通信制高校の学費はどれくらい?公立と私立に分けて徹底解説!

こんにちは、通信制高校生の勉強や生活を完全個別指導で応援するキズキ共育塾です。

通信制高校への進学(転校)を考えていますが、学費が気になります……。
先生:学校選びにおいて、学費は大きなポイントですよね。
公立か私立かによって大きく違いますし、もちろん学校によっても異なります。

このコラムでは、通信制高校の学費について徹底解説します。学費以外にも、サポート校の利用や通信制高校の選び方などについてもわかりやすく説明します。

通信制高校への入学・転入をお考えの方は、ぜひ最後までお読みください。

目次

通信制高校の学費は高い?安い?

通信制高校の学費は高いのでしょうか?
公立か私立か、また学校によっても学費はかなり異なります。
詳しく解説していきますね。

【公立・私立】通信制高校で初年度に必要な平均学費を紹介!

初年度の学費の平均は、以下のとおりです。(2023年度・授業料は25単位履修の場合)(参考:学びリンク「2023通信制高校の学費」)

公立 私立
入学金 410円 4万2000円
1単位あたり授業料 300円 9960円
25単位履修 7500円 24万9000円
その他 8700円(諸会費) 4万5000円(施設設備費)
10万7000円(教育充実費)
合計(平均額) 1万6610円 44万3000円
就学支援金を
利用した場合の合計
(年収約590万円未満)
410円
+その他費用
19万4000円
就学支援金を
利用した場合の合計
(年収約590万円~910万円未満)
410円
+その他費用
32万2700円

公立の方がだいぶ安いんですね!
はい。私立高校の方が、学費が高いぶんサポートが手厚いようです(後で説明します)。

表の下の方にある「就学支援金(しゅうがくしえんきん)」とは、ご家庭の収入が一定以下の場合に、国からもらえるお金のことです。

このお金は、授業料に利用できます(詳しくは後で紹介します)。

通信制高校の、公立と私立の違いについては、以下のコラムで紹介していますので、ご興味があればお読みください。

全日制高校と通信制高校の学費を比較

全日制高校と通信制高校で比較した場合、学費はどちらが高いのでしょうか。

私立の全日制高校の場合、文部科学省の調査「令和4年度私立高等学校等初年度授業料等の調査結果について」によれば、初年度の納付金平均額は758,881円(年額)です。

前年度と比べて0.8%増加しています。

公立の全日制高校の場合、入学金が5,550円または5,650円(自治体による)、授業料は118,800円(年額)となっています。

後述する「高等学校等就学支援金制度」があるため、保護者が負担する金額はかなり軽減される家庭が多いです。

しかし公立・私立共に、これ以外にも交通費や教材費、制服代などさまざまな経費がかかります。

全日制高校と比べると、全体的に通信制高校の方が学費は安いといえるでしょう。

ただしこれは、後述する「サポート校」を利用しない場合の話です。

サポート校に通う場合、初年度の納入金額はおよそ40万〜100万円を見積もっておく必要があります。

代表的な通信制高校のコース別の学費一覧

続いて、次の3つの観点から代表的な通信制高校の初年度の学費などを紹介します(授業料は25単位分で計算)。

  • 大学受験に向けた勉強指導など、サポート体制が充実している通信制高校
  • 東京都立・大阪府立・神奈川県立・愛知県立の通信制高校

後で紹介する「就学支援金制度」を利用できる場合は、「授業料」の金額は大きく減ります。

なお、費用は変更となる可能性があるため、「最新の情報」は各校のウェブサイトなどをご覧ください。

①サポート体制が充実している通信制高校5校

1:代々木高等学校(私立)

代々木高等学校は、通信制高校の中でも歴史のある学校です。

面倒見が良いことで知られています。(参考:代々木高等学院

費目 金額
入学金 10,000円
授業料 264,000円
教科書代 10,000円
登録手数料 2,000円
諸雑費 1,100円
メディア視聴費用 7,000円
スクーリング会場運営費 20,000円
合計 314,100円

※「スクーリング」といって登校しなければならない日があります

2:さくら国際高等学校(私立)

