宅浪は絶対失敗する?経験者が語る、宅浪成功のための勉強・生活方法

こんにちは。浪人生の完全個別指導に実績のある完全個別指導塾・キズキ共育塾の富永淳助と申します。
本日は、宅浪することを決めた人に向けて、失敗しない宅浪の勉強・生活方法についてお話しします。
宅浪とは「自宅浪人」の略で、浪人として塾や予備校に通わずに勉強・大学受験する人のことを指します。
私も母子家庭で家にお金がなく、バイトしながら宅浪していました。
そして一浪ののち、現役時代に落ちた理系の国立大学に合格しました。
ネット上では、「宅浪はやめておけ」「失敗する」という意見も多いです。
私の経験からも、確かに宅浪は困難の連続でした。
しかし宅浪でも、きちんと勉強・生活すれば問題ありません。
私自身、「宅浪」+「アルバイト」という、割とキツめの受験生活を送りました。
それでも大学には合格できたのです。
この記事では、そんな私から、宅浪で合格を目指すあなたに向けて、次のようなことをお伝えします。
この記事を読んでわかること
- 宅浪のメリット・デメリット
- 宅浪のよくある失敗パターン
- 宅浪の勉強方法
宅浪を検討・実施しているあなたの参考になれば幸いです。
目次
宅浪のメリット

私自身や宅浪経験者の話から、宅浪のメリットは、以下のようなものが挙げられます。
宅浪のメリット
- 塾・予備校・家庭教師などの費用がかからない
- 勉強する時間・場所・教材・方法などを、自分で自由に決められる
- 予備校の雰囲気が苦手な人は、その空気を味わわなくて済む
以上のメリットを活かせれば、宅浪は受験成功への道と言えるでしょう。
受験生時代の私は、「宅浪とは、予備校代が払えない人だけがするもの」だと思っていました。
しかしそれだけではないようですね。
宅浪当時の私はメリットであることに気づいていませんでした。ですが、たしかに好きな場所で一人静かに勉強できましたし、試したいと思った勉強方法もすぐに実行できていました。
しかし、次章で述べるように、宅浪にはさまざまな危険もはらんでいます。
宅浪のデメリット

宅浪のデメリットと注意点には、以下のようなものがあります。
宅浪のデメリット
- 勉強方法や勉強計画を自分一人で考えなくてはならない
- 家族以外に話す人がおらず、孤独になる
- 誘惑に負けて遊んでも、止めてくれる人がいない
もちろん人それぞれですが、個人的には、こうしたデメリットは、メリットよりも大きいと思います。
宅浪成功のためには、こうしたデメリットを乗り越える必要があります。
「こんなデメリット、自分なら大丈夫だよ」と思うかもしれません。
しかし、一人になった人は、弱くなったり自制が効かなくなったりするものです。
宅浪失敗のよくあるパターン

