発達障害のある子どもにおすすめの塾 おすすめの形式や塾選びのポイントを解説
こんにちは。発達障害のある生徒さんを完全個別指導でサポートする完全個別指導塾・キズキ共育塾です。
発達障害や発達障害グレーゾーンといわれる特性がある場合、本人に悪気はないのに、周囲に誤解されることが幼少期から多くあります。
それに加えて、「勉強」という新たなテーマが始まるのが小学校以降です。
- 学校の勉強をサポートしてほしい
- 受験に向けて準備をしたい
- そもそも何から始めたらいいのか分からない…
不登校や気分の落ち込みといった二次的な課題がある場合には、より一人ひとりを丁寧にみていく必要もあり、新たな悩みが次々と出てくる時期だと思います。
サポートしてくれる場所を探したくても、どのように選べばいいのか、迷うのではないでしょうか。
- 発達に特性があっても、安心して通える場所とは、どんなところなのか
- 目標に近づく力を付けていけるような場所とは、どんなところなのか
このコラムでは、発達障害や発達障害グレーゾーンといわれる特性がある場合の塾選びについてキズキ共育塾の知見に基づきながら、キズキ共育塾の現役講師である筆者が思う大切なポイントを踏まえて解説します。
目次
発達障害のある子どもに塾ができるサポート6つ
発達障害のある子どもに塾ができることはたくさんあります。
この章では、塾ができる、具体的なサポート内容を紹介します。
お子さんにどんなサポートが必要なのかを、具体的に考えていきましょう。
サポート①補習:学校の勉強サポート
発達特性に伴って下記のようなことがあると、集団授業である学校生活で困ることが次々に出てくるものです。
主な困りごと
- 教科書の文字をうまく追えない
- 漢字の形を捉えづらい
- 長時間座っているのが難しい
- 宿題や課題の提出が間に合わない
- クラスメイトとうまくいかず、学校に行きづらい
こうした困りごとは、塾でさまざまな事前準備や、振り返りが可能です。
サポートの例
- 授業の流れを確認し、必要なサポートは何か一緒に考える
- 音読や漢字の練習、問題を解いておくなど、教科書の予習をする
- テストの準備をする
- 宿題を一緒に終わらせる
- 欠席などで遅れている範囲を一緒に勉強する
このような具体的な対策ができると同時に、学校で「ぶっつけ本番」になることを避けるだけでも、心に余裕が生まれます。
サポート②受験対策:中学受験、高校受験、大学受験、高卒認定試験など
さまざまな受験がありますが、共通しているのは、「受験勉強には、日常の勉強と比べて特別な対策が必要」という点です。
必要な科目、出題傾向、過去問対策、各種申し込みなど、志望校に沿った情報収集が大切になってきます(発達障害に関連してサポートを受けられることもあります)。
特に大学受験は、入試改革で変更点も多く、塾で一緒に確認できると安心です。
また、受験勉強で重要になるのは、時間の使い方です。同じ1時間をどう使うか、塾で計画を立てていきましょう。
サポートの例
- 自分にとってベストな目標は何かを一緒に考えてくれる
- 志望校合格に必要な最新の情報を収集する
- 半年、3か月、1か月、1週間、1日、の勉強スケジュールを作る
- 勉強を継続できるように励ます
- 実際に時間を計って過去問演習をする
サポート③相談:勉強の仕方から進路まで、幅広く
そもそも、勉強や進路について、何をしたらいいのか分からない場合もたくさんあります。
発達特性に伴った「わからない」もあるでしょう。
- 今、何に困っていて、どうしたいのか?
- 解決するには、どんな対策が必要になるのか?