さくら国際高等学校は、不登校経験者への支援を長く行っており、こちらも面倒見がよい学校です。 (参考:さくら国際高等学校

【本校通学型】費目 金額
入学金 10,000円
学費 730,000円(前後期 各365,000円)
施設設備費 320,000円

3:クラーク記念国際高等学校(私立)

クラーク記念国際高等学校は、1992年開校の通信制高校です。

全国各地の拠点で教育を展開しており、「普通の学校」に近いイメージ。

行事や部活にも力を入れているので、学校生活を楽しみたい生徒さんには好まれます。

「国際」の名のとおり、留学プログラムなどもあります(下記金額は、キャンパスによって一部異なる場合もあります)。 (参考:クラーク記念国際高等学校

【単位取得コース】※25単位履修の場合

年間学費 230,000円(世帯年収910万円程度以上の場合)

※1単位の学費(7,200 円)が必要
※入学時のみ入学金(10,000円)が必要です。
※履修科目に応じて教科書代が別途発生します(1万円程度)

ほかにも、週5通学の【全日制コース】や、通学+オンライン式の【スマートスタディコース】もあります。

4:NHK学園高等学校(私立)

NHK学園高等学校は、名前のとおり、NHK(日本放送協会)の関連団体が運営する学校です。

『NHK高校講座』という番組を見ることで、スクーリングが少なくてすみます。
(参考:NHK学園高等学校

費目 金額
入学金
※推薦入学の場合は免除
35,000円
授業料
(1単位12,000円)
288,000円
(世帯年収910万円程度以上の場合)
施設設備充実費 10,000円
教育運営費 30,000円
生徒会費 2,000円
教材費 1科目2,000円程度 約22,000円
教材送料 1,100円
388,100円

5:ルネサンス高等学校(私立)

ルネサンス高等学校は、サポートも厚く、オンラインの学習が充実しています。

登校日は、最短だと年4日間です。 (参考:ルネサンス高等学校

費目 金額
入学金 50,000円
授業料 単位数×10,000円
施設設備費 20,000円
教育関連諸費 60,000円
スクーリング費 65,000円

その他Wスクールコース及び通学コース受講を希望する場合は、別途費用が必要

②大学受験に向けた勉強指導が充実した通信制高校3校

1:屋久島おおぞら高等学校(広域)

屋久島おおぞら高等学校は、通信制高校の中でも、学力の高い生徒が多いようです。
(参考:屋久島おおぞら高等学校

費目 金額
入学金 50,000円
授業料 375,000円
(1単位15,000円 年間平均25単位くらい)
施設費 90,000円

その他通学キャンパスに通う場合には、別途通学キャンパスの授業料等が必要

2:駿台甲府高等学校 通信制課程(私立)

駿台甲府高等学校は、駿台予備学校グループの高校です。

大学受験に向けた学習は、駿台予備学校グループの良質な授業・個別指導・映像学習などの学習支援をフル活用できます。 (参考:駿台甲府高等学校 通信制課程

費目 金額
入学金 50,000円
科目登録料 16,000円
授業料 200,000円
その他費用 49,193円
合計 315,193円

3:つくば開成高等学校(私立)

つくば開成高等学校は、運営方針として、大学受験対策にも力を入れています(下記費用は、拠点により一部異なる場合があります)。 (参考:つくば開成高等学校

一般コース

費目 金額
入学金 0円
授業料 12,000円×単位数(※年間8単位以上履修)
施設設備費 36,000円
教育運営費 50,000円
教育充実費 130,000円
特別講座学習費 160,000円
(12月までの入学者対象。また、鹿嶋学習センターは特別講座学習費が免除されます)

③東京都立・神奈川県立・愛知県立・大阪府立の通信制高校

公立の通信制高校の代表例をいくつか紹介します。

これまでに紹介してきた私立の通信制高校に比べて、学費が安いのが公立の特徴です。

1:東京都立の通信制課程の例

費目 金額
入学料 500円
授業料 336円×単位数

(参考:東京都教育委員会「都立高等学校、中等教育学校(後期課程)の授業料・入学料及び特別支援学校高等部の授業料について」

2:神奈川県立の通信制課程の例

費目 金額
入学料 0円
受講料 1単位350円
(平日登校履修の場合は1単位700円)

