学校に行きたくない子どもに親ができる対応 心がけたいポイントを解説

こんにちは。生徒さんの勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする完全個別指導塾・キズキ共育塾です。
子どもから「学校に行きたくない」と言われたとき、親はどのような対応をすればいいのでしょうか?
- 子どもをなだめて学校に行かせるべき?
- どうして学校に行きたくないのかがわからない…
- ひとまず休ませているけど、次のステップを考えたい
このようにお悩みを抱えている親御さんは多いと思います。
このコラムでは、学校に行きたくない子どもに親ができる対応や子どもが学校に行きたくない理由、NG対応、親が心がけたいポイントなどについて解説します。
悩んでいる親御さんの参考になるはずです。
私たちキズキ共育塾は、学校に行きたくない人のための、完全1対1の個別指導塾です。
生徒さんひとりひとりに合わせた学習面・生活面・メンタル面のサポートを行なっています。進路/勉強/受験/生活などについての無料相談もできますので、お気軽にご連絡ください。
目次
子どもが学校に行きたくない7つの理由
子どもが学校に行きたくない理由は、必ずしも1つに特定できるものではありません。複数の理由が絡みあって、学校に行きたくないという気持ちを引き起こしていることが多々あります。
そのため、まずはどのような理由が考えられるかを知るとともに、お子さんがどんな悩みを抱えているのかを理解しようとすることが大切です。
この章では、子どもが学校に行きたくない理由について解説します。(参考:菅野純・あらいぴろよ『子どもが学校に行きたくないと言ったら読む本』)
理由①学校の勉強が合わない

学校の勉強が合わないと、子どもは授業を苦痛に感じやすいです。
- 授業のペースが早すぎる/遅すぎる
- 授業のレベルが高すぎる/低すぎる
- カリキュラムに興味が持てない
- 勉強そのものに意義が見出せない
- 授業で指名されるのが怖い
- グループワークが苦手
家庭学習や補習でどうにか追いついたり、授業中に自分なりに他の科目の勉強を進めたりしてバランスを取っている子どももいます。
しかし、ペースやレベルにあまりに差があると、今の学校に通う意味がないと思いがちです。また、学んでいる内容が自分の将来に繋がる感じがしないなど、勉強自体に意義を見出せない場合もあります。
そのほか、対人不安がある子どもの場合、グループワークや授業での指名が怖いから学校に行きたくないという場合もあります。
理由②人間関係に問題がある
人間関係は学校での居心地に大きな影響を与えます。
- 友人関係
- 先生との関係
- 部活動での関係
小学生の場合は、特に先生との関係が不登校のきっかけになりやすいです。
文部科学省が小学6年生を対象におこなったアンケート調査によると、先生との関係が学校に行きづらいと感じはじめたきっかけのトップに挙げられています。(参考:文部科学省「令和2年度不登校児童生徒の実態調査 結果の概要」)
先生との関係がうまくいっていないとき、子どもは不安や恐怖を感じやすいです。原因としては、主に以下が挙げられます。
- 叱り方がきつい
- 先生の声が大きい
- 威圧的な態度を取る
こうした特徴が子どもに「自分は先生に嫌われているかもしれない」という不安や恐怖を引き起こすと考えられます。
また、中学校からは部活動が本格化し、それまでにはなかった先輩・後輩の上下関係を意識しはじめる子どもが増えます。
慣れない関係が緊張をもたらし、学校に行きたくないという感情に繋がりやすいのです。
理由③学校の環境に慣れない

学校の環境に慣れないことが、学校に行くハードルを上げていることもあります。
- 学校行事が苦手
- 校則が合わない
- 校風や雰囲気が合わない
- 学校のシステムが合わない
- 学校までの距離が遠い
- 通学時間が長い
特定の行事が苦手な子どもは、それが終われば、また学校に通おうという気になるかもしれません。しかし、マイペースに学校生活を送りたいのに競争を求められるなど、常に居心地の悪さを感じている場合は、学校に行きたくない気持ちが長引く可能性が高いです。
また、なかには学校のシステムそのものが合わないという子どももいます。
2018年に行われた日本財団のアンケート調査では、「教室にいるけど学校が辛いと感じている」「本当は授業に参加したくない」「登校はするけど、教室には入りたくない」と感じている中学生が、全国で約33万人にのぼるという結果が出ています。(参考:日本財団「不登校傾向にある子どもの実態調査」)
理由④ほかに夢中なことがある
学校以外にほかに夢中になれることがあるという子どももいます。
- ゲーム・音楽・スポーツなどの趣味
- 動画視聴やマンガなどの娯楽
- 恋人や友達との交流
このような子どもは趣味や知人との交流に没頭するあまり、好きなこと以外はしたくないという心理状態にあります。その結果、学校に行きたくないと考えるようになるわけです。
しかし、なかには学校生活や勉強への不満が大元の原因になっている場合もあります。つまり、もともと不満を抱いていて我慢の限界がきた、もう好きなことだけをやりたいという思いから趣味や娯楽に走っていることもあるのです。
その場合は、夢中になっているものが無くなっても、学校に行こうという気にはならない可能性があります。
理由⑤家庭内に心配事がある

