通信制高校で大学受験勉強するための4つのコツ 生徒の一日の過ごし方も紹介

通信制高校で大学受験勉強するための4つのコツ〜生徒の一日の過ごし方も紹介〜

こんにちは。通信制高校の受験や、通信制高校からの大学受験を完全個別指導でサポートするキズキ共育塾です。

これから通信制高校に進学したいのですが、通信制高校から大学に進学できますか?

通信制高校に在籍していますが、大学受験の勉強をどうするか悩んでいます。
通信制高校を上手に選び、適切なスケジュールを立てて、勉強方法を工夫すれば、通信制高校からの大学進学は十分に可能です。

通信制高校から大学に進学した生徒さんは、キズキ共育塾にもたくさんいらっしゃいます。今回は、通信制高校から大学受験を目指したい人へ、通信制高校での1日の過ごし方、受験勉強の方法などをご紹介します。

これから通信制高校への進学を考えている人、すでに通信制高校に在籍していて大学受験を目指している人はぜひ参考にしてみてください。

通信制高校から大学進学する人は約1万人

通信制高校から大学進学する人は約1万人

通信制高校からどれくらいの人が大学進学するのでしょうか。
次の表を見てみましょう。(参考:文部科学省『平成30年学校基本調査』)

*平成30年度に卒業した人の大学進学者の割合*

●全日制高校・定時制高校卒業者:54.7%
●通信制高校卒業者:18.5%

全日制・定時制の卒業者数は1,056,378人。
そのうち「大学等進学者」は578,041人(約54.7%)です。

一方、通信制の卒業者数は53,550人。
そのうち「大学等進学者」は9,885人(約18.5%)です。

しかし、通信制高校に行くと大学進学できないというわけではないので安心してください。
通信制高校の卒業生に進路未定の人が多いのには、次のような理由があるようです。

*通信制高校からの大学進学者が少ない理由*

  • 受験や就職のフォローが薄い高校がある
  • 仲間やライバルが見えないため、受験勉強に熱が入らなかった
  • 体調的に、通信制の高校なら卒業できるけれど、日常的な通学・出勤はできない
  • まずは「高校卒業」だけを目指しており、その後の進路は卒業してから考える

また、通信制高校には専門学校と提携している高校も多く、卒業後は専門学校に進学する人も多いというのも大学進学者数が少ない理由の一つとしてあげられます。

通信制高校の特徴をよく理解して、しっかりと対策を取れば、通信制高校から大学に合格することも十分に可能です。

大学進学に関する、通信制高校の注意点とメリット

大学進学に関する、通信制高校の注意点とメリット

通信制高校から大学受験を目指す時には、注意が必要だとお話しました。
ここからは、具体的に通信制高校から大学受験を目指す際の注意点をお話していきます。

注意点①:自主性と自己管理が必要

通信制高校に通う人には、自主性と自己管理が求められます。

通信制高校では、学校に通わなくてもよい一方、勉強と生活習慣を自分で管理しなくてはいけません
大学進学・受験に向かっていくためには、勉強と生活習慣について、自分で積極的に気を配りましょう。

注意点②:仲間と競争者がいない

通信制高校に在籍していると、常に通学をしているという人は少ないでしょう。
そのため、周りに同級生…つまり仲間とライバル(競争者)がいない場面が多く、「みんながどれくらい勉強しているのかわからない」という人も多いと思います。

通信制高校では、他の受験生がどのように勉強しているのか、同じように大学進学を目指す人たちの勉強量がどのくらいかが、非常に見えづらいのです。
この結果、受験までのスケジュール、勉強方法、勉強量などの間違い・不足に気がつかない場合があります。

ですので、自分の状況を確認・把握できるようにしておきましょう。

注意点③:学校の勉強内容が比較的簡単である

通信制高校の勉強は、特に全日制の進学校全日制高校と比べると、簡単であることが多いです。
勉強があまり得意じゃない人でも、通信制高校を卒業だけならできる、ということは珍しくありません。

