発達障害の子どもに親ができるサポート8選|親の悩みや相談先も紹介

発達障害の子どもに親ができるサポート8選|親の悩みや相談先も紹介

こんにちは。「発達に特性のあるお子さん」の勉強とメンタルを完全個別指導でサポートするキズキ共育塾の寺田淳平です。

発達障害の子を持つ親御さん、またはは「うちの子どもは発達障害ではないか」とお思いの親御さんは、次のような悩みを抱えていることが多いです。

  • 親ができることは?
  • 発達障害のことを子どもにどう伝えていい?
  • 発達障害のことを相談できる支援機関は?

このコラムでは、発達障害の子を持つ親御さんができること、抱きやすい悩み、相談できる支援機関などを解説します

このコラムが、発達障害の子を持つあなたの悩みの軽減につながりましたら幸いです。

目次

発達障害の子どもに親御さんができる8つのサポート

さっそく、発達障害の子を持つ親御さんができるサポートをお伝えしていきます。

大切なのは、悩みを親御さん一人で、または親子間だけで抱え込まないことです

できるかぎり専門家や支援機関など、第三者に相談しましょう。

その点に留意しながら、これから紹介するサポートを実践してみてください。

サポート①担任の先生・スクールカウンセラーに相談する

担任の先生やスクールカウンセラーに相談する

1つ目は「学校の先生やスクールカウンセラーに相談する」ことです。

担任の先生は、お子さんの学校での様子を詳しく把握しているはずです。相談することで、発達障害の特性への理解やサポートを得やすくなるでしょう
(例:「忘れ物が多い」「落ち着きがない」ことに対して、怒らずに工夫を考えられるようになる)。

また、親御さんの目が届きづらい学校生活において、お子さんがどのような困り事を抱えているのかも共有してもらえるでしょう。

発達障害であることが確定している場合には、発達段階に適した福祉サポートなどの助言を得られるはずです。(例えば高校受験時の特別措置などです)

学校によっては、スクールカウンセラーが在籍していることもあります。

スクールカウンセラーは、生徒の心理面をサポートに特化しています。よりデリケートな問題を相談できるでしょう

発達障害の確定診断がない段階でも、まずは担任の先生やスクールカウンセラーに相談することがオススメです。

サポート②発達障害に詳しい医師・支援機関に相談する

医師や支援機関に協力を仰ぐ

2つ目は「発達障害に詳しい医師や支援機関に相談する」ことです。専門的な知見によるアドバイスやサポートが得られます。

すでに発達障害の確定診断を受けているなら、かかりつけ医にいろいろな相談をしてみましょう。

そして、発達障害の確定診断の確定診断があってもなくても、発達障害と思しき特性について無料相談ができる支援機関はたくさんあります(具体的な支援機関は次の章で紹介します)。

医師の診断を受けていない場合は、「検査(診断)を受けるべきかどうか」から支援機関に相談してみましょう。

支援機関の一つとして、「勉強」に関しては、発達障害のある子の指導実績がある学習塾や家庭教師もあります。

個人指導を行っている塾の中には、発達障害に理解のある講師が、お子さんの特性に配慮したきめ細やかな指導も行う塾もあります(私たち、キズキ共育塾もその一つです)。

ぜひ、親御さんであるあなたや、お子さんが相談しやすい医師や支援機関を探してみてください。

サポート③子どもの発達障害の特性を理解し受け入れる

お子さんの発達障害の特性を理解して受け入れる

3つ目は「お子さんの発達障害の特性を理解して受け入れる」ことです。

親御さんの中には、発達障害(による困り事)は「本人の努力次第でカバーできる」とお考えの方もいます。

しかし、発達障害は先天的な脳の機能の偏りに起因するため、本人の努力だけではどうにもならない面も少なくありません/span>。

カバーできる場合もできない場合も、お子さんが日常生活を送る上で周囲の人から配慮を得ることが大切です。そうなるためにも、親御さんがお子さんの特性を理解して受け入れましょう。

また、発達障害に伴う特性を受け入れることは、一種の「個性」としてお子さんを尊重することにつながります。結果として、お子さんの自己肯定感を高めることにもなるのです。