ひとりで(お子さんだけ、親だけ、家族だけで)考えるよりも、アドバイスをもらうことで選択肢が広がります。
また、「相談する」という行動は、自然に社会性のスキルを磨く、よい練習になります。
サポートの例
- 特性に合った勉強の仕方を一緒に考える
- 効果的な学習方法のアドバイスをする
- 勉強計画の立てかたを教える
- 進路の相談に乗る
- 友達関係や家族関係など、生活面の相談に乗る
- 保護者からの相談も随時受けつける
サポート④学習習慣:「決まった時間の勉強」で習慣作り
家で毎日同じ時間に勉強する。これは想像以上に難しいことです。
発達障害の特性があれば、なおさらかもしれません。
勉強に集中できる環境作りが大切です。
「体調が悪いときにはオンラインでも参加できる」などの柔軟な対応をしてくれる塾だと、継続しやすく、学習習慣がつきます。
学習習慣がつくことによって、生活リズムにもよい影響があります。
サポートの例
- 振替や講師交代など、継続できるような工夫をする
- 当日でもオンライン授業に変更できる
- 毎日やるべきことを計画表に書く、などの個別対応をする
- 英単語アプリなど、本人が続けやすいツールの使用を認める
サポート⑤居場所:合う場所に通えれば居場所にも
居場所というのは誰にとっても大切なものです。
居心地の良い場所とは、他人の評価や要求に左右されず、自分らしくいられて、安心感を感じられる場所です。
発達障害の特性があると、学校や塾が居心地の悪い場所になることもあるかもしれません。しかし逆に、発達障害の特性に理解がある場所であれば、居場所になり得ます。
さまざまな困難を経験している当事者の先生やスタッフがいる場所なら、さらに安心です。
サポート⑥ソーシャルスキル練習:自然に対人関係の練習も
集団生活である学校では、さまざまな対人関係の困りごとが出てくるものです。
そうした困りごとの対策としては、公的機関などが主催する「ソーシャルスキルトレーニングを受けられる機会」を利用する方法もあります。
そして、発達障害に理解のある塾でも、授業を通じて、対人関係で困らないようにするための工夫も練習できるでしょう。
挨拶をしたり、会話をしたり、色々な考えの人に触れたり…失敗を気にせず、自然に練習をすることができます。
発達障害、発達障害グレーゾーン、特性に合った塾はどんな場所?
ひとくちに発達障害、発達障害グレーゾーンといっても、特性はさまざまです。
また、「困りごとの(具体的な)内容」も、過ごす環境などによって変わるでしょう。
お子さんの今の状態をよく見たうえで、どのような場所が通いやすいか、考えていきましょう。
ASDのある子どもに合う塾
ASDには、「社会性の障害」「強いこだわり」「味覚、聴覚などに偏りがある」といった特徴が見られます。(参考:西永堅『子どもの発達障害と支援のしかたがわかる本』)
ASDのある人によく見られる行動特性の一例
- 人の気持ちや表情が読めない
- 興味の幅が狭い
- パターン化されたものを好む
- 感覚過敏がある
このような特性がある場合、次のような対応ができる塾だと安心です。
サポートの例
- 音が気になるとき、机や椅子の脚に緩衝材をつけられる
- タブレット端末など視覚的に分かりやすいツールを使って授業ができる
- 関心のある話題に沿って説明してくれる
- 趣味の雑談や相談などができる
- 相性の合う決まった講師がつくように講師交代ができる
- ひとりでクールダウンをする必要があればいつでもできる
ADHDのある子どもに合う塾
ADHDには、「不注意」「多動性」「衝動性」といった特徴が見られます。
ADHDのある人によく見られる行動特性の一例
- 忘れっぽい
- 集中力が続かない
- 感情のブレーキがきかない
- 待つことが苦手
- 授業に集中できない
- 忘れ物が多い
このような特性がある場合、次のような対応ができる塾だと安心です。
サポートの例
- 色々なものが目に入って集中できないとき、必要なもの以外は片づけられる
- 自由に立ち歩いても怒らない
- 10分勉強したら2分休憩など柔軟に対応してくれる
- 忘れ物などをいちいち怒らない
- いつでも肯定的なコミュニケーションを徹底してくれる
- 終わりが見えるよう、最初に授業の手順を箇条書きしてくれる
- 落書きをするなど、本人にとっての気分転換を認めてくれる
- タブレットを本人が操作するなど、動きを取り入れた授業をしてくれる
SLD(限局性学習症)のある子どもに合う塾
SLD(限局性学習症・限局性学習障害)では、お子さんそれぞれで、苦手な内容が異なります。
