【浪人経験者が語る】浪人を成功させる勉強方法・生活スタイル

こんにちは。完全個別指導塾・キズキ共育塾の富永淳助です。
あなたは今、次のような不安や悩みはありませんか?
- 浪人で失敗したくない
- どういう勉強をすればいいのだろう?
この記事では、大学受験で浪人を決めた人に向けて、私自身の経験談をお伝えします。
私も大学受験で浪人を経験しています。
現役生のときは、勉強の仕方で大きく失敗して不合格。
そして1浪し、現役の時に落ちた国立の理系大学に合格しました。
これから浪人するか迷っている人は、判断材料の一つとしてお読みいただければと思います。
また、すでに浪人すると決意を固めた人は、体験記としてお読みください。
「浪人すると、こんな状況が待っている」とあらかじめ知っていれば、浪人生活を過ごしやすくなるはずです。
あなたの浪人生活や浪人決断の参考になれば幸いです。
目次
現役受験失敗の理由は?
現役時代の私は勉強方法の失敗によって、第一志望の国公立大学に不合格でした。
部活動は5月に引退したので、受験勉強する時間は十分にありました。
失敗の経緯はこうです。
- 数学が得意だと思っていたので、まずは数学を勉強して自信をつけようと思っていたが、思うように点数が伸びなかった
- そこでムキになって数学ばかり勉強するようになり、すると今度は他の科目の成績が低迷し、何をどうすればいいのかわからなくなった
- 本番までに立て直すことはできず、志望校すべてに落ちて、浪人することを決意した
浪人開始時の心境は?

浪人すると決めたときは、とても不安でした。
「浪人したところで、本当に成績が伸びるのか」ということが一番の不安でした。
また、私は金銭的な余裕がなかったので、予備校にも通えず、自宅浪人(=独学の受験勉強)をすることになりました。
さらに、受験の資金も自分で稼ぐ必要があったので、アルバイトも始めました。
「自宅浪人」+「アルバイト」…
当時見聞きしていた「浪人失敗の代名詞」が並び、合格できるかどうかを考えっただけでも、本当に恐ろしかったですね。
唯一の救いは、母が応援してくれたことです。
(受験には失敗したものの)学校の成績はよかったので、「お前は勉強できるから大丈夫だ」と励ましてくれました。
親に励まされる中で勉強できたことは、本当に恵まれていたと思っています。
自宅浪人(宅浪)の詳細は、下記のコラムに記しています。
よければご覧ください。
浪人時代にどんな勉強をしていた?
続いて、私が思う「勉強法の3つの要素」についてお伝えしたいと思います。
「一日どれくらい勉強すればいいのか」など、多くの浪人生が不安に思うことの答えにもなるので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
より具体的にお伝えするために科目を数学に限定してお話ししますが、どの科目にも応用できます。
自分の受験に必要な科目に置き換えて読んでみてください。
①自分と「敵」の力量を見極める

「己を知り、彼を知れば百戦殆うからず」
孫子の兵法にあるように、戦いにおいて自分と相手の力量を見極めることがとても重要です。
大学受験においては、「何をすれば志望校の受験で点数を取れるのか」をきちんと把握することが大切になります。
私自身、現役時代は漠然と勉強したために失敗しました。
高3になっても、数1A、数2B、数3の問題集を、薄く広く勉強していたのです。
しかし、秋ごろ、第一志望校の過去問を見て唖然とします。
「この大学の数学の問題、ほとんど数3だ…」
センター試験では数1A・数2Bの広い勉強も重要ですが、二次試験では「傾向に沿った厚い勉強」が必要だったのです。
浪人生活が始まり最初にこの点を反省し、次のように過去問研究を行い、勉強内容の見直しました。
- 過去問を見て、「この問題は青チャートの基礎例題に類題がある」「この問題はユニークだから数字を代入して実験しなければならない」などを調査する
- 調査に基づき、どのテキストを選ぶべきか、そのテキストのどこを重点的にやるべきか、自分の今のレベルはどれくらいかなどを確認して勉強を進める
志望校と自分のレベルを詳しく把握していない人は、まずは過去問をじっくりと研究する時間をつくりましょう(予備校に通っている人は、詳しい講師やスタッフに相談してみてください)。
②傾向と対策(定石・セオリー)を学ぶ

あなたは、基本知識ばかりを身につけようとしていませんか?
別の言い方をすると、数学であれば、「定理や公式は覚えているけれど、問題の解き方までは覚えていない」状態になっていませんか?
現役時代の私自身が、そんな状態でした。
「数学は基本的な定理だけ覚えておけばよい」「試験本番では、問題に合わせて定理をパズルのように組み立てて、その場のひらめきで解く」というスタンスだったのです。
しかし、このやり方では高得点は取れません。
基本知識は、もちろん重要です。
ですが、大学受験においては、基本知識だけではなく、「その知識を利用すると、どんな問題をどのように解けるのか」まで覚える必要があります。
これができないのは、定跡を知らずに将棋を指すようなものです。
序盤の陣形を整えるだけで時間と体力を浪費して、中盤考える体力を失います。
受験勉強でも、基礎知識だけでなく定跡も含めて覚えることが必要だと気づきました。
具体的には、次のように、2種類のテキストを用意しました。
- 大学への数学シリーズ:定跡を覚える(インプット)
- チャート式シリーズ:問題を解く(アウトプット)
インプット用テキストは、ペンを持たずにパラパラ読みました。
アウトプット用テキストでは、1問15分くらいに定めてノートに問題を解きます。
これを繰り返すとより効率よく問題を消化できるので、ぜひ試してみてください。
③時間を区切って勉強する