(参考:神奈川県「県立高校授業料」

3:愛知県立の通信制課程の例

費目 金額
入学料 500円
授業料 1単位 336円

(参考:愛知県「県立高等学校入学料・授業料」

4:大阪府立府立桃谷高等学校

費目 金額
入学金 500円
授業料 (最大で) 9,900円
教科書・学習書・副読本等 20,000円
レポート用バーコードシールの費用 215円
後援会費 1,500円
生徒協議会費 975円
日本スポーツ振興センター加入金 250円
桐友会(同窓会)費 2,000円

(参考:大阪府立桃谷高等学校 通信制の課程

※その他、選択する科目によって別途補助教材費が必要

学校によって、こんなにも学費が違うんですね。
はい。ただ、学費は「高いから・安いから」「よい・悪い」というものではありません。

通信制高校を選ぶ際には、学費も含めて、「あなたに合いそうかどうか」を総合的に考えましょう。

そのためには、次のような、入念なリサーチをおすすめします。

学費が高くても私立の通信制高校が選ばれるのはなぜ?

通信制高校は私立の方が学費が高いのに、公立よりも私立に通う生徒の方が多いのはなぜなんでしょうか。
学校数や定員の関係もありますが、私立の方が、学費が高いぶんサポート体制も手厚いということもあるでしょう。

一般的に、私立高校には、公立と比べて次のような特徴・傾向があります。

【私立の通信制高校の傾向】

コースが豊富で、選べる授業のレパートリーが幅広い

スクーリング日を柔軟に選べる

カウンセラーなど先生以外のスタッフがいることもある

サポート校がある(サポート校については後で説明します)

改めて、通信制高校とはどのような学校?

改めて、通信制高校とはどのような高校なのですか?
一言でいえば、「通学の必要がない高校(※)」のことです。
基本的には家庭にいながらにして、高校の教育課程が修了できます。
※ただし、完全に通学が必要ないのではなく、「スクーリング」といって登校しなければならない日があります。

