「学校に行かない」への3つのアプローチ〜親のための行動も紹介〜

子どもの「学校に行かない」への3つのアプローチ〜親のための行動も紹介〜

学校に行かないお子さんのための個別指導塾・キズキ共育塾の藤井祐太朗です。

このコラムをご覧のあなたは、お子さんに「学校に行かない」と言われ、困惑しているのではないでしょうか?

「学校に行かない」というお子さんの意思決定の理由が明確な場合もあれば、理由が全く思い当たらない場合もあると思います。

「どうして急に学校に行かないと言ったのだろう…」「このまま学校に行かないとどうなるの?」などの不安もあるでしょう。

このコラムでは、子どもが「学校に行かない」と言う原因や要因、そんな子どもへのアプローチ方法、学校に行かない選択をした場合はどうなるのか、をお伝えします

このコラムを読むことで、「学校に行かない」という選択をした先輩たちは、いま何を考えているのか、どんな状況なのか、を知ることができ、学校に行かない不安を解消するための助けとなるはずです。

このコラムが、少しでもあなたとお子さんの役に立ちましたら幸いです。

※このコラムは、主には親御さんに向けて書いていますが、「学校に行かない」という選択をした本人にも役に立つ内容だと思います。

共同監修・不登校新聞社 代表理事 石井志昂氏からの
アドバイス

やるべきことを整理してみましょう

本コラムには、「学校に行かない子にどんなアプローチをするべきか」が書かれています。
アプローチについては、親をはじめ、お子さんの周りにいる人たちにはやることがたくさんあります。
情報を入手することや、親御さん自身の不安を整理しておくことなどです。

子どもは不登校になるまでに、必ず傷ついています。
無知であることで本人を傷つけたり、本人に不安をぶつけるような行動をしたりすることで、さらに追い詰めないようにしましょう。

「学校に行かない」と言う理由はさまざま

「学校に行かない」と言う理由はさまざま

国の教育をつかさどる文部科学省(以下、文科省)は、毎年「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」というものを実施しており、不登校についても調査しています。

「学校に行かない」と言っているお子さんが、現時点で不登校の定義に当てはまるとは限りません。ですが、傾向として参考になると思いますので、ご紹介します。

文科省は、小中学生の不登校の要因を、大きく次の4つに区分しています。

  • 学校に係る状況…いじめ、人間関係、進路の悩みなど
  • 家庭に係る状況…近親者の死、家族の不仲、親の過干渉など
  • 本人に係る状況…無気力、不安、生活リズムの乱れなど
  • その他…ゲーム依存など

