定時制高校の学費 公立と私立それぞれの学費、高等学校等就学支援金制度を解説

こんにちは。生徒さんの勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする完全個別指導塾・キズキ共育塾です。

このコラムでは、定時制高校の学費の支払い項目、公立の学費、私立の学費、高等学校等就学支援金制度の概要について解説します。

ただし前提として、定時制高校の学費は、学校ごとに大きく違います。気になる定時制高校があれば、その学校のパンフレットを取り寄せたり、直接問い合わせたりするなどして、正確な情報を集めるようにしましょう。このコラムの内容は、参考程度にご覧ください。

定時制高校の学費の支払い項目

定時制高校の学費は、基本的に、以下の3点を支払います。

  • 入学金
  • 授業料
  • 教材費、修学旅行積立金、生徒会費などの各学校で設定される学校徴収金

学校徴収金の年間で必要になる金額は、13万円前後とされています。また、そのほかに、施設などの設備費や交通費なども必要な場合があったり、地域や学校、課程によって料金が違っていたりする可能性があります。学校によっては、制服代や上履き代なども別途必要となります。

また、単位制の定時制高校の場合は、履修する単位数によって、学費が変わってくるようです。

基本的に、公立の定時制高校の方が、私立の定時制高校よりも学費が安い傾向にあります。

なお、2014年度(平成26年度)以降に定時制高校に入学した人は、公立・私立を問わず、高等学校等就学支援金を利用できるため、経済的な負担を抑えることができます。高等学校等就学支援金については、こちらで解説します。

公立の定時制高校の学費

また、全日制高校と比較検討されている方も多いかと思います。一部都道府県の公立の定時制高校と、公立の全日制高校で必要な年間の学費を比較して、紹介します。

東京都

神奈川県

愛知県

  • 定時制高校:2万2800円(14単位までの授業料)、2万7600円(15単位から19単位までの授業料)、3万2400円(20単位以上の授業料)、2100円(入学料)
  • 全日制高校:11万8800円(授業料)、5650円(入学料)

    (参考:愛知県「県立高等学校入学料・授業料」

京都府

  • 定時制高校:1万5000円(16単位以上理由の場合の授業料)、980円(入学料)
  • 全日制高校:11万8800円(授業料)、5650円(入学料)

    (参考:京都府「よくあるお問い合わせと回答」

大阪府

以上のとおり、定時制高校の学費は、全日制高校と比べると安いと言えるでしょう。

私立の定時制高校の学費

私立の定時制高校の学費は、学校によって大きく異なります。

一般的に、入学金は20~30万円程度で、授業料や学校徴収金を加えると、初年度に必要な総費用は50万~70万円程度とされています。

各学校の学費は、資料請求や学校見学会などで確認しましょう。

高等学校等就学支援金制度とは?

高等学校等就学支援金制度とは、高校などに通う生徒に対して、授業料の一部または全額分の就学支援金を支給する制度のことです。経済的負担を軽減することで、高校に通いたい人への教育の機会を均等に与えることを目的としています。(参考:文部科学省「高等学校等就学支援金制度」、文部科学省「高等学校等就学支援金制度に関するQ&A」

2014年度(平成26年度)以降に定時制高校に入学した人は、高等学校等就学支援金を利用できます。

高等学校等就学支援金は、所属する高校が公立・私立を問わず、以下の計算式で算出します。

  • 課税標準額(課税所得額)×6%-市町村民税の調整控除の額

算出した額が15万4500円未満、年収目安590万円未満であれば、私立高校授業料の実質無償化の対象となります。15万4500円以上30万4200円未満、年収目安910万円未満であれば、基準額である11万8800円の支給の対象です。

公立の定時制高校の場合月額上限2700円、私立の定時制高校の場合月額上限9900円がそれぞれ支援されます。

加えて、世帯所得や通う学校の種類によって、加算支給される場合があります。

他にもお住まいの都道府県や自治体独自の支援制度が一部あるかもしれません。各種支援金制度や利用方法については、お住まいの自治体の担当する部署・窓口に確認してみてください。(参考:文部科学省「高等学校等就学支援金制度に関するQ&A」

定時制高校とは?

定時制高校とは、夜間、もしくは昼間の決められた時間に通学して学習する高等学校課程のことです。基本的に全日制高校より1日の授業時間が少ない場合が多く、通学する時間帯も選べるのが特徴です。(参考:文部科学省「三 新制高等学校の発足:文部科学省」

定時制高校は、1948年に勤労青少年、つまり就業などのために全日制高校に進学できない青少年のために発足しました。

全日制高校とは異なる時間帯にも授業を受けられるため、働きながら高等学校教育を受けたい人や、自分のペースで学びたい人にオススメです。

定時制高校については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

まとめ〜さまざまな支援金・補助金・奨学金を利用しましょう〜

定時制高校の学費は学校によって大きく異なるため、残念ながら一概にはお話しできません。

ただし、進学したい高校の学費が高くても、その高校への進学をすぐにあきらめないでください。

ご紹介した就学支援金の他にも、さまざまな支援金・補助金・奨学金があります。

行きたい高校があるなら、お住いの地域の各種制度を調べてみましょう。

定時制高校への進学・転校や、定時制高校からの大学進学について、少しでも不安があるようでしたら、キズキ共育塾の無料相談をご利用ください。あなたのための次の一歩を、一緒に考えていきます。

監修 / キズキ代表 安田祐輔

やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、不登校・偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。また、不登校の子どものための家庭教師「キズキ家学」、発達障害やうつ病の方々のための就労移行支援事業所「キズキビジネスカレッジ」も運営。

【新著紹介】

『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法』
(2022年9月、KADOKAWA)
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KADOKAWA公式

【略歴】

2011年 キズキ共育塾開塾(2023年7月現在10校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年7月現在4校)

【メディア出演(一部)】

2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)

共同監修 / キズキ相談担当 半村進

はんむら・すすむ。1982年、茨城県生まれ。東京大学文学部卒。
小学校時代から転校を繰り返し、運動ができないこと、アトピー性皮膚炎、独特の体形などから、いじめの対象になったり、学校に行きづらくなっていたことも。大学に入学してようやく安心できるかと思ったが、病気やメンタルの不調もあり、5年半ほど引きこもり生活を送る。30歳で「初めてのアルバイト」としてキズキ共育塾の講師となり、英語・世界史・国語などを担当。現在はキズキの社員として、不登校・引きこもり・中退・発達障害・社会人などの学び直し・進路・生活改善などについて、総計1,000名以上からの相談を実施。

【執筆記事・インタビューなど(一部)】

日本経済新聞 / 朝日新聞EduA / テレビ東京 / 不登校新聞 / 通信制高校ナビ

サイト運営 / キズキ

「もう一度学び直したい方」の勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする学習塾。多様な生徒さんに対応(不登校・中退・引きこもりの当事者・経験者、通信制高校生・定時制高校生、勉強にブランクがある方、社会人、主婦・主夫、発達特性がある方など)。授業内容は、小学生レベルから難関大学受験レベルまで、希望や学力などに応じて柔軟に設定可能。トップページはこちら。2024年10月現在、全国に11校とオンライン校(全国対応)がある。

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