スクーリングとは? 頻度や目的、意識すべきポイントを解説
こんにちは。生徒さんの勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする完全個別指導塾・キズキ共育塾です。
あなたは、以下のようなことで進学先についてお悩みではありませんか?
- 毎日一定の時間に学校に通うことが難しい
- 自由な服装で学校に通いたい
- 人付き合いが苦手だけど高校は卒業しておきたい
以上のようなことにお悩みの人は、通信制高校のスクーリングと呼ばれる新しい学校の通い方がオススメです。
このコラムでは、スクーリングの概要やメリット・デメリット・注意点、意識すべきポイント、自分に合ったスクーリングを行っている通信制高校の選び方について解説します。あわせて、スクーリングが特徴的な学校を紹介します。
現在、学校に通いたい思いはあるものの、全日制高校に通うのには不安や抵抗がある人にとって、これからお伝えする内容が少しでもお役に立てば幸いです。
目次
スクーリングとは?
この章では、スクーリングの概要や目的、種類について解説します。
スクーリングの概要
スクーリングとは、通信制高校で行われる、学校やその他の会場に通学して受ける対面授業のことです。
正式名称は、面接指導といいます。スクーリングでは、実技科目を含む履修科目の授業やホームルーム、体育祭や修学旅行などの特別活動を行います。(参考:文部科学省「高等学校学習指導要領(ポイント、本文、解説等)」、文部科学省「【参考資料1】関係法令」、文部科学省「高等学校通信教育の質の確保・向上のためのガイドライン」、全国私立通信制高等学校協会「高等学校学習指導要領解説(総則編)」、学校法人創志学園クラーク記念国際高等学校「通信制高校のスクーリングについて」、飛鳥未来高等学校「5DAYスタイル」、NHK学園高等学校「通信制高校での学習(スクーリング)」 、N高等学校・S高等学校・R高等学校「スクーリング」)
なお、スクーリングを導入している通信制大学もあり、ゴールデンウィークなどの長期休暇に対面授業を受けられるスクーリングや、物理学・化学・生物学など専門科目を学べるスクーリングなどを導入している通信制大学もあります。(参考:法政大学通信教育部「スクーリング学習」、慶應義塾大学通信教育課程「面接授業」、大阪学院大学「スクーリングの手引き」)
スクーリングの頻度・日数
スクーリングの頻度は、学校・単位ごとに決まっています。週5日から年に数回まで、学校によってさまざまです。
定められた回数分のスクーリングをすることで、高校卒業資格取得に必要な単位を取得できます。(参考:文部科学省「高等学校学習指導要領(ポイント、本文、解説等)」、文部科学省「【参考資料1】関係法令」、文部科学省「高等学校通信教育の質の確保・向上のためのガイドライン」、全国私立通信制高等学校協会「高等学校学習指導要領解説(総則編)」、学校法人創志学園クラーク記念国際高等学校「通信制高校のスクーリングについて」)
通信制高校の通学頻度・日数は、全日制高校や定時制高校よりは少ない場合が多いのですが、それでも一定の日数は通学しなくてはなりません。
高等学校学習指導要領の定めにより、スクーリングが全くない通信制高校はありません。
なお、学校によっては、必要なスクーリング回数を、映像授業を受けることで一部免除することもできます。
スクーリングの目的
スクーリングの目的は、高校卒業資格取得に必要な単位を取得することです。単位を取得できれば、高校を卒業後、大学への進学も可能です。(参考:学校法人創志学園クラーク記念国際高等学校「通信制高校のスクーリングについて」)
スクーリングで遅刻・欠席する場合、単位の取得に影響する可能性があります。学校によって対応が異なるため、それぞれ学校に確認・相談が必要です。
通信制高校の単位の取得方法は、スクーリング以外にも、自主学習・レポート提出や単位認定試験があります。
例えばクラーク記念国際高等学校の場合、スクーリング以外にもレポート提出や単位認定試験・テストを必須単位の修得方法としています。(参考:学校法人創志学園クラーク記念国際高等学校「通信制高校のスクーリングについて」)
通信制高校の単位の取得方法については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
