浪人成功のための2つのポイント〜人目を気にしない、目的を明確にする〜

浪人成功ための2つのポイント:「人目を気にしない」「目的を明確にする」

こんにちは。浪人生を完全個別指導でサポートするキズキ共育塾・講師の町田和弥です。

塾では、浪人生や浪人が決まった高校生から、次のような言葉をよく聞きます。

  • 「高3の今年、勉強がんばれなかったな…こんな自分が浪人してもがんばれるわけがない…」
  • 「浪人しても合格しなかったら恥ずかしい…」

浪人をすれば、誰もが先の見えない不安を感じるものです。

ですが、不安、つまり「浪人失敗の恐怖」が解決しなければ、落ち着いて勉強できませんよね。

一般的には、浪人の成功とは「第一志望の学校に合格」であり、浪人の失敗とは「第一志望の学校に不合格」でしょう。

あなたの浪人生活を成功させるためにも、浪人失敗への恐怖を減らしていきましょう

浪人して失敗した人や成功した人の特徴を知れば、あなたの不安は解決し恐怖はなくなり、浪人成功に近づきます。

なお、最初に書いておきますが、この記事は以下のようなものではありません。

  • 「あなたを不安にさせるためのもの」
  • 「あなたをおどすためのもの」

「浪人で失敗しやすい人の特徴」などが今のあなたにもし当てはまっても、必要以上に不安に思う必要はありません。一歩一歩、前に進んでいきましょう。

浪人が失敗する人の特徴〜人の目を気にしている〜

浪人が失敗する人の特徴:「人の目」を気にしている

僕は、キズキ共育塾の前にも、いくつかの塾で講師やスタッフとして働いてきました。

いろいろな塾でたくさんの生徒の合格と不合格を見てきた経験から、第一志望校に合格する人たちとしない人たちには、それぞれ特徴があることを感じていました。

もちろん、特徴があるからといって、「必ず合格する」「必ず不合格になる」というものではありません。

しかし、少しでも合格する可能性を上げるためにも、各特徴を知っておいて損はないでしょう。

まずは、浪人に失敗した人の特徴をお伝えします。

①浪人に失敗しやすい人は、人の目を気にしている

浪人に失敗しやすい人は、人の目を気にする特徴・傾向があります。

具体的な例として、浪人に失敗しやすい人は、浪人を始めるときに次のような思いを持っていることが多いです。

  • 「予備校でたくさん友達できるかなあ?」
  • 「わからないところは友達に聞こう!」
  • 「浪人1年間は長いし、夏休み時期には遊んで大丈夫だよね??」

②浪人生活で人の目を気にすることの悪影響

人の目を気にすると、浪人生活の日々の行動に次のような影響があります。

たくさん友達をつくろうとすると…

人間関係を築くことにエネルギーを使い、勉強に集中できません。また、実際に友達ができた場合には、塾帰りにファミレスに行ったり、夜遅くまでおしゃべりしたりして、勉強するための時間が減ります。

わからないところを友達に聞いていると…

友達に質問しても解決しないと、友達と一緒に長時間考えることになり、勉強時間をロスします。また、友達がその問題を解ける場合でも、友達が「解き方をきちんと伝えられる」とは限らないのです。

夏休みに遊んでいると…

学んだことを忘れたり、生活リズムを崩して受験モードに戻すのに苦労したりするなど、必要以上の苦労をすることになります。

③浪人が人の目を気にすると、受験勉強がおろそかになる

では、そもそもこうした思いや行動は、なぜ生まれるのでしょうか?

冒頭の話に戻りますが、やはり「人の目」を気にしているからではないでしょうか。自身の浪人生活について、次のような思いが大前提にある、ということです。

  • 「友達がいない人だと思われたくない…」
  • 「こんなことを先生に聞いたら笑われてしまうかも…」
  • 「勉強ばかりして、つまらない人と思われたくない…」

つまり、「人の目」を気にするあまり、浪人の目的である「受験勉強」がおろそかしてしまっているのではないでしょうか。

④人の目を気にせず勉強を続ければ、浪人成功の確率は上がる

人目を気にすることそのものは、悪いことではありません。
浪人かどうかに関わらず、楽しく生活しようと思う気持ちも当たり前でしょう。
また、友達と励まし合いながら勉強して浪人成功する人もいます。

しかし、「人の目」ばかりを気にして適切に勉強できなければ受験成功の確率が下がる、ということは理解いただけると思います。

最初に紹介した生徒さんの声でも、似たようなことが言えます。

「浪人して合格しなかったら恥ずかしい…」

「あの子、浪人したのに合格しなかったみたいね…」という他人からの心ない声を、受験する前から想像していませんか?