通信制高校では、学校から送られてくる教科書や動画などの教材を利用し自宅で勉強を行います。
成績は主に、レポートの提出やテストの点数によって決められます。

入試やカリキュラム、進路はどうなっているのですか? メリット・デメリットも気になります。
では、それぞれについて詳しくみていきましょう。

通信制高校の入学試験や出席要件

通信制高校は、中学校を卒業見込みの人や中学を卒業した人なら、誰でも受験・入学することができます。

年齢制限はなく、一般的には、全日制高校と併願して受験できます。

実際の受験日や併願の仕組みなどについては、各都道府県や各学校の受験制度を確認しておきましょう。

通信制高校の入学試験には次のような特徴があります。

  • 特徴①受験科目は、書類選考+面接や作文が中心
  • 特徴②通信制高校の受験では、内申点(調査書)はあまり重視されない

通信制高校の入学試験についてはこちらの記事に詳しく解説されています。

では、入学後の「出席要件」はどうなっているのでしょうか。

前述したように、通信制高校の学習は基本的に自宅で行います。

ただし、「スクーリング」といって登校しなければならない日も定められています。

私立の場合は最も少ない学校で年間3~5日程度の登校が必要です。

公立では夏休み等の長期休暇を除き、最低でも2週間に1回は登校が必要です。

一般的には、スクーリングが多いほど学費も高くなります。

通信制高校のカリキュラムや学習方法

通信制高校のカリキュラムは学校によって大きく異なります。

特色のあるコースを設定している学校も多く、お子さんの興味関心や将来の夢、適性に合わせて選ぶことが大切です。

通信制高校のほとんどは「単位制」という仕組みをとっています。

動画教材やレポート、試験など定められた課題をクリアすれば単位を取得できます。

74単位以上を取得すれば卒業できるというものです。

通信制高校の学習方法についてはこちらの記事が参考になります。

通信制高校の学習環境とサポート体制

通信制高校生は、家庭で多くの学習をこなす必要があります。

自由度が高いので、ゲームなどの誘惑に負けたり学習が進まなかったりすることがあるかもしれません。

しかし、別の見方をすれば、自分さえ望めばいくらでも学習時間が取れるということでもあります。

「いつ」「何を」「どれくらい」勉強するかは自分次第です。

はっきりした目標や興味のある教科があれば、これまでよりもたくさん勉強することも可能です。

また手厚いサポートが特色となっている通信制高校では、以下のような支援が受けられます。

  • 参加度を自分で決められる学校行事・部活動
  • 個別指導や習熟度別授業など、一人一人応じた指導
  • スクールカウンセラーなどによるメンタルケア
  • オンラインでのレポート提出・添削・学習進捗管理

自分に合ったサポートを提供している通信制高校を選べば、安心して学習を進めることができるのです。

通信制高校の卒業要件と卒業後の進路

文部科学省で定めている「卒業までの要件」は次の3点です。

  1. 在籍期間が3年以上であること
  2. 74単位以上を修得していること
  3. 特別活動に30時間以上出席していること

通信制高校を卒業したあとはどのような進路が考えられるのでしょうか。

文部科学省の調査「高等学校通信教育の現状について(令和2年5月)」によると、通信制高校卒業生の大学進学率は17.6%。専修学校(専門課程)進学者が23.3%、就職した人が23.1%となっています。

この数字だけ見ると、大学進学率が高いとはいえないようです。

しかし、ここには大学進学を希望していない人も含まれています。

通信制高校で学び、大学進学をめざすことは決して難しいことではありません。

詳しくはこちらの記事で解説していますので、興味のある方はぜひお読みください。

通信制高校のメリット・デメリット

全日制の高校と同じく、通信制高校にももちろんメリットとデメリット(注意点)があります。

メリットは以下の5つです。

メリット
  • メリット①自分に合った高校を選びやすい
  • メリット②自分に合ったペースで学校に通える
  • メリット③自由な時間が多い
  • メリット④入学や転入・編入がしやすい
  • メリット⑤同級生との人付き合いが少ない

そして、デメリットとしては以下の5つが挙げられます。

デメリット
  • デメリット①世間からの偏見がある
  • デメリット②学力試験で大学受験を目指すなら、サポートが必要になる
  • デメリット③友達をつくる機会が少ない
  • デメリット④勉強のペースがつかみにくい
  • デメリット⑤生活リズムが崩れやすい

