
やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、不登校・偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。また、不登校の子どものための家庭教師「キズキ家学」、発達障害やうつ病の方々のための「キズキビジネスカレッジ」も運営。
こんにちは、通信制高校の受験や通信制高校生の大学受験についての多くの実績があるキズキ共育塾です。
あなたは、「通信制高校の受験を検討しているけれど、入試科目や対策法がわからない…」と悩んでいませんか?
また、入学後の流れや通信制高校卒業後の進路についての不安もあるのではないでしょうか。
この記事では、通信制高校の受験科目や受験対策、入学後の流れや卒業後の進路などにまとめて紹介し、通信制高校の受験への不安を解消します。
なお、この記事は基本的には「通信制高校の受験を考えている中学生」向けに書いていますが、親御さんや、通信制高校への転校を考えている現役の高校生の参考にもなると思います。
通信制高校の受験について、お役に立てば幸いです(長い記事ですので、読むのが大変…と思った方は、私たちキズキ共育塾にご相談ください。あなたのための受験対策を一緒に考えることができます)。
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目次
まずは、通信制高校について簡単に説明します(少し長いので、すでに通信制高校の仕組みをご存知の方は、次章「通信制高校の受験・入学資格」まで進んでOKです)。
通信制高校とは、簡単に言うと「毎日通う必要のない高校」のことです。
これに対して、「高校」と聞いてよくイメージされる、「平日に毎朝登校して、午後まで授業を受ける高校」は、全日制高校と言います。
通信制高校は正規の高校ですので、卒業すると、全日制高校と同様に、高卒の資格を得ることができます。
通信制高校全体のメリットや注意点の詳細については、コラム「通信制高校とは?特徴・メリット・選び方・オススメの高校などをご紹介」に書いていますので、気になる方はご覧ください。
また、具体的に気になる通信制高校がある場合は、資料請求や学校見学会・オープンキャンパスなどを利用して、実際の雰囲気などを確認することをオススメします(後述するように、面接や作文で何を聞かれるかを教えてもらえることもあります)。
通信制高校では、勉強は、学校から送られてくるテキストや動画を利用して自宅で行います。
高校側は、生徒が提出するレポートや課題などをもとに、生徒の勉強の成果や理解度を確認します。
レポート・課題の例としては、穴埋めの問題、教科書の内容を要約する記述式の問題などがあります。
自分のペースで勉強を進められるというメリットがある一方で、わからないところをすぐに質問しづらいという注意点もあります。
勉強については、「サポート校」という通信制高校生のための学習塾のようなところもありますので、通信制高校と合わせてサポート校に通うことで、より効率的に勉強を進めることもできます。
サポート校の詳細は、コラム「通信制高校とサポート校って、何が違うの?〜サポート校の概要・メリット・注意点など〜」をご覧ください。
通信制高校には、年に何回か、「スクーリング」という、登校する必要がある日があります。
スクーリングでは、教室で授業を受けたり、ホームルームや学校行事に参加したり、ということを行います。
スクーリングの回数や内容、文化祭や体育祭などの学校行事、そのほか生徒会活動や部活の有無・内容は学校ごとに大きく異なります。
通信制高校に限らず、高校を卒業するためには「3年間の在籍」と「一定の単位取得」が必要です。
3年間の在籍とは、文字どおり、「3年間、高校に在籍すること」です。
一定の単位取得とは、カンタンに言うと、「高校で学ぶ必要がある各科目(英語・数学・世界史など)について、学校が定める成績などの基準をクリアすること」となります。