特定の勉強分野が極端に苦手なので、「怠けているだけ」と誤解を受けやすい面があります。
SLDのある人によく見られる行動特性の一例
- 文字を正しく書けない
- 漢字を全体で捉えられない
- 計算が苦手
- 音読で文字を追うのが難しい
このような特性がある場合、次のような対応ができる塾だと安心です。
サポートの例
- 板書を写真に撮り、ノート代わりにできる
- 授業で必要な場所は録音できる
- 読み上げ機能があるアプリなどの使用を許可してくれる
- 漢字パズルなどを適宜使用しながら勉強できる
- 内容を線で区切る、視覚的な手がかりをつけるなど、板書に工夫をしてくれる
- 得意な勉強も交えておこなうなど、できていることを自覚させてくれる
補足:発達障害グレーゾーンの子どもに合う塾
発達障害グレーゾーンとは、発達障害と同じ特性や傾向がいくつか認められるものの、診断基準を全て満たすほどではないため発達障害と診断されるには至らない状態を指します。
つまり、医学的に正式な診断名称ではありません。
「発達障害であると確定診断をつけることができない状態」を、発達障害の「グレーゾーン」と表現しているのです。
特性に伴う困りごとはあるものの、確定診断がないため、誤解をされやすく、叱られたり、からかわれる、といったことが起こりやすくなります。
日常生活に困ることがないならば、個性と捉えてよい範囲、と考えましょう。
しかし、学校生活で困難を抱えている場合は、診断がなくても上記のような特性に合ったサポートを受けることで、スムーズに過ごしやすくなります。
発達障害のある子どもに合った塾の形式とは?塾の形式5選
塾にはさまざまな授業形式があります。
適した環境を選ぶためにも、どのような違いがあるかみていきましょう。
形式 ①集団授業
先生1人に対して生徒が数十人いる、学校のような形式の授業です。
先生が前に立って板書と説明をし、生徒は話を聞きながら必要なことをノートに書き込む、という進め方になります。
以下のような人に向いている形式です。
- クラスメイトが周りにたくさんいるほうが刺激になる
- 情報が多く入ってくるほうがよい
- 学校のような環境がよい
形式②小人数授業
先生1人に対して生徒が数人いる形式の授業です。塾によっては、「個別指導」と表現することもあります(先生と生徒が1対1になるのは、次項の「完全個別指導」です)。
先生が前に立って板書と説明をしますが、ある程度、生徒のペースに合わせながら進めていきます。
以下のような人に向いている形式です。
- クラスメイトは何人か周りにいたほうがよい
- 集団授業よりは一人ひとりに沿った対応をしてほしい
形式③(完全)個別指導
(完全)個別指導とは、先生と生徒が一対一で授業をおこなう形式です。
ほかの生徒に合わせる必要がないため、一人ひとりのペースに沿って進めていきます。
以下のような人に向いている形式です。
- 外部からの刺激が少ないほうがよい
- 周りに合わせる必要がないほうがよい
- きめ細やかなオーダーメイドの対応をしてほしい
形式④オンライン
パソコンや携帯電話のビデオ通話システムなどを使った形式の授業です(リアルタイムで授業を受ける場合もあれば、動画の教材を見る場合もあります)。
集団授業の場合も、個別指導の場合もあります。体調がわるい場合などだけオンラインにできる、通塾とオンラインを併用できる塾もあります。
以下のような人に向いている形式です。
- 外に出る必要がないほうがよい
- 好きな場所で授業を受けたい
- 直接人と会わずに授業を受けたい
- 通塾時間を気にせず塾を選びたい
形式⑤家庭教師
先生が生徒の自宅に訪問しておこなう形式の授業です。
勉強だけではなく、趣味の共有・雑談・外出同行・カウンセリングなどの様々なサポートをしている塾もあります。
参考:キズキ家学
以下のような人に向いている形式です。
- 自宅でリラックスして対面授業を受けたい
- 自宅にある教材を使いたい
- 家族のサポートも受けながら授業に参加したい
発達障害のある子どもの塾選び、大切なポイント5点
これまで考えてきたことを踏まえ、塾選びにおいて大切になるポイント5つをみていきましょう。
ポイント①オーダーメイド?:特性は人それぞれ。個別対応が大切
発達障害の特性は、本当に一人ひとり違います。
不登校や気分の落ち込みなどの二次的な課題がある場合には、ゆっくりと時間をかけて、一人ひとりの話を聞いていくことが大切になります。