進学したい大学の難易度にもよりますが、通信制高校の勉強と大学の受験勉強は、内容やレベルが違うと思っておいた方が安全です。
本格的な受験勉強を始める前には、「通信制高校の課題はできているはずなのに、大学受験の過去問を見たら全く解けない」ということもあります。

そんなときも、ショックを受けたり「無理だ」とあきらめたりせず、「大学受験用の勉強をしていないのだから解けなくても当たり前。これから勉強しよう」と思うようにしましょう。

通信制高校のメリット:時間を自由に使うことができる

通信制高校の大きなメリットは、通学しない分、自分の時間を自由に使えるということです。

全日制高校の生徒は、ふだんの授業・部活・学校行事などに、多くの時間を使います。
簡単に言えば、スケジュールの縛りがきつい、という言い方もできます。

また、全日制高校の生徒でも、よほどの進学校でない限り、「受験勉強」は「学校の授業や課題」とは別に行うため、余計に時間がかかることが多いです。

通信制高校の生徒は、課題をこなす必要はありますが、全日制高校よりも時間の制約が少ないため、受験勉強に使える時間が多くなるのです。

自由に使える時間が多い通信制高校生は、しっかりと受験勉強のスケジュールを立てれば、全日制高校の生徒よりもむしろ有利な環境といえます。

通信制高校のメリットとデメリットについては、以下のコラムでもご紹介していますので、ご興味があればご覧ください。

通信制高校の生徒が大学受験勉強を進める上での4つのコツ

通信制高校の生徒が大学進学を目指す際の注意点とメリットをご紹介してきました。
ここからは、受験勉強を成功させるためのコツについてをお話をしていきます。

コツ①:大学進学のサポート体制が整った高校を選ぼう

対策①大学進学のサポート体制が整った高校を選ぼう

これから通信制高校への進学・転校を考えている人は、大学受験・進学のサポート体制の整った高校を選びましょう。
一口に通信制高校と言っても、スクーリングの日数が多い高校、部活動や学校行事の充実している高校、専門学校と提携している高校など、様々なタイプの高校があります。

大学進学のサポート体制があるかどうかについては、各高校のウェブサイト・パンフレット・学校見学会などで確認できます。
いわゆる「大学進学コース」の有無や卒業生の進路などを、見たり聞いたりしてみましょう。

また、特に通信制高校と提携した塾として、「サポート校」というものもあります。
大学受験を考えている人は、「サポート校」と提携している通信制高校を選ぶのもオススメです。

コツ②:塾・予備校・家庭教師を利用しよう

大学受験のための受験勉強は、塾・予備校・家庭教師などを利用することをオススメします。

先述したように、通信制高校の勉強は、比較的簡単なことが多いです。
「通信制高校の課題・レポート・試験など」と「大学受験の勉強」は別物と考えましょう。

ただ、高校の課題は大学受験に続く「基礎」として重要ですので、おろそかにせずしっかり勉強しましょう
その上で、大学受験の勉強は塾や予備校で教えてもらうことをオススメします。

塾などの中でも、「勉強だけ」を指導するところではなく、次のような受験情報も教わったり、相談したりすることができるところの方がオススメです。

*塾や予備校で相談できること*

  • どのテキストを使えばいいのか
  • 模試は受けた方がいいのか
  • 自分に向いている大学・学部はどこか
  • 今の勉強方法や量は「正しい」か
  • 1日の勉強スケジュール・受験期の1日の過ごし方
  • 他の受験生は何をどれくらい受験勉強しているのか
  • 大学受験のための事務的な手続きはどうすればよいか

学校でも相談できると思いますが、大学受験や受験勉強の専門家である塾や予備校などでも相談した方がより多くの情報を得られます。
塾に通う金銭的な余裕がない人や一人で勉強したい人は、スタディサプリなどの無料や安価で利用できる動画授業を利用しましょう。