家庭内で生じる不安が、学校に行きたくない理由になっていることがあります。
- 病気の家族がいて心配
- 両親の不和で心が休まらない
- 親と離れることに不安を感じる
なかには親の関心を引きたくて「学校に行きたくない」と主張する子どももいます。
特に年齢の低い子どもは親と離れるのが怖かったり、弟や妹に親を取られないか不安になったりして、登校を拒む場合があります。
理由⑥心身に不調がある
学校に行きたくない子どもの多くが、お腹が痛いなどの体調不良を訴えると言われています。
実際、文部科学省が中学2年生を対象におこなったアンケート調査では、「身体の不調」が最初に学校に行きづらいと感じ始めたきっかけのトップになっています。(参考:文部科学省「令和2年度不登校児童生徒の実態調査 結果の概要」)
こうした理由は学校を休むための手段として使われることもあります。しかし、なかには本当に疾患があって学校に行きたくないという子どもも少なくありません。
また、過敏性腸症候群や起立性調節障害のように、病気や障害が原因で学校に行くハードルが高くなっている場合もあります。夜更かしが続いたことで生活リズムが崩れ、朝起きられなくなり、学校に行くのがつらくなったという場合もあります。
理由⑦ほかにやりたいことがある

学校生活を送っているうちにほかにやりたいことが見つかった結果、今の学校に行きたくなくなるケースもあります。
これは特に、中学生や高校生に多い理由です。専門分野に特化した勉強がしたいからと高等専門学校を志したり、すぐに働きたいから退学して就職したりと、さまざまです。
経済的に困難な状況にあるご家庭などでは、家族や親御さんを助けたいという気持ちから、「学校に通わずにバイトをしたい」「就職をしたい」と考えるようになる子どももいます。
補足:なんとなく行きたくないという子どももいます
学校に行きたくない理由を紹介してきましたが、理由探しにこだわらないことも大切です。
なぜなら、これといった理由無しに、なんとなく学校に行きたくない子どももいるからです。
もちろん、「本当は理由があるけど話したくない」「理由があるけどうまく言葉にできない」ということもあります。本人が理由を自覚できておらず、話していくうちに明らかになってくる場合もあります。
したがって、学校に行きたくない理由について話しあうこと自体には意義がありますが、理由の有無にこだわって詰問すると、子どもは追い詰められた気分になり、会話を避けるようになる可能性があります。
学校に行かない理由探し・原因探しで、子どもを追いつめることのないようにしましょう。
学校に行きたくない子どもに親ができる5つの対応
子どもが学校に行きたくないときは、子どもの置かれている状況や性格に合わせた対応が必要です。
この章では、学校に行きたくない子どもに親ができる対応について解説します。
対応①行きたくない気持ちを受け入れる

大前提として、行きたくないという気持ちを受け入れましょう。
学校に行きたくない子どもは、心の中で以下のような葛藤を抱えていることが多いです。
- 「学校に行け」と言われたらどうしよう?
- 怠けていると叱られるかもしれない
- 自分は甘えているだけかもしれない
まずは不安を取り除いてください。対話するためには、子どもを安心させることが重要です。
子どもが心身ともに疲れていそうだと判断できる場合は、希望を受け入れて、一旦休ませましょう。
対応②相談されたら否定せずに最後まで聴く
子どもの気持ちを受容したうえで、もし学校生活などについて相談を持ちかけられたら、否定せずに最後まで話を聴いてください。
場合によっては、転校など、進路変更の話が出てくるかもしれません。子どもは乗り気でも、親御さんには突拍子のない話に思えることもあるでしょう。
そのようなときでも、反射的に否定したり、頭ごなしに反対したりしないように注意が必要です。かえって子どもが意固地になる可能性があります。
自分の考えや悩みをすべて吐き出させれば、子どもは親の意見に耳を傾けやすくなるはずです。気持ちを受け入れることと話を最後まで聴くことはセットと覚えておきましょう。
対応③子どもの生活リズムに気を配る