また、通信制高校を卒業後、大学受験を検討している人に向けて、通信制高校からの大学受験については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
スクーリングの種類
スクーリングは通信制高校によって種類にも違いがありますが、一般的には以下3つに大別されます。(参考:学校法人創志学園クラーク記念国際高等学校「通信制高校のスクーリングについて」、N高等学校・S高等学校・R高等学校「スクーリング」)
- 通学型:週1~5日など定期的に行われるスクーリング
- 集中型:春・夏・秋・冬の長期休暇、またはゴールデンウィークなどに複数日連続で行われるスクーリング
- 合宿型:学校や宿泊施設を利用して集中型よりも短期間で行われるスクーリング
通学型は、全日制高校や定時制高校と同様に、指定された期間、定期的に行うタイプのスクーリングです。毎日は難しいものの比較的高い頻度で通える人にオススメです。
集中型は、各季節の大型連休やゴールデンウィーク、土日などに行うタイプのスクーリングです。こちらも、毎日通うことが難しい社会人などにオススメです。
合宿型は、短期間、学校や宿泊施設に泊まり込み、課外授業などを経て単位を取得するタイプです。泊まり込みでのスクーリングなので、通学型や集中型に比べて短期間でまとまった単位を取得できます。
私たちキズキ共育塾は、不登校状態にある人のための、完全1対1の個別指導塾です。
生徒さんひとりひとりに合わせた学習面・生活面・メンタル面のサポートを行なっています。進路/勉強/受験/生活などについての無料相談もできますので、お気軽にご連絡ください。
スクーリングのメリット
スクーリングには、以下のようなメリットがあります。
- 自宅学習の際の疑問点などを直接相談できる
- 有名な場所での課外学習に参加できる
- 学習のモチベーション維持ができる
スクーリングでは、教科書などを使った授業や課外学習が行われることから、自宅学習で学んだ学習内容に理解を深めることができます。
例えば、自宅学習でわからないことがあっても、スクーリング時に先生に直接質問できるので、わからないことをそのままにするといった不安がありません。
また、スクーリングでは他の生徒も集まるので、学習内容について質問したり、自身の暮らしや悩みについて相談したりするといった交流もできます。
学生との交流をきっかけに、学習に対するモチベーションを維持できるのもメリットです。(参考:学校法人上田煌桜学園さくら国際高等学校東京校「集中スクーリング型コース」、学校法人創志学園クラーク記念国際高等学校「通信制高校のスクーリングについて」)
スクーリングのデメリット・注意点
スクーリングには、以下のようないくつかのデメリット・注意点も存在します。
- 1年のうちのどこかで通学が必要 短い期間でも人との交流が求められる
こちらでも解説したとおり、スクーリングが必要な理由は、高校卒業に必要な単位を取得することです。
そのため、卒業を目指す上では学校毎に決められた時期・期間の中で学校に通う必要があります。
スクーリングの種類によって日数が異なりますが、集中型の場合、大型連休で1週間前後の出席・参加が必要になることもあるので、参加が必須という部分はデメリット・注意点と言えるかもしれません。
また、人とのコミュニケーションが苦手な方の場合、年に数回であっても、他の生徒と会うことに大きなプレッシャーを感じたり憂鬱になったりすることもあるようです。(参考:第一学院高等学校「【入学前Q&A】スクーリングについて」)
スクーリングに関して意識すべき3つのポイント
スクーリングをするにあたって、いくつかの意識すべきポイントも存在します。
この章では、スクーリングに関して意識すべきポイントについて解説します。
ポイント①遅刻・欠席は避ける
当然のことですが、通信制高校といっても教育施設の一つであることから、遅刻・欠席はなるべく避けましょう。
スクーリングの種類によって学校に通う日数が異なるものの、それぞれに通学日数が設けてあるのは、設けられた各日数で高校卒業に必要な単位を取得ができるよう組み込まれているためです。
欠席や遅刻が続くと、決められた科目の単位を修得できず、場合によっては留年になる可能性があります。