少し話を変えて、具体的な宅浪の失敗パターンの一例を紹介します。
宅浪を検討・実施しているあなたを脅すつもりは決してありません。
ですが、塾で働く人間として、「珍しいパターンの失敗ではない」ということは事実としてあらかじめお伝えします。
前向きでフルスロットルな初期
浪人が決まった3月は、とても前向きです。
この時期の浪人生は、時間が豊富にあると思っています。
「せっかく浪人するのだから、○○大学を目指そう!」と、希望に胸を膨らませます。
そして1日の勉強スケジュールを立てます。
「ずっと家にいるわけだし、1日10時間勉強しよう」と、はじめからフルスロットル。
数学も英語も他の教科も、めいっぱいスケジュールに詰め込みます。
はじめはがんばって勉強します。
しかしテキストが後半に進むにつれて内容が難しくなると、予定どおりいかないことに気づきます。
「ちょっと息抜きするか…」
こうして、すぐに休憩をとる癖がつくのです。
休憩自体は悪いことではありません。
ですが、自分の部屋にも街にも、たくさんの誘惑があります。
「ちょっとの休憩」のつもりが、スマホをいじってTwitterをぼーっと眺めたり、マンガを読み始めたり、ショッピングモールに出かけたり…そして気づいたら何時間も経っていた。
そんな生活が習慣化します。
それでも4月、5月くらいだと「まだ本番まで余裕がある」と思うのです。
あわてだす夏
しかしそんな状態が8月まで続くと、慌てだします。
現役受験生や予備校に通う浪人生が成績を伸ばし始める時期だからです。
自分が勉強していないので、そのことを強烈に意識します。
そしてようやく勉強計画を見直します。
ところが勉強方法がわからないので、また無理な目標を立てます。
適切な目標設定も…
1日にこなすべき量も…
科目ごとのバランスも…
何も具体的決められない。
決めても達成する体力がない。
そして受検当日
あっという間に時間が経ち…その年の受験も不合格に。
こういう話は、宅浪あるあるとしてよく語られます。
私自身、現役受験のときにも予備校に通っておらず、このパターンで失敗しました。
だからこそ、宅浪では同じ失敗を繰り返さずに済んだと思っています。
では、具体的にどうすれば宅浪で成功できるのでしょうか。
効果的な勉強やモチベーション持続のためには、どのようなことに気をつければいいのでしょうか?
次にその方法をご紹介します。
宅浪の勉強方法
「予備校(塾)に行くとどんなメリットがあるのか?」
現役時代に受験に失敗した私は、浪人決定後に、それを初めに考えました。
予備校のメリットを宅浪に取り入れれば、失敗を回避できると考えたのです。
一般に、宅浪になくて予備校にあるものとして、次のような例が挙げられます。
- 一緒に勉強する仲間(ライバル)
- プロ講師の授業、スケジュール管理、添削指導、質問しに行ける体制
- 短期目標(授業の予習・小テストなど)
- アウトプット(演習)の機会
これを踏まえて、私は次のような勉強方法を確立しました。
方法①勉強のルールをつくる

はじめに勉強のルールをつくりました。
具体的には、「1科目の勉強は、1日に1回・60分だけで始める」というものでした。
現役時代の私は、1つの科目につき「テキストを1日10ページ進める」という目標を立てていました。
しかしこの方法には、次のように、いくつもの弊害がありました。
- テキストの途中でつまづき、目標達成できないことがある
- 時間に追われる感覚がないので、ダラダラしてしまう
- メリハリがつけられず、ストレスがたまる
時間を基準に目標をすれば、目標を達成できないということはありません。
60分机に向かえば目標達成なのですから。
とはいえ、のんびりしていると60分で1ページしか進まないということがあります。
しかし実際やってみると、テキパキ勉強するスイッチが入ります。
「この時間内に1章は全部終わらせてしまおう!」といった感じで、試験本番のように「時間内に間に合わせる勉強」が自然と身につきます。
スケジュールを立てる上でも、この方法は有効です。
「浪人生は1日10時間勉強しなければならない」という声もよく見受けられますが、漠然と10時間という数字を掲げても意味がありません。
時間を区切って勉強していると当然ですが、いつも「本番に間に合わないな」という危機感を抱きます。
すると初めて「この科目は1日2時間勉強しないとだめだ」ということに気づきます。
そう気づいたら、1日に60分の勉強を2回に増やせばいいのです。
全科目をこのように調整すると、自然と1日8時間くらいは勉強するようになります。
当時の私の1日の勉強時間の一例を紹介します。
【★宅浪開始直後、3月~4月の1日の勉強時間(合計7時間)】
午前(8~12時)
- 数学3:解法アウトプット60分
- 英語:長文演習60分
- 化学:演習60分
午後(14~19時)
- 数学3:演習インプット60分
- 物理:演習60分
- 数学・科学の歴史に関する読書:30分×2(昼と夜に分散)
- 英語のWikipediaを読む:30分
夕食以後(21~23時)
- 数学・科学の歴史に関する読書:60分
- 英語のWikipediaを読む:30分
※1コマ最大60分とし、間はかならず15分勉強以外のことをして過ごしていました。
※読書や英語のWikipedia閲覧は、モチベーションを上げるために時間をとってやっていました。
宅浪開始時に長時間勉強する習慣がない場合は、1回の時間を少なめにしたり、1日の科目数を少なくしたりと、少しから初めて次第に勉強時間を増やしていきましょう。
またこの方法は、メリハリをつけるいい訓練にもなります。
60分経ったら最低15分は休憩して、勉強しない時間をつくるのです。
このようにルールをつくっておけばその15分は自由に使うことが可能です。
その15分で遊ぶようにすればストレスをためすぎず勉強が長続きします。
これで浪人中もくじけずに勉強することができました。
方法②インプットとアウトプットのバランスをとる