「こんな自分が浪人してもがんばれるわけがない…」

「がんばってもできない子だと思われてしまうなら、最初からがんばらない方がいいな…」とあきらめていませんか?

受験の前から「浪人に失敗したときの人目」を気にしすぎることで、勉強にブレーキがかかる可能性があるのです。

ですが、「志望校」に向けた「あなた」に合う勉強方法を見つけ、勉強の手を止めなければ、必ず学力は伸びます。

つまり、人の目を気にせず勉強を続ければ、浪人が成功する可能性が上がるわけです。

では次に、浪人に成功した人たちに共通する特徴をお伝えします。

浪人が成功する人の特徴と体験談〜「人の目」を気にしない〜

成功した浪人生に共通していることは、「人の目」を気にせずに勉強していることです(「失敗」の傾向がある人の逆ですね)。

浪人が成功した人たちが予備校でどのような浪人生活を過ごしていたのか、実際に私が聞いてきた声には、次のようなものがあります。

  • 「『君は自習室に住んでるね』と言われるくらい、毎日予備校で自習していました」
  • 「わからないところは、恥ずかしがらずにすぐに先生に質問していました!」

自習室での長時間の勉強はあくまで例であり、自分に合う勉強法は人それぞれです。
わからないことをすぐに先生に聞かず、一度自分でじっくり考えた方が知識が身につく人もいるでしょう。

ここであなたにお伝えいしたいのは、「浪人生活と受験勉強において、人の目を気にする必要はない」ということです。

予備校関係以外には、次のような特徴があります。

  • 「規則正しく、朝型の生活をしていましたね」
  • 「予備校の授業をきちんと受けた上で、予習・復習を欠かさないようにしていました」
  • 「スマホがあるとついネットやゲームをやってしまうから、浪人中はガラケーにしていました」
  • 「不合格が決まった高3の3月、友達は最後の高校生活を楽しんでいました。でも私は3月のうちから受験勉強を再開しました」

まとめると、次のような行動を行っていることが多いです。

  • 規則正しい生活
  • 自主的・積極的な勉強
  • 早めの行動

このような行動ができれば、勉強量は自然と増え、大学合格が近づくのもうなずけます。

ここでも、「人の目」を恐れないことが重要です(例えば、「スマホを持たないのは恥ずかしい…」といった思いです)。

一方で、繰り返しにはなりますが、効率的な勉強方法や生活リズム・生活方法は人それぞれで違います

紹介した声はあくまで一例であり、あなたとあなたの目標にあった「行動」を見つけ、継続しましょう。

何が「浪人の成功」かは目的次第

「浪人の成功」は、「第一志望校に合格」とは限らない

ここまで、浪人して失敗・成功しやすい人の特徴として、「人の目」を軸にお伝えしてきました。

ここからは、さらに「浪人の失敗と成功」についてお伝えしていきたいと思います。

①浪人の不安〜第一志望に合格しなかったらどうしよう〜

「浪人の失敗」を考えるときの不安の1つに、次のようなものがあるのではないでしょうか。

  • 「第一志望の大学に合格できるんだろうか」
  • 「第一志望の大学に合格しなかったらどうなるんだろう」

「第一志望校不合格の不安があるために勉強に手がつかない」という生徒さんも、これまでに見てきました。

さて、ある受験関係者は、「浪人の成功率は10%である」と言っていました。
また別の受験関係者から、「浪人に失敗した人は、ニートやひきこもりになる」と聞いたこともあります。

この情報を両方とも信じると、「全浪人生の90%がニートやひきこもりになる」ということになります。

冷静に考えれば、そんなことはありえませんよね(笑)

