集団行動が苦手なあなたへ 乗り切るための対策を解説
こんにちは。生徒さんの勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする完全個別指導塾・キズキ共育塾です。
あなたは、以下のような悩みや疑問を抱えていませんか?
- 集団で行動すると息苦しい
- みんなにあわせて行動できない
- そもそも、なぜ集団行動が必要なの?
集団行動が苦手なことは、決して欠点ではありませんが、必要な場面では集団で行動できるほうが、精神的な負担が少なく済みますよね。また、もし発達障害が原因の場合には、専門家や周囲の人の支援が必要です。
このコラムでは、集団行動が苦手な人に向けて、集団行動が苦手な人の特徴、集団行動を乗り切るための対策などについて解説します。
あわせて、集団行動が苦手なお子さんがいる親御さんに向けて、集団行動が苦手な子どもに親ができる対応について解説します。また、集団行動が苦手な人が利用できる支援機関を紹介します。
ぜひ参考にしてください。
私たちキズキ共育塾は、集団行動が苦手な人のための、完全1対1の個別指導塾です。
生徒さんひとりひとりに合わせた学習面・生活面・メンタル面のサポートを行なっています。進路/勉強/受験/生活などについての無料相談もできますので、お気軽にご連絡ください。
目次
どうして集団行動をしないといけないの?
集団行動が苦手という人は、「なぜみんなと一緒に行動しなければいけないの?」と疑問を感じることも多いでしょう。
結論から言うと、どんな場合でも集団行動を取らなくてはいけないということはありません。個人の自由が尊重され、それぞれが自発的に動くことを求められる場面も多くあります。
しかし、学校生活やアルバイトの職場では、どうしても集団で動く機会が増えます。たくさんの人が、お互いに尊重し合って生活するためには、みんなで守るルールが必要だからです。
集団行動が苦手な人が自分の特色を正確にとらえ、どうしても集団で行動しなくてはいけないときの対策を見ていきましょう。
集団行動が苦手な人の特徴
この章では、集団行動が苦手な人の特徴について解説します。
特徴①性格が内向的
内向的な人は、他者との交流よりも自分の内面に意識を向ける傾向があります。そのため、大勢の人と一緒にいることでエネルギーを消耗しやすく、集団行動に苦手意識を感じることが多いのです。
あなたは静かな環境で過ごす時間を大切にし、自分の考えを整理したり、充電したりしたいと思っていませんか?集団の中にいると、自分の思考や感情に集中することが難しくなり、ストレスを感じやすくなりますよね。
こうした特徴は、決して短所ではありません。しかし、学校や職場など、集団行動が求められる場面では、時に困難を感じることがあるのです。
特徴②周囲の目が気になる
集団行動が苦手な人は、他人からの評価や判断を過度に意識する傾向があります。
集団の中にいると、自分の言動が周囲にどう映るかが気になり、「変に思われないだろうか?」「間違ったことを言わないだろうか?」といった不安に悩まされがちです。
こうした意識が強すぎると、集団内で、自然体でいることが難しくなります。自分の本来の姿を出すことに戸惑い、周囲の期待に応えようとするあまり、無理をして疲れるのです。
参考記事:キズキビジネスカレッジ(KBC)「周りの目を気にするあなたがすぐできる7つの対処法 楽になる3つの考え方も紹介」
特徴③他人とのコミュニケーションが苦手
コミュニケーションが苦手な人は、集団での行動も苦手なことが多いようです。
特によく知らない人とは、会話の糸口を見つけるのに苦労したり、相手の言葉の真意を理解するのに時間がかかったりすることがあります。また、自分の考えや感情を適切に言葉で表現することに難しさを感じる傾向もあります。
親しい友人との行動は問題がなくとも、新しい環境や大人数の集まりなどでは集団行動が苦痛に感じるのです。
特徴④意図せず自己中心的に見える
集団行動が苦手な人は、自己中心的であると評価されがちです。しかしこれは、必ずしも正確な表現ではありません。
集団のルールや決定に従うことに、抵抗を感じることは誰にでもあります。それがあなたの価値観と大きく異なる規則であれば、従うことができないこともあるでしょう。そうした行動は、なにも知らない周囲の人からは、自己中心的に見えるかもしれません。
また、発達障害などの特性から、本人の意図とは違う評価を受けることもあり得ます。
みんなのためを思ってしたことが、かえって裏目に出るケースもあるでしょう。こうした経験が積み重なると、集団で行動すること自体に苦手意識を抱くようになるのです。
