学生に多い挫折とは? 乗り越えるための心構えと行動を解説
目次
挫折とは? 挫折を味わった人の特徴
あなたは、挫折を味わった経験はありますか?
挫折とは、「意気込んで行なっている仕事や計画などが途中でだめになること。また特に、そのために仕事をする気力を失うこと」を言います。(参考:コトバンク「挫折」)
挫折経験のある人の特徴は、「失敗」の中でも「特に重要な失敗」をしたことがある、ということです。
ある人にとってA大学に合格・入学することが重要であった場合、合格できなかったという失敗は「挫折」となります。
また、ある人にとっては、大切な試合で自分のミスで負けたという体験も「挫折」として感じるでしょう。
重要だと思っていたものを達成できなかったときには、誰しも落ち込むものです。
さて、挫折は、チャレンジや努力をしたからこそ起きるものです。
挫折は、あなたの一生懸命な努力の証でもあるのです。決して恥ずかしいことではありません。まずは、努力した自分を認め、いたわってください。
また、「挫折」には今まで見えなかった気づきを与えてくれるという一面もあります。
例えば、次のようなことです。
- A大学しかないと思っていたけれど、B大学に進学した結果、充実した学生生活を送ることができた
- スポーツで試合に負けた結果、自分に足りない部分が見えるようになった
挫折は決して「終わり」ではありません。
よりよい未来へ向かうための大切なステップです。今は苦しいかもしれませんが、そのことをぜひ知っておいてください。
学生に多い挫折のきっかけ3点
挫折の経験は、年齢問わず誰にでも起こり得ることです。
しかし、学生さんは大人よりも心の揺らぎが大きいため、挫折の経験を乗り越えられず、しばらく引きずる傾向にあるようです。
では、学生さんはどんなきっかけで挫折することが多いのでしょうか。
この章では、キズキ共育塾でよくお聞きする学生さんに多い挫折のきっかけを3つ紹介します。
きっかけ①受験の失敗
1つ目は、受験の失敗です。
「受験勉強を一生懸命続けたけれど、行きたかった学校に行けなかった」という体験は、多く耳にする挫折経験のひとつです。
中でも、大学受験に失敗して浪人生活をしている方にとっては、「社会的に何にも所属していない」という中途半端な立場に不安を抱くことがあるそうです。
それまでは学校という居場所があったのに、家族以外の所属がなくなる。
そうした状況になったことで、「受験に失敗した」という体験を「自分の人生にとって大きな失敗だ」と感じ、つらい気持ちになる学生さんも多くいます。
ショックの大きさから勉強に身が入らない方もいるかもしれません。
所属がない寂しさは、本質的には所属を得ることでしか埋まりません。
所属のなさに不安やむなしさが襲ってきたら、楽しい学校生活を想像して勉強に打ち込むことをオススメします。
きっかけ②進学先で成績が伸び悩む
2つ目は、進学先で成績が伸び悩むケースです。
「中学校まではテストの結果がよく、成績も学年でトップクラスだったのに、高校に進学してからはなかなか良い結果が出せなくなった」というケースも少なくはありません。
これは、部活や人間関係などについても似たようなことが言えるでしょう。
「得意と思っていたことが、実はそうではなかったのかもしれない…」という気持ちが大きくなることで、勉強や部活、人間関係などが嫌いになり、挫折につながることもあります。
このときに大切なのは、「疲れたときは無理せず休むこと」と「勉強したいと思ったときに、もう一度頑張ってみること」です。
自分にムチを打って頑張りすぎると、心の糸がプツンと切れて、すべてが嫌に感じることもあります。
頑張ることはとても大切ですが、「疲れたな」と思ったときには無理せず休んでくださいね。
きっかけ③周りと比べて自信をなくす
3つ目は、周りと比べて自信をなくすケースです。
例えば、「Aさんは頭が良くて運動もできてカッコいいのに、どうして私はできないんだろう…」と周りと自分を比較し続けると、自分自身が嫌いになり挫折を味わうこともあるでしょう。
また、受験に失敗して浪人生活を送っている方だと、大学生活を楽しんでいる同い年の友達の話を聞くと、「自分はどうして一人で勉強しているんだろう…」とつらい気持ちになるかもしれません。
自分と他人を比べることは悪いことではありませんが、「比較しすぎる」と心が疲れます。
「自他を比較しすぎている」と感じたときは、思考をリセットしましょう。
具体的には、体を動かし、今いる場所を変えることがオススメです。散歩したり、勉強する場所を変えたり、運動をしたりすると、気分転換ができて頭の中がスッキリします。
「今、人と比較しすぎる」と感じたら、あまり考えすぎずに思考をリセットしてみてください。
挫折を乗り越えるための2つの心構え
挫折経験はつらく、苦しいものかもしれません。
しかし、挫折は乗り越える過程で新たな学びを得ることができ、自身の成長へと繋がります。では、一体どのように挫折経験を乗り越えたら良いのでしょうか?