それぞれの項目についてはこちらの記事で解説しています。

通信制高校の学費の支払い方法と期限

通信制高校の学費は、どのように支払えばよいのでしょうか。

基本は一括納入が多いものの、分割払いに応じている学校もあります。

このあたりは入学時に説明があるのでよく聞いておくようにしましょう。

納入方法は銀行振り込みをとっている学校が多いですが、学校によってはコンビニ払いなども受け付けています。

特に注意したいのは支払い期限です。

せっかく合格通知をもらっても、期限までに入学金を支払わなければ入学取り消しになります。

学費も支払い期限を過ぎると除籍になるので、支払いが遅れそうなときは早めに学校に相談することが大事です。

学費の支払いにおいて強い味方となってくれるのが、高等学校等就学支援金です。

ただしこちらの就学支援金は、4月の入学後に学校経由で申請を行います。

そのため、入学金や授業料などの「入学にかかる費用」については、入学前に支払わなければなりません。

就学支援金は、どのように学費から差し引かれるのでしょうか。

実は、これも学校によって異なり、次のような方法があります。

  • 学費から就学支援金を差し引いて請求
  • 1年目は通常の学費を請求し、翌年の学費から差し引いて請求
  • 後日返金

いずれにしても、支給される就学支援金の額が確定してからの手続きとなります。

そのため、入学直後はある程度の出費を覚悟しておくのがベターです。

通信制高校の学費を安く抑える3つの方法

通信制高校に通いたいけれど、学費がネックです……。
そうお悩みの方のために、学費を安く抑える方法があります。

学費を安く抑える方法
  • 就学支援金制度を利用する
  • 奨学金を利用する
  • 特待生として入学する

一つずつ見ていきましょう。

方法①就学支援金制度を利用する

1つ目は、前述の「就学支援金制度(しゅうがくしえんきんせいど)を利用する」という方法です。

就学支援金制度とは、家庭の収入が基準以下の場合に利用できる奨学金(しょうがくきん)のことです。
(参考:文部科学省「高校生等への修学支援

次の2つの条件で、利用できます。

利用できる条件
  • 在学要件:日本国内に在住し、高等学校等に在学する人
  • 所得要件:家族の年収が、約910万円未満であること

ただし、以下の場合には支給対象者から外れます。

利用できない条件
  • 高校などを一度卒業したことがある人
  • 高校などに、通算で3年(定時制・通信制の場合は、4年)を超えて在学している生徒
  • 専攻科、別科の生徒や、科目履修生、聴講生 (専攻科については別に授業料等に対する支援があります)

支給額は、次の表をご覧ください。

私立高校 世帯年収約590万円未満の上限支給金額 世帯年収約590~910万円未満の上限支給金額
1単位当たり 12,030円 4,812円
25単位(1年間)当たり 300,750円 120,300円
公立高校 世帯年収約910万円未満の上限支給金額
1単位当たり 336円
25単位(1年間)当たり 8,400円

私立通信制高校の97%は、1単位あたりの授業料が12,030円以下です。

そのため、カンタンにまとめると、次のようになります。

  • 私立の場合、世帯年収約590万円未満の方は、授業料が実質無償
  • 私立の場合、世帯年収が約590万円〜約910万円未満の方は、授業料が大きく減額
  • 公立の場合、世帯年収が約910万円未満の方は、授業料は実質無償

その他のポイントは下記のとおりです。

  • このお金は授業料以外の費用には使えない
  • 入学金・教材費・諸雑費などはご家庭で負担したり、別の助成金などを利用したりする
  • 基準となる家族の収入は、家族の人数などによって多少上下する

「どうやって申し込めばいいのかわからない」「自分の家庭が支給対象になるかどうかわからない」などの疑問や不安は、次の窓口や、現在在籍している学校の先生、志望校の先生、学習塾などの詳しい人に相談してみてください。

方法②奨学金を獲得する

学費を安くする2つ目の方法は、「奨学金(しょうがくきん)を利用する」ことです。

奨学金とは、多くは「経済的理由によって進学などが難しい人を応援するためのお金」です。

奨学金には大きく分けて次の2つがあります。

奨学金の2つの種類
  • 貸与型(たいよがた。受け取った奨学金を、将来的に返す必要があるタイプ)
  • 給付型(きゅうふがた。受け取った奨学金を、返さなくてもよいタイプ)

具体的に、通信制高校生が利用できる代表的な奨学金に、文部科学省が実施している「高校生等奨学給付金」があります。

高校生等奨学給付金は、授業料以外の教育費(教科書代など)に使える、給付型の奨学金制度です。

通信制高校の場合には、家庭の経済状況によって、次の金額が支給されます。

生活保護受給世帯
  • 公立通信制高校の場合:年額3万2,300円
  • 私立通信制高校の場合:年額5万2,600円
非課税世帯(年収約250万円未満)
  • 公立通信制高校の場合:年額5万500円
  • 私立通信制高校の場合:年額5万2,100円

気になる方は、文部科学省の「高校生等奨学給付金のお問合せ先一覧」のページを見て、ご自身が住んでいる都道府県の窓口に連絡してみてください(親御さんや学校の先生に話してもらってもOKです)。