予備校のカリキュラムは、インプットとアウトプットのバランスがとりやすいです。
解法、公式、文法、単語、年号など、新しい知識を得ること
復習や演習などで、インプットした知識を実際に使うこと
インプットとアウトプットをバランスよく行うことで、知識は定着していきます。
予備校では授業で知識を入れ、家では復習や演習をすれば、インプット・アウトプットをバランスよく取り入れられますよね。
宅浪では、テキストを進めるインプットに夢中になり、復習や演習というアウトプットがおろそかになる人が多いのです。
アウトプットの時間をきちんと勉強に取り入れましょう。
具体的には、次のような方法があります。
アウトプットの方法
- 演習の時間をつくる
- 中学生に教えるつもりで脳内授業する
- 白紙に覚えたことを書きまくる
- 模試や過去問で実力を確認する
私が実際に行った例を2つ紹介します。
■1.数学のように演習が大切な科目
次のように、勉強の回をインプットとアウトプットにわけると効率がよいです。
- 解法を覚える勉強60分
- 演習する時間60分
■2.政治経済のように暗記が重要となる科目
以下の手順で脳内で授業を行います。
- 頭の中で、自分を先生役と生徒役にわける。
- 先生役に「起こった出来事」を説明させ、生徒役に「なんで?」などと質問させて、授業(ストーリー)を進める。
これによって、知識を物語として整理することができます。
方法③模試を受ける

宅浪の人は、模試を受けるようにしましょう。
予備校に通っていれば、受験を見据えて授業が進んでいくので、予習・復習も含めてスケジュールに従っていれば、自然と目標に近づいていきます。
しかし、宅浪の勉強はどうしてもマイペースになるので、停滞する恐れがあります。
マイペースを打破するために、模試はいい刺激になります。
自分の力がごまかされずに数値化されるので、自分の勉強を評価するのには最適です。
頻繁に受けた方が実力やペースを小刻みに確認できるのですが、時間もお金も必要になります。
ですので、現実的に可能な範囲で受けていきましょう。
方法④解説が豊富なテキストを使用する

宅浪では、数学の証明問題や英作文などの添削指導を受けられないというデメリットがあります。
数学にせよ、英語にせよ、添削指導を受けられないと不安ですよね。
そのため、宅浪生が使うテキストには、添削指導の代わりとなる「模範解答」に多くのページを割いているものがオススメです。
その模範解答を一言一句まちがえずに真似していきます。
そして、「この一文はなぜ必要なのだろう?」と考えながら勉強してみましょう。
そうすることで、その問題だけでなく類似の問題もより深く理解できるようになります。
その他に、インターネットにも高校科目をわかりやすく解説してくれるサイトがあります(有料・無料があり)。
宅浪でモチベーションを保つ方法