お子さんの特性を受け入れ、「どんな困り事を抱えているのか」「何が得意で、何が苦手なのか」といった理解を深めましょう。

サポート④子どもを適度に休ませる

適度に休ませる

4つ目は「適度に休ませる」ことです。

発達障害の子どもは、同級生とのコミュニケーションや学校での勉強に困難を感じることが多くなります。そのため、落ち込みや疲れを感じやすいのです。

こうした心理的なストレスが重なることで、うつ病や適応障害のような「二次障害」を併発するお子さんもいます。

特に体調が悪くなくても、お子さんが「休みたい」と訴えた場合には、その意思を尊重してできるだけ休ませることが大切です。

また、サポート団体と連携しつつ、親御さんが「活動」と「休み」のスパンを設定する方法もあります。

なお、お子さんだけでなく、親御さん自身にも、自分の時間を取ってリフレッシュしたり休んだりすることが必要です

発達障害の子どもの対応で親御さん自身に疲れがたまると、敏感なお子さんの場合はそれを察知します。そして、「自分が迷惑を掛けているかもしれない」と、さらに悩みを抱え込む可能性も考えられるのでしょう。

そうならないために、あなた自身も「適度に休む」姿勢を持つことを心掛けてください。

サポート⑤長所・得意なことをほめる

長所や得意なことをほめる

5つ目は「長所や得意なことをほめる」ことです。

発達障害は病気ではありません。あくまでも特性が目立ちやすいのです。解釈によっては、強みや長所と捉えられる点がたくさんあります

具体的には、ASDの特性である「こだわりの強さ」は、「特定分野に集中力を発揮できる」と長所として捉えられます。
ADHDであれば「気が散りやすい」代わりに「いろんなことに積極的に取り組める」と考えられるでしょう。

こうした長所や得意なことを見つけてほめることは、発達障害の子どもが自尊心を育む上で大切です。

ぜひ、お子さんの強みと思われる面を探して、積極的に褒めましょう

サポート⑥進路・進学先の準備を早めに進める

進路や進学先の準備を早めに進める

6つ目は、「進路選びや高校受験の準備を早めに進める」ことです。

早めに準備をすることで、「発達障害の一般的なサポート」を得やすくなったり、「あなたのお子さんに合いそうな具体的な高校」を見つけやすくなったりします。

発達障害の確定診断がある場合

高校受験の際に、受験先に「発達障害であること」を開示・相談すると、「試験時間の延長」や「別室受験」といった特別措置を受けられるようになります。申請の締め切りは受験の願書提出よりも早いことが多いため、早めに準備を進めましょう。

発達障害の確定診断がない場合(グレーゾーンの場合)

発達障害ではない他の子どもたちと同じ条件で高校受験をすることになるでしょう。その際には、お子さんの学力や内申点によっては、それらが合否にあまり関わらない学校を探したりする必要があります。こちらも、早めに探しておくことで、お子さんに合いそうな学校の候補を見つけやすくなります。

その他の具体例

ASDの子どもが、特性によって「一般的な高校で行われる集団授業よりも、マイペースに勉強を進めた方が合っている」などの場合、「通信制」や「定時制」の高校を検討してもよいでしょう。

通信制高校では、「一般的にイメージされることが多い、平日の朝から夕方に授業を行う、修了年限が3年間の課程の全日制高校」とは異なります。学校から送られてくる教材を使った自宅学習が軸になります。特定の「スクーリング日」以外は登校の必要がないため、自分のペースで勉強を進めたい子どもには合っているかもしれません。

また、定時制高校も、昼か夕方からの時間帯に授業を行っているため、全日制に比べると時間の融通が利きやすいでしょう。

こちらも、「早めに視野に入れる」ことで、学校見学や相談などを行いやすくなります。

いずれにせよ、高校を選ぶ際には、お子さんの意思や希望を尊重することが大切です

そのためには、お子さんと話し合う際に、候補を可能な限り多く提示できるよう、情報収集などの進路選びのための準備を早めに進めましょう。

サポート⑦親の会に参加し発達障害への理解を深める

親の会で情報収集や意見交換をする

7つ目は「親の会に参加して、発達障害の理解を深める」です。

発達障害には、その特性に応じた保護者の組織が存在します。

例えば、「JPALD(特定非営利活動法人 全国LD親の会)」では、東北や関東など、各地を6ブロックに分けて、保護者による情報交換会、勉強会、LDの子の友達作り、イベントなどを催しています。