つまり、「学校に行かない」と言う子どもたちには、共通する一つの理由があるわけではなく、一つないし複数の理由が存在するということです

「学校に行かない」と言う子どもの気持ち

子どもが「学校に行かない」と言うときの原因は様々です。

ただ、原因がなんであれ、そのように言う子ども、そして不登校になった子どもには、ある程度共通した「気持ち」があります。

この章では、キズキ共育塾の知見や筆者自身の経験などに基づき、段階別に子どもの気持ちについて解説します。

段階①「学校に行かない」と言い始めたときの気持ち

「学校に行かない」と言い始めたときの気持ち

子どもが「学校に行かない」と言い始めたときにはすでに、様々な悩みや不安に苦しんで、がんばりきった後であることが多いです

まず、多くの子どもは、家庭と学校以外の場所をほとんど知りません。

つまり、子どもにとって学校という場所は、「世界の半分」を構成するところということなのです。

そんな、自分にとっての多くを占める学校に「行かない」と言う勇気や苦悩は、どれほどのものでしょう

次に、多くの子どもは、「学校を休むことはよくない」という価値観を持っています。

そのため、「学校に行きたくないけど、でも休むのはよくなくて、だけど学校に行くのはつらくて…」と、苦しんでいるのです

段階②不登校になってからの気持ち

不登校になってからの気持ち

さて、「学校に行かない」と言い、実際に学校を休み、そして不登校になったなら、子どもはどんな気持ちなのでしょうか。

悩みが解決することもあるでしょうし、解決しなくても一時的に学校から解放されることで気が楽になることはあると思います

また、そうした状況や、「家にいてもつまらないな」などと思うことで、「やっぱり学校に行こう」とすぐに気が変わることもあるでしょう。

しかし、学校に行かないことで、「自分はみんなが普通にやっている、学校に通うということができない」という、新たな劣等感や苦しみが生じるケースもあるのです

休んだ期間が長くなると、勉強やコミュニケーションから離れているという事実も生じます。

これらの新たな悩みは、次のような状態につながることがあるのです。

  • 近所の目を気にして昼間に外出ができなくなる
  • 気持ちの上でも学校が遠ざかる
  • 進路や将来に悲観してマンガやゲームといった現実逃避に没頭する

こうした状況の子どもは、親の目からは「ただ逃げて、遊んでいるだけで何もしない」と見えるかもしれません。

ですが、子ども自身も手探りで、その状況をなんとかしたいと悩んでいます

学校に行かない子への3つのアプローチ方法

それでは、「学校に行かない」と言う子どもや、実際に学校に行かない子どもに対して、親はどのようにアプローチすればよいのでしょうか?

この章では、親であるあなたができることをご紹介します。

アプローチ①学校に行かないことを許し、子どもに伝える

学校に行かないことを許し、子どもに伝える

まず大切なことは、子どもに「休んでもいい」と直接伝えることです

先にも述べたように、子どもが「学校に行かない」と言い出したときには、すでに様々な葛藤に苦しんで、がんばりきった後であることがほとんどです。

もしかすると、親の目からはがんばっていたように見えなかったり、子ども自身もがんばった自覚がなかったりすることもあります。

ですが、がんばって悩み抜いた結果、「学校に行かない」という結論に達したのだと、受け止めるようにしましょう。

そして、「がんばったね」「学校に行かなくていいよ」と、直接言葉にして伝えてください

子どもは、親から直接「学校に行かなくていい」と言われることで安心できます。

休んで回復した後、子どもは必ず前に向かって歩き出せるはずです。

アプローチ②「現在の子ども」を気遣う

いまの、目の前のお子さんを気遣いましょう。

あなたは、お子さんが学校に行かないことについて、「どうしても不安が消えない…」「心から許しを出すことができない」などと思うかもしれません。

その気持ちは、とてもよくわかります。

ですが、学校に行かない子どもに対して心配を口にしたり、登校を再開させようとしたりすることが、親子関係の悪化や子どもの悩みが深まることにつながる、という話もあるのです