通信制高校で単位を取得するためには、日々のレポート・課題の提出、スクーリング、年度末の単位認定テストの点数などで、それぞれ高校が定めた基準をクリアしていくことになります。
こうして、「3年間の在籍」と「一定の単位取得」をクリアすると、通信制高校を卒業できます。
通信制高校は正規の高校ですので、卒業すると、全日制高校同様に「高卒」の資格を得ることができます。
通信制高校は、中学校を卒業見込みの人や中学を卒業した人なら 、誰でも受験・入学することができます。
年齢制限はなく、中学を卒業してから数年〜数十年後に入学する人もいます。
通信制高校は、一般的には、全日制高校と併願して受験できます。
ただしもちろん、「受験予定の高校がどちらも公立で、受験の日が同じ」のような場合は、現実的には併願できません。
また、通信制高校側ではなく、全日制高校側の受験条件として「併願不可」となることもあるでしょう。
実際の受験日や併願の仕組みなどについては、各都道府県や各学校の受験制度を確認しておきましょう。
通信制高校の入学時期は、全日制高校と同様に、基本的には4月です。
中学在学中に受験に合格すれば、中学卒業直後に入学できます。
その上で、10月に入学を受け入れている高校も珍しくありません。
10月に入学する人には、「一度別の高校に通っていた人が、中退して再受験・入学」「中学卒業前後は体調の関係で受験できなかった人が、回復してから受験・入学」などがあります。
ただし、10月入学の仕組みがない通信制高校もあります。
10月入学をしたい人は、受験したい通信制高校学校の入学・卒業のタイミングを事前に調べておきましょう。
この章は、特に「現役高校生で、通信制高校への転校を考えている人」や「高校中退からの通信制高校への再入学を考えている人」への内容です。
通信制高校は、新入学だけでなく、中退経験者も含めて、別の高校からの受験・転校が比較的カンタンです。
逆に言うと、全日制高校は、別の高校からの受験・転校をあまり受け入れていません。
全日制への転校は、本人側には病気や親の仕事の都合、学校側には定員の空きなどの事情がない限り、認められないことが多いのです。
なお、新しく転校した通信制高校では、前の(今の)高校で取得した単位と在籍日数は、引き継ぐことができます。
これは、前の学校の日数と単位、そして転校のタイミング次第で、新しい高校には3年間在籍しなくても卒業できることがある、ということです。
転校について、正式には、前の高校を中退した翌日に転校することを「転入」、前の高校の中退日と転校日に間があることを「編入」と言います。
これは書類上の日付の話ですので、夏休みや不登校などで、転校前日まで実際に「登校」していなくても同じです。
転入・編入を受け入れるタイミングは、入学時期同様に、学校によって異なるので注意が必要です。
「転入は随時受け入れているが、編入は4月と10月に限る」といった高校もあります。
転入・編入の時期は、高校卒業の時期に関わってきます。
高校を卒業するためには、前述したように、「(転校前・後の高校の合計で)3年間の在籍期間」が必要です。
つまり、中退から転校までの間に、どちらの高校にも在籍していない日があると、元々のスケジュールでの「高3の3月(18歳になる年度の3月)」では卒業できなくなるということです。
そのため、すでに高校を中退している方は「18歳の3月」に高校を卒業することはできません。
もちろん、高校は18歳の3月に卒業しなくてはいけないものではありません。
ですが、あなたが高校生なら、「今の高校を中退したい理由」「18歳の3月に高校卒業を目指すかどうか」「実際にいつ中退・転校するか」などは、ご家族や、通信制高校に詳しい人などにも相談しながら決めていくことをオススメします。
この章では、通信制高校の受験科目、試験内容、難易度などについて説明します。
最初にお伝えしておきますと、通信制高校の入試は、一般的には難しくありません。
今の時点で勉強に不安があっても、これから対策を行っていくことで、合格は近づいてきます。
通信制高校の受験内容は、「書類選考」に加えて、「学力試験または面接または作文」というパターンが多いです。
