
定時制高校ってどんなところ?(1)定時制高校の基本情報

キズキ共育塾の井上敦司です。
定時制高校出身の私が
定時制高校のリアルを伝えるシリーズ。
今回は、
「定時制高校の基本情報」
をお伝えします。
そもそもどんな仕組みの高校なのか、
他の高校と何が違うのか、
卒業のために何が必要なのかなど、
定時制高校の基本について
知っていただければ幸いです。
【シリーズ「定時制高校ってどんなところ?」】
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目次
①定時制高校は、3種類ある「日本の高校」の1つ
日本の高校は、
- 全日制
- 定時制
- 通信制
の3つの形態に分けることができます。
一般的にイメージされる、
「平日毎日通学して、
朝から夕方まで授業がある高校」は、
全日制です。
しかし、全日制以外にも、
多様なニーズに応える学校があるのです。
定時制高校とは、
「全日制高校とは異なる時間帯」
に(も)授業を行っている学校のことです。
以下、定時制高校とは何なのか、
もっと具体的に見ていきましょう。
②全日制との違い

平日は毎日登校する、という部分は、
全日制も定時制も同じです。
異なるのは、授業時間帯です。
全日制高校の授業時間帯は、
だいたい朝から夕方までです。
これに対し、
定時制高校の授業時間帯は、
例えば次のように分けられます。
- 夜の時間帯に授業を行う「夜間定時制」
- 朝と昼の時間帯に授業を行う「昼間二部定時制」
- 朝・昼・夜の時間帯に授業を行う「三部制」
詳細な時間は、学校によって異なります。
全日制高校の時間帯に通学できない人も、
定時制高校には通える。
これが定時制高校の魅力の一つです。
また、定時制高校の授業コマ数は、
1日4コマ程度です。
(3年で卒業する場合はもっと多くなります)
全日制高校よりも自由な時間が多いため、
学業以外のことに時間を費やしやすい、
という特徴もあります。
その他の違いとしては、
定時制高校には、
- 元不登校
- 高校中退経験者
- すでに就労・定年退職している人
などが多く在籍している点があります。
年齢もバラバラで、
「先輩後輩のような上下関係」
はできづらかった記憶があります。
これは通信制高校とも共通する点でしょう。
③通信制との違い

定時制高校は、
基本的には平日は毎日登校します。
これに対し、通信制高校は、
毎日登校する必要がなく、
- レポートの提出
- スクーリング
- 試験
などで単位を取得します。
通信制高校について詳しく知りたい方は、
次のコラムをご覧ください。
「通信制高校とは?特徴・メリット・選び方・オススメの高校などをご紹介」
④学年制と単位制

定時制高校には、
- 学年制
- 単位制
の2種類があります。
学年制は、時間帯以外は全日制と同じです。
(卒業までに4年必要な場合もあります。)
毎日決まった時間に通学し、
学校が決めた時間割の授業に出席する、
とお考えください。
出席日数やテストの点などが
所定の基準を満たすと進級・卒業となり、
足りなければ留年になります。
単位制は、
学校が決める「一律の時間割」がありません。
そもそも「単位」とは、
「高校で必要なことを学んだ」
という証明のようなものです。
高校を卒業するためには、
74(以上)の単位が必要となります。
単位は、科目ごとに、
所定の出席日数やテストの点数を満たすと
取得できます。
単位制の定時制高校は、
卒業に必要な単位取得のために、
どの授業をどのように受けるか、
各生徒が計画します。
1日をゆったり過ごしたい人や
通学や学習に不安がある人は
4年で卒業するよう計画し、
早く卒業したい人や
1日の時間に余裕がある人は
3年で卒業する計画を立てる傾向があります。
また、自分で時間割を組むために、
授業がない日や時間帯ができたりもします。
⑤定時制高校の入試の特徴
一般的に、定時制高校の入試は、
- 比較的、試験が簡単
- 内申点がほとんど関係ない
という特徴があります。
「科目試験なし、面接と作文のみ」
という学校もあります。
中学までで勉強が苦手だったり、
不登校で内申点が低かったりしても、
定時制高校には入学しやすいということです。
⑥定時制高校の卒業条件

定時制高校の卒業条件は、
基本的には全日制高校と同じで、
以下の2つです。
- 3年間(以上)の在籍
- 74(以上)の単位取得
ですが、少し違うところもありますので、
解説します。
1.在籍期間
学年制の定時制高校の場合、
3年制と4年制があります。
3年制だと、
1日の授業数はだいたい5〜6コマで、
全日制高校と同じくらいです。
4年制は、
1日の授業数はだいたい4コマ以下で、
比較的少なめです。
単位制の場合、
3年で卒業するか4年で卒業するか、
基本的には自分で計画します。
(学校の制度にもよります)
4年間で卒業するよう計画することも、
珍しくありません。
3年間で卒業する計画だと、
1日の授業コマ数は比較的多くなります。
2.必要単位
学年制の場合は、
学校の時間割に従っていれば、
卒業に必要な単位について
各生徒が気にする必要はありません。
必要な年数在籍し、
必要な出席日数を確保し、
各科目のテストをパスできれば、
卒業できます。
単位制の場合、
卒業に必要な74(以上の)単位を
いつ・どうやって取得するか、
生徒自身で計画します。
(もちろん、学校に相談はできますが)
3年間で卒業する計画だと、
1年ごとに受講する授業も多く、
それなりに忙しい過ごし方になるでしょう。
4年計画だったら、
高校在籍年数が増える分、
在籍中に授業以外に使える時間も増えます。
自分がどう学び、いつ卒業したいかなど、
学校の先生に相談した上で、
計画を作成しましょう。
まとめ
定時制高校の基本的な情報について、
お伝えしました。
学校ごとに特色が異なりますので、
進学・転校を検討している学校があるなら、
資料請求や学校見学も行うようにしましょう。
このシリーズの他の記事も
参考にしていただければ幸いです。
また、定時制高校への進学・転校や、
定時制高校からの大学進学について、
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