不登校は親が原因ではありません。ですが解決のために親ができることはあります

2017年11月27日 月曜日 投稿

こんにちは、キズキ共育塾でインターンをしている岡田和哉です。

お子さまが不登校となったとき、親としては不安になるでしょう。

私も高校時代に不登校となったのですが、私の親も私の将来について心配し、だいぶ悩んでおりました。

家族のあり方は多様であり、ひとくくりにして語ることは難しいものですが、今回は、不登校のお子さまに対して特に「親」ができることについて、キズキ共育塾の事例などからお伝えしたいと思います。

お子さまが不登校になったからといって、自らの子育てを後悔する必要はありません

お子さまが不登校となったとき、「自分の育て方が悪かった」のように、自分のことを責めてしまう親御さんは多くいらっしゃいます。

世の中にある「子育てマニュアル」のようなものを見て、「このマニュアルと異なる子育てをしていたから子どもが不登校になったのではないか…」と思ってしまう親御さんもいます。

ただ、私の見聞きする範囲では、「子育てマニュアル」のようなものにピッタリ合致する子育てを行っている家庭はありません。

また、マニュアルによって言うことが違うのもよくあることですし、「あるマニュアルに従った子育て」をしても不登校となるお子さまはいます。

もちろん、子育てについて後から考えて「もっとこうすればよかった」ということはあるでしょう。

例えば、お子さまの気持ちを理解できなかったり、お子さまに感情的な態度をとったりしたこともあったかもしれません。

ただ、「もっとこうすればよかった」という後悔は、「不登校になったお子さまの子育て」に限らず、誰にでも、何にでもあることです。

あなたのお子さまが不登校になったからといって、「あなたの子育て」について特別に後悔する必要はないと考えると、少しは気が楽になるのではないでしょうか。

「不登校は親のせい」という考えは、親子で理解が足りないだけ

さて、キズキ共育塾の生徒さんの一部にも、自身の不登校を「親のせい」と考えるお子さまはいらっしゃいます。

一般論として、例えば「親からの児童虐待で子どもの心身が不調になった」場合など、「親が原因の不登校」は、実際にあります。

ですが、お子さまが「自分が不登校になったのは親が原因だ」と主張するケースのほとんどは、親子でお互いに少し理解が足りなかっただけ、というのが私の(キズキ共育塾の)実感です。

つまり、不登校は、親が原因ではない場合がほとんどだということです。

ではなぜ、お子さまは「親が原因だ」と考え、親は「自分の子育てが原因だ」と考えてしまうのでしょうか。

それは概ね、以下のような悪循環のためです。

  1. お子さまは、不登校の原因となった悩みをうまく親に伝えられない、または信頼できずに相談できない。
  2. 親は、お子さまが何に悩んでいるのかわからないため、心配だけど適切な対応ができない。
  3. お子さまは、適切な対応をしてくれない親も不登校の原因(の一つ)だと思ってしまう。
  4. 親は、引き続きお子さまのことが理解できず、自分のことを責めてしまう…。

こうした悪循環に陥らないためには、親は、お子さまを信じ、愛情を持って接することが重要です。

また、これまで私がお会いしてきた不登校経験者の多くは、
「自分の不登校について、親の対応に傷ついたこともある。
でも、今にして思えば、親は自分のためを思って行動してくれていた。
あのときは、親もどうすればいいのかわからなかったのだろう。
親子でお互いに理解が足りなかっただけだ」
といった内容のことを語ります。

親であるあなたがお子さまのことを思ってした行動について、変に悔やむ必要はありません。

大切なのは、お子さまのことを思いやり、「これからのこと」を考えていく姿勢です。

親は、家庭が「不登校のお子さまの居場所」になるようにしましょう

不登校になったお子さまのほとんどは、多くの時間を家庭で過ごすようになります。

だからこそ、不登校を解決するには、家庭の役割が非常に重要です。

もっと言うと、「お子さまにとって家庭を安心できる居場所にすること」は、親にしかできない大切なことです。

なぜなら、お子さまが不登校という「挫折」から立ち直ろうとするとき、いつでも戻ってこられる安心できる居場所(足がかり、戻ってこられる場所、心のよりどころ)があってはじめて、学校に行くなどの勇気の必要な行動を取ることができるからです。