コツ③:生活リズム・体調を整えよう

対策③生活リズム・体調を整えよう
通信制高校の生徒は、生活リズムも自分で規則正しく管理する必要があります。

通信制高校に通う生徒は、決まった時間に登校して、時間割通りの授業を受ける機会が極めて少ないです。
そのため、生活リズムが乱れやすく、昼夜逆転する人も多くいます

ですが、受験では、勉強と同じくらい、体力や規則正しい生活も重要です。
生活リズムの崩れや体力の低下から、いざ受験に向けて本腰を入れて勉強しようと思った際になかなか取り組めない…という事態は、避けた方がよいでしょう。

通信制高校の生徒は、毎日の登校がなく、学校によっては部活などもない(少ない)ため、全日制高校の生徒に比べると体力の低下を招きやすいことは覚えておきましょう。

*生活リズムを保つ・体力をつける方法*

  • 起床・就寝時間を決める
  • 軽い運動習慣をつける(歩く、自転車などでOKです)
  • 栄養バランスの取れた食事をする
  • 塾やバイトなど、「定期的に通う場所」を作っておく
  • 塾の自習室や図書館で勉強するようにする(毎日、塾や図書館に通う)

必要に応じてご家族などにも協力を求めつつ、生活習慣に気を配っておきましょう。

コツ④:勉強のスケジュールを管理しよう

大学受験・進学を目指すのならば、勉強のスケジュール管理は必要です。
誰もがそうですが、周りに先生や同級生がいないと、ついつい気が抜ける人もいるでしょう。

そして、特に通信制高校生には、勉強をする「決まったスケジュール」がありません。
受験勉強は効率が重要なので、スケジュール管理をしっかりと行う必要があります

学校の時間割のようなスケジュール表をつくるのも効果的です。
スケジュールを作成・管理するアプリもたくさんあります(スマホに最初から入っているカレンダーやグーグルカレンダーなど)ので、自分に向いているものがあるなら試してみましょう。

学校や塾・予備校の先生と相談して、早めの目標設定・スケジュール作りをしましょう。

通信制高校から大学受験を目指す人の1日の過ごし方~受験勉強・アルバイト・遊びなどはできるの?~

通信制高校から大学受験を目指す人の1日の過ごし方~受験勉強・アルバイト・遊びなどはできるの?~

通信制高校での1日の流れはどのようなものになるのでしょうか? 実際に、通信制高校から大学受験を成功させた先輩たちの1日の過ごし方を見て行きましょう。

①Aさん
通信制高校に通いながらキズキ共育塾で週3日英・国・日本史を勉強、私立文系(栄養学部)を目指す


●7時:起床
●9時〜10時:自宅で勉強(通信制高校の課題)
●12時:自宅で昼食
●13時〜15時:キズキ共育塾で授業(大学受験の英語)
●15時〜18時:キズキで自習(大学受験の勉強)
●19時~21時:カフェでアルバイト
●22時〜24時:夕食・お風呂・テレビなど
●24時:就寝

Aさんは、通信制高校の課題と大学受験の勉強の時間をうまく取っています。また、勉強の合間にカフェでバイトすることで気分転換していますね。

②B君
通信制高校に通いながら、予備校で5教科勉強、国立大学理学部を目指す


●7時:起床
●9時〜13時:予備校の授業 
●14時〜17時:予備校の自習室で勉強
●17時〜19時:友だちとカフェでおしゃべりしながら勉強
●20時~23時:夕食・お風呂・ゲーム
●23時〜24時:通信制高校の課題
●24時:就寝

B君は、予備校という勉強に集中できる環境に通って勉強していますね。友だちと昼食を食べたりと、上手にリフレッシュもできていますね。

通信制高校は自分のペースで勉強できる分、「スケジュール管理ができていないことで留年する」といった可能性もあるため、注意してください。
塾や予備校の先生に相談しながら、早めに目標を設定し、勉強スケジュールを立てるようにしましょう。