全日制高校と同じと言えば同じなのです。
その上で、高校によって、書類選考のみだったり、学力試験がなかったり、面接・作文がなかったりと、受験内容は異なります。
具体的には、以下のようなパターンがあります。
いずれの場合も、一般的な全日制高校の入試と比べるとカンタンな内容と言っていいでしょう。
とは言え、受験内容ごとの対策は必要ですので、興味のある高校の受験内容は、事前に調査しておきましょう。
書類選考では、いわゆる内申点・調査書点が審査されます。
内申点(調査書)は、中学時代の成績、出席日数、生活態度などから決まります。
中学で成績が悪かったり出席日数が少なかったりすると心配かもしれませんが、一般的には、通信制高校の受験では内申点は重視されません。
例えば、都立の通信制高校である新宿山吹高校では、学力試験は20・内申点は3の割合で審査されます(内申点の約7倍、学力試験が重視されています)。(参考:東京都教育委員会 ※PDF「令和2年度入試実施方法一覧(別表1)」)
都立の全日制高校の審査の割合は、学力試験6・内申点4や、学力試験7・内申点3のパターンが多いので、その差は明らかです。
通信制高校は、内申点が低くても、全日制高校よりも合格する確率が高い、ということです。
通信制高校の受験では、書類審査(内申点(調査書)審査)に加えて、作文・面接が行われることが多いです。
一般的に、作文・面接では、「なぜこの高校に進学したいのか(志望動機)」「どのような高校生活を送りたいのか」などを聞かれます。
具体的な例として、私立第一学院高等学校では、「自分の未来について」というテーマの作文を書く必要があります(書類審査と面接もあります)。(参考:私立第一学院高等学校「入学までの流れ」)
面接や作文は、練習していないとうまくできないこともありますので、後で紹介するような方法で練習しておくことをオススメします。
書類審査や面接・作文に加えて、学力試験を行う高校もあります。
例えば、東京都の公立の通信制高校の場合、試験時間60〜70分、国数英3教科総合した筆記試験が行われます(参考:東京都教育委員会 ※PDF「令和2年度入試実施方法一覧(別表1)」)。
先ほども述べたように、通信制高校の筆記試験は、比較的カンタンです。
とは言え、筆記試験の点数はもちろん審査の対象となるため、対策は必要です。
この章では、いくつかの通信制高校の受験内容をご紹介します。
ここにご紹介する通信制高校はあくまでも一例です。
通信制高校は、全国にたくさんあります。
自分の住んでいる地域からどんな通信制高校に入学できるのか、その受験内容はどんなものか、その高校や学校・塾の先生などにも相談しながら調べてみましょう。
■東京都立高校(一橋高校、砂川高校、新宿山吹高校)
・受験方法:学力検査と調査書(学力検査の方が重視される)
※学力検査は国・数・英、45~70分と学校による
※作文と面接はなし(ただし、書類提出時に志望理由を書いて提出する高校もある)
(参考:東京都教育委員会 ※PDF「平成30年度東京都立高等学校定時制課程通信制課程入学案内 通信制課程 」)
■大阪府立高校(桃谷高校)
・受験方法:面接と調査書、又は面接のみ
※平成12年4月2日以降に生まれた方は「面接と調査書」、平成12年4月1日までに生まれた方は、「面接のみ」の受験となる。
(参考:大阪府教育委員会 ※PDF「令和3年度大阪府公立高等学校入学者選抜実施要項」)
■私立屋久島おおぞら高校(全国で生徒募集)
・受験方法:書類選考のみ(中学卒業者で、学習意欲のある人ならだれでも入学可能)
※通学コースの場合は条件が異なりますので、詳細は下記参考をご覧ください。
(参考:屋久島おおぞら高等学校 「入学についてのよくある質問」)
■私立駿台甲府高等学校(全国の複数地域で生徒募集)
・受験方法:作文と面接(事前に渡された用紙に作文を書き、面接当日に持参)
(参考:駿台甲府高等学校 通信制課程 ※PDF「2019募集要項新入生」)
■つくば開成国際高校 静岡校(静岡校で生徒募集)
