校からの復帰(・持続)は、「少しずつ進む」と、ある意味割り切って考えることが重要です。

③家などの、学校以外で安心できる場所を確保すること

学校へ復帰して居場所がひとつ戻ることになりますが、はじめからリラックスして通学することは稀でしょうし、また、学校が安心できる場所になるかはそれぞれのお子さまにもよります。

家など、学校以外で安心して十分な休息がとることができれば、学校へ通い続けるエネルギーを充電することができます。

家庭においては、「不登校から復帰したから、家庭環境にはもう気を使わなくて大丈夫」と考えるのではなく、「引き続き、子どもにとって家が安心できる場所であるように」と考えてほしいと思います。

とは言え、「いい家庭」を無理に持続しようとすると、今度は保護者さまが追い詰められてしまいます。「家族の誰にとっても、無理せず、安心して過ごせる家庭」が理想なのですが、そのために何をすべきか考えすぎると、かえって身動きが取れなくなったりもします。

そういうときは、カウンセリングに行ったり、友人に相談したりなど、家庭の外部の力を借りるのも一手です。

また、復帰前に通っていた団体などがあり、お子さまがそれを楽しんでいたようであれば、復帰後もしばらくは通い続けることをお勧めします。これも、「子どもの居場所になる!」と変に気負うよりも、「子どもが楽しんでいるから続けさせよう」と気軽に考えた方が、お子さまの「安心」に繋がることが多いように見受けられます。

④学校との連絡を保つこと

不登校から復帰したばかりのお子さまは不安定なことが多いです。学校と連絡を保っていると、お子さまが学校でどんな様子なのか把握しやすくなります。

これまで述べてきたとおり、不登校から復帰したお子さまの通学を持続するためには、罪悪感を減らし、少しずつ生活改善を行い、家などの安心できる場所を確保する必要があります。

(「学校による」という現実がやや残念ですが、)学校も、お子さまの不登校について気にかけています。

学校での様子を把握することで、お子さまが通学を持続するために何が必要なのか、保護者さまが具体的に何ができるのかが見えてくることがあるということです。

また逆に、学校に対してお子さまへ望む対応を伝えることもできます。これも、いきなり伝えるよりも、連絡を保ち、互いに信頼関係を築いていた方が行いやすくなると思います。

生活習慣を少しずつ改善して、中学不登校から復帰、高校合格を果たしたA君

中学3年生でキズキ共育塾に入塾した生徒さん(以下、A君)がいました。

A君は、不登校に加えて深夜番組が好きなこともあって生活リズムが乱れており、保護者さまは、A君が段階的に規則正しい朝方の生活を送れるように、毎日協力していました。

例えば、毎日できることとしては、朝食を一緒に食べるようにする。食べられないときは冷たい飲み物で意識をはっきりさせる。

週末にできることとしては、午前中に外出する用事をつくる(ドライブや買い物、海に行くなど)。

「不登校でもいいから健康に過ごしてほしい」と伝え、深夜番組は録画して午前中に見るようにする、夜はスマホを見ないよう約束する…などです。

キズキ共育塾への入塾にも、勉強だけでなく、生活リズムを整えるためという意味がありました。

どれも無理やりではなく、A君の心身の調子を見ながら、少しずつ少しずつの改善でした。

その甲斐あってA君は次第に気力が充実し、学期が変わるタイミングで学校に復帰したのですが、復帰したては、朝出かけるギリギリに起きてなんとか準備して出かける、というスタイルでした。

その状態について保護者さまは、「ギリギリの登校とは言え復帰できたので、まずはこれでいいと思っています」と話していました。

そうこうするうちに、A君は徐々に余裕を持って登校できるようになり、再び不登校になることはありませんでした。

保護者さまが「復帰=いきなり完璧な生活リズム」という状態を求めず、段階的な改善を持続していたことが、その後卒業まで通学できた秘訣のようです。

A君は、キズキ共育塾では得意だと思える科目から学びはじめ、秋ごろから本格的な受験勉強を始め、志望する高校に合格しました。

趣味で気分転換をしながら学校復帰を果たしたBさん

中学2年でキズキ共育塾に入塾した生徒さん(以下、Bさん)がいました。

Bさんも入塾当時は不登校だったのですが、演劇を趣味とし、所属する市民劇団には精力的に出かけていました。

演劇の話になると生き生きと話す姿が印象的で、保護者さまも「学校には行っていないが、市民劇団で友人がいて、出かけることができている」と話しており、Bさんが不登校であることには注目しすぎず、趣味を尊重する姿勢でした。

Bさんは、市民劇団で公演を成功させることなどによって、自分に自信をつけたようでした。また、それまで出会ったことのないタイプの人たちと知り合い、楽しく接したことが「充電」や「支え」にもなったようで、学年が変わるタイミングで学校に復帰することができました。

復帰後も、休日は市民劇団に精力的に出かけることによって気分転換を行い、その後も継続して通学することができました。

キズキ共育塾では受験勉強を行い、演劇に関係することを学べる高校に合格を果たしました。

不登校からの復帰のサポートをしています

キズキ共育塾では、中学不登校から学校復帰と受験合格を果たした生徒さんや、高校不登校から大学進学を果たした生徒さんが多くいます。

保護者さまだけ、ご家族だけで悩まずに、お気軽にご相談ください。それぞれのお子さまやご家庭の事情に応じて、より具体的なお話ができると思います。

<※紹介した生徒さんの事例は、記事の趣旨を損なわない範囲で、個人の特定ができないように一部事実を変更しています。>
<※文中の写真は、全てイメージです>

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