ご紹介したのはあくまで一例です。試行錯誤しながら自分に合ったスケジュールを考えて行きましょう。

大学進学にオススメの通信制高校6選

大学進学にオススメの通信制高校6選
キズキ共育塾の知見から、特に大学受験に向けた勉強指導が充実した通信制高校を6校ご紹介します。

ただもちろん、ご紹介する他にも大学受験に適した通信制高校はあります。
学校の先生に相談したり、ウェブサイトやパンフレットを見たり、見学会に参加したりして、あなたに合った高校を探しましょう。


①屋久島おおぞら高等学校→公式サイト

通信制高校の中でも、学力の高い生徒が多いようです。
KTCおおぞら高等学院というサポート校の利用もできます。


②駿台甲府高等学校→公式サイト

駿台予備学校グループの高校です。
大学受験に向けた学習は、駿台予備学校グループの良質な授業・個別指導・映像学習など全面的な学習支援をフル活用できます。


③つくば開成高等学校→公式サイト

運営方針として、大学受験対策にも力を入れています。


④中央国際高等学校→公式サイト

大学進学の支援を行うサポート校・中央高等学院の運営も行っています。


⑤第一学院高等学校→公式サイト

Z会や市進予備校と提携しています。


⑥クラーク記念国際高等学校→公式サイト

予備校との直接の提携はありませんが、予備校講師の指導が受けられる進学コースがあります。
キャンパスも多くスクーリングも便利です。

まとめ〜自分に合いそうな通信制高校を探してみてください〜

まとめ
自由な通信制高校のメリットを活かして、受験勉強の対策を立ててくださいね。

これから通信制高校に入学する人は、自分に合いそうで、大学進学のサポートが厚い通信制高校を、ぜひ探してみてください。
さて、私たちキズキ共育塾は、通信制高校の生徒さんの大学進学に実績のある個別指導塾です。

無料相談も承っておりますので、ご相談いただければ、通信制高校進学や通信制高校からの大学進学について、「あなた」のための具体的なお話ができると思います。

  • 通信制高校に通っているけれど、大学受験勉強が不安
  • 通信制高校から大学受験できるのかな
  • 通信制高校と大学受験の勉強内容が違っていてとまどっている
  • 通信制高校に入ったけれど、1日の過ごし方がわからない

このようなお悩みをお持ちの人は、お気軽にご相談ください。

監修 / キズキ代表 安田祐輔

やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、不登校・偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。また、不登校の子どものための家庭教師「キズキ家学」、発達障害やうつ病の方々のための就労移行支援事業所「キズキビジネスカレッジ」も運営。

【新著紹介】

『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法』
(2022年9月、KADOKAWA)
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KADOKAWA公式

【略歴】

2011年 キズキ共育塾開塾(2023年7月現在10校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年7月現在4校)

【メディア出演(一部)】

2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)

共同監修 / キズキ相談担当 半村進

はんむら・すすむ。1982年、茨城県生まれ。東京大学文学部卒。
小学校時代から転校を繰り返し、運動ができないこと、アトピー性皮膚炎、独特の体形などから、いじめの対象になったり、学校に行きづらくなっていたことも。大学に入学してようやく安心できるかと思ったが、病気やメンタルの不調もあり、5年半ほど引きこもり生活を送る。30歳で「初めてのアルバイト」としてキズキ共育塾の講師となり、英語・世界史・国語などを担当。現在はキズキの社員として、不登校・引きこもり・中退・発達障害・社会人などの学び直し・進路・生活改善などについて、総計1,000名以上からの相談を実施。

【執筆記事・インタビューなど(一部)】

日本経済新聞 / 朝日新聞EduA / テレビ東京 / 不登校新聞 / 通信制高校ナビ

サイト運営 / キズキ

「もう一度学び直したい方」の勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする学習塾。多様な生徒さんに対応(不登校・中退・引きこもりの当事者・経験者、通信制高校生・定時制高校生、勉強にブランクがある方、社会人、主婦・主夫、発達特性がある方など)。授業内容は、小学生レベルから難関大学受験レベルまで、希望や学力などに応じて柔軟に設定可能。トップページはこちら。2024年10月現在、全国に11校とオンライン校(全国対応)がある。

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