繰り返すとおり、「学校に行かない」と言うまでには、本人も散々悩み、がんばりきっています。

親が心配や不安を口にすることで子どものストレスが増え、その様子を見た親の心配や不安がさらに増える、という悪循環に陥らないようにすることが大切です。

そして、そうならないためのコツが、「子どもの将来」を心配するのではなく、「現在の子ども」を気遣うことなのです

子どもはいま現在、悩みを抱えたり傷ついたりしていて、次の一歩に進むために「なんとかしたい」と思っています。

将来のことは、いまの悩みや傷が癒えてから考えても、決して遅くはありません

まずは、「現在の子ども」と向き合ってみてください。

アプローチ③「学校に行かない」と言った原因の追求・解決にこだわらない

③「学校に行かない」と言った原因の追求・解決にこだわらない

子どもが「学校に行かない」と言う理由や不登校になった理由は、親にはよくわからないケースが多くあります。

子ども自身も原因を言語化できないことも、少なくありません。

その上で、子どもが「学校に行かない」と言う理由・原因は、追求・解決が必要な場合もあります。しかし、必要ない場合もあるのです

例として、「担任の先生からの心ない一言で学校に行きたくなくなったケース」を考えてみましょう。

この場合、直接的な解決は、「担任からの謝罪・再発防止を受け入れること」が考えられます。

もちろん、それによって子どもが次の一歩に進めることもあるでしょう。

しかし、担任からの謝罪がなかったり、謝罪があっても受け入れらなかったりしたときに、お子さんは「次の一歩」に進めないのかというと、そうとは限りません

まず、学校やクラス以外の楽しく過ごせる場所があると、それが支えになったり担任のことが気にならなくなったりして、クラスへの登校を再開できる可能性があります。

次に、クラスへの登校は再開できないままでも、保健室登校と塾を併用することで、クラスへの通学とは異なる形で前に進めるようになることも考えられます。

逆に、学校に行かない間に「勉強の遅れ」という悩みが生じた場合、謝罪を受け入れても「学校に行きたくない」という思いが消えないこともあります

このように、「学校に行かない」と言う理由は、直接的な追及・解決を目指さなくてもよいケースがあるのです。

また、子どもには、それぞれの性格や特性といった個性があります。

「学校に行かない」と言う原因も、その子の性格や特性が色濃く反映しますので、紋切型に分類できるわけではありません

無理に原因を突き止めようとすると、子どもはまるで取り調べを受けているように感じ、罪悪感や悩みが増える可能性があります。

ただ、「病気や障害が関係するケース」「いじめが関係するケース」などは、原因の解決…とまでは言わずとも、少なくとも対応は必要でしょう

こうした原因の場合、お子さん自身にも自覚がない、また親に原因を言いたくない、ことも考えられるのです。

そもそも、我が子が「学校に行かない」と言う原因を追及すべきか、解決すべきか、といったことは、親御さんだけで抱え込む必要はありません

これまでに紹介した別のアプローチ方法も同じです。

「自分の子どもだから、親である自分だけでなんとかしなければ…」などとは決して思わず、次章に紹介する専門家などを積極的に利用しましょう

学校に行かない子どもの親御さんへ~自分自身のためにしてほしい4つのこと~

「我が子の問題」であったとしても、親であるあなた(と配偶者)だけで対応しなければならないわけではありません。

積極的に周囲や専門家に相談することで、お子さんと親御さん、どちらにとっても「よりよい次の一歩」が見つかります

この章では、子どものためのみならず、親であるあなたご自身のためにも行ってほしいことをお伝えします。

親御さんである、あなた自身のストレスや不安も、緩和・解消してください。

①友人や親戚などに相談する

①友人や親戚などに相談する

友人や親戚に、悩みを話せる人や、同じような悩みを抱える人はいないでしょうか?

一人で悩んでいると、行き詰まることが多いです。

他者の視点によるアドバイスをもらうことで、具体的な解決策に繋がったり、話すだけでスッキリしたり、共感をもらえて安心したりできる可能性が高まるでしょう。

②自分の時間(子どもから離れる時間)を持つ

子どもから離れて、自分の時間を持つことも有効です

一人で過ごしてもよいですし、配偶者や友人などと過ごしてもよいでしょう。

自分の時間を有意義に過ごすことで、ストレスが緩和されます。

有意義に過ごすとは、必ずしも何かをしなければならないということではありません。

日常の悩みから一時的に避難できる、リラックスできる環境に身を置くことが大切です

自分なりのリラックスできる環境を見つけましょう。具体例として、次のようなことがあります。

  • カフェに行く
  • 温泉やスーパー銭湯に行く
  • 映画を見る
  • 好きな本やゲームに浸る
  • アロマやマッサージを利用する
  • ゆっくり眠る

特に睡眠が足りていないと、ストレスがたまりやすくなるので要注意です。

③専門機関を利用する

③専門機関を利用する

少しハードルが高いと感じるかもしれませんが、ぜひ、専門機関も利用してみてください

専門家は、文字どおり専門的な見地から、お子さんについてのアドバイスをもらうことができます。

また、あなた自身の悩みについてのアドバイスももらえるでしょう。

以下は、地方自治体が運営している、子どもの悩みに関する相談窓口の一例です。

  • 児童相談所、児童相談センター
  • 教育センター
  • ひきこもり地域支援センター
  • 発達障害支援センター

地域によって名称が違っていることもありますので、詳細は、お住まいの市区町村の公式サイトから確認することをオススメします(窓口がわからない場合は、代表電話や代表窓口から確認できます)。

また、公的な相談窓口以外にも専門機関はあります。例えば次のようなものです。

  • 子育ての支援団体
  • フリースクール
  • 学校に行きたくない子どもたちの支援実績が多い学習塾(私たちキズキ共育塾もその一つです)
  • 病院等の医療機関

専門家と話すうちに、次のようなことも解っていきます。

お子さんの状況はどうか。
いま在籍している学校への登校再開を目指すべきか、目指すならどうするか。
いま在籍している学校にはこだわらないか、ではどのような「次の一歩」があって、どのように進むか。