不登校のお子さまは、塾や学校に(再び)通い始めるとき、大きな不安を抱えながらその一歩を踏み出します。

もし、「家庭は安心できる居場所だ」と感じていれば、「失敗しても戻ってこられる居場所がある」と考え、不安を減らすことができます。

まずは家庭をお子さまの安心できる場所となるよう心掛けてください。

不登校を「親子関係を明るくするきっかけ」にしてほしい

お子さまが家庭で過ごす時間が多くなると、その分、親と接する時間も長くなります。

そうすると、お子さまの現状や将来について、親は心配や不安を特に抱いてしまう時間も多くなります。

心配や不安を抱くと、どうしてもお子さまを問い詰めたり、自分の考えを押し付けたりしてしまいます。

そうなる気持ちも、わかります。

ですが、お子さまが不登校となったときには、「不登校は、お子さまのことをより理解するよい機会」と考えてほしいです。

前述のとおり、どんな親にも、子育ての中で抱える後悔や反省はあるものです。ただ、自分の子育てを見直すきっかけは意外と訪れません。

なぜなら、小さな反省や後悔が日常的にあったとしても、「子どものことをきちんと理解しよう」と思うほどの問題は、なかなか起きないからです。

考え方を前向きに改めることによって、親子関係やお子さまの将来を明るい方向に変えることができるのではないでしょうか。

キズキ共育塾の生徒さんの中には、不登校をきっかけに親子がお互いのことを理解し合えるようになったという家庭もあります。

親子関係を良好に保ち、中学不登校から高校に進学したA君

キズキ共育塾のある生徒さん(以下、A君)は、部活動でのトラブルが原因で、中学校を不登校になりました。

幸いなことに、A君はご両親やご兄弟との仲は悪くなく、不登校中も家庭ではそれなりに楽しく過ごしていました。

しかし、それでもご両親は「自分の子育ての仕方が間違っていたのだろうか…」と悩む時期が長かったそうです。

A君自身も、「ほかの兄弟は普通に学校に通っているのに、自分はなんで学校に行けないんだろう…」と、コンプレックスを感じることもあったと言っていました。

「今の学校にはもう行きたくない、でも高校には進学したい…」と思っていたA君は、不登校の学生を対象にした個別指導の学習塾を探し、キズキ共育塾にたどり着きました。

最初の面談で、
「不登校でも大丈夫」
「高校には、全日制だけでなく通信制や定時制(単位制)のところもある」
「仮に高校でまた不登校になっても、高卒認定を取れば大学にも行ける」
など、将来の選択肢が「意外と」開かれていることを知って気持ちにゆとりが生まれたA君は、都内の単位制高校を進学先に選択しました。

キズキ共育塾では、勉強はもちろん、生活サイクルの安定や家庭外のコミュニケーションの維持など、様々な点でバックアップをさせていただきました。

その結果、A君は希望する高校に進学し、今では楽しく高校生活を送っています。

A君は、「親が自分を信じてくれたから、がんばることができた。前にも増して親を好きになった」と言っていました。

親御さんがA君を問い詰めたりせず、A君ときちんと向き合い、将来について一緒に考えて行動したため、A君は前に進めるようになったのだと思います。

親に相談できず、自室にこもりがちになったBさん

キズキ共育塾のある生徒さん(以下、Bさん)は、高校1年生の夏休み明け、学校に行くことを拒絶し、外出もしなくなりました。

ご両親はその理由を訊ねましたが、Bさんは決して答えませんでした。ご両親はどうにかして登校を再開させようとしましたが、Bさんの強い抵抗にあい、断念しました。

その後Bさんは自室にこもりがちになり、困ったご両親はキズキ共育塾に相談に来ました。

面談では、
「相手が両親であっても話したくない理由なのかもしれません」
「本人の中でも理由が明確ではないのかもしれません」
「状況が落ち着くまで急かさず、まずはBさんを信じて、家庭で見守ることが重要です」
などのアドバイスをさせていただきました。

