【学校が嫌い】そんな私が最少出席日数で卒業できた理由・体験談

学校が嫌いだった私が最少出席日数で卒業できたワケ

こんにちは。「お悩みのある人」の勉強とメンタルをサポートする完全個別指導塾・キズキ共育塾です。

「理由はわからないけど、学校が嫌い…」

「行かないといけないのはわかってるけど、学校が嫌いで行きたくない…」

あなたは、このような「学校が嫌い」な気持ちで、悩んでいるのではないでしょうか?

筆者も学校が嫌いだったうちの一人です。学校嫌いのために、高校では不登校になった経験もあります。

ですが、「学校が嫌い」な気持ちを受けいれたことで、最少出席日数で無事に高校を卒業できました。

このコラムでは、「学校嫌い」とどう向きあえばよいのかを、私の体験談を交えながらお伝えします

学校が嫌いな学生さんだけでなく、学校嫌いのお子さんを持つ親御さんも、お子さんと接する上でのヒントになるかもしれません。よろしければお子さんと一緒にお読みください。

共同監修・不登校新聞社 代表理事 石井志昂氏からの
アドバイス

学校は、サボっていいのです

昔から学生たちは、「いかにサボりながら学校を卒業したか」や「いかに学校生活で豪快に手を抜いてきたか」を自慢話として語ってきました。

あなたも、「学校側の事情やシステム」に必死に合わせる・ついていく必要はありません。学校は、サボっていいのです。このコラムを読んでみてわかるとおり、耐えながらも学校に通った筆者はとてもつらそうでした。

筆者のように最少日数の出席だけで卒業する方法もあれば、別の学校に行く方法もあります。いずれにしても、自分を殺してまで学校に通う必要はありません。それは、昔も今も変わらないのです。

「今所属している学校」をサボったとしても、あなたが「次の一歩」に進むための方法は必ずあります。

【学校が嫌いだった私の体験談】最少出席日数で卒業できた理由

まず、「学校が嫌いな人の学校との向き合い方」の例として、高校時代に学校が嫌いだった私自身の経験をお伝えします。

私は高校2年生の始めから卒業するまで「学校が嫌い」で、ほとんど学校に通いませんでした。

しかし、最少出席日数で高校を卒業できました

卒業するときに担任の先生から、「君の出席日数は、(病欠の生徒を除いて)歴代でいちばん少なかったぞ」と言われました。

「なぜ登校を極力避ても卒業できたのか」、理由は次の2つだと思います。

  • 学校がなぜ嫌いかを考えた上で、「嫌いなら嫌いなままでもいい」と思うことができた
  • 家族や先生に、学校の何が耐えられないかを何度も説明して理解してもらえた

以下、学校嫌いな私が最小出席日数で卒業できた理由・経緯を順にお伝えします。

①学校嫌いで不登校になるまで

学校が嫌いで不登校になるまで

私が明確に学校を嫌いになったのは、高校2年生のときでした

それまでにも、大きな学校行事や緊張する発表の前などに、ぼんやりと「学校へ行きたくない」と思うことはありました。

特に私が疲れていたのは、学校の人間関係です。

私の学校には、何年生になってもクラス内にグループの上下関係がありました。

俗にいう「スクールカースト」です。

高校2年生のときは、その上下関係が強いクラスになりました

違うグループの人と話すときは気を遣います。その上、授業やグループ学習で発表をするときにも場の空気を読んで発言できないと「シラケる」緊張感がありました。

「学校には勉強をしに来ているのに、どうして勉強以外のところでこんなに疲れなきゃならないんだろう?」

この時点で、私は「学校が嫌い」と明確に思うようになっていました

さらに、1年生のときから塾に通っていた私は、学校の授業の進み具合が遅く感じていました。

そして、学校の人間関係や勉強のことを考えるうち、「学校に通う意味」がわからなくなりました。

そして、高校2年生の梅雨の時期に熱っぽさを感じて休んだ日から、登校するのが面倒になり、そのまま不登校になりました

②不登校の時に私が考えたこと

不登校になると、さまざまな考えが頭をよぎります。

  • こうしている間に、同級生は自分のことをウワサしているんじゃないか
  • このまま留年したり退学したりしたら、どうなるんだろう
  • 学校に行けない自分は、社会に出てもやっていけないんじゃないか