それに加えて、塾に求めることも、「小学校の計算から丁寧にやりなおしたい」「英文法をゼロから勉強したい」「志望校の入試傾向に合わせて学びたい」など、一人ひとり違います。
やはり、特性に応じて、オーダーメイドに対応してくれる塾であることが第一です。
先生との相性、希望に沿った個別のカリキュラム、特別に配慮してほしいことなど、柔軟に対応してもらえる塾を選びましょう。
ポイント②相談しやすい?:親も子どもも気軽に相談したい
何か困ったことがあるとき、質問があるとき…。相談できない雰囲気では、だんだんと行きづらくなるものです。
発達障害の特性がある場合には、特に細やかで臨機応変な対応が必要になるため、相談体制が柔軟な塾を選びましょう。
発達障害に対する知識や経験があることはもちろんのこと、発達障害の当事者である先生やスタッフが在籍している場所なら、状況に応じた対応に関する知見があるため、さらに安心です。
「プライバシーをしっかりと確保してくれるか」「直接相談しづらいことはオンラインやメールでも対応してくれるか」といった点もポイントになります。
ポイント③続けやすい?:振替、講師交代、オンライン併用は要チェック
勉強は、継続することが大切です。
体調がわるい時、突然都合が悪くなった時など、柔軟に対応してもらえるか、という点はとても大切になってきます。
「欠席した授業を振替できる」「当日にオンライン授業に変更してもらえる」といった臨機応変な対応ができる塾だと、継続しやすくなります。
また、講師との相性も重要です。「講師の交代が可能か」「交代を気軽に申し出ることができるか」といったこともチェックしておきましょう。
言い出しづらいと、それだけで行きづらくなるものです。
ポイント④専門性?:発達障害への知識と理解がある指導か
発達障害への支援は、正しい知識と経験が不可欠です。
見当違いのサポートは、せっかくの熱意があっても逆効果になります。
最近では、「発達障害」ではなく「神経発達症」と呼称するように変わってきているなど、日々刻々と状況は変化していきます。本コラムでは、わかりやすさを重視し、従来の「発達障害」などの用語を用いています。
発達障害に関する知識のアップデートをおこなっているか、という点は大切なポイントになります。
ポイント⑤居心地は?:実は大切。特性があっても居心地の良い雰囲気か
居心地というのは、勉強と深く関わっています。
こういうことをしたら迷惑にならないか、というようなことを考えなければならない場所では、行きづらいだけでなく、勉強に集中することも難しくなるものです。
特に受験勉強では時間の使い方が大切になるので、集中しやすい場所を選ぶことが大切です。
他人の評価や要求を気にすることなく、自分らしくいられて、安心感を感じられる場所であるか。体験授業に行ってみることも大切です。
安心感をもって、落ち着いて勉強できる場所を探しましょう。
私たちキズキ共育塾は、発達障害のある人のための、完全1対1の個別指導塾です。
生徒さんひとりひとりに合わせた学習面・生活面・メンタル面のサポートを行なっています。進路/勉強/受験/生活などについての無料相談もできますので、お気軽にご連絡ください。
発達障害のある子どもの塾選び〜キズキ共育塾の生徒さんの体験談〜
この章では、発達障害や発達障害グレーゾーンといわれる特性がある生徒さんたちの実際の体験談をご紹介します。
参考:キズキ共育塾『体験談』
体験談①発達障害のある子どもの補習~H・Fさん中学1年生~
子どもは中学校を不登校で、発達に特性があります。キズキ共育塾入塾にあたって、本人が勉強する気になるかどうかは不安でした。しかし、入塾からしばらく経って、「数学だけは中間試験を受けてみようかな」と発言があり、驚きました。
日々の会話からも、講師への信頼が増していることが伝わってきます。「同じゲームが好きで、話が合う」「プログラミングに使えそうな高校数学を教えてもらった。まだ自分では使えないけど面白かった」などなど…。本人の興味の方向に合わせた授業をしてもらい、ありがたいですね。
H・Fさんの体験談をより詳しく知りたい人は、以下の体験談をご覧ください。
体験談②発達障害のある子どもの中学受験~M・Tくん小学4年生~
小学生の息子は、二人ともSLD(限局性学習症・限局性学習障害)で、二人とも「自分は勉強ができない」という漠然とした不安を常に抱えていました。
彼らに勉強の楽しさを実感してもらうには、年頃の彼らの自尊心を傷つけずに、近い目線からアドバイスや励ましをくれるお兄さん・お姉さんの役割を担ってくれる先生との出会いが必要なのではないかと考え、キズキ共育塾を訪れました。