特徴⑤周囲と価値観が違う
価値観は人それぞれ違います。育った環境が違えば、周囲と違った感覚を持つのも普通のことです。
個性を持ち、自分の意見があることは素晴らしいことです。しかし、それがほかの人の価値観と違う場合、その人と衝突することもあります。
学校や職場などの集団の場合、より多くの人が共感する価値観をもとに、規則が作られる傾向にあります。その価値観にズレを感じる人は、孤独感を味わうこともあるでしょう。そうした行き違いが、集団行動での苦しさにつながるのです。
特徴⑥自分の役割が分からない
集団の中では、それぞれの人が役割を持っています。周囲の意見をまとめる人、サポートが得意な人などさまざまですが、自分の役割がわからなくなると、居場所がないように感じる人もいるでしょう。
実際には、集団の中で、肩書がつくのはほんの一握りの人だけです。そのほかの人は一人ひとりが小さな力となって、集団全体を支えています。そうした一体感がうまく得られない場合、集団行動が難しいと感じることがあるのです。
特徴⑦自分に自信がない
自分に自信がない人は、自分の能力や価値を低く見積もる傾向があります。集団の中で意見を言ったり、行動を起こしたりする際に、「間違っているのではないか?」「批判されるのではないか?」という不安を強く感じるのです。
また、他者と比較して自分を劣っていると感じる場合もあります。そのために自分の意見や考えを表現することをためらい、結果として本来の能力を発揮できないことも少なくありません。
そうした場合、集団の中で自分の存在意義が感じられず、一人でいることを好むようになります。
補足:集団行動が苦手なのは、発達障害の特性が関連している可能性がある
集団行動が苦手だからといって、必ずしも発達障害があるわけではありません。
しかし、一部の特徴は発達障害の特性と重なる部分があることも事実です。
例えば、ASDの場合、対人関係の困難さやコミュニケーションの苦手さ、興味の偏り、こだわりの強さなどの特性があります。こうした特性は、集団行動の際、周囲の人と摩擦を起こすことも少なくありません。(参考:政府広報オンライン「発達障害って、なんだろう?」)
発達障害の特性を自分一人で抱え込むと、うつ病の発症などを引き起こす危険もあります。
「もしかしたら、自分は発達障害かも?」と思ったら、まずは医師や専門に相談してみましょう。
集団行動の3つのメリット
集団行動には、メリットもあります。
この章では、集団行動のメリットについて解説します。
メリット①多様な視点や考え方に触れられる
集団の中では、自分とは異なる背景や経験を持つ人々との交流が可能です。さまざまな価値観に触れ、多角的な視点を持つことは、自分自身の成長にもつながるはずです。
また、気の合う仲間や、新しい友達と出会う機会も増えるでしょう。親しい相手ができれば、集団の中でも、うまく振舞えるようになるかもしれませんよ。
メリット②協調性やコミュニケーション能力が向上する
コミュニケーションは、最初からうまく取れるわけではありません。たくさんの人と関わる中で、失敗を繰り返しながら、少しずつ上達するものです。
集団行動は、そうしたコミュニケーション能力や協調性を養う機会ともなります。
集団で活動すると、ほかの人と意見を交換したり、役割分担をしたり、時には対立したりします。こうした経験を通じて、ほかの人の価値観を尊重しながら自分の考えを伝える力や、チームワークを大切にする姿勢が培われるのです。
メリット③自己理解や成長の機会が得られる
集団の中で行動していると、自分の長所や短所に気づいたり、ほかの人からのフィードバックを通じて、新たな自分の一面を発見したりすることがあります。ほかの人を鏡として、自分を顧みる機会もあるでしょう。
また、集団での成功体験は自信につながり、失敗からは学びを得ることができます。
多感な思春期を集団の中で過ごすことは、大きな成長の機会にもなり得るのです。
集団行動を乗り切るための6つの対策
この章では、集団行動を乗り切るための対策について解説します。
対策①自分のペースで集団行動に慣れる
集団行動を乗り切るためには、まずは自分のペースで集団行動に慣れることが効果的です。短時間の活動や親しい友人と行動することから始め、徐々に経験を積んでいきましょう。
小さな成功体験を積み重ね、自信をつけていくことで、より大きな集団行動にも挑戦しやすくなります。
対策②少人数のグループから慣れていく
集団行動に慣れるまでは、少人数のグループへの参加がオススメです。少人数のグループでは、一人一人と関わる時間が長く、コミュニケーションの負担が軽減されます。