次に、JASSO(独立行政法人日本学生支援機構)でも、通信教育課程向けの奨学金を設けています。

こちらは、家計の他に、学力においても基準が定められています。

その他には、学校や都道府県が、独自の奨学金・奨学生制度を設けていることもあります。

気になる人は、親御さんや中学の先生に相談しながら高校や役所に問い合わせてみましょう。

方法③特待生として入学する

学費を安くする3つ目の方法は、「特待生(とくたいせい)として入学する」ことです。

特待生とは、勉強・スポーツ・芸術・学業などの特定分野で学校が定めた基準をクリアする、優秀な学生のことです。

特待生制度を設けている通信制高校では、特待生向けの入試に合格すれば、学費が免除されるなどのサービスがあります。

何か得意な分野がある人なら、特待生制度がある高校を探すのも一つの方法です。

通信制高校の学費と教育の質・内容の関係

ここまで見てきたように、通信制高校の学費は公立・私立の別や学校によって千差万別です。

一般に、私立の通信制高校はサポートが手厚く学費が高いのは前述したとおりです。

しかし、必ずしも「学費が高い=教育の質が高い、内容が良い」とは言い切れません。

なぜなら、通信制高校にはそれぞれ特色があり、自分のニーズに合った学校を選ぶことが何より大切だからです。

加えて、就学支援金制度により全般的に学費負担額は下がっています。

要件を満たしていれば、一見学費が高い通信制高校であっても、それほど負担感なく受講することができるのです。

以上のことから、通信制高校選びでは、学費にとらわれすぎず学校の特色やカリキュラム、何に力を入れているのかといったことに着目することが大事です。

私立の通信制高校の学費に関連して~サポート校の利用~

私立の通信制高校生には、「サポート校」というものがあると聞きました。
はい。サポート校とは、「特定の通信制高校と提携した塾」のようなものです。

サポート校では、以下のような支援を受けることができます。

  • 提携している通信制高校のカリキュラムに対応した学習の支援
  • 体験的な学習の実施
  • 独自の授業の実施
  • 生活面の支援

サポート校の例

私立屋久島おおぞら高等学校と提携しているサポート校・KTCおおぞら高等学院には、「進学コース」の他に、次のようなコースがあり、いわゆる「五教科の勉強」以外のことも学べます。

  • 子ども・福祉コース
  • プログラミングコース
  • マンガイラストコース
  • 住環境デザインコース
  • マンガイラストコース

(参考:KTCおおぞら高等学院「コース紹介」

サポート校では、学費は必要ですか?
もちろん、高校とは別に、サポート校の学費も必要です。

サポート校に通った場合の初年度の平均的な学費は、次の表をご覧ください。
(学費出典:学びリンク「不登校・中退生のための進路相談室」)

平均 1日通学コース 3日通学コース 5日通学コース
入学金 88,000円 100,000円 74,000円 89,000円
授業料(年間) 502,000円 180,000円 336,000円 544,000円
施設設備費(年間) 66,000円 なし 61,000円 70,000円
その他(年間) 78,000円 なし 77,000円 82,000円
合計 734,000円 280,000円 548,000円 785,000円

なるほどー、高校の学費とは別にお金がかかるんですね。
はい。サポート校は必ず通わなくてはいけないわけではありません。利用しないというのももちろんアリです。

ただ、高校卒業・大学受験・就職を目指す人は、サポートがあった方がよいでしょう。

サポート校ではなくても、通信制高校のことに詳しくて、学費が折り合う塾などを利用することは非常にオススメです。

私たちキズキ共育塾にも、通信制高校の生徒さんが、卒業や大学受験を目指して大勢通っています。

サポート校の詳細は、以下のコラムで紹介していますので、ご興味があればお読みください。

通信制高校の選び方は?

通信制高校ってたくさんありますね……。どうやって選べばいいのでしょうか。
通信制高校の選び方にはポイントがあります。

通信制高校を選ぶ際のポイントは以下の2つです。

  1. いくつかの観点から自分なりの「優先順位」を決めること
  2. 口コミや評判サイトを上手に活用すること

ここまで見てきたように、通信制高校を選ぶ観点は学費やサポート内容、通学すべき日数などさまざまです。

自分にとって何が重視したいことなのかをよく考えて選びましょう。

また、通学するときの時間や、通学経路が楽かどうかなども考えておくといいでしょう。

通信制高校の口コミや評判サイトの活用方法

通信制高校を選ぶ際に参考となるのがインターネットの情報です。

口コミや評判サイトには数多くの通信制高校について、生の声が寄せられています。

これらの情報を見ることで、学校のイメージや授業内容、先生の雰囲気などがわかります。

しかし、中には主観的すぎる意見や本当かどうか疑わしい情報もあります。

全てをうのみにするのではなく、「参考にする」という気持ちで読むようにしましょう

気になる学校があれば、実際に足を運んでみるのも大事です。

私たちキズキ共育塾でも、通信制高校に関する無料相談を行っています。

  • 「インターネットで情報を探したけれど、よく分からない……。」
  • 「行きたい通信制高校の評判が悪くて不安になった」

という場合は、ぜひ相談してください。

通信制高校はこれからどうなる?