やむを得ない理由により出席できない場合については後述しているので、そちらをご確認ください。
ポイント②課題は締切までに済ませる
通信制高校によってはスクーリングの際に、課題・レポートの提出が求められることがあります。
課題は自宅できちんと学習しているか、必要単位を身につけているかをチェックするために行われます。課題の提出・結果は担任の先生が確認しており、履修状況を把握しています。
課題・レポートの提出は単位修得方法のうち大きな割合を占めています。できるだけ締切に間に合うよう、決められた期間のうちに課題を提出する必要があることも念頭に置きましょう。
ポイント③服装
スクーリングの際の服装は、学校によって異なります。私服でのスクーリングが認められているケースが一般的です。
通信制高校によっては学校指定の制服が用意されていることがありますが、購入必須ではないこともあります。
例えば、花沢学園明星高等学校や鹿島朝日高等学校、ヒューマンキャンパス高等学校などでは、制服を導入していますが、制服購入の義務はなく、私服での出席も認められています。(参考:学校法人花沢学園明聖高等学校「制服・ジャージ」、広域・通信制課程(単位制)普通科鹿島朝日高等学校「制服について」、ヒューマンキャンパス高等学校「制服紹介」)
比較的自由な服装でスクーリングできるイメージが強いですが、第一に教育施設であることは忘れてはいけません。学校ごとに規則が細かく定められているケースもあるため、それぞれ確認するようにしましょう。
補足:スクーリングに行けない場合は?
YMCA学院高等学校の資料によると、もし休んでしまった場合についてこのような記載があります。(参考:YMCA学院高等学校「後期スクーリング」)
多くの通信制高校では、基本的に、遅刻・欠席は認められません。ただし、体調不良による場合、補講、代替課題などで対応します。
なお、やむを得ない理由により出席できない場合は、担任の先生に欠席理由とあわせて、同様の単位を後日に取得できないか相談しましょう。(参考:学校法人 佐藤学園ヒューマンキャンパス高等学校「通信制高校について」)
特徴的なスクーリングを実施している通信制高校3選
この章では、特徴的なスクーリングを実施している通信制高校を紹介します。
通信制高校への進学を検討中の人や、スクーリングでどのようなことをするのかもう少し知りたい人は、ぜひ参考にしてください。
事例①八洲学園大学国際高等学校
八洲学園大学国際高等学校は、教育テレビやラジオ放送等を活用した自宅学習と、年に1度のスクーリングで高校卒業資格を取得できる通信制高校です。
スクーリング日数は、最短5泊6日で、入学シーズンである4月と10月を除き、毎月開催されています。
スクーリングが行われる場所は沖縄県で、これまでに海や沖縄美ら海水族館などで課外活動が行われています。(参考:八洲学園大学国際高等学校「フォトギャラリー」)
事例②N高等学校
KADOKAWA、ドワンゴが経営するN高等学校は、豊富な課外授業によって将来に活かせる学習ができる通信制高校です。
同校では留学や投資、農業体験のほか、eスポーツやダンス、起業家において必要な授業など、豊富な種類の中から自分が学びたいものを選択し、単位修得を目指すことができます。
多様性の時代に沿ったスクーリングが多いのはN高等学校ならではの魅力と言えるでしょう。(参考:N高等学校「N高等グループって?」、N高等学校「課外授業」)
事例③ID学園高等学校
ID学園高等学校では、生徒の通いやすさや学びやすさに応じて5つのスクーリングスタイルが選べる通信制高校です。
コースは毎月変更が可能。通学を希望する場合は、翌月から自宅学習に加えて通学できるなど、生徒の希望に順応している特徴があります。
長野本校での宿泊型スクーリングでは、7〜8月頃の5〜6日間で、学校周辺での自然観察や、自然を満喫できるプログラムが組まれています。(参考:ID学園高等学校「コース一覧」 、ID学園高等学校「長野本校」)
自分に合ったスクーリングを行っている通信制高校の選び方7選
さまざまなスタイルや課外活動が盛り込まれたスクーリングが多いことから、自分に合った通信制高校を見つけることに難しさを感じる人も多いでしょう。