子どもの希望を尊重して学校を休ませる場合も、生活リズムを一定に保つことだけは忘れないようにしましょう。具体的には、以下の点に留意してください。
- 起床と就寝のタイミングで声を掛ける
- 食事は毎日同じ時間帯に食べるようにする
- 日中眠りすぎていないか注意する
- できれば午前中に陽を浴びさせる
生活リズムが崩れると、学校に行きたくない理由が解消されても、不登校の期間が長引きやすくなります。不安定な生活リズムが心身の調子を損ねることもあります。
共働きの家庭の場合は、子どもの様子を見る限度があるかもしれませんが、できるだけ配慮することをオススメします。
ただし、病気や障害などでどうしても横になっていなくてはならないなど、特別な事情がある場合は医師の判断に従ってください。
対応④原因が明確な場合は対処する
学校に行きたくない原因が明確な場合は、それに応じた対応が必要になります。
- いじめを受けている
- 身体・精神疾患がある
- 発達障害に伴う困りごとがある
とはいえ、こうした問題は親御さんひとりでは対処できない場合が多いでしょう。特に心身の病気や発達障害については、診断を受けていないと判断が難しいと思います。
そのため、学校に行きたくない原因に対処するときは無理にひとりで解決しようとせず、専門家や信頼できる周囲の人を頼ることが大切です。
対応⑤学校の先生や支援機関に相談する

学校に行きたくない子どもの対応で迷うことがあれば、まずは学校の先生や保険医とよく話し合いましょう。
学校生活に問題がある場合は、解決に向けて話を進められます。そうでない場合も、家庭では知りえなかった問題や悩みに気付くきっかけになることがあります。
また、学校に行きたくない子どものための支援機関や団体はたくさんあります。
- 市区町村の子育て相談窓口
- 児童相談所・児童相談センター
- ひきこもり地域支援センター
- 発達障害支援センター(発達障害の関係があるとき)
- 小児科・児童精神科
- 不登校の親の会
- 教育支援センター(適応指導教室)
- フリースクール
- 不登校に対応できる家庭教師や学習塾(キズキ共育塾など)
- 心療内科・クリニック
さまざまなケーススタディを持つ支援機関では、話を聞いてもらえるだけでなく、専門的な見地からの助言を得ることもできます。
相談することで、親御さん自身のストレス緩和にも繋がるはずです。
補足:学校以外の選択肢も検討しましょう
親御さんのなかには、学校に通学させることに固執している人もいます。pp
しかし、子どもが学校を休み続けていたり、どうしても通学できそうにない場合は、ほかの選択肢を検討することも大切です。
学校というシステムにこだわらなくても、勉強を続ける手段はたくさんあります。
- 学習塾
- 家庭教師
- 動画授業
- 通信教材
以上のような学習支援サービスを利用して、学校を卒業した・大学に進学したという例は、枚挙にいとまがありません。
私たちキズキ共育塾も、学校に行きたくない子どもに完全個別指導で勉強を教えています。
精神面・生活面のサポートもできますので、まずはお気軽にご相談ください。
学校に行きたくない子どもへのNG対応5選
学校に行きたくない子どもに接するときには、NG対応があることを理解しておくことが不可欠です。
この章では、学校に行きたくない子どもへの代表的なNG対応について解説します。(参考:石井志昂『「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること』)
NG①登校を無理強いする

登校を無理強いすると、子どもにさらなるストレスが掛かります。
どうしても本人が行きたくない場合は、素直に休ませましょう。つらいまま学校に行くほうが子どもの傷が深くなることがあります。
また、しつこく説得することもNGです。親子関係がこじれることで、食事なども一緒に取らない、本格的なひきこもりに移行するケースもあります。
「厳しく言えば、学校に行くんじゃないか?」と考える親御さんの気持ちもわかりますが、それが逆効果になることもあるということは心に留めておいてください。
NG②感情的に叱りつける
感情的に叱りつけることは絶対に避けましょう。子どもが会話すること自体が怖くなる可能性があります。
子どもの悩みを聞く機会が減り、問題解決が難しくなりやすいです。
特にNGな叱り方
- どうして学校に行けないの!
- 〇〇くんや△△ちゃんは学校に行ってるでしょ!
学校に行かない理由を詰問することや、きょうだい・友達と比較する言動は特に避けるべきです。まずは心理的な負荷を掛けないように心がけましょう。
NG③訴えや相談を聞きながす