個人的につらかったのは、両親や担任の先生を心配させていたことです

子どもが不登校になった親御さんの中には、お子さんを怒る方もいらっしゃるでしょう。

ですが、私の場合は逆で親から気を遣われすぎて、はれ物を扱うような対応になっていました。

怒ることも気を遣うことも「愛情」からだと頭では理解できますが、状況としてはどちらもつらいものです

私の場合は、「自分は親を心配させている親不孝者だ」と思い、罪悪感が強かったことを覚えています。

③学校の嫌いなところを書き出す

学校の嫌いなところを書き出す

そんな状況が続いた高校2年生の夏に、担任の先生が家庭訪問に来てくれました。

そして、「学校の何が嫌いなのかを紙に書いてみたら?」と提案してくれたことで、流れが変わりました

私は自室に戻り、自分が考える「学校の嫌なところ」を次のように書き出しました。

  • 教室にいると、緊張して心臓がバクバクする
  • 授業の進度が合わないから、時間を無駄にしている気がする
  • グループでいると疲れるし、独りでいても目立つから嫌だ
  • 学校行事や班行動で苦手な人とも仲よくしようとするとストレスを感じる
  • 毎日同じ時間に同じ制服を着て登校しなきゃならいのが非人間的な気がする

そして、こうした「学校の嫌なところ」がなくなったら、学校に通えるかもしれないと考えたのです。

④学校が嫌いな理由を必死に説明した

私は後日、母親と先生がいる三者面談の場で、「学校の嫌なところ」を話しました

「甘えだ」と言われるかもしれないと不安で、とても怖かったです。

ですが、自分にとって学校がどれくらい嫌なのか、なぜ嫌なのかを必死で訴えたことを覚えています。

話すことで、私がどれだけ苦しんでいるかを知ってもらえたのか、その後はどうすれば学校に通えるかを3人で考えるようになっていきました。

そのときに先生が話してくれた話の中で、いまでも印象に残っている言葉があります。

「学校が嫌いなら嫌いでもいい。無理に好きにならなくても大丈夫。自分に合った方法で通って卒業すればいいよ」

この言葉で、気持ちが楽になったことを覚えています。

そして、「クラスの人間関係や教室の雰囲気が耐えられないなら、毎日でなくてもいいし時間も気にしなくていいから、まずは夏休み明けに保健室登校から始めてみよう」という結論になりました

なお、保健室登校について詳しく知りたい人は、コラム「保健室登校って何?〜意味・効果、不登校との関係、教室復帰の方法〜」にまとめてあります。よければ読んでみてください。

⑤保健室登校をしながら「学校嫌い」と折り合いをつけた

保健室登校をしながら「学校嫌い」と折り合いをつけた

私の場合は、保健室であれば学校に通うことに抵抗がありませんでした。そのため、夏休み明けからは、しばらく保健室登校を続けました

先生から、「教室に戻ってみてはどうか?」と提案されることがときどきありました。

ですが、自分の調子と合わせて切り替える方法で、自由にさせてもらえました。

個人的に驚いたのが、私の他にも保健室登校をしている人がたくさんいたことです

教室にいる同級生に比べておだやかな性格の人が多く、人数も少なかったため、居合わせた人とさまざまな話をしました。

どうして学校が嫌なのかを教えてくれる人もいて、共感できることも多く、気持ちが楽になりました。

3年生になってからも、教室で授業を受けたり、保健室登校をしたり、家で自習したりと、自分の気持ちを周囲に相談しながら「学校嫌い」と折り合いをつけていました。そして、私は最少出席日数で高校を卒業できたのです

その後は大学に進学・卒業し、今は社会人として働いています。

私の経験からお伝えしたいのは、「学校が嫌いでもなんとかなる。将来が閉ざされているわけではない」ということです。

学校が嫌いな理由|代表的な7つを紹介

学校が嫌いになる理由はたくさんあると思います。

また、あなた以外にも「学校が嫌い」な人がたくさんいることを知ってください。

この章では、文部科学省などの資料や、私が過去に見てきた不登校の人の意見をもとに、学校が嫌いになる代表的な理由をお伝えします

参照:文部科学省「令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」、千葉県「不登校の要因と背景」、日本財団「不登校傾向にある子どもの実態調査」