最後に勉強のスケジュールについて話をします。
「浪人生は一日○○時間勉強しなければならない」という声をよく聞きますよね。
しかし、一日の勉強時間を定めるだけでは足りません。
本当に考えるべきは、「どの科目を一日何時間やるか」という、科目ごとの時間配分です。
私の浪人時代のスケジュールは、次の通りです。
浪人開始直後、3月~4月の一日のノルマ(合計7時間)
- 数学III:60分(解法インプット)
- 数学III:60分(演習アウトプット)
- 英語:長文演習60分
- 化学:演習60分
- 物理:演習60分
- 数学・科学の歴史に関する読書:30分×2(昼と夜に分散)
- 英語版のWikipediaで興味のある記事を読む:30分×2(昼と夜に分散)
※1コマ最大60分とし、異なる科目の勉強の間は必ず15分間の休憩を取り、勉強以外のことをして過ごしていました
※読書や英語のWikipediaは、受験勉強そのものというよりは、勉強のモチベーションを上げるために時間をとってやっていました
このように、一日にやるべきことを書き出します。
私の場合、「どの順番でやるか」「どこで昼食・夕食をとるか」などは、日によって変えていました。
また、睡眠不足だと計画通りに進まなくなるので、睡眠時間はしっかりとりましょう。
「60分で区切ったら勉強の質は落ちないのか?」と疑問に思うかもしれません。
確かにぶっ続けで勉強したいと思うことは何度もありました。
しかし、60分程度に区切ることがかなり大切なのです。
なぜなら、時間に追われる感覚を身につけることが必要だからです。
これは、浪人生によくあることなのですが、4~6月はのんびりしがちになります。
私の現役時代と同じく、「まだ本番まで時間がある」と油断しているのです。
しかし、「もう60分経ったのか」「ぜんぜん進まないじゃん!」と、日頃から時間を気にしていれば、のんびりする時間がないことに気づくことができます。
大学生になってからも、社会人になってからも、勉強は必要です。
「60分間集中して勉強する」できるようになると、それは一生役に立つスキルになります。
身につけておいて損はないでしょう。
では、計画はどのように立てるべきなのでしょうか。
はじめは大雑把でよいので計画を立ててみてください。
やっているうちに、次のように必要な勉強がわかってきます。そして、その都度プラスしていけば徐々に学習計画が仕上がっていきます。
- 数学の過去問研究の時間がもっとほしい
- 英文法も30分だけやるか
勉強方法を改めてみてどうだった?

結論からお伝えすると、気まぐれな勉強方法をやめた結果、成績が安定するようになりました。
ただし偉そうに言えるほど順調ではありませんでした。
はじめに思い描いたほどうまくはいかないものです。
電磁気学がわからなくて泣きました。
5教科が必要な国立大学を目指す心は折れかけました。
二次試験対策ばかりした結果、センター試験はボロボロでした。
二次試験本番前も、かなり不安に駆られました。
しかし、それでも「やるべきことはやっているから大丈夫」「あとは天命にまかせるのみ」と、腹をくくることができたことはよく覚えています。
そして、現役時代に落ちた国立大学に合格することができました。
自分が勉強し続けられたことは自分が一番よく知っており、自信につながりました。
だからこそ、不安もありつつ、自信を持って二次試験に臨むことができたのだと思います。
一年を振り返って最も大変だったことは?

何といっても、「勉強を続けること」が一番大変でした。
勉強の計画は、大雑把なものであれ、綿密なものであれ、ある程度は誰でも立てられます。
しかし、いざやってみるとうまくいかないことばかりです。
眠気に襲われて、英文が読めないこともありました。
そんなときは、公園を歩きながら英文をぶつぶつ音読しました。
ストレスのあまり、集中できないときもありましたね。
そんなときは、ノートに「大学に行きたい理由」を書きなぐり、モチベーションを高めました。
どんなに不細工な姿でも決めたことは実行しました。
立てた計画通り勉強すること。言うは易く行うは難し。
これが何よりも難しいのです。
モチベーションを保つためにしたことは?