親の会に参加することで、同じように発達障害の子どもがいる保護者と意見交換ができるのです。有益な情報を得たり、悩みを共有できて気持ちが楽になったりするなどのメリットが期待できるでしょう

興味のある方は、「発達障害 親の会」と検索してみてください。JPALD以外にも、多くの団体の活動をお調べいただけます。

なお、「親の会」は、それぞれに目的や性質が異なります。もし一つの会が合わなかったとしても落ち込まず、あなたやお子さんに合いそうな別の会を探してみましょう。

サポート⑧ペアレントトレーニングを受ける

ペアレントトレーニングを受ける

最後は「ペアレントトレーニングを受ける」です。

ペアレントトレーニングとは

発達障害の子どもがいる親に、「効果的な親としてのスキル」を教えるもので、子どもへの接し方を見直す意味でも非常に有効だと言われています。

ペアレントトレーニングの内容には、次のようなものがあります。

  • 講習会で、各発達障害の特性への理解を深める
  • 各発達障害に見られる行動を分類して理解する
  • 子どもの良いところへ目を向ける練習する
  • 効果的な指示の仕方や好ましくない行動を取ったときの対処法を勉強する
  • 同じ悩みを持つ親御さん同士で情報交換をする

医療機関や教育機関などで指導者を招き、毎週決まった時間に上記のようなトレーニングを実施します。

地域の施設で行われているペアレントトレーニングに参加することで、年長のお子さんがいる親御さんから、進学先などで得られる支援に関する詳しい話を聞けるかもしれません。

興味のある方は、お近くで実施されているペアレントトレーニングを探して、受けてみてください。

発達障害の子どもの親御さんが利用できる支援機関

この章では、発達障害の子を持つ親御さんが利用できる支援機関(サポート団体)を紹介します。

公・民を問わず、発達障害の子どもの支援をしている機関は、とても多いです。

確定診断がなくても相談可能な機関もあります。まずは問い合わせてみましょう

どの支援機関がよいのか判断に迷う場合は、お住まいの自治体の障害福祉担当課に問い合わせてみてください。
また、ご紹介するもの以外にも支援機関はあります。あなたやお子さんに合いそうなところを探しましょう。

支援機関①発達障害者支援センター

発達障害者支援センター

発達障害者支援センターは、就労に限らず、発達障害の早期発見と早期支援を目的として、症状に悩む当事者や家族の生活をサポートする支援機関です。窓口は、各都道府県や指定の事業所に設置されています。(参考:国立障害者リハビリテーションセンター『発達障害者支援センター』)

一般的には、特に「まだ発達障害かどうかがはっきりしない方」や「発達障害に対する福祉サービス全般を知りたい方」にオススメです(具体的な支援内容は自治体ごとに異なります)。

確定診断がなくても、発達障害の可能性がある方であれば、窓口で相談できます。

特に、精神保健福祉士や社会福祉士などが在籍している場合は、より「発達障害に特化したサポート」を受けられる点が強みです。

お子さんが就職を考える年齢になったときには、ハローワークなどの関連機関と連携して、就職・求人に関する情報提供なども行っています。

支援機関②障害者就業・生活支援センター

障害者就業・生活支援センター

障害者就業・生活支援センターでは、就業及びそれに伴う日常生活上の支援が必要な障害のある方に対し、センター窓口での相談や職場・家庭訪問などを実施しています。

特に、社会生活に伴って就労に関する悩みを抱えている方にオススメです

当事者の身近な地域において、就業面と生活面を一体に捉えた相談と支援を行っています。厚生労働省の資料によると、2023年4月時点で337センターが設置されています。