理由①教師・友達との関係がうまくいかない

教師や友達との関係がうまくいかない

教師や友達との人間関係は、学校嫌いや不登校の原因になりえます

先述した令和3年度の文部科学省の調査でも、不登校の要因として「人間関係」が10%前後を占めているのです

教室で長い時間授業を受ける生徒にとって、教室内の人間関係は、学校の好き・嫌いの判断に大きく影響します。

教師やクラスメイトとの関係がうまくいかない場合、学校が嫌いになるのは当然と言えるでしょう。

理由②嫌がらせ・いじめを受けている

嫌がらせやいじめも、学校嫌いの代表的な理由です

家族や先生が気づきにくい場合もある上に、自分から家族や先生に相談することを恥ずかしく思う人もいるでしょう。

メディアでも学校の対応が批判されることが増えてきたため、「相談できないこと」の深刻さも知られてきています。しかし、それでも充分とは言えないのが現実です。

嫌がらせやいじめで学校が嫌いになって通いたくない人は、一度勇気を出して信頼できる周りの大人や専門機関などに相談してみましょう。

いじめの原因や対策は、コラム「どうしていじめは起こるの?いじめの原因と対策・予防、対応まとめ」にまとめています。気になるようでしたらご一読ください。

理由③朝に起きられない

朝、起きられない

学校の始業時間は決まっているため、朝に起きられない人は通学に苦労します

また、登校できたとしても昼夜逆転の生活になっていると、日中眠気と戦いながら授業を受ける必要があります。そうなると、学校通いがつらくなり、学校を嫌いになりやすいのです。

夜遅くまでゲームをしたり、スマートフォンばかりを触ったりしている人は、特にこの傾向が強いでしょう。

また、病気が関連して朝に起きられない(起きづらい)ケースもあります。気になる場合は、一度病院に行って受診することを検討してみてください。

朝起きる方法は、コラム「朝起きるのが苦手なあなたへ~ぜひ試してみてほしい!朝起きるための10個の方法~」で、されに詳しく解説しています。よければ読んでみてください。

理由④学校のイベントが嫌い

定期的に催される学校のイベントが嫌い・苦手ということも、理由としてよく挙がります

運動の苦手な人であれば運動会や体育祭、集団行動の苦手な人であれば学園祭の催し準備などでストレスが溜まりやすく、学校が嫌いになりやすいのです。

学内行事ではグループ行動がメインになってきます。そのため、理由①で挙げた人間関係が難しいと感じている人にとっても、イベントがつらく感じることも多いでしょう。

理由⑤授業の進度が合わない

授業の進度が合わない

授業の進度が合わず、学校嫌いになるケースは、2種類あります。

一つは、進学塾などでの勉強が進みすぎて、学校の勉強が無意味に感じられるパターンです。

もう一つは、勉強についていけずに授業が苦痛に感じられるケースです

どちらにしろ、学校で過ごす時間の多くは「座って授業を受ける時間」です。自分に合わなければ毎日毎日「嫌な時間」を過ごすことになります。

なお、勉強のやる気が出る方法は、コラム「勉強したくないあなたへ〜元劣等生が伝える、やる気が出る4つの方法〜」で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

理由⑥学校のルール・暗黙の了解に縛られたくない

学校には、校則や暗黙の了解がたくさんあります。

そうしたルールに縛られることがわずらわしく、学校が嫌いになるケースも少なくありません

実際に私は、毎日同じ制服を着て同じ時間に通学するのが嫌いでした。

他にも、好きな髪型にできない、アルバイトができない、部活で謎のルールがある、課題や宿題が大量に出されるなど、学生はさまざまなルールに縛られています。

ルールに納得できない、一応納得はしているけれどストレスになる、などの場合に、ルールが要因となり学校嫌いになるのです

なお、「どうしても遅刻してしまう」「どうしても課題提出を忘れてしまう」など、どうしてもルールを守れない人の中には、発達障害やアスペルガー症候群など、脳の機能が関係する可能性も考えられます。

