元引きこもりが語る、失敗しない引きこもり支援団体の探し方

2017年11月13日 月曜日 投稿

キズキ共育塾でインターンをしている岡田和哉です。

引きこもり支援団体を探すとき、どんな支援団体なら安心して利用できるのかわからないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

今回は、元引きこもりである私の経験から、失敗しない支援団体の探し方をお伝えします。

「この支援団体がオススメ!」という紹介はしませんが、支援団体を探すときの一助となれば幸いです。

「引きこもりの段階」に合わせて支援団体を探しましょう

支援団体を探す上でまず重要なのは、「引きこもりの段階」に合わせた選択です。

「初期・軽度の引きこもり」と「数年間にわたる引きこもり」では、必要な支援も異なるからです。

以下、引きこもりの段階別に支援団体の特徴を紹介します。

【引きこもり初期(軽度の引きこもり)】

不登校などをきっかけに引きこもりがちになった、
ちょっとした外出はできるけれども定期的な外出がない、
…といった段階です。

この段階の方には、「フリースペースなどの『居場所』を提供している支援団体」がオススメです。

「居場所」へ定期的に外出することで、本格的な引きこもりになることを防ぐことができます。

なお、「引きこもり初期(軽度の引きこもり)の方」には、「休息が必要な時期にある方」も多くいます。

引きこもり期間が長引くと社会復帰にかかる時間も長くなるのですが、かといってこの段階で無理に外出させると心身が休まりません。

気負わず気軽に通えるような支援団体を探しましょう。

【本格的な引きこもり期】

家から一歩も出ない(出られない)、という段階です。

この段階では、生活リズムが崩れ、その影響で無気力な状態に陥ってしまっている方が多くいます(かつての私もそうでした)。

生活リズムを整えないことには、学校に通うにしても働くにしても、引きこもりからの脱出は難しいです。

そのような方には、「寮などに入所して規則正しい生活などを身につけることができる支援団体」や、「出張相談などの訪問支援を行っている団体」がオススメです。

引きこもりが本格化した段階では、社会復帰にかかる時間が比較的長くなる傾向があります。

そのため、本格的な引きこもりからの社会復帰のためには、焦らずに時間をかける覚悟を持つことが大切です。

逆に言うと、時間をかければ必ず前に進めるので、希望を持って少しずつ前に進みましょう。

【引きこもり脱出期】

ある程度生活リズムも整い、外出の不安もない状態の方や、引きこもりから脱出したいと思い始めた段階です。

心身のコンディションは引きこもりからの脱出に向けて高まりつつ、具体的に何をしたらいいのかわからないという方も多いです。

この段階の方には、「通所型の就労・進学支援団体」がオススメです(初期・軽度の引きこもりの方にも向いています)。

ただし、心身の状態がよくなっていても焦りは禁物です。

調子のよいときもあれば、何らかのきっかけで調子を崩したりするときもある、と一進一退になりがちなのもこの時期の特徴です。

自分のペースで一歩ずつ前に進めるよう、メンタル面もしっかり支援してくれる団体を探しましょう

引きこもり本人や家族と、時間をかけて関係性を築くことができる支援団体か?

段階別にオススメの団体があっても、その中で具体的にどこの支援を受けるのかわからないという方も多いと思います。

ここからは、具体的な支援団体の探し方と注意点についてお伝えします。

その支援団体が「時間をかけて当事者や家族と関係性を築くことができるかどうか」を確認することが大切です。

引きこもり状態の解決には、ほとんどの場合、時間がかかります。

なぜなら、引きこもり生活が長引くと、生活リズムの悪化や、自己否定、無気力などの状態がどんどん連なり、悪循環に陥った状態になっている方が多いからです。

例えば、私の場合は、高校時代に不登校となり、そのまま引きこもりとなりました。

その結果、外に出ないので体力もなくなり、生活リズムも乱れました。

そうなると、それまでできていたこともできないようになり、「できない自分」に苦しむ自己否定や、「新しいことに挑戦してもどうせ無理だろうな…」と考えてしまう無気力状態に陥っていました。

そして、余計に外に出なくなる、生活リズムも崩れるという悪循環に陥ってしまったのです。

そのような悪循環を解決するには、どんな人であっても時間がかかるということです。

そのため、時間をかけて本人や家族と関係性を築き、根気強く向き合う姿勢のある団体が「いい団体」であると、私は思います。

個人的には、「必ず短期間で解決します」と宣伝している支援団体は、ちょっと注意が必要かなと思います。

引きこもり本人の性格・状態や抱える問題に柔軟に寄り添える支援団体か?

「引きこもりの人たち」には、共通する部分ももちろん多くありますが、その前に(当たり前ですが)一人一人が異なる人間です。

つまり、引きこもり支援には、最初に述べた段階別タイプのほか、本人の状態や抱える問題、性格などに応じたタイプや柔軟さも大切です。

ものすごく単純化した例(イメージ)を言えば、同じフリースペースでも、
「自宅から近い、年齢の近い人たちが集まるタイプ」と、
「自宅から遠い、老若男女が集まるタイプ」では、
人によって向き不向きが異なるということです。

入寮型支援でも、
「厳格なルールがあるタイプ」と、
「のんびりとした、ある程度自由なタイプ」では、
やはり大きく異なるでしょう。

さらにそのタイプの中で、一人ひとりに応じて、その日その日の心身の調子などに応じて、より柔軟な支援が必要となります。

柔軟に対応してくれそうな支援団体を探しましょう。

これまでのことを逆に言うと、
「引きこもりは絶対に親の責任(自己責任、家庭の責任)」
などと断言する支援団体や、
「引きこもりは○○という方法で絶対に解決する」
などと一つの方法論を掲げる支援団体は、
柔軟な対応を行っていない場合もあり、その点では注意が必要です。