お子さんのことを、親だけ、夫婦だけ、ご家庭だけで抱え込まず、ぜひ専門家・専門機関を利用しましょう。

④親は親で、自分の人生を楽しむ

先述の「自分の時間を持つ」とも似ていますが、親は親で、自分の人生を楽しむことも重要です

少し言い換えると、「子どもにかかりっきりにならないようにしましょう」となります。

どんな親子関係においても、一貫して大切なのは、子どもと適度な距離感を保つことです

「学校に行かない・行きたくない」と思っている子どもは、常に親が子どものそばにいると「いつも親に心配をかけて、自分に時間を割いてもらって申しわけない」などの罪悪感を抱く可能性もあります。

逆に、子どもは、親が自分の時間を有意義に過ごしていると安心できるのです。

また、楽しそうな時間を過ごす親を見ることで、自分の将来に対して希望が湧くこともあります

ぜひ、あなたはあなたで人生を楽しく過ごしてください。

とはいえ、「お子さんのことを放っておいてよい」という意味ではもちろんありません。「適切な距離感で世話をする」ことは大切です。

その上で、「お子さんとの適切な距離感」は、家庭次第ですので一概には言えません。

「あなたと、あなたのお子さんとの適切な距離感」についても、不安がある場合は、前述の「専門機関」にアドバイスを求めてみましょう

学校に行かないで勉強する4つの方法

お子さんが「学校に行かない」と決め、実際に学校に行かない場合、お子さんも親御さんも、勉強の遅れについて気になるでしょう。

先ほども軽くお伝えしたとおり、「勉強に遅れがある」自覚している子どもは、登校からの再開が不安になることも少なくありません。

この章では、学校に行かないまま、別のところで勉強する方法をお伝えします

なお、学校に行かないお子さんは、悩みがあって勉強どころではない時期もあります。

それぞれのお子さんにとっての勉強再開の適切なタイミングについては、前述の専門機関などに相談することが大切です。

方法①フリースクール

①フリースクール

フリースクールとは、主に何らかの理由で学校に行きづらい人たちのための教育機関です

「スクール」と名はついていますが「正式な学校」ではなく、多くの場合、NPO法人や個人によって運営されています。

団体によって運営方針が違っており、勉強に力を入れているところ、精神面や生活面での支援が中心のところ、人との交流がメインのところなど、それぞれのスクールで特徴が大きく異なります

共通する部分は、通う人にとって安心できる「居場所」としての面が強いことです。

なお、正式な学校ではないものの、フリースクールへの出席を、学校への出席としてカウントできる場合があります。

どんなフリースクールがあるか、学校の出席日数にカウントされるかなどについては、インターネットで調べたり、見学に行ったり、学校に確認したりしてみてください。

方法②適応指導教室

適応指導教室も、学校に馴染めない人たちのための教育機関です(自治体によって名称は異なります)。

フリースクールとと比べると、町村の教育委員会が運営しているという点が主な違いとなります。

また、フリースクールに比べた場合のメリットは、費用がかからない点でしょう。

適応指導教室への出席も、一定の条件のもとで、学校の出席日数にカウントすることができます。

利用については、お子さんが在籍している学校や、市区町村の教育委員会に確認してみてください。

ただし、適応指導教室は、「不登校の小中学生の、在籍している学校への登校再開」も目的としています

適応指導教室の先生との相性に加えて、お子さんがいま在籍している学校への拒否感が強かったり、しばらくは登校再開を考えていなかったりする場合には、向いていないかもしれません。

方法③学校に行っていない人の支援を行う塾・予備校

③学校に行っていない人の支援を行う塾・予備校

学校に行っていない人たちの勉強を支援する塾や予備校もあります(私たちキズキ共育塾もその一つです)。

インターネットで「不登校 塾」「不登校 予備校」などと検索してみると、候補が見つかると思います。

前述のフリースクールとの違いは、「勉強」がメインであることです。

その上で、塾・予備校によって、それぞれ次のような特色があります(一部の例です)。

  • 完全個別指導か集団指導か
  • 進路相談ができるか
  • 授業は勉強がメインか、雑談などもできるか
  • 塾への出席が学校への出席とみなされるか
  • 生徒同士の交流があるか
  • 居場所としての機能があるか