この章では、挫折を乗り越えるための心構えを2つ紹介します。(参考:諸富祥彦『思春期の子の育て方』)
心構え①挫折は自分が成長する「チャンス」と捉える
明治大学文学部教授の諸富祥彦氏によると、挫折の経験は「マイナスから立ち直る方法を学ぶ絶好のチャンス」と書かれています。
傷つくこと。負けること。失敗すること。多くの子どもにとって、思春期は挫折の連続です。「好きな人からフラれた」「受験で第一希望の学校に落ちてしまった」これらは短期的に見るとマイナスの出来事です。しかし、長い目で見ると実はとても大切な体験です。なぜなら失敗は、マイナスから立ち直る方法を学ぶ絶好のチャンスでもあるからです。
(諸富祥彦『思春期の子の育て方』)
挫折した直後は苦しいかもしれませんが、大切なのは挫折からどう立ち直るかであり、その苦しみを乗り越えた先には自身の成長があります。
「挫折=チャンス」と捉え、ポジティブに向き合いましょう。
心構え②長期視点で物事を捉える
もう一つの心構えとして、長期目線で物事を捉えることです。
諸富氏は、以下のように言います。
挫折経験は、時間が経つと次の糧にもなります。
最初の失恋のおかげで次の恋がうまくいった。第二志望で入った学校がとても相性がよかった。そんな展開だって、もちろんありえるでしょう。
「自分は楽しんで取り組めた」「結果は結果。自分は自分なりに頑張った」と自分を認めることが大切です。
(諸富祥彦『思春期の子の育て方』)
大きな失敗をすると、つい結果だけをみて自分自身を責めがちです。しかし今までの過程を振り返り認めることは、挫折を乗り越えるための重要なプロセスです。
また、失敗を反省することはとても大切ですが、反省が終わったら自分自身をしっかりとほめて、自分の成長を振り返りましょう。
挫折を乗り越える6つの方法
挫折した直後は、苦しくてやりきれないものです。
挫折から学んで歩き出せばいいのだとわかってはいても、感情にとらわれてすぐに動き出すことが難しいかもしれません。
悔しくて苦しいとき、どのようにすれば立ち直ることができるのでしょうか。
この章では、キズキ共育塾の講師たちの経験の中で、実際に効果のあった挫折を乗り越える方法を紹介します。
どれも難しい方法ではありません。ご自分に合ったものがあればぜひ試してみてください。
挫折の落ち込みから回復すれば、「次の一歩」にも進めます。
方法①一人きりにならない
挫折について一人きりで悩んでいると、次のようなネガティブな感情がわいて、ますます落ち込んでいきます。
- もっとがんばればよかった…
- あのとき、あれをしなかったから失敗したんだ…
- 自分はもうダメだ…
そうなると、挫折からの回復が遅れます。挫折した自分を責める必要はありません。
ネガティブな気持ちに襲われそうになったときには、人と過ごしましょう。
- 家族、友達、カウンセラーなどに苦しい気持ちを聞いてもらう
- 誰かと一緒に楽しめることをする
あなたが「話してもいい」と思える人と挫折の苦しみを共有してください。あなたの信頼する人は、あなたのチャレンジを評価しても失敗を笑うことはありません。
人と過ごすことで、挫折の傷は癒え、次のステップに向かうために何をすればいいかが見えてきます。
方法②挫折したものから離れてみる
挫折したものから離れて全く違うことをしてみることは、立ち直りに有効な方法の一つです。
永遠に離れるのではなく、少しだけ距離を置いてみるのです。
- テニスの試合に負けたときは、ちょっとラケットを置いてみる
- 大学受験で挫折したときは、ちょっと勉強をやめてみる
一時的に離れてみると、次のようなことが見えてきます。
- うまくいくにはどうしたらいいのか
- 違う道があるんじゃないか
苦しいかもしれませんが、勇気を持って、挫折したものから少しだけ離れてみてください。
方法③すぐに再チャレンジする
②とは逆に、挫折してすぐのときに同じことに再チャレンジするのも、挫折から前に進む手段の一つです。
次のような例が考えられます。
- 大学受験で挫折したなら、来年の再受験に向けてすぐに勉強を再開する
- スポーツの試合に負けたなら、すぐに練習を再開する
- 失恋したなら、すぐに次の相手を探し始める
「次の一手」を打ち続けると、次第に挫折の痛手はなくなっていきます。
このとき、「自分が挫折した理由」を考えることができると、より効率的に成功に向かうことができます。