気になるようでしたら、一度病院に行って検査を受けてみるのもよいでしょう。

発達障害やアスペルガーは、コラム「発達障害やアスペルガーって何?〜親御さんのための定義・対応・Q&A〜」で詳しく解説しています。

理由⑦集団よりも一人でいる方が楽

集団よりもひとりでいる方が楽

学校では、集団行動が基本です。

1人で過ごす方が楽だ感じる人にとって、集団行動を強いられることは、学校嫌いの一因になります

学校は、科目の勉強をするだけでなく、社会生活や人間関係を学ぶ場でもあります。そのため、集団行動をある程度は受け入れることが必要です。

しかし、「自分にどうしても合わない集団」はありますし、またそもそも1人の方が楽だと感じるのも一つの個性です。

「集団に馴染めない自分はダメな人ではないか…」と落ち込んだり不安になったりする必要はありません。

学校が嫌いな人にオススメしたい4つのこと

「学校が嫌い」と思うことを、なんとかする方法はたくさんあります

ここでは、学校が嫌いな人が学校と折り合いをつけるためにオススメしたいことを、4つお伝えします。

大切なのは、「学校が嫌い」と一言で完結させるのではなく、具体的にどこが嫌いなのかを考えることです。

そして、周囲の人を適切に頼ることも大切になります。

一つずつ、一緒に確認していきましょう。

オススメ①「学校嫌いは変なことではない」という意識を持つ

「学校が嫌いなのは変なことではない」という意識を持つ

学校が嫌いな人に覚えておいてほしいのが、「学校が嫌いなのは、変なことではない」ということです

学校が嫌いなのはあなただけではありません。 そして、無理に学校を好きになる必要もないのです。

人によって、環境(学校)の合う・合わないは、どうしてもあります。

まずは、「学校が嫌い」な気持ちが特別だとは思わず、自分の気持ちを素直に受け入れてみてください。

オススメ②学校の好きなところ・嫌いなところを書きだす

続いてオススメしたいのは、「学校の好きなところと嫌いなところを紙に書きだす」ことです

私の体験からも言えることですが、単に「学校が嫌い」と一言で片付けていると、学校の何が嫌なのかがわかりません。

嫌いなところを具体的に紙に書きだすことで、あなたにとって学校の何がストレスになっているのかが見えてきます。

そして、ストレス源がわかると、具体的な対処法や、親・学校への相談内容も見えてくるはずです。そして、周りの人に自分の気持ちを伝える時の説得力も生まれるでしょう

また、学校の嫌いなところだけでなく、好きなところも書き出してみてください。

そうすることで、「嫌いな部分もあるけど、好きな部分の方が大きいから大丈夫だな」と考えが変わり、悩みが減ることがあるからです。

学校嫌いでお悩みの人は、ぜひ一度好きなところと嫌いなところを紙に書いてみましょう。

オススメ③耐えられないことは両親や先生に相談する

耐えられないことは両親や先生に相談する

学校で耐えられないことがあるときは、両親や先生に素直に相談してみてください

大人であっても、悩みを一人で抱え込むと心身の調子を崩すことがあります。

逆に言うと、周りのさまざまな人を頼ることで、悩みは解決できる可能性があるのです。

ましてや、あなたはまだ子どもです。悩みの解決方法がわからないのは仕方のないことなのです。

親や先生など、周りの大人をどんどん頼ってみてください

ですが、知り合いに自分の悩みを話すことが恥ずかしかったり、周りの誰が信用できるのかわからなかったりすることもあると思います。

周囲を頼れないときは、役所やNPO法人が運営する相談窓口を利用することがオススメです

例えば、インターネットで「○○市(町) 中学生 悩み相談」のような検索を行うと、相談窓口が見つかります。

人に相談すると気持ちが軽くなりますし、自分一人よりも具体的な解決方法が見つかりやすくなるでしょう。

オススメ④本当に学校が嫌いで登校したくないときは休む

最後にオススメしたいのは、「本当に学校が嫌いで登校したくないときは休む」ことです

嫌いな学校に無理に登校すると、嫌な記憶が染みついて、次の登校が余計につらくなります。

そういったときには、これまでご紹介した方法も試しつつ、思い切って休んでください。

学校を休むことは悪いことではありません。一度休んで、気力・体力が回復すれば、「学校が嫌い」な気持ちがやわらいでいきます。そして、また元気に登校できるようになるはずです。