障害者就業・生活支援センターの特徴は、就労だけでなく、金銭管理などの経済面や住居のことまで、多岐にわたって相談できる点にあります

興味のある方は、お近くの事業所に相談・問い合わせをしてみてください。

支援機関③発達障害に理解がある塾

専門機関や学習塾に協力を求める

「発達障害に理解がある塾や家庭教師(発達障害の子の指導実績がある塾や家庭教師)」もあります。

こちらは、特には小・中・高校生年齢のお子さんにオススメです

特に個別指導を実施している塾では、手厚いサポートが期待できます。その子の特性に合わせた学習方法を実施しやすいですし、きめ細やかな面談・相談ができることが多いからです。

また、高校受験や大学受験などの節目には、お子さんの特性やこだわりを考慮しながら具体的な進路を一緒に探せるなど、学習塾ならではの専門的な相談できます。

学校生活だけでなく、学業の面でも不安がある親御さんは、発達障害の指導実績がある塾に相談してみてはいかがでしょうか

私たち、キズキ共育塾もその一つです。気になるようならお気軽にお問い合わせ・ご相談ください。

発達障害の子どもを持つ親御さんの悩み3選

発達障害の子(または発達障害かもしれない子ども)を持つ親御さんは、悩みを一人で抱えがちです。

この章では、親御さんが比較的抱きやすい悩みを紹介します。なお、あくまで例であり、「よくある気持ち・悩み」は他にもたくさんあります。

「悩んでいるのは自分だけではない」とわかると、「効果的な対応策をいろいろな人と一緒に考えられる」「すでに対応策があるかも」などと思えて気が楽になるはずです。

悩みや困り事の相談先は必ずあります。悩みを親だけで抱え込まず、相談先を探して話をしてみてください。

悩み①誰に・どこに相談してよいかわからない

誰に・どこに相談してよいかわからない

1点目は「誰に・どこに相談してよいかわからない」という悩みです。発達障害の相談先は、前掲のとおりたくさんあります。

確定診断がある場合でも、「いざ自分の子どものこと」となると、「本当に相談していいのだろうか」などとためらうこともあるでしょう。

また、「この困り事は子どもの性格によるもので、発達障害は関係ないのではないか」と思い、相談しづらいこともあるかもしれません。

お子さんの発達障害について確定診断がない(病院に行ったこともない)段階の親御さんは、「病院に行くべきか、学校の先生に相談するべきか」と迷うケースも多いようです。

さらに、「お子さんが病院で検査を受けた結果、確定診断が出なかった」場合、「発達障害の支援団体に行ってもよいのだろうか」と悩むこともあります。

実際に、確定診断がないと利用できない支援はあります(例:障害者手帳が必須な支援など)。

ですが、「発達障害者支援センター」のように、確定診断がなくても相談できるところはたくさんあります。

また、発達障害の確定診断があってもなくても、またその困り事が発達障害に関係するかどうかが不明でも、支援機関の相談は可能です。

まずは、市区町村の担当窓口、学校の先生、発達障害のサポート団体、医師などに、悩みや困り事を伝えてください。

その相談先で悩みを解決できることもありますし、他にふさわしい相談先を紹介してもらえることもあります。

悩み②子どもに発達障害のことを伝えるタイミングがわからない

子どもに発達障害のことを伝えるタイミングがわからない

2つ目は「発達障害のことを子どもに伝えるタイミングがわからない」という悩みです。

お子さんの年齢によっては、発達障害について噛み砕いて説明をしても、理解することはなかなか難しいかもしれません。

発達障害であることが理解できても、自分が発達障害ではない子とは違った特性があることに、少なからずショックを受けるお子さんもいるでしょう

受け止める側であるお子さんを考えて、「どのタイミングで伝えるのが適切かわからない」と悩む親御さんは多いようです。

悩み③子どもが言いつけを理解したり守ったりしてくれない

言いつけを理解したり守ったりしてくれない

3つ目は「言いつけを理解したり守ったりしてくれない」という悩みです。

発達障害に限らず、親御さんの中には、お子さんが言いつけを守らないことに困っている方は多いと思います。

特に、小学校高学年から中学生の思春期のお子さんは、「第二反抗期」とも言われるように、「言いつけは理解しているけれど聞き届けてくれない」ことが多いかもしれません。

しかし、例えばASDのように、コミュニケーションに困難を抱える特性がある発達障害の場合は、そもそも言いつけを理解していない可能性があります

また、特にADHDの傾向が見られる子どもは、「脱いだものは洗濯機に入れなさい」といった、家庭内では一般に口にされるような言いつけであっても、「整理整頓が苦手」という特性ゆえに、なかなか守れない可能性もあるのです。