慣れてきたら、グループのみんなで参加できるイベントやサークル活動などに挑戦するのもよいでしょう。まずは安心できる集団で過ごし方を学び、徐々に新しい環境へと入ってみてくださいね。
友達の作り方については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
対策③自分の得意なものを活かす
集団行動では、自分の得意なものを活かすことも有効です。
得意なものが活かせる環境なら、集団の中でも自信が持てるかもしれません。自分の長所が伸びる環境を選ぶことも、無理なく集団行動するためのポイントです。
対策④休憩時間を設定する
長時間の集団活動は、ストレスが溜まりやすいものです。意識的に休憩時間を設けましょう。
休憩時間には、一人になれる場所を見つけて過ごすことをオススメします。静かな部屋や屋外のベンチなど、自分が落ち着ける場所を事前に探しておくと良いでしょう。
5分程度の小休憩でも効果があります。ずっと集団の中にいるのではなく、適度な距離を保つようにしましょう。
対策⑤自分の好きな活動を見つける
集団行動では、その集団自体を好きになれるかどうかも重要です。あなたの趣味や、好きな活動ができる環境であれば、周囲の人とも仲良くなれる可能性が高まります。
学校が苦手であれば、地域の集まりやクラブ活動でも構いません。また、フリースクールや学習塾などで方向性が合う場所があれば、利用するのもオススメです。
心のよりどころとなる場所があれば、苦手な環境を乗り切る力にもなります。自分が安心して、長く留まりたいと思える場所を探してみてくださいね。
対策⑥全員と仲良くしようとしない
集団で行動する際、多くの人は、全員と良好な関係を築かなければならないと思い込みがちです。しかし、これは現実的ではありません。
どんな人にも、仲良くなれない相手がいるものです。そんなときはそっと距離を取り、適度な関係を保つことが重要です。
また、友達はいらないと思うのであれば、無理につくる必要はありません。礼儀とマナーを守って、穏やかに過ごすことができれば、集団での生活は大成功です。
集団行動だからといって、無理に親しくなる必要はないのです。
友達がいないことのメリットなどは、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
集団行動が苦手な子どもに親ができる4つの対応
この章では、集団行動が苦手な子どもを持つ親御さんに向けて、親ができる対応について解説します。
対応①子どものペースに合わせる
集団行動が苦手な子どもに対して、心配のあまり、あれもこれもとしたくなるのは親心です。しかし、大切なのは、子どものペースにあわせること。まずは、子どもの苦手意識や不安を理解し、受け入れることから始めましょう。
子どもが集団活動に参加する際は、最初は短時間から始め、徐々に時間を延ばしていくなど、段階的なアプローチを取ってみてください。また、活動の頻度も子どもの様子を見ながら調整します。子どもが集団から離れたいと感じた時は、一時的に休憩を取らせてあげましょう。
焦らず、子どもの成長を長期的な視点で見守ることが大切です。
対応②肯定的な言葉で褒める
集団行動が苦手なこと自体は、悪いことではありません。決して否定したり、欠点として扱ったりしないであげてください。必要なのは、本人も周りも無理なく過ごすための対策です。
まずは子どもの特質を認め、できることを褒めるところから始めましょう。集団行動がしたい子どもにはその意欲を、集団で行動しなくて済むようにしたいと考える子どもにはその合理性を褒めてあげてください。その上で、どうしたらいいかを一緒に考えるのです。
肯定的な言葉かけで子どもの自己肯定感を高め、集団行動に対する前向きな姿勢を支援していきましょう。
対応③居心地の良い環境をつくる
集団行動が苦手な子どもは、どこかに居心地の良い環境をつくることも重要です。
まずは家庭を、安全基地として整えましょう。子どもが自由に自分の気持ちを表現できる雰囲気をつくり、親はそれを受け入れる態度で接します。
子どもが集団活動から帰ってきたときは、ゆっくりと休ませてあげてください。活動でのことを話したくない様子なら、無理に聞き出すことはせず、自分から話し出すのを待ちます。
また、必要に応じて、学校や活動先の先生と連携し、子どもが安心して過ごせる環境づくりに協力を求めることも効果的です。
子どもが安心して過ごせる環境を整えることで、集団行動への不安も軽減されていくのです。
対応④こころの病気や発達障害の場合は、特性・症状にあわせた支援をする