この章では、自分に合ったスクーリングを行っている通信制高校の選び方について解説します。
選び方①頻度・日数、期間、種類
自分に合ったスクーリングを選ぶ場合は、無理なく通えるかどうかをチェックしましょう。
こちらで解説したとおり、通信制高校によってスクーリングの種類は異なります。
これまでの生活スタイルを振り返り、どのスクーリングの頻度・日数、期間、種類であれば無理なく単位を修得できるかをイメージしながら決めましょう。
選び方②授業形態
スクーリングの形態は学校によってさまざまです。スクーリングする際に行われる授業の内容やほかの活動などの内容から選ぶのもいいでしょう。
スクーリングの時間は文部科学省の学習指導要領で決められており、単位を一つ習得するためには、1単位時間50分のスクーリングを決められた回数分履修する必要があります。(参考:文部科学省「高等学校通信教育の質の確保・向上のためのガイドライン」)
また学校によっては部活動などもあり、参加によって他の生徒と交流を深めることもできるようです。
希望する内容かどうかは、それぞれの通信制高校に確認してみてください。
選び方③費用
スクーリングの種類などによって大きく異なるのがスクーリングにかかる費用です。
例えば、ID学園高等学校の場合、スクーリング費として3万円を設定しています。スクーリングに関する学費は、学校によって異なるため、よく確認しておきましょう。(参考:N高等学校「ネットコースの学費」、ID学園高等学校「学費のご案内」)
また、定期的なスクーリングが必要とする場合は、通学日数分の交通費も必要です。
自宅から近い通信制高校を選ぶにしても、どれくらいの通学費用がかかるのかなど、考えられる費用を洗い出し、無理なくスクーリングできるかどうかを検討しましょう。
選び方④サポート体制
通信制高校によって導入されるサポート体制にも違いがあります。
例えば、八洲学園大学国際高等学校のサポート体制には、以下のものが導入されています。(参考:八洲学園大学国際高等学校「サポート体制」)
- マンツーマンサポート
- 入学時からすべての生徒に担任・副担任が着任
- 学習カウンセリング
さらに、日本航空高等学校通信制課程ではカウンセラーによる心と体、学習へのサポートも導入しています。(参考:日本航空高等学校通信制課程「サポート体制」)
自宅学習の中で不安に感じたことや疑問に感じたことをスクーリングの際にすぐに相談できるよう、サポート体制の導入有無についても確認しましょう。
選び方⑤学びたい分野の有無
スクーリングのなかにはさまざまな科目があり、全日制高校と同じ科目を受講したり、通信制高校ならではの科目を受講したりすることもできます。
大学受験に対応した授業をスクーリングで受けられるか、またはN高等学校のように、eスポーツや留学、投資など、スクーリングの際に学びたい科目があるかどうかもチェックしましょう。(参考:N高等学校「N高等グループって?」)
選び方⑥スクーリング先の立地
定期的なスクーリングが必要な場合、自宅から近い場所にスクーリング先の施設があると、無理なく通うことができるでしょう。
興味のある通信制高校を見つけたときは、自宅からどのくらいの時間で通えるかも調べましょう。
なお、こちらでも解説しましたが、公共交通機関を利用して通学する場合は、通学費用を調べておくことをオススメします。
選び方⑦説明会・体験入学の有無
興味のある通信制高校が見つかったら、次は本当に自分に合っているかを体を使って調べたいものです。説明会や体験入学が行われているかをチェックするのもポイントです。
説明会があれば、スクーリングで行われる学習内容など、具体的に把握した上で判断できます。体験入学がある通信制高校であれば、利用を検討する人と実際に会うことで、入学後のスクーリングの様子をイメージがしやすくなります。
まとめ〜自分に合ったスクーリングを探しましょう〜
通信制高校のスクーリングは、学校によって内容や頻度・日数が大きく異なります。
そのことから、第一に、どのようなスクーリングが自分に合っているのかを軸に検討することが大切です。
私たちキズキ共育塾は、通信制高校の生徒さんの大学進学の実績が豊富な個別指導塾です。
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