定時制高校のあるある・イメージ それらをくつがえす実態を解説

こんにちは。生徒さんの勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする完全個別指導塾・キズキ共育塾です。

あなたは、定時制高校にどんなイメージを持っていますか?

世間の定時制高校のイメージの中には、古いものや誇張されたものも存在します。

このコラムでは、筆者の体験や文部科学省のデータに基づいて、定時制高校のイメージやあるあるについて実態から解説します。

定時制高校は、世間一般のイメージよりずっと普通です。ただし、全日制高校や通信制高校とは違う部分もあります。

定時制高校の実態を知っていただくことで、学校選びの参考にしていただければ幸いです。

私たちキズキ共育塾は、定時制高校への進学を検討している人のための、完全1対1の個別指導塾です。

生徒さんひとりひとりに合わせた学習面・生活面・メンタル面のサポートを行なっています。進路/勉強/受験/生活などについての無料相談もできますので、お気軽にご連絡ください。

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あるある・イメージ①夜間しかやっていない〜朝や昼に授業を行っている学校もあります〜

定時制高校と聞くと、「夜の時間帯しか授業を受けられない」というイメージを持つ人もいます。

もちろん、そのような定時制高校もありますが、現在は、夜間だけではなく、朝や昼に授業を行っている学校があります。

例えば、三部制の定時制高校です。

三部制とは、以下の3つの部のうちどれか1つに在籍して、在籍している部の時間帯の授業を中心に受けるシステムのことです。筆者は三部制の定時制高校に通っていました。

  1. 朝の時間帯(Ⅰ部)
  2. 昼の時間帯(Ⅱ部)
  3. 夜の時間帯(Ⅲ部)

昼と夜の二部制の学校もあります。

私はⅡ部に在籍していたので、昼の時間帯の授業を中心に、朝や夜の時間帯の授業も取っていました。

だいたい朝9時くらいに家を出て、10時過ぎからの授業に出席して、放課後や空きコマの時間に部活動をして、18時から19時くらいには下校していました。

このように、二部制・三部制の学校であればあなたの都合がよい時間帯に通学できます。

例えば、朝が苦手な人は、昼間~夜間に授業を行う定時制高校を探してみてはいかがでしょうか?

あるある・イメージ②ヤンキー・不良ばかりいる〜そんなことはありません〜

「定時制高校は、ヤンキーや不良ばかりで怖そう…」と思っていませんか?

昔はそういう状況があったみたいですが、現実としてそんなことはありません。全体的な傾向としては、実態として異なる、ヤンキーばかりというわけではないと言っていいと思います。

いまはむしろ、不登校経験者や高校中退経験者などが多く、荒れている生徒は大多数ではありません。

定時制高校には、すでに就労している人や定年退職している人も、在籍しています。

私が在籍していた高校では、いわゆるヤンキーや不良といわれる人は少数でしたし話してみると気さくな人もいました。

仕事をしながらアーティストを志す20代のクラスメイトもいましたし、70代の生徒も在籍していました。

在籍している生徒それぞれが持つ、ユニークな体験・過去。定時制高校の多様性は、あなたの居心地のよさにつながるかもしれません。

あるある・イメージ③進学率・就職率は低い〜進学も十分可能〜

「定時制高校を卒業した後、どんな進路があるんだろう…」という声もよくお聞きします。

文部科学省によると、以下のようなことがわかります。

(文部科学省「学校基本調査-平成30年度結果の概要-」)

卒業生の進学率

  • 全日制高校:約72%
  • 定時制高校:約30%
  • 通信制高校:約39%

卒業生の就職率

  • 全日制高校:約17%
  • 定時制高校:約41%
  • 通信制高校:約20%

進学率は、全日制高校よりも定時制高校の方が低いという事実が見えてきます。

一方で、就職に進む人の割合は定時制高校の方が多いです。

お伝えしたとおり、定時制高校には、すでに定年退職した生徒などもいるため、一概に全日制高校と比べることもできません。

また、例えば大学受験を目指す場合、全日制高校の生徒も受験勉強は学習塾で行ったりするように、学校の授業と大学受験は同じレベルではなくても大丈夫です。

「定時制高校からの進学は難しいのでは…?」などと、変に心配しないようにしましょう。

ただし、定時制高校の中には、進学に関するサポート体制が整っていない学校もあります。

進学に関するサポート体制や卒業後の進路については、資料請求や学校説明会などで確認しましょう。

進学に関するサポートが少ない定時制高校から進学したいなら、相談のできる学習塾などを頼りましょう。

あるある・イメージ④中退が多い〜全日制高校や通信制高校と比べると中退率は高い〜

「定時制高校は、中退する人が多そう」と思う人もいるでしょう。

事実として、定時制高校の中途退学率は、全日制高校や通信制高校と比べると中退率は高いです。

文部科学省によると、各中退率と人数は以下のとおりです。

  • 全日制高校:約0.9%(2万9588名)
  • 通信制高校:約4.9%(8814名)
  • 定時制高校:約9.4%(8430名)

(文部科学省「平成29年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」)

中退の理由や原因は人によってさまざまですが、定時制高校の中退は、学校生活や学業に適応できかなかったり、進路変更を望んでいたり、といったことが大きいようです。(参考:金子恵美子、伊藤美奈子「定時制高校生の中途退学意識に関連する要因の検討」