こころの病気や発達障害のある子どもの場合、集団行動に対するアプローチには、専門家のアドバイスが必要です。病院を受診し、まずは医師の診断を受けましょう。
子どもの特性や症状を理解し、それに合わせたサポートを行うことで、集団行動への適応を無理なく進めていくことができます。また、必要に応じて、支援機関のサポートを利用しましょう。
集団行動が苦手な人が利用できる支援機関4選
この章では、集団行動が苦手な人が利用できる支援機関を紹介します。
支援機関①スクールカウンセラー
スクールカウンセラーとは、学校現場で児童生徒や保護者、教職員を対象に心理的サポートを提供する専門職のことです。主に学校に配置され、心理学や臨床心理学の専門的な知識をもとに、児童・生徒の悩みや問題に対応します。(参考:文部科学省「スクールカウンセラーについて」)
スクールカウンセラーの主な業務は、児童生徒への相談面接です。相談面接には、個別カウンセリングやグループカウンセリング、コンサルテーション(助言・協議)が含まれます。必要に応じて、教職員へ専門的な立場から助言を行います。(参考:文部科学省「スクールカウンセラー業務」)
スクールカウンセラーは、学校という身近な場所で専門的なサポートを受けられる存在です。利用方法については、各学校の担任教師や養護教諭に問い合わせてみてください。
スクールカウンセラーの概要や支援内容などについては、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
支援機関②教育相談センター
教育相談センターとは、主に地方自治体が設置する公的な相談支援機関のことです。
児童・生徒・学生、保護者、教職員を対象に、教育に関する様々な問題について相談を受け付けています。
このセンターでは、臨床心理士や学校心理士などの専門家が相談員として配置されており、集団行動の苦手さを含むさまざまな悩みに対して、専門的な立場からアドバイスや支援を提供します。
相談は対面のほか、電話相談、オンライン相談など、相談者の状況や希望に応じて選択可能です。また、必要に応じて継続的な相談もできます。
集団行動だけでなく、学習面や進路に関する悩み、友人関係の問題など、総合的な視点からサポートを受けられるのが特徴です。
教育相談センターの利用は無料で、秘密は厳守されます。集団行動に悩む児童・生徒やその保護者にとって、安心して相談できる場所です。(参考:東京都教育相談センター「東京都教育相談センター」)
支援機関③教育支援センター(適応指導教室)
教育支援センター(適応指導教室)とは、主に不登校状態にある児童生徒の学校復帰を支援し、社会的自立をサポートする施設のことです。集団生活への適応や情緒の安定、基礎学力の補充などのサポートを行っています。(参考:文部科学省「適応指導教室(学校支援センター)の取り組みについて」)
なお、適応支援教室とは、教育支援センターの旧名称で、同じ施設を指します。不登校状態にある児童生徒の増加や文部科学省の通知などを受けて、2003年に正式名称が適応支援教室から教育支援センターに変更されています。(参考:立川市教育委員会「適応指導教室から教育支援センターへの名称変更について」)
集団生活が苦手で不登校状態になっている人は、ぜひ相談してみてください。
教育支援センター(適応指導教室)については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
支援機関④発達障害教育推進センター
発達障害の特性が原因で集団行動を苦手にしている人は、発達障害教育推進センターも力になってくれます。
発達障害教育推進センターとは、発達障害にかかわる教員や保護者をはじめとする関係者への支援を図る施設のことです。発達障害に関する情報提供や啓発活動などを行います。
また、発達障害のある子どもの特性に応じた、教育的支援に関する研究や、文献、研究会など、発達障害に関する教育についての情報を提供しています。(参考:発達障害教育センター「発達障害教育センター」)
まとめ〜無理して集団行動になじまなくてもいい!〜
社会では、集団行動が必要な場面が多くあります。自分の個性を押さえて集団になじもうとするのは、つらいことです。
少しずつ、自分のペースで集団になじむ練習をしたり、自分にあった環境を見つけたりして、無理のないやり方を模索してみてください。
周りの大人や、公的な支援機関のサポートも重要です。発達障害などの要因が疑われるときは、医師へ相談しましょう。
自分らしく過ごせる場所や環境を、見つけてくださいね!
Q&A よくある質問