通通信制高校は、これからどんどんメジャーになっていくのでしょうか?
通信制高校に通うのが「当たり前」になると嬉しいのですが。
通信制高校をとりまく状況は年々変化しています。
これからの展望についてみていきましょう。

ここでは、以下のことについて解説していきます。

  • 通信制高校の実績
  • 通信制高校の社会的な認知度
  • 教育改革と通信制高校

通信制高校の実績をどうはかるか

通信制高校の実績は、どのようにはかるのでしょうか。

たとえば以下のような規準が考えられます。

  • 進路実績(大学・専門学校などへの進学率・就職率など)
  • 卒業率(単位をすべて取得し、卒業できた生徒の割合)

通信制高校に入って、希望する大学や専門学校に行きたいのか。

それとも、自分の良さを活かせるところに就職したいのか。

あるいは、まずは3年間しっかり勉強して、卒業することをめざしたいのか。

あなたが通信制高校に何を求めているかによって、実績のどの部分を見るべきかは変わってきます。

通信制高校の社会的な認知度

通信制高校の社会的認知度をはかる上で、次のような調査があります。

株式会社プレマシードが2022年に行った調査によると、通信制高校に対して良いイメージを持っていると回答した人は60.6%にのぼりました。

一方、通信制高校の仕組みについては「知らない」と答えた人が多いという結果になっています。

以上のことからも分かるように、通信制高校についての認知度は高く、ポジティブなイメージを持つ人が増えています。

その背景としては、私立の通信制高校を中心にメディアへの露出が増え、誰でも知っている存在になりつつあることが挙げられます。

また、「自分の学び方に合わせて高校を選びたい」「他に打ち込んでいるものがあり、効率良く学びたい」といった前向きな理由で通信制高校を選ぶケースが増えていることも要因の一つです。

社会全体として、通信制高校に対する認知度やポジティブなイメージは高くなっているのです。

教育改革と通信制高校

教育改革が進んでいますが、通信制高校をとりまく状況はどうなっているのでしょうか。

2022年8月、文部科学省で「『令和の日本型学校教育』の実現に向けた通信制高等学校の在り方に関する調査研究協力者会議」が開かれました。

この会議では、以下のようなことが議論されています。

  • 目指すべき「令和の日本型学校教育」の姿として、「全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現」がある。通信制高校でもこのような学びを実現していく
  • 学校は学習をするだけでなく、全人的な成長や安心できるセーフティネットとしての役割も求められている。様々な事情を抱えた生徒が在籍している通信制高校では、この点をより大切にしていかなければならない

まとめ〜あなたに合った通信制高校はきっと見つかります

通信制高校の学費について紹介してきました。
志望校を決める際には、学費だけではなく、雰囲気やサポート体制なども確認しておきましょう。

はい、学校見学会なども利用して、自分に合いそうな通信制高校を探していきます!

私たちキズキ共育塾でも、通信制高校への入学・転校や、通信制高校からの大学受験について無料相談を行っています。

少しでも気になった方はお気軽にご連絡くださいね。きっとあなたに合う高校が見つかると思います!

さて、私たちキズキ共育塾は、不登校の方や学校が苦手な方のための個別指導塾です。

講師と生徒さんが1対1の授業で、面接の練習もできます。

また、オンライン授業と対面授業を、柔軟に切り替えることも可能です。

無料相談も行っていますので、高校選びや、高校受験の勉強、あるいは高校受験の面接に不安がある方は、ぜひ一度ご連絡ください。通信制高校に入学した後のことについてのご相談ももちろん可能です。
ご自分で連絡するのが不安な方は、親御さんからの連絡でも大丈夫です。

Share