高校中退は別に悪いことではありませんが、合わない高校への進学は、できれば避けたいところでしょう。

入学前に個人でできる対策としては、以下が考えられます。

  • 校風や卒業後の進路が自分に合うのか調べる
  • 学力に不安があるなら、高校と並行して通える塾などがあるか調べる

なお、筆者の周りに限って言えば、中退する人はあまりいませんでした。

3年で卒業する人や4年以上かけて自分のペースで卒業する人など、さまざまなパターンの人がいました。

先生たちは、欠席が多い生徒がいると、直接連絡を取ったり、1対1でゆっくり話したりするなどして、学校に来やすい環境をつくっていました。

つまり、定時制高校かどうかというよりも、それぞれの学校次第な部分も大きいということでしょう。

あるある・イメージ⑤青春はない〜定時制高校かどうかは関係ない〜

「定時制高校って、普通の高校生みたいな 青春がなさそうだな」と思っていませんか?

筆者の場合、高校生活を思い返すと、以下のような記憶が蘇ってきます。

  • 映画を自主製作している美術部の先輩にお手伝いを頼まれて、夕日が沈む海や森の奥深くでロケをした
  • 美術部の活動が楽しくて、土日も学校で絵を描いていた
  • 文化祭では飲食物の販売に毎年参加して、たくさんの人と協力した
  • それぞれの授業で知り合いができて、いろんな人とおしゃべりをした
  • 片思いの相手とキャッチボールをした、ただし、その恋は後にあきらめた

これらの思い出は、青春と言えるかもしれません。

以下のように、学校内外でさまざまなことに打ち込んでいる人が多く、それぞれがそれぞれで青春していたように記憶しています。

  • 部活動
  • アルバイト
  • バンド
  • 映画撮影
  • スポーツ

もちろん、定時制高校に通う全ての人が青春を体験するとは断言できません。ですが、それは全日制高校に通う人でも同じことです。

つまり、定時制高校か全日制高校かという軸は、青春とはあまり関係ない、と言っていいと思います。

定時制高校とは?

定時制高校とは、夜間、もしくは昼間の決められた時間に通学して学習する高等学校課程のことです。基本的に全日制高校より1日の授業時間が少ない場合が多く、通学する時間帯も選べるのが特徴です。(参考:文部科学省「三 新制高等学校の発足:文部科学省」

定時制高校は、1948年に勤労青少年、つまり就業などのために全日制高校に進学できない青少年のために発足しました。

全日制高校とは異なる時間帯にも授業を受けられるため、働きながら高等学校教育を受けたい人や、自分のペースで学びたい人にオススメです。

定時制高校については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

まとめ〜それぞれの高校や人による〜

多くの人が抱く定時制高校に対する疑問は、ほとんどの場合、定時制高校かどうかというよりも、全日制高校や通信制高校も含め、それぞれの高校や人によるということになると思います。

あなたが進学を考えている高校の正確な実態を知るためには、学校の資料を取り寄せて読んだり、学校説明会に参加してみたりすることをオススメします。

また、定時制高校への進学・転校や、定時制高校からの大学進学について、少しでも不安があるようでしたら、キズキ共育塾にご相談ください。あなたのための次の一歩一緒に考えていきます。

監修 / キズキ代表 安田祐輔

やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、不登校・偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。また、不登校の子どものための家庭教師「キズキ家学」、発達障害やうつ病の方々のための就労移行支援事業所「キズキビジネスカレッジ」も運営。

【新著紹介】

『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法』
(2022年9月、KADOKAWA)
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KADOKAWA公式

【略歴】

2011年 キズキ共育塾開塾(2023年7月現在10校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年7月現在4校)

【メディア出演(一部)】

2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)

共同監修 / キズキ相談担当 半村進

はんむら・すすむ。1982年、茨城県生まれ。東京大学文学部卒。
小学校時代から転校を繰り返し、運動ができないこと、アトピー性皮膚炎、独特の体形などから、いじめの対象になったり、学校に行きづらくなっていたことも。大学に入学してようやく安心できるかと思ったが、病気やメンタルの不調もあり、5年半ほど引きこもり生活を送る。30歳で「初めてのアルバイト」としてキズキ共育塾の講師となり、英語・世界史・国語などを担当。現在はキズキの社員として、不登校・引きこもり・中退・発達障害・社会人などの学び直し・進路・生活改善などについて、総計1,000名以上からの相談を実施。

【執筆記事・インタビューなど(一部)】

日本経済新聞 / 朝日新聞EduA / テレビ東京 / 不登校新聞 / 通信制高校ナビ

サイト運営 / キズキ

「もう一度学び直したい方」の勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする学習塾。多様な生徒さんに対応(不登校・中退・引きこもりの当事者・経験者、通信制高校生・定時制高校生、勉強にブランクがある方、社会人、主婦・主夫、発達特性がある方など)。授業内容は、小学生レベルから難関大学受験レベルまで、希望や学力などに応じて柔軟に設定可能。トップページはこちら。2024年10月現在、全国に11校とオンライン校(全国対応)がある。

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