勉強も雑談もできるキズキ共育塾で、趣味の話を通じて引きこもりから脱出したA君

過去にキズキ共育塾に通っていた、高校不登校から引きこもりがちになった生徒さん(以下、Aくん)をご紹介します。

A君は「ゲームが好き」が高じて生活が不規則になり、もともと通っていた高校を不登校になり、中退しました。

その後は通信制高校に転校し、スクーリングなど最低限必要なとき以外は外出していない、という状況です。

逆に言えば「最低限必要なとき」には外出ができており、つまりA君は「引きこもり初期(軽度の引きこもり)の状態」でした。

A君は、家にいるときはずっとゲームをしていました。

全く勉強をしないA君のことを心配したお父さまの紹介によって、A君は、通信制高校の課題サポートを受けるためにキズキ共育塾に入塾しました。

入塾当初のA君は、
「このままじゃ卒業できないかもしれないから、勉強はしなければならないと思っています。
でもゲームが好きだし楽しいから、なかなか勉強できないんです。
引きこもりなのもよくないとわかってますけど、外出する理由もなくて…」
と言っていました。

A君を担当した講師がゲーム好きだったこともあって、授業ではゲームの話を挟みながら高校の基礎レベルの内容をゆっくり進めていきました。

講師とゲームの話ができるということが楽しくなったA君は、欠席もあまりせずに通塾していました。

講師は、A君の「ゲーム好き」自体は否定的に考えておらず、逆に、「生活に楽しみがあるのはいいことだ」と思っていました。

A君も、講師がそう思ってくれているからこそ、キズキ共育塾に通い続けることができていたのだと思います。

とは言え「四六時中ゲームをプレイではダメだ」とはA君も講師も思っており、高校卒業後の進路をどうするか、お互いに話し合っていました。

そんなある日のこと、雑談の流れで講師が「友人にゲームクリエイターがいるんだよ」と話したことから、A君は、ゲームは「プレイする側」としてだけではなく、「作る」側として楽しむこともできると気づきました。

もちろんA君も「自分が楽しんでいるゲームを誰かが作っている」ということはわかっていましたが、「知り合いの知り合い」レベルにゲームクリエイターがいるということで、一気に身近に、現実的に感じられたとのことです。

そしてA君はゲームに関連する仕事をしたいと思うようになりました。

A君は、目標ができたことで引きこもり気味の生活から脱出し、生活習慣も改まりました。

その後A君は無事に通信制高校を卒業し、現在はゲーム関連の専門学校に通っています。

結果から考えると、A君にはキズキ共育塾のように「勉強も雑談もできる支援団体」が合っていたということでしょう。

その環境で、ゲームについて否定されずに、むしろゲームについての雑談を続ける中で、引きこもりがちな生活から脱出し、自分の将来像を描けるようになりました。

「雑談のできない環境」で、「ゲームなんてダメだ!」という対応だったら、おそらく同じ結果にはならなかったと思います。

引きこもり本人に合った理念・ビジョンを持つ支援団体か?

さて、支援団体のほとんどは、支援に関する理念やビジョンを掲げています。

理念やビジョンはその支援団体を知るために重要な情報ですので、確認した上で共感できるところを選ぶことが大切です。

ネット上にインタビュー記事や動画などがある場合もあるので、探してみましょう。

ただ、ネットの情報だけでは、なかなか相談先を決められない方も多いと思います。

最初の相談は無料で行っている支援団体もあるので、もし相談してみたいと思える団体があったなら積極的に相談してみてください。

きっと力になってくれると思います。

なお、相談の際に相談者を脅すようなことを言ったり、相談者に考える時間を与えなかったりする団体には、ちょっと注意が必要です。

「うちに入会しないとあなた(のお子さん)は立ち直れませんよ」
「うちの方法で立ち直れなかった人はいませんよ」
「入会するかしないか、いま決めてください」
などと言う団体は、引きこもりの支援に大切な「時間をかけて信頼を築くこと」と、「本人に合わせた柔軟さ」が欠けている可能性が高いからです。

引きこもり支援に限らず、100%通用する方法論は存在しません。

これも、支援団体を選ぶときの、一つの指針になると思います。

最後に――「引きこもりから再び前に進める」と希望を持ちましょう

これまで、「こういう探し方がオススメ」と、「こういう団体にはちょっと注意が必要」ということをお伝えしてきました。

私が思う「注意が必要な団体」にも実績があるということは、その団体の支援が向いていた人もいるということであり、それは否定しません(私には合わないと思いますが…)。

ここで明確にお伝えしたいのは、「ある一つの支援団体の支援方法」が自分に合わなかったからと言って、「自分はやっぱりダメだった…」と自分を卑下する必要はないということです。

今は引きこもりの支援団体はたくさん存在しますので、段階に合わせて、自分(やお子さま)に合わせて、向いているところを探しましょう。

引きこもりは、誰だってなり得ます。

もしあなたやあなたのお子さまが引きこもりになっても、失望せず、決してあきらめず、必ず再び前に進めると希望を持ってほしいなと思います。

さて、キズキ共育塾も不登校や引きこもりの方の支援団体の一つです。

キズキ共育塾の支援の特徴は、「完全個別指導の授業で、勉強とメンタルの両面を支援する」ということです。

通塾して授業を受けるだけでなく、スカイプやラインを通じて、ご自宅でオンライン授業を受けることも可能です。

キズキ共育塾でも無料相談を行っていますので、よろしければ選択肢のひとつとしてご検討ください。

一人ひとりに応じた、柔軟なお話ができると思います。


※紹介した生徒さんの事例は、記事の趣旨を損なわない範囲で、個人の特定ができないように一部事実を変更しています。
※文中の写真は、全てイメージです。

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