実際にキズキ共育塾に通ってみると、とことん個人に寄り添ってくれるという印象を受けました。
息子たちを学習障害として捉えるのではなく、一人の個人としてこれからどうしたらよいかを真剣に考えてくれる場所であると感じましたね。
他の塾ですとやはり勉強の上での関わりが第一になりますが、キズキ共育塾の先生方は勉強以前のお互いの信頼関係に対してすごく意識的でした。
息子たちをすごく繊細に見てくれて、本人たちにどういった興味関心あるいはこだわりがあるのかといったことにとても注意してくれました。
キズキ共育塾の先生方は、どうすれば面白く教えることができるかを常に考えているようでした。
例えば先生は、「正解したらシールをあげる」「化学反応を授業中に実際に見せる」といった工夫をしていました。
そのおかげか、息子たちは毎回楽しそうな様子で帰宅してきましたね。
キズキ共育塾に通い始めてからは、息子たちは自分から学ぶことに積極的になってくれました。
特に兄は、「毎日、漢字の勉強をする。やるまではゲームをしない」というルールを自主的に作りました。
毎朝学校へ行く前の10分〜15分しっかりと勉強してから登校するようになりましたね。
「やらされる」のではなく「自分のために勉強する」、という意識が定着したのがよかったのだと思います。
兄が無事に私立中学校に合格したときはホッとしました。
自分に合っている学校に進めることは、本人にとってとてもよいと思います。
弟の進路についてはまだ具体的に考えていませんが、本人が望むようであれば私立中学校に行くのもいいかな、と思います。
不登校やひきこもりの子どもは、人一倍繊細で賢い子が多いと思います。
そういった繊細さ・賢さを理解してくれる先生たちがいれば、気持ちが楽になり、立ち直るきっかけになるのではないかと思います。
入塾にハードルを感じる保護者の方もいらっしゃると思いますが、一度キズキ共育塾に来て講師の方々と話してみると、前向きな方向性が見えてくると思います。
M・Tさんの体験談をより詳しく知りたい人は、以下の体験談をご覧ください。
体験談③発達障害のある子どもの高校受験~H・Kさん中学3年生~
息子は、小学生の頃に不登校を経験しています。課題が多すぎて提出できず、学校に行かなくなりました。中学校は問題ない程度に通学していましたが、小学校からの勉強の基礎が抜け落ちており、高校受験にあたってキズキ共育塾への通塾をはじめました。
キズキ共育塾を選んだ理由は、息子は正確な時間に出発・到着するのが苦手で、通学型オンリーの集団塾は相性がよくないためです。キズキ共育塾はそのような状況への理解がありました。また、完全個別指導だからこその細かいケアをしてくれそうな点も入塾の決め手のひとつです。
初回の面談時から「息子さんに合った学習法を一緒に考えていきましょう」と言ってくれたことに安心した覚えがあります。キズキ共育塾なら「息子の様子や自発性にあわせて柔軟に対応してくれそうだな」と感じました。実際に、入塾後もキズキ共育塾の方々の対応にはいい印象しかありませんね。
息子は、結果的には、全ての授業をオンラインで受講しました。息子の場合は、オンラインでの受講スタイルが正解だったようです。キズキ共育塾の「受講スタイルを通塾とオンラインから選択できる方式」は、自由度が高くとても助かりましたね。
それに加えて、受験勉強を続けることができたのは、授業時間の振替などを柔軟に対応いただいたおかげだったと思います。
キズキ共育塾で主要3教科を学び、高校には無事合格。旅行で以前訪れたニューヨークをきっかけに海外に興味を持ちはじめたようで、英語に強い高校に入学しています。
海外に興味を持ちはじめてからは、海外の大学への留学を希望するようになりました。最近は、英語でニュースを読んだり、スマホを英語対応にしてみたり、高校の三者面談では自分から先生に話を振って海外の大学を含めた選択肢について相談したりと、個人的にも努力を継続しています。
「高校に合格したからキズキ共育塾をやめてもいいよ」と伝えたところ、本人から「○○先生に英語を習いたい」との希望があり、英語のみ継続して受講しています。
現在は英検受験に向けて勉強中。模試や英検プレテストはすでに8割程度とれているようで、内容を見ても「よくこの短期間でここまで英語力を伸ばしたな」と、驚いています。
英検取得という目標もあり、前を向いて頑張る我が子の姿に日々感動しています。