・受験方法:個別面接(1人あたり15分程度)と作文
(参考:つくば開成国際高等学校「新入学の方(中学生)」)
ここからは、通信制高校の受験対策をお伝えします。
大前提として、通信制高校の受験対策は、あなた一人で全部を行う必要はありません。
在籍している中学校の先生や塾などを頼ることで、より効率的に対策を進めていくことができます。
中学校の先生には頼りたくなかったり、塾に行くお金がなかったり…という場合には、(親御さんと一緒に)お住まいの都道府県や市区町村のウェブサイトを見てみてください。
中学生や未成年の悩み相談窓口がありますので、そこに連絡してみましょう。
その窓口では「受験対策の相談」はできないかもしれませんが、地域にある入試対策の相談先を紹介してもらえる可能性があります(勉強方法などの無料相談を行っているNPO法人もあります)。
他の相談先も「中学生 悩み相談 NPO」「中学生 無料相談 塾」などの検索で見つかると思います。(私たち キズキ共育塾でも無料相談を行っています)。
そして、入学・転校を考えている通信制高校のオープンキャンパス・相談会も、有力な相談相手です。
学力試験の問題は教えてもらえないと思いますが、面接や作文については、「どのようなことを聞かれるか」「どのように答えを考えるか」などのアドバイスをもらえる可能性が高いです。
この章では、通信制高校の入試の作文対策について、具体的にお伝えします。
入試の作文には2種類あります。
AとBのどちらの作文を課されるかは、高校によって異なります。
Aの方式の場合は家でじっくり考えて書けますが、Bの方式の場合は限られた時間内に書く必要があります。
Bの場合、テーマは受験当日までわからないことがほとんどで、2つ以上のテーマが出題されることもあります。
文字数は、高校によって400字だったり800字だったりと様々です。(参考:明聖高校 「通信制高校の志望動機の書き方は?入試の作文・面接対策をしよう)
いずれにせよ、作文は練習が大切です。
そして、自分だけで練習すると、相手に通じる文章になっているかどうかがわからないため、自分が書いた作文は、大人の人にも読んでもらうようにしましょう。
受験したい通信制高校がどのようなテーマ・文字数の作文を出しているのかを事前に調べて、しっかり練習しておくことが大切です。
通信制高校によっては過去問をくれるところもありますし、学校や学習塾に過去問が置いてあることもあります。
また、学校見学会などで「どのような作文を書くのか」を質問できたり教えてもらえたりすることも多いので、ぜひ参加して確認してみてください。
参考として、作文でよく出るテーマについて以下にまとめました。
特に、「志望動機(あなたがこの高校に入りたい理由)」は出題される確率がかなり高いので、必ず練習しましょう。
内容ももちろん大事ですが、ていねいな文字で、誤字脱字のない作文を書くことも大切です。
作文で書いた「志望動機」は、後日の面接でもう一度聞かれる内容です。
「志望動機」は前もってしっかり内容を考えておき、作文と面接とで同じ内容を答えるようにしましょう。
次に、受験に必要な面接対策について、面接のポイントや、不登校だった場合の答え方の注意点などをお伝えします。
面接に向けて、聞かれそうな質問に対して、あらかじめ回答を準備しておきましょう。
面接では「やる気はあるか」「きちんと勉強をして卒業できる生徒か」ということを確認されます。
「〇〇高校に入りたい」という自分の思いをしっかり伝えられるようにしましょう。
なお、面接の前に、作文で「志望動機」「高校に入ってがんばりたいこと」などを書いた場合は、事前に書いた作文と矛盾しない内容を答えることが重要です。
面接担当者は、あなたが書いた作文を手元に持って面接を聞いています。
作文では「高校に入ったら数学の勉強をがんばりたい」と書いたのに、面接では「バスケ部に入ってがんばりたい」と答えたら、先生は「あれ?」と思ってしまいますよね。
作文・面接と一貫した回答ができるよう心掛けることがポイントです。