お子さんに合いそうなところを探して、積極的に問い合わせてみましょう。

方法④通信制高校

お子さんが高校生の場合は、通信制高校に転校する方法もあります(お子さんが中学生の場合は、進学先候補の一つにあると思います)。

通信制高校とは、「通学して授業を受ける」のではなく、「学校から送られてくる教材や課題を自宅で勉強する」というシステムの学校です。

正規の高校ですので、卒業すると高卒資格が得られます。

学校の校舎や教室に抵抗感がある、毎朝起きるのが苦手、人とあまり会いたくないという人には、特に有力な選択肢となるでしょう

「自分のペースで勉強を進められる」という利点もあります。ですが、一方で「自分で勉強スケジュールを管理しなくてはならない」という意味でもあるため、お子さんの性格や勉強への意欲によっては、注意点になるかもしれません。

また、年に何回かは、「スクーリング」という、登校して授業を受けたりイベントに参加したりする日もあります。

勉強については、「サポート校」という、通信制高校と連携した学習塾の利用も可能です

スクーリングの回数、行事の有無、高校卒業後の進路に向けたサポートなどは学校によって大きく違っています。何を優先したいかを考えて調べた上で、どの学校に行くかを検討しましょう。

通信制高校の詳細は、コラム「通信制高校とは?特徴・メリット・選び方・オススメの高校などをご紹介」をご覧ください。

学校に行かないことによる不利はあるが、将来にはもちろん進める

学校に行かないことによる不利はあるが、将来にはもちろん進める

親や子どもにとって一番気になるのは、「学校に行かないとどうなるのか」だと思います。

結論からお伝えすると、「いま在籍している学校」に行かなくても、進学や就職などの「次の一歩」に進むことは可能です

小中学校ならば、学校に行かないままで卒業できます。
出席日数が少なくても進学できる高校もあります。
転校という方法もあるでしょう。

高校ならば、中退しても「高等学校卒業程度認定試験(高卒認定、高認)」に合格すれば、大学や専門学校の受験・入学資格を得られます。

「いま在籍している学校」に行かなくても、将来が閉ざされるわけではないため、まずはご安心いただければと思います

私たちキズキ共育塾の講師やスタッフにも、学校に行かないことを選択した人たちがたくさんいます。

かくいう私も、中学校に行かないことを選択した者の一人です。

また、いろいろな人に相談するうちに、お子さんの気持ちや状況が変わって登校を再開することももちろんあります。

ただし、「いま在籍している学校」に行かない期間には、「勉強」と「社会性」から(一時的に)離れるというデメリットに繋がることは、事実です。

お子さんが「学校に行かない自分はダメな人間だ」と悩んだり、親としても「自分の育て方が悪かったのだろうか」と苦しんだり、進学できる高校の数が少なくなったりする可能性があります。

ただ、そういうお悩みは、ご紹介してきたような「専門家」や「勉強ができる場所」を頼ることで、次第に解決していきます

そして、お子さんや、あなたをサポートする人たちは、たくさんいるのです。

ぜひ、そうした人たちと繋がり、積極的に相談しましょう。

参考:学校休んだほうがいいよチェックリストのご紹介

2023年8月23日、不登校支援を行う3つの団体(キズキ不登校新聞Branch)と、精神科医の松本俊彦氏が、共同で「学校休んだほうがいいよチェックリスト」を作成・公開しました。LINEにて無料で利用可能です。

このリストを利用する対象は、「学校に行きたがらない子ども、学校が苦手な子ども、不登校子ども、その他気になる様子がある子どもがいる、保護者または教員(子ども本人以外の人)」です。

このリストを利用することで、お子さんが学校を休んだほうがよいのか(休ませるべきなのか)どうかの目安がわかります。その結果、お子さんを追い詰めず、うつ病や自殺のリスクを減らすこともできます。

公開から約1か月の時点で、約5万人からご利用いただいています。お子さんのためにも、保護者さまや教員のためにも、ぜひこのリストを活用していただければと思います。

私たちキズキでは、上記チェックリスト以外にも、「学校に行きたがらないお子さん」「学校が苦手なお子さん」「不登校のお子さん」について、勉強・進路・生活・親子関係・発達特性などの無料相談を行っています。チェックリストと合わせて、無料相談もぜひお気軽にご利用ください。