全浪人生の何割が第一志望の大学に合格するのかは、残念ながらデータがありません。

ですが、第一志望の大学に合格しなかったからといって、人生が終わるわけではありません(また、ニートやひきこもりになっても、そこからの学び直しは可能です)。

②「浪人の成功」は、「第一志望校への合格」とは限らない

これまで、「浪人の成功・失敗」を「第一志望の大学の合格・不合格」と想定してお話してきました。しかし、そもそもそれだけが分かれ目ではありません。

大学に行く目的が明確であれば、第一志望の大学が不合格でも、第二志望、第三志望などの大学に合格すれば、浪人は成功だと言えるでしょう。

「第一志望」はあくまで受験校を比較したときの順位です。たとえば、「大学に行く」という目的であれば、志望順位に関係なく大学に合格すれば、浪人は成功と言えます。

つまり、浪人が成功したかどうかの判断は、「第一志望に合格したかどうか」だけではなく、目的次第でいくつもパターンがあるのです。

③「自分がなぜ大学に行きたいのか」を考えると、浪人成功のパターンはいくつもある

浪人生活を成功させるためには、「自分はなぜ大学に行きたいのか?」という目的を明確にすることが大切です。

目的が明確になれば、「第一志望に合格しなかったらどうなるんだろう」という不安はグッと減り、勉強に集中できるようになるはずです。

目的は、次のように、なんでも大丈夫です(もちろん、下記以外のものでもOKです)。

  • 興味のある分野の勉強をしたい
  • 将来的にこういう職業になりたい
  • 大学生活をエンジョイしたい
  • 海がキレイな地方に住んでみたい
  • 一人暮らしをしてみたい