このように、お子さんの発達障害の特性によって、「言いつけを理解したり守ったりしない」状況に悩む親御さんもいるでしょう。

「子どもに発達障害のことを伝えるタイミングがわからない」親御さんへ

この章は、先述した困り事の1点目である、「子どもに発達障害のことを伝えるタイミングがわからない」と悩む親御さんに向けたものです。

また、お子さんに発達障害であることを伝えるタイミングなどもお伝えします。

ただし、この後お話するタイミングは、あくまで一般的な目安とされる内容です。

発達障害の特性、または性格や考え方などはお子さんそれぞれで違っています。また、伝えるべきタイミングも厳密に言うとお子さん一人ひとり異なるのです。

そのため、かかりつけの医師や支援機関など、専門家の意見を踏まえた上で、お子さんにあったタイミングを見つけていただくことをオススメします

①発達障害を子どもに伝える意義

発達障害を伝えることの意義

まず、発達障害を「いつ・どう伝えるか」を考える前に、「伝えることの意義」を知っておきましょう。

発達障害のある子どもは、学校などで集団行動を求められたときに、「自分はダメだ」と思い詰めて、自信を失うことが少なくありません。

「発達障害ではない子ども」と同じように行動できないことが多いからです。

それを踏まえたとき、発達障害であることを伝える意義とは、「お子さんが自分の特性をよりよく理解して、周囲の環境に適切に対処するため」「自分の特性を受け入れて自信を持ってもらうため」という点にあると言えます

②発達障害を子どもに伝えるタイミング

発達障害を伝えるタイミング

先述した意義を踏まえると、お子さんに発達障害を伝えるのは、「発達障害の特性による困り事や悩みを感じることが多くなってくる時期」が適切だと言われています。

その一例として、発達障害者情報・支援センターでは、具体的に次のような節目を例示しています。

  • まわりの同年代の子どもとのちがいに気づき始めた学童期
  • 学業や友人関係につまずき自尊心が低下した思春期
  • 進学や就職など適性に沿った進路選択に悩む青年期
  • 職場での対人関係や仕事が思うようにいかない成人期

どの節目で困り事や悩みが増えてくるかは、その子どもの発達障害の程度によって違います。

そのため、このような節目の時期に、「本人に最適なタイミングで」、「本人がわかる言葉で」、「本人が納得できる説明の仕方で」伝えることが大切です

ここで言う、「本人に最適なタイミング」とは、「失敗が続いて過度に落ち込んだりしていない、受けいれるだけの精神的な余裕がありそうなタイミング」と言えるでしょう。

③発達障害であることを子どもに伝えるときの注意点

発達障害であることを子どもに伝えるときの注意点

実際に発達障害であることを伝えるときには、次の3つの点に留意しましょう。

  1. 普段通りの調子で話し、否定的な言い方は避ける
  2. 短所に見えることも長所になりうることを伝える
  3. 特性は生まれつきのものだけれど、成長や経験に伴って変化する可能性があることを伝える

なお、実際の診断名を伝えるときは、思い込みを避けるために、医師やカウンセラーとも相談の上、親御さん自身でも、お子さんの発達障害の内実をよく確認することが重要です

これは、同じ発達障害と診断されても、その程度には個人差があるためです。診断名にこだわりすぎずに、「お子さんにどのような特性があるか」を確認して伝えるのがよいのです。

ちなみに、ASD傾向のあるお子さんなどには、特性上、口頭での説明よりも、文書や図絵の方が伝わりやすい場合があります。

そういった細かな伝え方も含めて、あなた一人で判断する必要はありません。ぜひ、かかりつけ医や専門機関の支援員に相談するようにしてみてください。

【事例紹介】発達障害の子どもを持つ親御さんの声~キズキの事例より~

私たちキズキ共育塾では、発達に特性があるお子さんや親御さんのサポートを行っています。ここでは、そうした生徒さんの声を一部ご紹介します。ぜひご参考にお読みください。