キズキ共育塾の指導実績に基づき、通信制高校の面接でよく聞かれる質問を以下にご紹介します。
回答の例としては、次のようなものがあります。
私は、○○という理由で全日制高校に通うことは難しいのですが、通信制高校ならその理由と関係なく勉強できると思い○○高校を志望しました。
特に、○○高校が力を入れているプログラミングの授業に興味があります。
中学1年生のときに、○○という本を読み、プログラミングに興味を持ちました。
高校生活を通じて、プログラミングの知識や技術を身につけたいと思っています。
卒業後はプログラミングに関連した大学に進学し、将来の仕事も関連したところを考えています。
上記はあくまで例ですので、ここまではっきりと、自分の興味や将来像を語れなくてもよいこともあります。
また、入学した後で自分の興味や、やりたいことが変わっても大丈夫です。
面接対策のポイントは、以下の2つです。
「なぜ〇〇高校に入りたいか?」を答えるためには、高校について知っておく必要があります。
通信制高校は、「プログラミングに力を入れている」「大学受験コースがある」「部活や学校行事がある」など各高校によって特色があります。
あなたが受験する高校の特色は何なのかを知り、「自分が何に魅力を感じて〇〇高校に入学したいと思ったか」を答えられるようにしておきましょう。
学校見学会に行くと、その学校の特色を説明してくれます。
「説明会に行ったときの、先生や学校の雰囲気がよかった」というのも立派な理由のひとつになります。
また、学校見学会では、「面接でどんな質問をされるか」を教えてくれる場合があります。
過去問(今までの面接でされた質問内容)をくれる学校も多いので、学校見学会にはぜひとも参加しましょう。
遠方の学校の場合は、オンラインや電話で問い合わせてみましょう。
また、面接には準備が大切です。
先生や親にも協力してもらい、前もって想定される質問の回答を考えておきましょう。
面接の準備の具体的な方法としては、以下のとおりです。
自分で考えた面接の質問・回答をノートに書いてみます。
そのノートを、学校や塾の先生や親に見てもらい、何度も直して「完成の回答」を作って行きます。
自分だけで回答を作らず、先生や親(大人の人)の視点からアドバイスをもらうと、面接担当者にも伝わりやすい回答内容になるので、オススメです。
回答が完成したら、先生や親に面接相手の役をしてもらい、練習をしましょう。
練習の際には、入室(ノック)、退室(お礼を言って部屋を出る)、氏名を名乗るなどの練習も合わせて行うと、当日の失敗も防げるでしょう。
面接の服装は、基本的には中学校の制服です。
他の高校から転入・編入する人は、今の高校の制服です。(制服が無い場合は、清潔で真面目さを感じる服装です)
社会人の人は、スーツ(オフィスカジュアル)で行きましょう。
髪の色は黒にします(社会人の人はおとなしい色でOK)。
前髪で顔が隠れないよう、前髪は短くするか、女性の場合はピンで留めるかにしましょう。
男性の場合、ヒゲは剃りましょう。
ピアス、ネックレスなどの派手なアクセサリーは控えた方がよいでしょう。
中学生・高校生年齢の人は、メイク・ネイルはしない方がいいです。
服装に不安がある場合には、「中学校の先生に聞く」か「受験する高校に問い合わせる」かすると教えてくれます。
また、面接中の態度も大切です。
背筋を伸ばしできるだけ姿勢をよくし、あいさつや返事はしっかりするようにしましょう。
一部ですが、親子面接が行われる高校もあります。
親子面接が行われる場合も、親子で面接の回答を準備し、練習していきましょう。
大切なことは、「子どもが答えるべきところを、親が代わりに答えない」ことです。
親に聞かれる質問としては、次のようなものがあります。
ここでは、特に中学校で不登校を経験した人に向けたアドバイスをお伝えします。
「面接で中学不登校だったことを正直に話していいのだろうか?」と、不安に思う不登校の方もいるかもしれません。
基本的には、不登校のことを面接で正直に話しても大丈夫です。