しかし、一度休んだ後に登校再開する気にならないと(=不登校になると)、出席日数が少なくなります。

そうなると、授業についていけなくなったり、人間関係が希薄になったりする可能性があるのです。

また、中学生では高校入試に影響があったり、高校生は留年・退学の可能性があったりする可能性があることも、覚えておいてください。

とはいえ、そんな場合でも、必要以上に不安になる必要はありません。

次章でお伝えするように、「今の学校」や「全日制高校」以外にも、選択肢はたくさんあるからです。

勉強や人間関係の充実など、「今の学校」以外を見つける方法を模索してみてください。

学校が嫌いな人に伝えたい「今の学校」以外の選択肢

ここからは、どうしても「今の学校」が嫌い・会わないと感じている人に向けて、次の4つの選択肢を紹介します。

  • フリースクール
  • 通信制高校(入学・転校)
  • サポート校・学習塾
  • 高卒認定試験

昔に比べて、学校嫌いだったり不登校だったりする人を対象とした学びの場が増えています。

そのため、あなたに合った学びの場が見つかるかもしれません。これからお伝えする内容を参考にして、「学校が嫌い」と思う気持ちが和らぐ選択肢を探してみてください。

選択肢①フリースクール

フリースクール

フリースクールとは、ひきこもりや不登校の人など、主に学校に馴染めない人たちのための教育機関です

主に、NPO法人や個人によって運営されています。

運営方針は各団体で異なり、学習面に力を入れていたり、精神面や生活面での支援が中心であったり、人との交流が盛んだったりするなど、団体によってさまざまです。

共通するのは、通う人にとって安心できる「居場所」としての側面が強いことです

そのため、今通う学校に対して、「学校が嫌い」と思っている人でも、安心して通えるでしょう。

なお、「スクール」とは言うものの、正式な学校ではありません。そのため、高校生の年齢の人がフリースクールを「入学・卒業」しても、正式な学歴には反映されません。

ですが、あなたの学校がフリースクールと提携している場合は、「フリースクールへの出席」を「学校への出席」にカウントされます

また、フリースクールで勉強して後述する高卒認定試験に合格することも可能です。

自分に合うフリースクールがあるか、学校との提携があるかなどが気になる場合は、まずはインターネットで調べてみましょう。

選択肢②通信制高校

「中学校で不登校になって内申点が低い」「通っている高校が嫌いで中退したいけど高卒資格はほしい」人は、通信制高校への進学・転校する選択肢があります

通信制高校とは、カンタンに言うと、「通学して授業を受けるのではなく、学校から送られてくる教材や課題を自宅で勉強する」ことができる正式な学校です。

ただし、年に何度かは「スクーリング」という、「登校する必要のある日」があります。

学校の校舎や教室に抵抗感があったり、毎朝起きるのが苦手であったり、人とあまり会いたくない人には、有力な選択肢になるはずです

通信制高校は、他の高校と比べて入学・転校の際に内申点がほとんど関係ありません。

また、入試も比較的カンタンなことも、学校が嫌いな人にオススメな理由です。

ほかにも、自分のペースで勉強を進められる部分も、魅力的に感じる人は多いでしょう。

ただし、怠けずに自分で勉強スケジュールを管理しなくてはならない側面があります。

次項で初回するサポート校と提携している学校は、サポート校で学校の教材・課題に合わせて勉強を教わることも可能です。

また、スクーリングの回数、行事の有無、高校卒業後の進路に向けたサポートなどは、学校によって違います。そのため、何を優先したいかを考えた上で、どの学校に行くかを検討してみてください