最後に、宅浪生活において重要なモチベーション管理についてお話しします。
予備校に通っている浪人生は、一緒に勉強するライバルがいます。
ライバルがいると、次のように、刺激をモチベーションとして勉強を続けられます。
- さぼるとライバルに後れを取ってしまう
- 一緒に大学に受かりたい
しかし宅浪生は孤独です。
そんな孤独な生活を乗り切り、モチベーションを保つ術をいくつか紹介します。
方法①規則正しい生活をする
浪人生すべてに言えることですが、受験勉強において規則正しい生活はとても大切です。
特に睡眠は乱れやすいので注意が必要です。
受験の世界には四当五落(睡眠時間が4時間の人は合格し、5時間の人は落ちるという意味)という言葉があるように、安易に睡眠を削る発想がありました。
しかし、睡眠不足では、勉強の質は当然に落ちます。
1日、2日であれば根性で何とかなるかもしれませんが、受験は長期戦です。
ベストコンディションを常に保てるように、睡眠をおろそかにしてはいけません。
方法②散歩をする
勉強に息抜きは大切ですね。
その中でも散歩は最も手軽でメリットが多い方法です。
宅浪すると、生活が不健康になりがちです。
勉強に集中することは大事です。
しかし、かといって外出しない、運動しない…といった生活になると、体内時計は狂うし、体はなまります。
散歩して太陽光を浴びるだけでも、体が楽になりますよ。
また、歩くと頭が整理されます。
勉強が煮詰まらないときは散歩してリフレッシュするのが手軽です。
私は散歩中にも先ほど挙げた脳内授業をよくしていました。
方法③遊びの時間をつくる
宅浪中だからといって、禁欲的になりすぎるのはよくないです。
きちんと趣味に興じる時間を確保しましょう。
そのためには、勉強時間をきっちり定め、勉強は勉強でしっかり行うことが重要です。
「図書館では勉強し、家では遊ぶ」
「1日8時間勉強して、それ以外の時間は遊ぶ」
というふうに、メリハリをつけるようにしましょう。
ただし、中毒性の高い趣味はオススメできません。
個人的には、スマホゲームやSNSなどはなるべくやめた方がいいかな、と思います。
ほどほどのところでやめられる趣味で、息抜きしましょう。
方法④読書する時間をつくる
読書をする時間をつくることもオススメです。
受験勉強は「やらされている」という意識がどうしても生じてしまうので、勉強する楽しさは感じにくいと思います。
読書は自分の意志で自由に読むものを決められるため、受験勉強の窮屈さを一時的に忘れさせてくれます。
また、国語の試験にも強くなります。
特に、長い文章に慣れていない人は、読書習慣を身につけるだけでも文章を読むことへの抵抗感が大きく減ります。
1日20分でも構いません。読書の時間をつくることをオススメします。
方法⑤日記を書く
宅浪中は、日記を書くようにしましょう。
その日の出来事、気分、勉強したことなどを素直に書きましょう。
文章にすると気持ちがすっきりしますし、何を勉強したのか見直すこともできます。
また、勉強する意味を見失いそうになったとき、勉強のモチベーションが下がったとき、成績が思うように伸びないときは、なぜ自分が大学に入りたいのかを日記に書くとよいです。
書いているうちに初心を思い出し、またやる気が出てくるからです。
最後に〜あなた向きの宅浪生活を見つけていきましょう〜

いかがだったでしょうか?
「宅浪はやめた方がいい」という声もありますが、適切な勉強と生活を続けることができれば、成功します。
先ほども述べたとおり、最近はインターネットの教材も増えています。
ですので、勉強の手段・方法という観点で考えると、昔よりも宅浪は成功しやすいのではないでしょうか。
しかし、ソーシャルゲーム(ソシャゲ)やSNSなど、誘惑も昔より増えていることには注意が必要です。
ご紹介した私の方法などが、あなたの宅浪のお役にたてば幸いです。
しっかり勉強し、きちんと生活し、宅浪成功に向かっていきましょう。
さて、宅浪を続けるうちに、
「やっぱり無理かも…」
「このままでは難しいかな…」
などと思うことがあるかもしれません。
そんな悩みや不安を抱えたままでは、勉強に集中できませんし、生活も乱れがちになります。
そんなときは、思い切って宅浪をやめる、というのも一つの手段です。
あなた向きの予備校や家庭教師がないか、探してみましょう。
もしかすると、宅浪すると決めたときとは状況などが変わり、向いているところが見つかるかもしれません。
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