通信制高校には不登校経験者が多く入学しています。
不登校だったからといって落とされることはありません。
しかし、面接では以下の注意点があります。
逆にいうと、これらの注意点に対策を行うことで、合格の確率は高まります。
たとえば、朝起きられなくなって不登校になった場合です。
ただ「朝起きられなかったから」と回答すると、面接担当者に「怠けていた」といった印象を与える可能性があります。
回答する際には、「体調不良で朝起きられず、学校に行けなくなった」など、朝起きられなくなった理由や事情もあわせて伝えるとよいでしょう。
別の例として、中1のときの担任の先生が嫌いで不登校になった場合です。
こちらも、実際の事情がなんであれ、ただ「先生が嫌いだったか」と伝えると、面接担当者は「他人のせいにする傾向がある」などと受けとる可能性があります。
「中1のときの担任の先生が厳しい先生で自分と相性が悪く、先生について行こうと努力をしたけれど、中1の終わりに限界が来てどうしても学校に行けなくなってしまった」など、改善しようと努力した内容もあわせて伝えるとよいでしょう。
面接で正直に話すことはよいことですが、理由などもあわせて伝えることで、面接担当者があなたのことをより理解してくれるでしょう。
面接担当者が不登校に関連して知りたいことは、「不登校になった後、あなたがどう過ごしたか」ということです。
不登校になった後、あなたなりに改善している点や努力している点について話しましょう。
以下は、回答例になります。
未来に向けて、今後どうしていきたいかということを、あなたの言葉で面接担当者に伝えましょう。
なお、不登校だったかどうかに関わらず、面接担当者は、「あなたが通信制高校の課題をきちんと終えて、卒業できる生徒か」を審査しています。
前項の内容とも関係しますが、重要なのは、「今後の高校の勉強にはしっかり取り組み、卒業する気持ちがある」ことをアピールすることです。
通信制高校には、不登校経験者が多く入学しています。
なので、不登校経験があるから不利になるということはありません。
不安に思わず、「高校ではがんばりたい」という意志をアピールできるように準備しておきましょう。
最後に、面接にはマナーがあります。
面接のマナーについても、学校や塾の先生に聞いた利、次のような動画を見て勉強しておくことをオススメします。
(ColumbiaMusicJp「中学校特別活動 高校入試 面接合格DVD 第1巻 これだけは知っておこう!面接の基本」)
通信制高校の学力試験は、全日制高校と比較すると、カンタンなことが多いです。
ただ、そうは言っても、点数はもちろん審査されます。
そして、これから何をどのように勉強していくかは、「あなたの現在の学力」と「志望する通信制高校のレベル」によって、大きく違います。
面接・作文も同じですが、勉強については、中学の先生や、無料相談を行っている塾・予備校などに相談してみることを、特にオススメします。
相談は無料で行っている塾や予備校はたくさんあります(私たちキズキ共育塾でも無料で相談を受け付けています)。
相談の上、必要でしたら入塾も検討してみましょう。
また、塾に行くお金がない人は、スタディサプリ、家庭教師のトライの無料動画授業、勉強系ユーチューバーなど、お小遣いの範囲内で安く(または無料で)勉強できる動画もオススメです。
動画の例としては、「中学1年内容からやさしく教えてくれる動画」「作文の書き方を教えてくれる動画」「面接対策動画」などがあります。
ぜひ、親御さんと一緒に自分に合った勉強動画を探してみてくださいね。
ただ、動画で勉強する場合、何かわからないことがあった際に質問をすることが難しいため、できれば相談できる人も見つけましょう。
その上で、どうしても学力に不安がある、これから受験までに勉強し直せる自信がない…という場合は、「受験では、学力試験なし」の高校に絞って志望校を探す方法もあります(そういう高校もたくさんあります)。
ただしその場合も、当たり前ですが、高校に入学してからは高校レベルの勉強が始まります。