まとめ:子どもの「学校に行かない」は、専門家に相談しましょう

まとめ;子どもの「学校に行かない」は、専門家に相談しましょう

「学校に行かない」と言うお子さんへの対応法と、親であるあなた自身のケア方法などをお伝えしてきました。

何度も繰り返すとおり、「いま在籍している学校」に行かなくても、将来は広がっています。

お子さんのこともご自身のことも責めず、「私も生活を楽しんでいるから一緒に楽しもう!」とお子さんに伝えてください。

そして、いま在籍している学校に登校を再開するにしても、別のルートを探すにしても、お子さんのことを親だけで抱え込む必要はありません。

ぜひ、今回ご紹介した「専門家」を頼り、お子さんのことを相談してみてください。

このコラムが、あなたとお子さんのお役に立ったなら幸いです。

さて、私たちキズキ共育塾は、お悩みを抱える人たちのための個別指導塾です。

生徒さんには、在籍している学校に行かない選択をして、別のルートで将来に進もうとしている人も大勢います

無料相談も承っております。ご相談いただければ、「あなた(のお子さん)」のための具体的なお話ができると思います。

キズキ共育塾の概要をご覧の上、少しでも気になるようでしたらお気軽にご相談ください(親御さんだけでのご相談も承っていますので、あなただけでは相談しづらい…と思う場合は、親御さんにも声をかけてみてくださいね)。

監修 / キズキ代表 安田祐輔

やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、不登校・偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。また、不登校の子どものための家庭教師「キズキ家学」、発達障害やうつ病の方々のための就労移行支援事業所「キズキビジネスカレッジ」も運営。

【新著紹介】

『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法』
(2022年9月、KADOKAWA)
Amazon
KADOKAWA公式

【略歴】

2011年 キズキ共育塾開塾(2023年7月現在10校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年7月現在4校)

【メディア出演(一部)】

2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)

共同監修 / キズキ相談担当 半村進

はんむら・すすむ。1982年、茨城県生まれ。東京大学文学部卒。
小学校時代から転校を繰り返し、運動ができないこと、アトピー性皮膚炎、独特の体形などから、いじめの対象になったり、学校に行きづらくなっていたことも。大学に入学してようやく安心できるかと思ったが、病気やメンタルの不調もあり、5年半ほど引きこもり生活を送る。30歳で「初めてのアルバイト」としてキズキ共育塾の講師となり、英語・世界史・国語などを担当。現在はキズキの社員として、不登校・引きこもり・中退・発達障害・社会人などの学び直し・進路・生活改善などについて、総計1,000名以上からの相談を実施。

【執筆記事・インタビューなど(一部)】

日本経済新聞 / 朝日新聞EduA / テレビ東京 / 不登校新聞 / 通信制高校ナビ

サイト運営 / キズキ

「もう一度学び直したい方」の勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする学習塾。多様な生徒さんに対応(不登校・中退・引きこもりの当事者・経験者、通信制高校生・定時制高校生、勉強にブランクがある方、社会人、主婦・主夫、発達特性がある方など)。授業内容は、小学生レベルから難関大学受験レベルまで、希望や学力などに応じて柔軟に設定可能。トップページはこちら。2023年7月現在、全国に10校とオンライン校(全国対応)がある。

/Q&Aよくある質問

学校に行かない子どもに、親としてどう対応したらよいのでしょうか。

一般論として、次のようなアプローチがあります。
  1. 学校に行かないことを許し、子どもに伝える
  2. 「現在の子ども」を気づかう
  3. 「学校に行かない」と言った原因の追求・解決にこだわらない
詳細はこちらをご覧ください。

子どもが学校に行かないことと関連して、「親自身のためにできること」を知りたいです。

一般論として、次のような行動が大切です。
  1. 友人や親戚などに相談する
  2. 自分の時間(子どもから離れる時間)を持つ
  3. 専門機関を頼る
  4. 親は親で、自分の人生を楽しむ
詳細はこちらをご覧ください。
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