なお、中学不登校からの高校進学は、コラム「大丈夫です。中学不登校からの高校進学」で詳しく解説しています。

選択肢③サポート校・学習塾

サポート校・学習塾

サポート校とは、一般には「通信制高校と提携した学習塾」という意味で知られています

さきほどもお伝えした通り、通信制高校は「高校から送られてきた教材を自分で勉強する」システムです。

そのため、「自分一人では勉強をうまく進められない」「中学校の勉強内容を理解していないから、高校の教科書が理解できない」などが起きる場合があります。

文字どおり、そんな人たちの勉強をサポートするために、それぞれの通信制高校の教材などに合わせて授業を行うサポート校があります

サポート校は、運営母体としては学習塾や予備校であることが多いです。

主な指導内容が「中学校後半〜高校内容の勉強」であることが、フリースクールと違う点です。入学のために筆記試験などがある場合もあります。

正式な学校ではないことは、フリースクールと共通しています。

なお、通信制高校の生徒以外にも、「なんらかの事情を抱えて学校へ行けない人」が入塾できるサポート校もあります

ほかにも、「サポート校」と名乗っていなかったり、通信制高校と連携していなかったりしても、不登校・学校中退などの人に勉強を教える学習塾はあります。

いずれにしても、「学校嫌い」や「不登校」などの事情を理解していることは、フリースクールと同じです。

サポート校や学習塾が気になる場合は、自分に合うところがないか調べてみましょう。

選択肢④高卒認定試験

「学校が嫌い」という思いが強い高校生には、高校卒業の代わりに高卒認定試験に合格する、方法がオススメです

高卒認定試験とは、カンタンに言うと、「高校卒業と同程度の学力がある」と認められる公的な資格です。

合格すると、高卒資格が必要な大学・短大・専門学校の受験や、一部の公務員試験の受験が可能になります。

また、一部の民間企業では、高卒とみなして応募できるようになります。

高卒認定試験は高校在学中でも受験できます。例えば、「転校・留年からの高校卒業」と「高卒認定の取得」の両方を目指し、早く得た方の資格で大学を受験する、ことも可能です

なお、高卒認定試験の合格は「学歴」にはなりません。

合格後に専門学校や大学などを卒業しなければ、最終学歴が「中卒」のままであることは覚えておいてください。

高卒認定試験の詳細は、コラム「【すぐ読める】高卒認定試験とは?意外と簡単!取得のメリット・合格のポイントをご紹介」に書いています。興味がありましたらご覧ください。

まとめ:「学校が嫌い」はおかしいことではありません

まとめ:「学校が嫌い」はおかしいことではありません

学校が嫌いで不登校だった私の体験談を交えながら、学校が嫌いない理由や最小日数で卒業できた理由、「今の学校以外」の選択肢をお伝えしました。

あなたに当てはまることはありましたか?

大切なのは、「学校が嫌い」であることで劣等感を覚えたり、自尊心を失ったりしないことです

とはいえ、学校が嫌いだと、毎日がつらく苦しくと思います。

ですが、学校が嫌いなことはおかしいことや変なことではありませんし、あなたを助けてくれる人はたくさんいるのです。

学校嫌いの自分を認め、信頼できる人に相談することで、次の一歩を踏み出せます。

このコラムが、あなたの「学校嫌い」を見つめ直すきっかけになれば幸いです。

さて、私たちキズキ共育塾は、一人ひとりに寄り添う完全個別指導塾です。

生徒さんには、学校が嫌いで不登校中の人や中退した人もたくさんいます。

授業では、勉強だけではなく、「学校にどうやって復帰するか」「学校に復帰しないなら、どこに転校するか、転校しないならどうするか」といったさまざまな相談ができます。

あなたのための「学校嫌い」の話ができると思います。少しでも気になったらお気軽にご連絡ください。親御さんからの相談も受けつけています。

監修 / キズキ代表 安田祐輔

やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、不登校・偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。また、不登校の子どものための家庭教師「キズキ家学」、発達障害やうつ病の方々のための就労移行支援事業所「キズキビジネスカレッジ」も運営。

【新著紹介】

『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法』
(2022年9月、KADOKAWA)
Amazon
KADOKAWA公式

【略歴】

2011年 キズキ共育塾開塾(2023年7月現在10校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年7月現在4校)

【メディア出演(一部)】

2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)

共同監修 / 不登校新聞社代表理事 石井志昂

いしい・しこう。
1982年、東京都町田市出身。NPO法人全国不登校新聞社代表。
中学校受験を機に学校生活が合わなくなり、教員や校則、いじめなどを理由に中学2年生から不登校。同年、フリースクール「東京シューレ」へ入会。19歳からNPO法人全国不登校新聞社が発行する『不登校新聞』のスタッフとなり、2006年から2022年まで編集長。これまで、不登校の子どもや若者、識者など400人以上に取材してきた。

【著書など(不登校新聞社名義も含む)】

「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること(ポプラ社)』『フリースクールを考えたら最初に読む本(主婦の友社)』『学校に行きたくない君へ(ポプラ社)』『続 学校に行きたくない君へ(ポプラ社)』

【寄稿など(一部)】

AERAdot」「プレジデントオンライン」「東洋経済オンライン」「FRaU」など多数

サイト運営 / キズキ

「もう一度学び直したい方」の勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする学習塾。多様な生徒さんに対応(不登校・中退・引きこもりの当事者・経験者、通信制高校生・定時制高校生、勉強にブランクがある方、社会人、主婦・主夫、発達特性がある方など)。授業内容は、小学生レベルから難関大学受験レベルまで、希望や学力などに応じて柔軟に設定可能。トップページはこちら。2023年7月現在、全国に10校とオンライン校(全国対応)がある。

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