高校に入ってから勉強を進めていく方法も、先生や塾・予備校に相談しながら探していきましょう。
きっと、あなたに向いた勉強法が見つかります。
通信制高校の受験にあたっては、様々な書類をその高校に提出する必要があります。
書類には、「受験生が用意するもの」と「在籍・卒業・中退した中学や高校が用意するもの」の2種類があります。
以下、通信制高校を受験する上で必要な書類や準備について説明します。
こちらについても、親・中学校の先生・塾などを頼ることができそうでしたら、積極的に頼ってください。
受験生側で準備するのは、基本的には「入学願書」です。
入学願書を提出することで、その高校に「受験します」という意思を伝えることができます。
入学願書の入手方法は、各高校のウェブサイトなどに掲載されていますので、確認してみましょう(電話でも確認できます)。
入学願書に必要事項を書き込んだら、高校に送り返します。
なお、入学願書を送り返すときには、受験で審査される作文や住民票などを一緒に提出することが求められる場合もあります(住民票は、お住まいの市区町村役所で入手できます)。
入学願書以外に、あなたが何を用意する必要があるのか、きちんと確認しましょう。
高校受験のためには、在籍・出身中学や高校などが用意する書類も必要です。
入学願書や高校のウェブサイトに、「学校が用意する書類」が書かれていますので、何が必要なのかを確認しましょう。
一般的には、内申書が必要です(調査書や調査票など、別の言い方をされることもあります)。
内申書とは、あなたの中学での成績や出席日数、生活態度を中学校の先生が書いた書類成績や出席状況が記載された資料であり、書類審査のために利用されます。
推薦で受験する場合は、推薦書も必要です。
推薦書は、在籍・出身の中学の校長や担任の先生に書いてもらいます。
別の高校から転校する場合には、在学証明書や転学証明書などが必要です。
学校が用意する書類は、依頼から発行までにあなたの手元に届くまでに時間がかかる場合もあります。
入学願書を早めに取り寄せるとともに、学校にも早めに作成のお願いをしましょう。
この章では、通信制高校の受験に失敗することはあるか、失敗した場合どうするかについて、お伝えします。
まず前提として、通信制高校は「勉強して高校卒業したい人はなるべく受け入れる」といった姿勢の学校です。
そのため、通信制高校の受験は比較的簡単で、よほどの素行不良がない場合は、基本的には合格することが多いです。
しかし、たとえば、次のような場合には不合格になることもあります。
1については、自分が行きたい高校の人気を確認しておきましょう。
2についても、数としては多くないと言えます。
具体的には、警察沙汰を起こした過去があったり、面接での態度が社会的に問題ありと思われたりした場合に不合格になる、ということです。
通信制高校には不登校経験者も多いので、面接で「いじめに加担した」「攻撃的な性格だな」と思われた場合には、他の生徒への影響を考え不合格になることもあるようです。
現時点で思いあたることがなければ、こちらの理由での不合格は心配しなくてもよいでしょう。
これまでに素行不良があった人は、あきらめずにいくつかの通信制高校に話をしてみてください。
事情を説明すれば、入学できる高校もあります。
いずれにしても、可能であれば2校・3校と併願して受験することをオススメします。
特に、人気のある通信制高校を受ける場合には、別の高校も受験する方がよいでしょう。
併願する高校については、塾や学校の先生に相談してみましょう。
そして、もし不合格になっても、もう一度しっかり対策を行い、10月入試や翌年の受験を受けることで、合格の可能性は高まります。
また、大学受験を目指している場合は、高校ではなく高卒認定試験を経由する方法もあります。
高卒認定試験については、コラム「高卒認定試験の内容、メリット、受験までの流れをわかりやすく解説」をご覧ください。
通信制高校の学校生活や卒業までの流れについてイメージがつきにくい人もいると思いますので、入学から卒業までの流れをカンタンに説明します。