キズキ共育塾に通いはじめてからの子どもを見て、結局、重要なのは本人のやる気(を出せるようにする方法)なのだと知りました。親ができることは環境の提供のみ。その意味でキズキ共育塾を選択できたことは、一番の正解だったと振り返って感じます。
先生とのエピソードなどは息子から聞くばかりですが、授業内容に関係ない話も含め、やっぱり「やる気」のためには目標の設定と先生との相性がとても大事なのだと感じるばかりです。
今後も息子に任せて、キズキ共育塾との関係を大事にしながら、成長していく姿とその成果を見守っていければと思います。
H・Kさんの体験談をより詳しく知りたい人は、以下の体験談をご覧ください。
体験談④発達障害のある子どもの大学受験~K・Hさん17歳~
通信制高校に通っていた息子は、対人コミュニケーションや複数のことを同時に考えることなどが苦手でした。勉強も得意ではなく、英語は特に遅れていたと思います。
そんな状況に息子自身も危機感を覚えたようで、キズキ共育塾をインターネットで見つけてきました。通いたいと提案してきたので、「もし息子に合わなくても、別の塾を探せばいい」と、気軽な気持ちでキズキ共育塾に問い合わせましたね。
入塾以後は息子に寄り添って相談にのってくれたりと、手厚い対応に助けられました。おかげで息子も大学に入学できています。
ただ、まだまだ勉強が遅れているところはあるはずです。「大学入学後も再度通える場所」という安心感が、キズキ共育塾にはあります。これから先に勉強面で焦ることがあっても、「学習を生涯支えてくれる場所」という位置づけで捉えています。
K・Hさんの体験談をより詳しく知りたい人は、以下の体験談をご覧ください。
体験談⑤発達障害のある子どもの高卒認定試験~M・Sさん18歳~
娘は周囲の環境が気になりやすい性格で、集団で授業を受けるのが苦手でした。その影響から、高校を中退しています。
高卒認定試験のための勉強法がわからず、苦労していたときにキズキ共育塾を知りました。入塾前の時点で、高卒認定試験の科目決めの相談ができたことは、大変助かりました。おかげで期日までに願書を出すことができました。
入塾にあたっては、「先生と相性が合うか」「環境に馴染めるか」「家から少し離れているため、通うことができるか」など不安は多かったのですが、面談で話を最後まで聞いてもらえて安心できました。
娘はまだまだ勉強に苦労している様子ですが、高卒認定試験合格のために生活リズムを整えようと努力しています。親としては変化を感じていますね。
M・Sさんの体験談をより詳しく知りたい人は、以下の体験談をご覧ください。
キズキ共育塾の現役講師からのアドバイス
この章では、発達障害や発達障害グレーゾーンといわれる特性があるときの塾選びのポイントについて、キズキ共育塾の専任相談員である半村進と、現役講師である筆者からのアドバイスを紹介します。
アドバイス①前向きなエネルギーをくれる塾がいい
発達に特性がある場合には、診断名が同じであっても、本人が今の時点でとりかかりやすいもの、続けやすいものは、一人ひとり違います。それを丁寧に真面目に考えてくれた上で、深刻にならずに明るくアドバイスをくれる、そんなサポートがより求められると思います。
ですから、そのようなサポートをしてくれる場所や人に、遠慮なく力を借りて、新しい一歩を踏み出してもらえたらと思っています。
私(半村)自身は発達障害の診断は受けていませんが、関連する経験に基づいて、そういうサポートの大切さをお伝えします。私が大学生だった頃、卒業論文を書くことになったときのお話です。
卒業論文の執筆に際して、とても困ったんです。テーマを自分で決めなきゃいけないし、何よりこれまでやったことがない。まったく書けないし、何をやればいいかも分からない。そんな状況が始まったんですね。
正直すごく怖いし、やりかたが全然わからないのだけれど、そのことを誰にも相談できなかったんです。
やれる気がまったくしませんでした。どんどん自分だけで内にこもっていって、「自分はだめなやつだな」「まわりの人は今頃どんどん進めているはずなのに…」という感覚だけがつのりました。
でもそんなとき、自分が前を向くきっかけになったことが2つあったんです。
1つ目は、その時の自分がある程度できそうなことで、なおかつ自分ができそうな方法で、「これくらいやれば大丈夫だよ」という例を見せてくれた人がいたことです。
理想的で完璧なものではなくても、ちょっと調子が悪くて全然書けない気がしてても、これくらいできれば大丈夫だよと、その人はアドバイスをくれました。それをきっかけに、私は卒業論文にとりかかることができたんですね。