理由を考える余裕がないときは、「とりあえず再チャレンジ」に走り出して、心が落ち着いたら改めて考えるのもアリでしょう
ただし、特に恋愛など「自分以外の相手がいること」の場合は、挫折の理由を考えないと相手のことも傷つけるかもしれません。注意が必要です。
方法④やったことのないことに挑戦してみる
これまでやったことのないことをやってみるというのも、挫折から立ち直る一つの方法です。
小さなことでも大丈夫です。
キズキ共育塾のある講師は、挫折で眠れない日々が続いたとき、「それまで降りたことのない駅やバス停で降りてみる」ということを始めました。
挫折したときは、「自分はもう何もできない」という錯覚に陥りがちです。
そんなとき、「初めての駅で降りることができた」といった小さな「できた体験」の積み重ねが心を支えてくれるのです。
他の例としては、次のようなものがあります。
- 数ページだけ本を読む
- 簡単な料理をつくる
ぜひ、そうした小さな「できた体験」を積み重ねてください。
方法⑤合わないアドバイスは聞き流す
挫折したあなたに、いろいろな人がいろいろなことを言ってくるかもしれません。
多くは善意からのアドバイスですが、中にはあなたの苦しみを無視した言葉や、あなたに合わないアドバイスがあるかもしれません。
挫折して心が弱っているときには、どのアドバイスも正しいような気持ちになるものです。アドバイスに従えない自分を責め、ますます苦しむこともあるかもしれません。
しかし、「全てのアドバイスが正しく、あなたにも合っている」とは限りません。そのアドバイスが合わなくても、あなたに合う方法は、必ず見つかります。
「自分に合わないな」「いまそんな気持ちじゃないな」など、自分に合わないアドバイスを聞いたときは、「自分には合わないけど、心配してくれてうれしいな」くらいに聞き流すと、心が軽くなっていきます。
方法⑥専門家を利用する
自分の力だけでは挫折から立ち直ることが難しい場合もあるでしょう。
そんなときは、ためらわずに専門家を利用してください。
話を聞いてもらうだけでも、大きく違ってきます。
専門家によっては、「認知行動療法」や「リフレーミング」など、自分だけでは行うことが難しい対処法を試せる場合もあります。専門家には次のようなものがあります。
- 心療内科
- 民間のカウンセリングオフィス
- 市町村の相談窓口
- 学校や職場の相談室
不登校や勉強、受験に関する相談でしたら、私たちキズキ共育塾でも無料で受け付けております。
挫折を一人では抱えきれないなと思ったら、ぜひ一度ご相談ください。
私たちキズキ共育塾は、挫折を経験した人のための、完全1対1の個別指導塾です。
生徒さんひとりひとりに合わせた学習面・生活面・メンタル面のサポートを行なっています。進路/勉強/受験/生活などについての無料相談もできますので、お気軽にご連絡ください。
挫折から立ち直った成功体験談〜挫折したものから一旦離れてみる〜
この章では、キズキ共育塾の菊川講師が挫折から立ち直った成功体験談を、本人が語るかたちで紹介します。
子どもの頃の私は、「優秀ないい子」でした。テストで100点を取ることは当たり前。
高校も進学校に進み、偏差値の高いA大学を受験しました。
しかし、受験の結果は不合格。
「勉強をがんばってきた私」「勉強ができると思っていた私」にとって、大きな挫折でした。
私は浪人して、再びA大学を目指すことにしましたが、浪人生活は想像以上につらいものでした。
家庭の方針で、私は、アルバイトをしながら受験勉強をしなくてはいけませんでした。
夜の22時まで働いて、ヘトヘトになる毎日。受験勉強は段々とおろそかになっていきました。
気がつけば、アルバイトに行って、後は布団の中でダラダラする生活をしていました。
「どうして去年の受験に失敗したのか」「こんな状況じゃ、今年もA大学には合格できない」と、自分を責める日が続きましたね。
SNSに投稿された、友人たちが大学生活を楽しんでいる姿も、まぶしすぎて見ていられませんでした。
心配してくれる友達とも疎遠になり、親にも反抗的な態度を取り続けました。
そんな私が変わったのは、弟があるスポーツの大会で優勝した日でした。
弟は、そのスポーツのプロ選手になりたいという思いがあり、小さい頃から練習を重ね、ついに優勝したのです。弟の優勝に感動しながら、私は思いました。