山田理乃さん(小学5年生)の親御さんの声

ADHDに関連して集中力が続かず、学校の授業中には本を読んだり歩いたりで、忘れ物も多いです。
キズキ共育塾は、そんな子どもをサポートする場所として、多種多様なバックグラウンドを持つ講師が多いところに魅力を感じました。実際に子どもは先生との相性がいいようで、楽しく通ってます。

柿澤三郎さん(中学校1年生)の親御さんの声

子どもの勉強面の遅れや人間関係に不安を覚えていました。キズキ共育塾は発達に特性のある生徒を多く受け入れているため、信頼できると思い入塾しました。そういう意味で、入塾にあたっての不安はありませんでしたね。
授業を受けている教科については、少しずつではありますが、自信を持てるようになってきたようです。講師の方々には勉強面に限らず生活面についての相談もできていて、感謝してますね。

藤原一樹さん(高校2年生)の親御さんの声

ASDの特性があり、中1の2学期から不登校に。通信制高校に入学したものの通学できず、ますます勉強が遅れることに不安を感じていました。
キズキ共育塾は不登校や悩んでいる生徒に対する接し方がとても温かく、入塾を決意。決して形だけでなく親身になってくれました。
電車に乗って歩いて塾に通うということだけでも、以前の状況からは大きな変化です。
学習する意義や楽しさも感じつつあるようです。

改めて、発達障害とは?

この章では、改めて発達障害について解説します。すでにご存知かもしれませんが、これまでに紹介した内容の理解も深まると思いますので、ぜひご覧ください。

①発達障害の主な3種類

2013年に刊行されたアメリカ精神医学会の定める診断基準「DSM-5」によると、主な発達障害として次の3つを挙げられます。

  • ADHD(注意欠陥・多動性障害)
  • ASD(自閉症スペクトラム障害)
  • LD(学習障害)

発達障害の特性は、程度はあるものの、発達障害ではない人にも見られるものがあります。発達障害かどうかは、専門医だけが診断できます。

中には、診断基準を満たすほど特性が強くないことから、確定診断は下りないものの、社会生活で困りごとを抱えている「グレーゾーン」と呼ばれる人もいます

お子さんの発達障害を疑っている方は、以下の各発達障害の特性を参照しつつ、相談機関や専門医に相談することをオススメします。(参考:村上由香『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に暮らすための本』)

②ADHD(注意欠陥・多動性障害)

ADHD(注意欠陥・多動性障害)

ADHDは、正式名称を注意欠如・多動性障害(Attention-Deficit Hyperactivity Disorder)という、発達障害の一種です

ADHDには、大きく分けて「不注意」と「多動・衝動性」の2つの特性が見られます(特性の程度や現れ方には個人差があります)。

具体的な困難としては、次のようなことが挙げられます。

不注意による困難

  • 忘れ物や記入漏れなどのミスが多い
  • 確認作業がうまくいかない
  • 整理整頓が苦手で物を失くすことが多い

多動・衝動性による困難

  • 気が散りやすく、貧乏ゆすりなど常に身体を動かしていないと落ちつかない
  • 他人の意見に耳を傾ける前に発言したり行動したりする
  • 優先順位をつけることが苦手で、場当たり的になりやすく、締切を守りづらい

ただし、後に紹介するASD・LDともに、発達障害は病気とは違い、あくまでその特性が目立ちやすいのです

日常生活などにおける「困難」は、過ごし方の工夫などで対策できますので、ご安心ください。

③ASD(自閉症スペクトラム障害)

ASD(自閉症スペクトラム障害)

ASD(Autism Spectrum Disorder、自閉症スペクトラム障害)とは、社会性・コミュニケーション・想像力の3つにおいて特性が目立つ発達障害です

具体的には、次のような特性が目立ちやすいと言われています。

社会性における特性

  • 場の状況や上下関係に気が回りづらく、TPOに合わせた行動が難しい
  • 話を聞いていないと誤解されやすい

コミュニケーションにおける特性

  • 質問の意図、身振り、比喩、冗談などを理解しづらい
  • 報告、連絡、相談がうまくできない

想像力における特性

  • 決まった順序に強いこだわりを見せる
  • 予定が変わるとパニックになりやすい
  • 暗黙のルールなど明示されてない決まりに疎い

その他にも、ASDには聴覚過敏などの「感覚過敏」が併存する子が少なくありません。

④LD(学習障害)