勉強に限らないのですが、何かを始めるとき、自信もないし、やりかたも分からないし、何から始めたらいいのか検討もつかない…。そんなことがあると思うんです。
そんなときに、まずは今の時点でできそうなことをちゃんと見極めてくれて、「これくらいまでやればまずは大丈夫なんだよ」ということを示してくれる存在がいることが大事なんだと感じました。
2つ目は、自分がもう何もやれる気がしなくて、内にこもりやすくなっているときに、自分が抱えている悩みや困りごとを真面目に考えてくれた結果、明るく楽しそうにアドバイスしてくれる人が、とても大きなエネルギーをくれたことです。
真面目に語ることと深刻に語ること。これは全くの別物だなと感じたんです。この語りかた、というのが馬鹿にできないんです。
相手のことをちゃんと考えようとすると、特に親子であったりすると、深刻になりすぎることが多いでしょう。しかし、自分自身が深刻な状況にあるとき、出会う人出会う人がみんな自分に対して深刻そうにふるまってきたら、本人としてはとてもつらいなと感じると思うんです。
なにか悩みや問題があるときは、そのものずばりの答えは必要ないんです。
誰かが自分の悩みや困りごとを真面目に聞いて、考えてくれて、深刻な雰囲気を出さず楽しそうに前向きに自分に語ってくれる。そのことそのものが、すごくエネルギーをくれました。
そのエネルギーがきっかけで、「自分もちょっと何かやってみてもいいかな」という前向きな気持ちにつながるはずです。
家族でもいいし、家族以外の誰かでもいいので、そんな存在が必要だと感じました。
アドバイス②「自分にとってのベストな目標」を一緒に探し、一緒に達成していける塾がいい
どんな小さなことでも、自分で思いついたことをやり遂げたとき、人はすっきりとした嬉しさを感じます。
人から指示されたのではなく、これをしよう、と自分で決める。
やりとげるための方法をあれこれ考えてみる。
そして、無事に目標を達成できると、とても嬉しく、よい体験となって心に残り、次はあれもやってみようかな、といった明るい気持ちになるものです。
勉強でも同じです。
「今日は漢字を5つ覚える」と自分で決めて、実際に覚えられた。
こういった一見小さなことの繰り返しによって、自信がつき、苦手だったことにも挑戦する元気がでてくる。そんなふうに思います。
それをそばで見てくれていたひとがいて、認めてもらえたら、さらに嬉しくなります。
突然、高い目標を掲げるよりも、小さな達成感の積み重ねが、目標への近道なのではないかと思っています。
まずは比較的やる気の出ること、好きなこと、得意なことを選び、少し頑張ったら達成できそうな目標から始めましょう。
こんな小さなこと、と切り捨てるのではなく、自分で立てた目標を自分で達成できた、という一連の流れを体験することが、自信と自律につながります。
「学校の宿題を1ページやる」、「朝7時に起きる」、何でもかまいません。
しかも、いきなりひとりでやる必要はありません。一人ひとりに合わせたサポートをしてくれる場所を選び、一緒に少しずつやってほしいと思います。
最初からうまくいく必要もありません。何度も失敗を繰り返しながら、一緒に進んでくれる場所を選びましょう。
他人と同じである必要はまったくありません。
自分だけのベストな目標を大事にしてほしいと思います。
アドバイス③「基本的な社会のルールを学べる」「相談できる」この2つができる塾なら大丈夫
発達障害や発達障害グレーゾーンといわれる特性があると、苦手なことばかりに目が行き、生活面でも勉強面でも、あれもこれも克服しなければ…と思うかもしれません。
しかし、私の経験上、「基本的な社会のルールがわかる」「困ったときに相談できる」、この2つを目標にすれば問題ありません。
社会で暮らしていくとなると、毎日が応用編ばかりです。
友達が困っていたらなぐさめよう、と学んだとしても、そっとしておいてほしいときもある…といったことが日常茶飯事だからです。そのため、ひとつひとつ全てを網羅しようとすると、きりがなくなります。
ですから、なにか困ったときは、誰かに相談すればよい。
これだけでいいと思います。
「困ったことがあっても、そのときは誰かに相談して解決すればいい」という気持ちで、子どもたちに安心感を持ってもらいたいと思います。
そのためにも、気軽に相談できる場所を探し、どんどん相談の練習をしていきましょう。
キズキ共育塾はそんな場所でありたいと思っています。
安心して自分に合った場所で「相談しながら」勉強を重ねていきましょう。
改めて、発達障害とは?