「弟は、プロ選手になるためにずっとがんばっている。じゃあ私はなぜA大学に行きたいんだろうか…。」
一度立ち止まって、A大学を目指した理由を考えると、それは「親や周囲の期待に応えるため」だったのです。
しかも、その「期待」は、親や周囲にはっきり言われたわけではなく、自分が勝手に思い込んでいたものでもあったのです。
私は改めて、どうして大学に行きたいのか、大学に行って何がしたいのか考えました。
出た答えは、「子どもに関わる仕事をしたい。そのために、大学で関連する勉強をしたい」でした。
私は志望校を「偏差値の高いA大学」から「教育に強いB大学」に変更しました。
それからは、布団でダラダラ過ごすことはありませんでした。
掛け持ちのアルバイトの合間に単語帳を開き、帰ってからも勉強をする毎日。ハードな日々でしたが、つらいとは思いませんでした。
そして、とうとう私はB大学に合格することができました。
今は教育に関することを学び、充実した日々を過ごしています。
「A大学しかない」という思いこみを離れることで、新たな道を見つけ、前に進むことができました。
挫折したお子さんを支える2つのサポート体制
今までは、学生目線で挫折に関するお話をしてきました。
この章では、挫折経験のあるお子さんを持つ親御さんに向けて、挫折を乗り越えるためのサポート体制を解説します。
「今まさに落ち込んでいる最中」というお子さんを持つ親御さんの中には、一刻も早く前向きになってほしいと考えている方も多いでしょう。
ですが、焦りは禁物です。「親から急かされる」とお子さんが感じると、かえってプレッシャーになり、親子関係に亀裂が生じることもあるからです。
お子さんのために何かしたいと考えている場合は、ぜひ以下の2点をお子さんに提案してみてください。
サポート①家と学校以外のサードプレイスを見つける
まず1つ目は、サードプレイスを見つけることです。サードプレイスとは、名前の通り「第三の場所」です。
家庭でも学校でもない「別の居場所」があると、先生や両親に相談しづらいことも話せるようになり、気持ちが前向きになります。
勉強時間の確保も兼ねて「塾」を提案しても良いですし、お子さんの趣味に合った場所を提案してみても良いでしょう。
サポート②プロに相談する
そして2つ目は、プロに相談することです。
勉強に関する挫折であれば、なぜつまずいているのか、そして今後どのように勉強を進めていけば良いかを的確にアドバイスできる人に相談しましょう。
実は、「勉強が伸び悩んでいる」という学生さんの話を聞くと、悩みの原因が「勉強以外」ということも多くあります。
クラスメイトとの交友関係や、部活動での出来事、好きな人のことなど、学校で起こる悩みはさまざまで、その結果勉強に集中できなくなっているケースは少なくありません。
勉強に集中できる環境をつくるためにも、まずはお子さんが悩みを打ち明けられる環境を整える必要があります。
私たちキズキ共育塾にご相談いただければ、お子さんの悩みや挫折経験に寄り添い、気持ちを和らげる方法を一緒に考えられます。
ご相談は無料です。少しでも気になるようであれば、お気軽にご連絡ください。
私たちキズキ共育塾は、挫折を経験した人のための、完全1対1の個別指導塾です。
生徒さんひとりひとりに合わせた学習面・生活面・メンタル面のサポートを行なっています。進路/勉強/受験/生活などについての無料相談もできますので、お気軽にご連絡ください。
まとめ〜チャレンジした自分を認め、まずはいたわってください〜
あらためて挫折とは、「その人にとって特に重要な失敗」のことを言います。
挫折をしたということは、それだけ強く望み、努力やチャレンジしたということです。
チャレンジした自分を認め、まずはいたわってください。
あなたが挫折からの次の一歩へ進めますよう、お祈りしています。
さて私たちキズキ共育塾には、挫折をきっかけに相談に来る方も多くいらっしゃいます。
「高校を中退した」「大学受験に失敗してひきこもりになった」など、不登校・ひきこもり・中退・勉強・受験などの挫折で悩んでいる方は、ぜひ私たちに相談してください。ご相談は無料です。
あなたのための、具体的な「挫折からの立ち直り方法」を一緒に考えていけると思います。
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