モチベーションが下がると、形だけ計画的に勉強できたとしても、頭に残りません。
受験勉強において、モチベーション管理はとても重要なので、方法をいくつかお伝えします。
①散歩しよう
浪人生にとって、散歩は大切です。歩くだけで頭が整理され、簡単にリフレッシュできます。
また、生活リズムを整える上でも散歩は重要になります。
浪人生は運動不足になりがちですし、日の光を浴びる習慣も減ります。
すると夜眠れなくなり、生活リズムが乱れてくるのです。
運動不足を解消し、かつ太陽光を浴びて体内時計を整えるという意味でも、散歩はとても大切です。
②勉強を忘れる時間をつくろう
息抜きも必要です。
私は勉強と勉強の合間にかならず15分休憩を作っていました。
その間に漫画を読んだり、ギターを弾いたりして息抜きをしました。
勉強のことを忘れられる時間を、少しだけ作ることは重要なのです。
ただし、中毒性の高いものは避けましょう。
たとえば、スマホゲームなどです。
スマホは、一日のノルマをこなすまでは機内モードにしておくことがオススメです。
③勉強に遊びを入れよう
勉強に遊びを入れることも重要です。
例えば英語の勉強について考えましょう。
受験英語では、長文を読むとき、一文一文丁寧に解釈しなければなりません。
何より、読んでいて楽しくないものばかりです(少なくとも私にとってはそうでした)。
こんな調子では、モチベーションが下がるばかりです。
そこで私は、英語のWikipediaを読むことにしました。
例えば化学の勉強で覚えた元素を一つ一つ英語で読んでいくと、受験化学では得られない豆知識などを覚えられますし、化学特有の言葉遣いにもなれることができます。
この勉強法であれば、英語も化学も同時に勉強できるわけです。
このお得感が私は好きでした。
後で知りましたが、Simple English Wikipediaというサイトがあります。
これはかなり簡単な構造の英文で書かれたWikipediaです。多読教材にオススメなので、ぜひ使ってみてください。
④日記を書こう
受験中に日記をつけることをお勧めします。
その日勉強したその成果をどれくらい書き出せるのかを計ることができます。
そのときの心情を吐露するのもいいかもしれません。
もやもやした気持ちを文章にするとそれだけで気持ちがすっきりしますよ。
アルバイトとの両立はどうだった?

私は受験勉強しながらアルバイトもしていたので、両立には苦労しました。
私の選んだアルバイトは、コンビニの店員です。
「コンビニの店員がやりたい!」という動機ではなく、「すぐに採用されそうだから」という理由でした。
当初は週3日・1日4時間くらいで働くつもりでした。ですが、何度もヘルプに入るように頼まれ、8時間勤務になったり、週5日勤務になったりしていました。
店長やお客さんに怒られることも少なくありません。
そんな環境で過ごすうちに、勉強できるメンタルではなくなっていきました。
「このままではまずい」と考え、私は店長に「家庭の事情で、早朝しか働けなくなった」とウソをつきました。
早朝は店長が出勤していないので、ガミガミ怒られたり、ヘルプに入ってほしいと頼まれることはなくなりました。
早朝は礼儀正しいお客さんが多かったので、接客のストレスはかなり軽減されました。
また、早朝勤務は朝6時からだったので、朝方の生活リズムに整えることもできました。
個人的には、勉強時間が少なくなること、ストレスを抱える可能性があることから、浪人中のアルバイトはあまりオススメできません。
しかし、私のようにお金が必要な場合や、勉強以外の環境で気持ちを切り替えたい場合、生活リズムを整えるためにアルバイトを利用したい場合は、人間関係や労働時間におけるストレスが少ない環境を選びましょう。
キズキ共育塾の事例としては、次のようなアルバイトが、浪人生活との両立に向いているようです。
- スーパーの品出し
- (体を動かしたい場合は)ダンボールの解体
- (やや)高級なカフェのスタッフ
- 残業のない職場
- 毎日入らなくてもよい職場
- 1日5時間以内ですむ仕事
- 午前中だけのシフト
「浪人とアルバイト」の詳細は、下記のコラムに書いています。興味がありましたら読んでみてください。
最後に…浪人することのメリットとは?

いかがだったでしょうか?
浪人したからといって成績が伸びる保証はありません。モチベーションが持続する保証もありません。
大きな不安を抱く気持ちは、私も経験したのでよくわかります。
しかし、そうした不安を乗り越えて、得られる成功体験はとても大きいです。
そして何より、大学生になっても社会になっても役に立つ勉強法が身につきます。
私は、浪人して自分を見つめ直せてよかったと思っています。
さて、私は「お金がないから」という理由で自宅浪人でしましたが、結果から見るとそれでも大丈夫でした。
特に自宅浪人を考えている人には、私の体験談を参考にしてもらえればと思います。
とはいえ、同じ自宅浪人でも、人によっても状況によっても、もっと違った方法が向いている人もいるでしょう。
また、予備校に通った方が効率的に勉強ができる人もいると思います。
試行錯誤しながら、あなたにとって最適な浪人成功法が見つかるよう祈っています。
最後に、私たちキズキ共育塾は、不登校・引きこもり・多浪などのお悩みを抱える人のための個別指導塾です。
ご相談いただければ、あなたのための勉強法・生活スタイルを一緒に考えることができます。
ご相談は無料です。少しでも気になるようでしたら、お気軽にお問い合わせください。