この章では、改めて発達障害の概要についてご説明します。(参考:黒澤礼子『新版 大人の発達障害に気づいて・向き合う完全ガイド』 )
すでにご存知かもしれませんが、これまでに紹介した内容の理解も深まると思いますので、ぜひご覧ください。
発達障害とは、脳の機能の発達のバランスが生まれつき定型と異なる場合の総称です。
もちろん、どんな人でも脳の機能には多少のばらつきはあります。
発達障害の特性は、それに由来する「苦労」はあるでしょうが、見方を変えると「個性」ともなり得る部分でもあります。
発達障害は生まれつきのものであり、親の育て方や環境に起因するものでは決してありません。
「発達障害」という言葉は、実は医学的には「神経発達症(神経発達症群、神経発達障害群)」に変更されており、その定義(症状)も変更されています。(参考:医学書院『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』)
同じく、発達障害中の分類・名称・定義なども変更されています。例えば、アスペルガー症候群はASDに変更されました。
しかしながら、「発達障害」や「アスペルガー」という言葉の認知・理解がある程度広がっていることから、現在でも慣例的に引き続き使用されることが多くなっています。
発達障害(神経発達症群)の分類・特性
続いて、発達障害者支援法(平成16年公布、平成28年改正)による、発達障害(神経発達症群)の定義に沿ってご紹介します。
第二条 この法律において『発達障害』とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう
(出典:e-gov『発達障害者支援法』)
これを3つに分類すると、以下の通りです。
- ASD(自閉スペクトラム症、自閉症スペクトラム障害)
- ADHD(注意欠如・多動性障害)
- SLD(限局性学習症・限局性学習障害)
なお、「発達障害かどうか」を診断できるのは医師のみです。
まだ診断を受けていない場合、ご紹介するような「傾向」が当てはまったとしても、親だけで「発達障害に違いない」などと決めつけず、医師の診断を受けましょう。
各分類の紹介を続けます。
ASD(自閉スペクトラム症、自閉症スペクトラム障害)
ASDとは、「自閉スペクトラム症、自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder)」を意味する発達障害の1種です。
(参考:医学書院『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』、宮尾益知『ASD(アスペルガー症候群)、ADHD、LD 職場の発達障害』、姫野桂『発達障害グレーゾーン』、厚生労働省「ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について」)
ASDのある人は、社会的なコミュニケーションを介して人間関係をつくっていくことが苦手だとされています。
また、強いこだわりや思い込み、対象への強い執着、感覚の強弱が極端といった特徴があります。
例えば、次のようなものがあげられます。
- クラスの子がみんなで歌を歌っているのに、一人だけ絵を描き始める
- 自分の興味のあるもの(電車や絵など)にしか興味を示さない
- 味覚や肌の感覚に強いこだわりがある
ASDの特徴として、「周囲への興味関心が薄いように見える」ということがあげられます。ただ、周囲の人たちとできればコミュニケーションをとっていきたいと思うASDの方々も少なくありません。
ADHD(注意欠如・多動性障害)
ADHDとは、「注意欠如・多動性障害(Attention-Deficit Hyperactivity Disorder)」を意味する発達障害の一種です。(参考:医学書院『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』、田中康雄『大人のAD/HD』、岩波明『大人のADHD:もっとも身近な発達障害』)
ADHDとは、「不注意・多動性・衝動性」が通常範囲を超えていて、その行動が生活上で支障をきたす状態を言います。
注意や興味を持続することが困難なため、学習に集中して取り組めないことが多く、ミスや忘れ物の頻発、授業中に立ち歩くなどの行動から、学校生活でトラブルを起こしやすくなります。
そのせいで叱られたり、周囲から不当な評価をされたりするような状況が続くと、劣等感が強くなるなどの二次障害につながることもあります。
例えば、次のような特徴があります。
- 授業中に立ちあがり歩き回る、おしゃべりが止まらない
- 注意されても忘れ物をしてしまう
- 思ったことをすぐ口にする
- 我慢できないので順番が待てない
その特徴から、家族、特に親が非難されやすく、親子関係の悪化につながることもあります。
SLD(限局性学習症・限局性学習障害)
SLDとは、「限局性学習症・限局性学習障害(Specific Learning Disorder)」を意味する発達障害の一種です。(参考:厚生労働省「e-ヘルスネット 学習障害(限局性学習症)」)
SLDは、以下のように、主に3つのタイプに分類されます。
- 読字障害(ディスレクシア):文字や文章を「読む」ことに困難が生じる特性
- 書字表出障害(ディスグラフィア):文字や文章を「書く」ことに困難が生じる特性
- 算数障害(ディスカリキュリア):「計算する」または「推論する」ことに困難が生じる特性
読むこと、書くこと、計算することなど、特定の学習分野のみに困難が生じます。
SLDは、知的発達に遅れがなく、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」といった学習に必要な能力のいくつかに困難がある状況を言います。
例えば、次のような特徴があります。
- 字が汚い、漢字が覚えられない
- 繰り上がりと繰り下がりが理解できない
「字が汚い」などの特徴は、多くの子どもに見られるものではあるのですが、SLDの場合は、本人のがんばりにも関わらず、極端に苦手なのです。
まとめ〜まずはどんな内容でもいいので相談してみてください〜
ここまで、発達障害や発達障害グレーゾーンといわれる特性がある場合の塾選びにおいて、大切なポイントは何かについて考えてきました。
塾選びにおいて最も大切なことは、「安心できる場所かどうか」「自分に合ったオーダーメイドの対応をしてくれる場所かどうか」です。
発達に特性がある場合、お子さんも親御さんも悩みを抱え込んでしまいがちだと思います。
しかし、まずはどんな内容でもいいので、相談してみてほしいと思います。
このコラムが、あなたに合った塾選びの参考となれば幸いです。
私たちキズキ共育塾では、さまざまな相談を無料で行っています。
ぜひお気兼ねなく、お気軽にお問い合わせください。
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