そして帰宅したご両親がキズキ共育塾についてBさんに伝えたところ、「学校以外でなら勉強を再開したい」とのことで、Bさんはキズキ共育塾に入塾しました。

キズキ共育塾では「将来的な大学受験」という目的に加え、「家族以外の人間とのコミュニケーション」も目的にして、英語の授業を受講していました。

引き続き外出できないBさんは、オンライン授業を利用していました。

入塾から半年ほど経った日のある授業で、Bさんは唐突に、高校に行かなくなったときの話を始めました。

端的にいうと、Bさんの不登校・引きこもりのきっかけは「失恋」でした。

「夏休み中に、好きなクラスメイトが、自分と仲のいい友達と付き合い始めた。
それで二人のいる学校には行きたくなかった。
外出してバッタリ会うのもイヤだから、家からも出たくなかった」
ということでした。

Bさんは、「こんな理由を親に話しても、バカバカしいと真面目に取り合ってくれないのではないか」と思い、ご両親には相談できなかったとのことです。

Bさんの失恋については、Bさんの許可を得て、スタッフからご両親に伝えました。

ご両親は「ちゃんと相談してくれればよかったのに」とおっしゃっていたのですが、Bさんには難しかったのでしょう。

Bさんのご両親は決して悪い人ではなく、むしろBさんのことを心から心配していたのですが、それでもBさんはご両親に相談することができませんでした。

Bさんの不登校の原因となった失恋は、もちろんご両親のせいではありません。

ですが、Bさんにとってご両親が「ちゃんと真面目に自分に向き合ってくれると確信できる、信頼できる相談相手」だったら、もしかしたらもっと早く立ち直ることができたかもしれません。

不登校のきっかけを共有したことを機に、Bさんの両親は「相談には、絶対に真面目に向き合う」と約束し、Bさんもそれを信じることにしました。

そして将来について親子で話し合えるようになった結果、Bさんは高校を転校して、通学を再開しました。

なんでもかんでも親子で話し合うべきとは言いません。ですが、「大切なことや重要なことはきちんと言える親子関係」を築くことが重要なのだと思います。

不登校の結果、親子や家族の絆が深まることもある

A君もBさんも、ご両親がお子さまを信じ、お子さまにとって家庭が安心できる居場所になったからこそ、不登校から前に進むことができたのだと思います。

つまり、「不登校をきっかけに家族の絆を深めることができた」と言い換えられると思います。

このように、不登校は、家族にとって悪いことばかりではないということも、親御さんにはぜひ知っておいていただきたいです。

親子だけ、家族だけで抱え込まずに相談してほしい

お子さまのことを誰よりも一番に考えているのが「親」なのだと思います。

子どもが不登校となったとき親にできることは多いです。「家庭を安心できる場所にする」のは、親でなくてはできないでしょう。

ただ、親だけで全てを解決することは、非常に難しいものです。

また、親だからこそ「思いやりを持った上で冷静にお子さまと向き合うこと」が難しい場合があります。

お子さまにも、「親だからこそ言いにくいこと」もあるでしょう。

そして、「具体的に何をしたらいいのかわからない」ということもよくあります。

そのため、親にとってもお子さまにとっても、家族外の第三者の言葉が重要となることがあります。

親御さんの中には、他人に相談することや頼ることが苦手な方も多く、「自分だけで(家庭だけで)解決しなくては」「相談すると迷惑になる」などと思い込んでいる方もいます。

ですが、お悩みを親子だけ、家族だけで抱え込む必要はありません。適切に他人や団体を頼ることが、お子さまが不登校から「次」に進む手助けとなります。

キズキ共育塾でも親御さんからの相談をお受けしていますので、お気軽にご相談ください


※紹介した生徒さんの事例は、記事の趣旨を損なわない範囲で、個人の特定ができないように一部事実を変更しています。
※文中の写真は、全てイメージです。


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