人見知り、6つの原因と6つの改善方法

こんにちは。コミュニケーションの練習もできる完全個別指導塾・キズキ共育塾の内田青子です。
新年度が始まりましたね。
新しいクラス、学校、会社。
新しい環境では、さまざまな出会いがあることでしょう。
新しい出会いが楽しみな人がいる一方で、尻込みする人もいるでしょう。
- 「自分は人見知りだ」
- 「知らない人ばかりの環境は気が重いな」
今日は、そんなあなたと一緒に、人見知りの原因と改善法を考えていきたいと思います。
あなたの人見知りを改善する一助となれば幸いです。
目次
人見知りとは何か

そもそも「人見知り」とは、次のような状態のことです。
「子どもなどが、知らない人を見て、恥ずかしがったり嫌ったりすること」
(デジタル大辞泉)
元々は、赤ちゃんが知らない人を見て怖がったり泣いたりする状態のことでした。ですが徐々に、対人関係を苦手とする大人に対しても使われるようになりました。
次のような人見知りの悩みを持つ方は少なくありません。
- 親しくない人とコミュニケーションを取ることができない
- 知らない人のいるところに行くことが怖い
- 初めての場で黙ってしまう
そして、人見知りの中には「社交不安障害」という診断名が付く場合があります。
次のような場面を想像してみてください。
- 発表やプレゼン
- 電話対応
- 合コンやクラス会など
こうした場面で次のような「症状」が出る場合は、「社交不安障害」の可能性があります。
- 強い恐怖や不安を感じる
- 息苦しさ、赤面、腹痛、手足や声の震え、発汗など身体症状を起こす
「社交不安障害」が疑われる場合は、精神科・心療内科・学校や職場の相談室など、専門家に相談されることをお勧めします。
このコラムでは、「社交不安障害」ではない、俗にいう「人見知り」についてお話していきます。
人見知りの原因
人見知りの原因は何なのでしょうか?
この章では、人見知りの原因を6つご紹介します。
各原因は、必ずしも「悪いもの」ではありません。ですが、人見知りに悩んでいるようでしたら解決したいところだと思います(解決策は次章で紹介します)。
原因①警戒心が強い

人見知りの人は、警戒心が強いと言えます。
次のような思いが強いのです。
- 他人に笑われるのではないか
- 騙されるのではないか
- 傷つけられるのではないか
過去に馬鹿にされた経験や騙された経験などから来るトラウマが、警戒心を抱かせるのかもしれません。
ただし、世の中には、人を傷つけたり、騙したりする人間もいます。警戒心を持つことも必要です。
原因②一人(または狭い人間関係の中)でいる時間が長い

人見知りの人には、「一人でいる時間が長い」という傾向があります。
家族や友人と過ごしている人も、「限られた人間関係」の中にいる時間が長い傾向にあります。
一人(特定の人間関係の中)でいることに慣れているため、新しい人間関係の中に入ることに強い不安を覚えてしまうのです。
「自分は新しい人間関係に不慣れなだけだ」<と意識してみるのもいいかもしれませんね。
原因③他人の評価を過剰に気にする

人見知りの人は、他人にどう思われるかを過剰に気にします。
例えば、次のようなことです。
- 「今の発言をどう思われただろう」
- 「笑い方がヘンじゃなかったかな」
自分がどう思われたかに気を取られるあまり、相手の話をしっかり聞いたり、表情を見たりできていない可能性があります。
原因④声が小さい、どもる、赤面するなどのコンプレックスを抱えている

コミュニケーションをとるときの自分にコンプレックスを抱えている場合も、人と知り合うことに不安を覚えてしまいます。
例えば、次のようなものが考えられます。
- 声が小さい
- どもる
- 赤面する
「また、どもってしまった。どうしよう」
「顔が赤くなってないかな」
そんなコンプレックスを持つ人は、コンプレックスが気になるあまり、会話の運びや相手の表情に注意を向けることができないのです。
原因⑤何を話せばいいのか分からない

何を話せばいいのかわからない、だから人見知りになった、といった方もいます。
「はい」
「いいえ」
「そうですか」
の後が続かないため、他人との会話が怖くなるのです。
会話ができない原因としては、次のようなことが考えられます。
- 話題が豊富ではない
- 適切なあいづちが打てない
- 相手の発言に対して質問ができない
原因⑥自分に自信がない