これまでに述べたことの繰り返しになる部分もありますが、改めてご確認ください。
通信制高校の入学は、受験に合格後の、4月または10月です。
入学後の勉強は、学校から送られてきた教材をもとに自宅で進めつつ、必要に応じて、穴埋めや記述式のレポートの提出も行います。
また、ずっと自宅で勉強するわけではなく、学校に登校する「スクーリング」もあります。
スクーリングは、学校によって頻度・内容は異なります。
月に数回定期的に通学する形式、夏季や冬季などの大型休暇のときに集中的に行う形式、学校ではなく宿泊施設で行う合宿形式などがあります。
勉強以外の高校生活も、例えば修学旅行・文化祭・体育祭などの学校行事、部活や生徒活動の有無・頻度・内容は、学校によって大きく異なります。
修学旅行で海外に行く学校、多種多様な部活がある学校、全国大会に出場する部活がある学校、生徒会で体育祭や文化祭のイベントを企画・運営する学校など、様々です。
そうして高校生活を送りながら、学校が定めたレポート提出数やスクーリング日数などの条件を満たせば、年度末に各科目の単位認定試験を受けることができます。
単位認定試験に合格すると、文字どおり、その科目の単位が取得できます。
これを3年間行い、高校卒業に必要な種類・数の単位を取得すると、晴れて高校卒業です。
ただし、単位の取得数が少なければ3年間以上かかりますし、以前高校に在籍していた経験があれば3年間よりも短く卒業できることがあります。
通信制高校は正規の高校ですので、卒業すれば、高卒の資格を取得できます。
卒業のタイミングは、全日制高校と同じで3月が一般的ですが、10月に入学した場合には9月に卒業となることもあります。
通信制高校から大学進学が可能か気になる方もいるでしょう。
結論から言えば、可能です。
実際に、平成30年度の通信制高校卒業生56,283人のうち、10,104人と2割弱の生徒が大学や短大などに進学しています。(出典:文部科学省「令和元年度学校基本調査」)
特に大学進学コースのある通信制高校は受験勉強のサポートが手厚く、卒業生は有名大学に進学の実績もあります。
よほどの進学校に通っていない限り、全日制高校の生徒も、学校の勉強とは別に大学受験用の勉強を行います。
全日制高校よりも自由な時間が多い通信制高校生は、その時間をうまく使うと、全日制高校生よりも大学受験のための勉強に時間を多く使うこともできます。
特に通信制高校の生徒には、「サポート校」というものがあります。
サポート校とは、通信制高校に通う生徒の生活や学習をサポートする塾や予備校のような場所のことで、大学受験用の勉強ができるところもあるのです。
サポート校の詳細は、コラム「通信制高校とサポート校って、何が違うの?〜サポート校の概要・メリット・注意点など〜」に、通信制高校からの大学進学については、コラム「通信制高校から大学進学するための6つの対策〜オススメの通信制高校も紹介〜」に書いていますので、気になる方はご覧ください。
通信制高校は、中学卒業後の進学はもちろん、別の高校に進学したのちの転入や編入も可能です。
全日制のように毎日通うのは厳しいと感じている人、今の高校から転校したい人、高校中退からもう一度高校卒業を目指したい人などは、通信制高校を検討してみてはいかがでしょうか。
このコラムが、あなたのお役にたったなら幸いです。
さて、私たちキズキ共育塾は、不登校などでお悩みを抱える方々のための個別指導塾です。
生徒さんには、通信制高校の受験を目指す方や通信制高校生もたくさんいらっしゃいます。
キズキ共育塾は、無料相談も承っておりますので、ご相談いただければ、通信制高校の受験の目指し方や、通信制高校生の勉強などについて、あなたのための具体的なお話ができると思います。
キズキ共育塾の概要をご覧の上、少しでも気になるようでしたらお気軽にご相談ください(親御さんだけでのご相談、お子さんと親御さんご一緒でのご相談も承っております)。
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