LD(学習障害)

LD(学習障害)とは、「読む・聞く・話す・書く・計算する・推論する」といった6つの能力の1つ以上に、習得や使用の困難がある発達障害です

文部科学省の定義によると、「学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない」という条件が付きます。

「読む・聞く・話す・書く・計算する・推論する」のうち、どれに困難を覚えるのかは、それぞれの特性により異なるため一概には言えません。

しかし、「特定の情報処理が難しい」という困難に共通点があります

例えば、読字障害の場合は「教科書の文章がうまく読めない」、書字障害の場合は「文字を書いたり覚えたりすることが苦手」です。

このようなLDは、初等教育が始まる段階で症状を自覚するケースが多いと言われています。

まとめ:発達障害の子どもに親御さんができることはたくさんあります

発達障害の子に親ができることはたくさんあります

発達障害の子を持つ親御さんができること、抱きやすい悩み、相談できる支援機関、発達障害を伝えるタイミングなどをお伝えしました。実践できそうなことはありましたか?

繰り返しにはなりますが、先生や医師、支援機関などの第三者に、適切に相談することが、お子さんにとっても親御さんにとっても大切です。

あなた一人で、あるいは親子間で抱え込む必要はありません。ぜひ周りの専門家に相談してみてください

あなたのお子さんの状態に合った専門家の意見を取りいれながら、これまでに解説してきたサポートを実践してみましょう。発達障害であっても、伸び伸びとした生活を送ることは充分可能です。どうか安心してください。

このコラムが、少しでも発達障害の子どもの親御さんの助けになれば幸いです。

監修 / キズキ代表 安田祐輔

やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、不登校・偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。また、不登校の子どものための家庭教師「キズキ家学」、発達障害やうつ病の方々のための就労移行支援事業所「キズキビジネスカレッジ」も運営。

【新著紹介】

『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法』
(2022年9月、KADOKAWA)
Amazon
KADOKAWA公式

【略歴】

2011年 キズキ共育塾開塾(2023年7月現在10校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年7月現在4校)

【メディア出演(一部)】

2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)

共同監修 / キズキ相談担当 半村進

はんむら・すすむ。1982年、茨城県生まれ。東京大学文学部卒。
小学校時代から転校を繰り返し、運動ができないこと、アトピー性皮膚炎、独特の体形などから、いじめの対象になったり、学校に行きづらくなっていたことも。大学に入学してようやく安心できるかと思ったが、病気やメンタルの不調もあり、5年半ほど引きこもり生活を送る。30歳で「初めてのアルバイト」としてキズキ共育塾の講師となり、英語・世界史・国語などを担当。現在はキズキの社員として、不登校・引きこもり・中退・発達障害・社会人などの学び直し・進路・生活改善などについて、総計1,000名以上からの相談を実施。

【執筆記事・インタビューなど(一部)】

日本経済新聞 / 朝日新聞EduA / テレビ東京 / 不登校新聞 / 通信制高校ナビ

執筆 / 寺田淳平

てらだ・じゅんぺい。高校2年の春から半年ほど不登校を経験。保健室登校をしながら卒業し、慶應義塾大学に入学。同大学卒業後の就職先(3,500人規模)で人事業務に従事する中、うつ病を発症し約10か月休職。寛解・職場復帰後、勤務を2年継続したのち現職のフリーライターに。2019年に一般財団法人職業技能振興会の認定資格「企業中間管理職ケアストレスカウンセラー」を取得。

サイト運営 / キズキ

「もう一度学び直したい方」の勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする学習塾。多様な生徒さんに対応(不登校・中退・引きこもりの当事者・経験者、通信制高校生・定時制高校生、勉強にブランクがある方、社会人、主婦・主夫、発達特性がある方など)。授業内容は、小学生レベルから難関大学受験レベルまで、希望や学力などに応じて柔軟に設定可能。トップページはこちら。2023年7月現在、全国に10校とオンライン校(全国対応)がある。

Share