人見知りの人には、自分に自信がないこともよくあります。
「自分の本当の姿を知られると、 馬鹿にされるのではないか (嫌われるのではないか)」といった不安をいつも抱えています。
自分を隠そうとするため、のびのびとした会話ができません。
せっかく話しかけられても、内気な対応をして、親しくなるチャンスを逃すのです。
人見知りを改善する6つの方法
ここからは、人見知りの生徒さんも多いキズキ塾講師で生徒指導をしている経験から、人見知り改善法を6つご紹介します。
方法①相手・場面ごとの話題を用意する

相手・場面ごとの会話を、あらかじめ用意しておきましょう。
相手と場面は、次のように、さまざまな想定ができます。
- クラスメイトと教室で話す場合
- 合コンで初めて知り合う人と話す場合
- 新しい取引先に行く場合
例えば、プライベートで初対面の人と話すときには、「好きな野球チームを必ず聞こう」などと決めておくのです。
それと同時に、自分の好きな野球チームの話題も用意しておきます。
すると、野球の会話をすることができます。
相手が野球に興味がない場合にも、「なぜ興味がないのか」という方向で会話を進めることができます。
相手の服装や持ち物をほめる、と決めておくのもいいかもしれませんね。
その際には、相手と自分の共通点を探してみるといいでしょう。
「あるキャラクターの小物が好き」という共通点が見つかると、話も盛り上がるはずです。
その他にも、次のような話題は、最初の会話として適しています。
- 「出身地は?」
- 「学校どこ?」
- 「ペット飼ってる?」
- 「好きな芸能人は?」
筆者の知り合いは、「人間は、 食、芸能、スポーツ、ペット、音楽の どれかに必ず反応する」と言っていました。
「ふさわしい話題」は相手や場面ごとに変わりますので、いくつかのシーンにわけて、話題をつくっておきましょう。
方法②鏡の前でイメージトレーニングをする

話題を用意したら、鏡の前で次のイメージトレーニングをしてみましょう。
- 挨拶
- 自己紹介
- 笑顔
- 用意した話題
- そのほか、自分の好きなことの話
練習しておくことで、いざ人前に出たときにスムーズなコミュニケーションができます。
また、上手にしゃべる人のマネも効果的です。
しゃべるのが上手な友達や同僚のいいところを取り入れて、ぜひ自分のものにしてみましょう。
方法③人見知りを気にしない

あらかじめ話題を用意すると、かえって緊張する方もいるでしょう。
そのような方は、「何も考えない」ようにすることも大切です。
「うまく話さないと」「嫌われないようにしなきゃ」そう考えるために逆に緊張して、話せなくなることもあります。
「失敗してもいいや」くらいの思いで、飛び込んでみてください。
あなたの声が小さくても、突飛なことをしゃべったとしても、人は簡単にあなたを嫌いにはなりません。
むしろ、一生懸命会話をしようとするあなたの態度が、相手に好印象を与えることもあります。
方法④服装・髪型などを変えてみる

服装や髪型を変えることも、人見知り克服には有効な方法です。
自分の好きな(自分に似合う)服装や髪型は、自信につながります。
自信が身につけば、人との会話が堂々とできるようになります。
服装や髪型は、あまりお金をかけなくても、校則や家庭の規則の範囲内でも割と簡単に変えることができます。
不安であれば、洋服屋や美容院で予算や校則をお話しして、一緒に選んでもらいましょう。
方法⑤聞き上手になる

「自分から何か面白いことを しゃべらなくてはいけない」と悩んでいませんか?
実は、コミュニケーションのコツは、「しゃべること」ではなく「聞くこと」なのです。
多くの人は、「自分の話を聞いてもらいたい」と思っています。
つまり、自分の話を一生懸命聞いてくれる人に好印象を持つのです。
話すことが苦手な人は、「聞き上手になる」ことも目指しましょう。
ただし、「不愛想」にはならないように気をつけてください。
仮にしっかり聞いていても、態度が無愛想だと、好印象にはつながりません。
「聞き上手」は、相手に興味を示し、一生懸命話を聞こうとします。
最初から「聞き上手」になれなくても大丈夫です。
まずは、「うまくしゃべろう」という気持ちを捨てて、「一生懸命聞こう」という態度で相手に接してみてください。「聞き上手になるコツ」は、次章であらためて紹介します。
方法⑥相手の目は見なくてもよい