子どもの訴えや相談を適当に聞きながして、正面から向き合わないのもNGです。
学校に行きたくない理由を話そうとしている子どもは、親に明確な助けを求めています。にもかかわらず、そのSOSを無視するのは、子どもからの信頼を著しく損ねることになりかねません。
- ごめんね、今日は仕事で遅くなるから明日の午後話そうか
- 今は手が離せないから、夕飯の後に話そう?
本人が話したいタイミングで話すのがベストですが、どうしても話す時間がないときは、きちんと理由を説明して約束しましょう。
子どもの気持ちを想像し、尊重することが、良好なコミュニケーションに繋がります。
NG④理由を無理に聞き出す
学校に行かない理由を無理に聞き出そうとすると、子どもを苦しめる可能性があります。
言葉にできないのは理由が複雑に絡みあっていたり、親を心配させたくないからです。特に幼い子供ほど、自分でもうまく説明できずに、もどかしい思いをしていることがあります。
話すことでつらい体験がフラッシュバックする子どももいます。子どもが理由を話さないときは、話しづらい理由があるのだろうと理解しましょう。
NG⑤今の学校への登校にこだわる

今の学校への登校にこだわることが、子どもが次のステップに進む妨げになっていることがあります。
- 今の学校ではできない勉強がしたい
- 違う方法で大学進学を目指したい
- 違うタイプの学校に行きたい
以上のような明確な意思表示をしているのに親が今の学校にこだわっていると、話が平行線をたどりがちです。
親子で考えが違うときはよく話し合うことが重要ですが、親御さん自身が今の学校への執着から子どもを縛り付けていないか、振りかえって考えることも大切です。
どうしても今の学校のシステムに馴染めない場合は、フリースクールを検討する、あまり通学しなくても卒業できる通信制高校への転入を考えるなど、子どもの希望に合わせて幅広い選択肢を提示できるように、前もって情報収集をすることをオススメします。
学校に行きたくない子どもがいる親が心がけたい3つのポイント
学校に行きたくない子どもがいる親がつい忘れがちなのが、セルフケアです。子どもとの距離感や心がけを見直すことで、子どもが学校に行きやすくなることがあります。
この章では、学校に行きたくない子どもがいる親御さんに心がけてほしいポイントについて解説します。
ポイント①問題を自分に引きつけすぎない

子どもの不登校を自分のせいだと考える親御さんは少なくありません。
- 私の育て方に問題があったのかな…
- あのときに言ったあの言葉がいけなかったのかな…
- 自分は気付かないうちに子どもを傷付けていたんじゃないか?
家族からこうした自問をあおる言葉を投げかけられたという人もいるでしょう。
しかし、子どもが学校に行きたくない理由にはさまざまな要素が関係しています。
溜まっていたコップの水があふれるように、いろいろな蓄積の結果学校に行きたくないという気持ちになることもあれば、そもそも明確な理由がないこともあります。
そのため、必ずしも親御さんが原因だとは限りません。
心の健康を保つためにも、子どもが学校に行きたくない原因をあまり自分に引きつけて考えすぎないようにしましょう。
ポイント②リフレッシュの時間を取る
子どもとの間に適度な距離を置くことが問題の解決に繋がる場合があります。つきっきりになることで、子どもが「早く学校へ行かないと…」とプレッシャーを感じることもあるのです。
また、親御さんが悩みすぎると、子どもが不登校を重大事と捉えがちになります。それが登校復帰のハードルを高めているのかもしれません。
したがって、ときには親御さんもリフレッシュの時間を取るようにしましょう。親の安定が子どもに安心感をもたらすということを忘れずにいてください。
ポイント③悩みをひとりで抱え込まない

一番重要なのは、悩みをひとりで抱え込まないことです。
学校の先生やご家族、塾の講師、医師など、あなたが頼れる相手はたくさんいます。支援機関もたくさんあります。
ぜひ、問題を抱え込まずに、信頼できる周囲の人や専門家にアドバイスを求めましょう。
また、子どもの理解を深めたり解決策を探したりするための方法として、不登校状態にある子どもがいる親同士のコミュニティに参加するのも1つの手です。
例えばキズキでは、不登校の親専用のオンラインコミュニティ「親コミュ」を運営しています。
匿名で参加しやすく、同じ悩みを抱える親同士で気軽にチャットでコミュニケーションが取れるため、オススメです。ぜひ興味のある方は参加してみてください。
参考:親コミュ
まとめ~学校に行きたくない子どもに合う対応を一緒に見つけましょう~

学校に行きたくない子どもをサポートする方法はたくさんあります。子どもの問題を背負い込まずに、ぜひ周囲の人の助けを借りてみてください。
特に、不登校の期間が長くなり、どう対応していいかわからないという親御さんほど、知識やノウハウを持つ専門家のアドバイスが効果を発揮すると思います。
私たちキズキ共育塾でも、不登校の子どもに特化した支援を提供しています。気軽にご相談ください。
学校に行きたくない子どもに合う対応を、一緒に見つけましょう。
Q&A よくある質問