なお、「有名大学に進学したい」という目的も否定しません。

ですが、それが「人の目を気にしているから」という理由であれば、浪人中も人の目を気にして勉強がおろそかになる可能性があります。

「有名大学に進学したい」場合は、「自分のため」の目的もつくっておく(明確にしておく)ことが大切です。

また、目的は「○○したい」という積極的な方向性だけではありません。例えば次のように、消極的な出発点による発想でもよいのです。

  • 将来的に転勤のある仕事に就きたくない。だから、転勤のない仕事に就くスキルを身につけるために大学に行く
  • まだ働きたくない

そうした「あなたの目的」が叶えられるならば、第一志望の大学に合格しなくても、「浪人が成功した」と言っていいでしょう。

さらに言えば、「浪人の目的」として、次のようなことを決めた上で、それを実行できたのならば、その年の受験で一つも合格しなくても浪人は成功しているのです。

  • まずは勉強の習慣を身につける
  • まずは生活習慣を改める
  • 去年よりも成長する
  • 一歩一歩、着実に進んでいく

【体験談】第一志望校以外の浪人成功の事例1:第二志望の大学で、物理の勉強と議論ができる友達ができた

希望の学部に合格し、議論ができる友達もできた

続いて、「第一志望の大学には合格しなかったけれど、浪人に成功した人」の話をお伝えします。

まずは、僕自身の浪人成功談です。

僕は、一年間の浪人を経て、第二志望の大学に入学しました。

僕の大学へ行く目的は、高校時代、物理の先生にたまたま紹介された物理学会の観覧がきっかけでした。

その学会では、物理学者たちが物理について楽しそうに議論していました。

そんな光景を見て、次のような目的ができて、物理が学べる大学(学部)に行きたいと思うようになりました。

  • 僕も大学で物理を勉強したい
  • 物理について議論できる友達がほしい

結果として、第一志望の大学には不合格でしたが、第二志望の大学に合格しました。

第一志望の大学に合格しなかったものの、「物理を勉強する」という目的は第二志望の大学でも達成できるため、「浪人は成功した」と思っています

実際に、進学した大学では希望していた物理を学ぶことができました。また、議論し合える友達もでき、とても楽しい大学生活でした。

【体験談】第一志望校以外の浪人成功の事例2:努力の成果として、第二志望の大学合格を勝ち取った

努力の成果として、合格を勝ち取った

次に、僕が教えていたある生徒さん(Aくん)の話です。

Aくんは、現役時代にある大学に合格しました。

Aくんはその大学・学部を志望していたわけではありません。高校の先生に「ここだったら合格できるぞ」と言われるままに受験したとのことです。

Aくんは、「志望しているわけでもないけど、反対する理由もないかな…」と思いました。そして実際に、大した受験勉強もせずに、その大学に合格・進学しました。

しかしAくんは、何の達成感もなく始まった大学生活で無気力になり、大学不登校から中退。

そして改めて大学を目指すために浪人することにしました。

Aくんは、浪人の結果、第一志望の大学の合格には至りませんでしたが、第二志望の大学に合格しました。その状況について、Aくんは「大満足です!」と言っていました

これは、Aくんの浪人の目的が、次の二つだったからです。

  1. 今年一生懸命に勉強して、努力の成果として大学に合格する
  2. 自分の興味のある学部に進学する

現役時代に、「興味のない学部に、ほぼ勉強せずに合格」して、無気力になったことを踏まえての目的でした。

第二志望だった大学で学ぶ現在のAくんは、勉強や人間関係などが充実した大学生活を送っています。

2つの経験談からもわかる通り、大学進学や浪人の目的が明確であれば、「第一志望の大学に不合格」であっても、浪人生活は成功となります。

あなたも、自分が浪人する目的をしっかり考えて、浪人失敗の恐怖を減らし、一歩ずつ前に進んでいきましょう。

まとめ~あなたの浪人が成功するよう祈っています〜

まとめ~あなたの浪人が成功するよう祈っています〜

これまでの話をまとめます。

浪人に失敗しやすい人は「人の目」を気にする傾向があります。その結果、勉強がおろそかになりがちになります。

浪人を成功させるためには、人の目を気にしないよう意識した上で、自分の目標に合った勉強法を実践・継続していきましょう。

そして、「浪人の成功」とは「第一志望の大学に合格」だけではありません。

大学進学や浪人そのものの目的が明確であれば、第一志望の大学に合格しなくても、その年の受験で大学に合格しなくても、浪人は成功になります。

つまり、浪人が成功したかどうかの判断も、人の目を気にせずに自分で決められるのです。

目的が明確であれば、「第一志望の大学に合格しなかったらどうしよう…」という不安はなくなり、受験勉強に集中できるようになるはずです。

目的を明確にして、目的に向かって進むための勉強法や生活習慣などを実践していきましょう。

とはいえ、目的を考えることも、あなたにあった勉強法や生活習慣を見つけることも、一人で悩む必要はありません。

浪人生の指導や支援に詳しい人に相談すると、より効率的に浪人生活を送れるようになります。

私たちキズキ共育塾でも、多くの浪人生が学んでいます。

キズキ共育塾は、勉強(方法)だけでなく、進学の目的や生活習慣などについても、完全個別指導で、あなたのための授業を実施します。

少しでも気になるようでしたら、お気軽にお問い合わせください。ご相談は無料です。

浪人生活で、あなたの目的が達成されるように、心から祈っています。

※文中の写真は、全てイメージです。

監修 / キズキ代表 安田祐輔

やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、不登校・偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。また、不登校の子どものための家庭教師「キズキ家学」、発達障害やうつ病の方々のための就労移行支援事業所「キズキビジネスカレッジ」も運営。

【新著紹介】

『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法』
(2022年9月、KADOKAWA)
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KADOKAWA公式

【略歴】

2011年 キズキ共育塾開塾(2023年7月現在10校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年7月現在4校)

【メディア出演(一部)】

2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)

共同監修 / キズキ相談担当 半村進

はんむら・すすむ。1982年、茨城県生まれ。東京大学文学部卒。
小学校時代から転校を繰り返し、運動ができないこと、アトピー性皮膚炎、独特の体形などから、いじめの対象になったり、学校に行きづらくなっていたことも。大学に入学してようやく安心できるかと思ったが、病気やメンタルの不調もあり、5年半ほど引きこもり生活を送る。30歳で「初めてのアルバイト」としてキズキ共育塾の講師となり、英語・世界史・国語などを担当。現在はキズキの社員として、不登校・引きこもり・中退・発達障害・社会人などの学び直し・進路・生活改善などについて、総計1,000名以上からの相談を実施。

【執筆記事・インタビューなど(一部)】

日本経済新聞 / 朝日新聞EduA / テレビ東京 / 不登校新聞 / 通信制高校ナビ

サイト運営 / キズキ

「もう一度学び直したい方」の勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする学習塾。多様な生徒さんに対応(不登校・中退・引きこもりの当事者・経験者、通信制高校生・定時制高校生、勉強にブランクがある方、社会人、主婦・主夫、発達特性がある方など)。授業内容は、小学生レベルから難関大学受験レベルまで、希望や学力などに応じて柔軟に設定可能。トップページはこちら。2023年7月現在、全国に10校とオンライン校(全国対応)がある。

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