小学校などでは、「相手の目を見て話しましょう」と教わると思います。
「目を見ると、緊張してうまく話せない」という人もいるでしょう。
実は、会話をするとき、「常に、しっかり、相手の目を見る必要」はありません。
人を説得するときや恋人同士の会話以外で、相手の目をじっと見つめながら話すことは、滅多にありません。
よほど違うところを見続けていないかぎり、目を合わせ続けなくても、「一生懸命話したい」という熱意は、相手に伝わります。
相手への興味と誠意さえ持っていれば、目を見るか見ないかはあまり関係ないのです。
聞き上手になるための3つの方法
前章の「方法⑤聞き上手になる」を掘り下げて、聞き上手になるための方法を3つ紹介します。
方法1:相手の言葉に5W1Hで質問する
相手の言葉に 5W1Hの質問をしましょう。
5W1Hとは、次を指します。
- Who(だれが)
- When(いつ)
- Where(どこで)
- What(なにを)
- Why(なぜ)
- How(どのように)
例えば、相手が「旅行が好きなんですよ」と言ったなら、次のように質問を投げかけていけば、話題は広がって行きます。
- 「いつ行ったんですか?」
- 「どこが一番よかったですか?」
- 「国内ですか?海外ですか?」
- 「現地で何するんですか?」
最初は興味のない話題だとしても、5W1Hの質問で掘り下げていくと、共通点が見つかったりします。
5W1Hにちょっと一言加えて、「私はあまり旅行に行ったことがなくて、おすすめの場所を教えてください」などと聞けば、相手も喜んで教えてくれるはずです。
方法2:自分から質問を投げかける
会話は、「何を話すか」ではなく、「何を聞くか」です。(参考:『キラークエスチョン ~会話は何を聞くかで決まる~』山田玲司)
相手の言葉に5W1Hで質問する以外にも、自分から質問することで会話のきっかけをつくることができます。
こちらから質問を投げかける場合には、次のような質問があります。
「その服、どこで買ったんですか?」
「今日はどうやって(交通手段)来たんですか?」
質問のつくり方の参考となる本の一つに、この章の最初に紹介した『キラークエスチョン~会話は何を聞くかで決まる~』があります。
興味のある方は、ぜひ読んでみてください。
方法3:沈黙をおそれない
会話の最中に沈黙があると、「自分が何かをしゃべらなくては」と思ってしまうかもしれません。
そもそも、沈黙は悪いものではありません。
また、会話は複数人でするものなので、沈黙の「責任」があなた一人にあるわけではありません。
沈黙が起きても、焦らず相手の言葉を待ち、「どのような質問をしたらいいかな」と考えてみてください。
どうしてもあせるときには、一度大きく呼吸をしてみるといいでしょう。
あなたが余裕のある態度でいれば、相手も安心して話すことができるのです。
まとめ〜楽しくコミュニケションできますように〜

今回のコラムをまとめます。
人見知りの悩みを持つ方は少なくありません。
人見知りになる原因には、主に次の6つがあります。
- 警戒心が強い
- 一人の時間が長い
- 他人の評価を過剰に気にする
- 声が小さい、どもるなどコンプレックスを抱えている
- 何を話せばいいのかわからない
- 自信がない
人見知りがあまりに強い場合は、「社会不安障害」という病気の可能性もあります。
「社会不安障害」が疑われる場合には、心療内科など専門機関に相談してください。
「社会不安障害」ではない、俗に言う人見知りの改善法としては、次の6つがあります。
- 場面ごとに会話を用意する
- 鏡の前でイメージトレーニングをする
- 人見知りを気にしない
- 服装・髪型を変える
- 聞き上手になる
- 相手の目を見る必要はない
繰り返しますが、人見知りで悩んでいる人はとても多くいらっしゃいます。
話し上手に見える人の中にも、人と話すことに不安を覚えているからこそ、わざと明るく振舞っているという人もいます。
いつも明るくおしゃべりな人が実は極度の人見知りだったということも少なくありません。
人見知りは、あなた一人ではありません。
あなたが出会う相手も、人見知りで悩んでいるかもしれません。
どうぞ勇気を持って話しかけてみてください。
あなたが楽しくコミュニケーションできるよう、心から祈っています。
さて、私たちキズキ共育塾の生徒さんにも人見知りの人はたくさんいらっしゃいます。
「家族以外の他人と話すのが怖い」「勉強したいけど知らない人と話すのが不安」などの不安を抱える生徒さんたちも、講師との一対一の授業で少しずつ人見知りを改善して行っています。
人見知りで悩んでいるようでしたら、ぜひ一度ご相談ください(相談は無料です)。
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