ASDのある中学生の特徴8選 親ができる対応や接し方のコツを解説

こんにちは。生徒さんの勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする完全個別指導塾・キズキ共育塾です。
あなたは、ASDのある中学生について気になったことはありませんか?以下のような疑問や不安を抱えている人は少なくありません。
- ASDのある中学生の特徴は?
- ASDのある中学生にはどう接すればいい?
このコラムでは、ASDのある中学生の特徴や親ができる対応、接し方のコツ、勉強のためにできるサポートなどについて解説します。あわせて、ASDのある中学生の体験談を紹介します。
ASDのある中学生はもちろん、今後のために知っておきたい人もぜひ最後までご覧ください。
私たちキズキ共育塾は、発達障害のある人のための、完全1対1の個別指導塾です。
生徒さんひとりひとりに合わせた学習面・生活面・メンタル面のサポートを行なっています。進路/勉強/受験/生活などについての無料相談もできますので、お気軽にご連絡ください。
目次
ASDのある中学生の特徴
この章では、ASDのある中学生の特徴について解説します。
特徴①暗黙の了解やルールを理解しづらい

1つ目は、暗黙の了解やルールを理解しづらいことです。暗黙の了解やルールの例としては、先生が話しているときには静かにする、後輩が後片付けをするなどがあります。
ASDのある人は、表情から気持ちを察したり場の空気を読んだりするのが苦手です。そのため、明文化されていないルールが理解できず、周りの反感を買うこともあるのです。(参考:東京都保健医療局「第一章 発達障害とは」)
特徴②先生や同級生との意思疎通が難しい
2つ目は、先生や同級生との意思疎通が難しいことです。
ASDのある人は、自分の言いたいことを優先して話したり、たとえ話や冗談が通じなかったりすることがあります。そのため、コミュニケーションに問題を抱えているケースがあるのです。(参考:東京都保健医療局「第一章 発達障害とは」)
全員と仲良くする必要はありませんが、学校生活に支障がない程度には意思疎通が図れるといいでしょう。集団行動に適応する方法は、以下のコラムをご覧ください。
特徴③勉強についていけない

3つ目は、勉強についていけないことです。こちらで解説するマルチタスクが苦手なことや、こちらで解説する興味の範囲が狭いことなどが影響し、授業に集中できない人が多くいます。
先生の話を聞くことと板書を取ることが同時にできなかったり、興味のない授業は全く話を聞かなかったりするのです。
ASDがある=勉強が苦手というよりは、ASDの特徴が勉強についていけなくなる原因を作ると認識しておくといいでしょう。
特徴④マルチタスクが苦手
4つ目は、マルチタスクが苦手なことです。ASDのある人は一つのことに集中できる一方で、複数の作業を同時にこなすのが苦手です。
学校では、友達と話しながら次の授業の準備をする、授業を聞きながらノートに書くなど、さまざまなマルチタスクが求められます。
そのため、学校生活で不便を感じる瞬間があるのです。
特徴⑤忘れものが多い

5つ目は、忘れものが多いことです。
ASDのある人は特定の物事に強いこだわりを持ちますが、自分に必要ないと思ったことに関しては忘れっぽいです。
学校では複数教科の教科書や体操着など、必要なものが多いため、忘れものが多いことで困るケースもあります。
特徴⑥特定の分野への興味関心が強い
6つ目は、特定の分野への興味関心が強いことです。興味を持ったことには強く関心を持ちますが、それ以外のことには関与しようとしません。(参考:東京都保健医療局「第一章 発達障害とは」)
そのため、話の途中で興味が移ると勝手に抜けるような行動をします。これが誤解を招いて友人関係がうまくいかないケースもあるのです。
特徴⑦こだわりが強い

7つ目は、こだわりが強いことです。ASDのある人は特定のものごとへのこだわりが強く、周りに理解されないケースがあります。(参考:東京都保健医療局「第一章 発達障害とは」)
具体的には、筆記用具の並べ方にこだわったり、特定の物にこだわって友人に貸すのを嫌がったりすることなどです。
ほかの人には理解できないようなことに執着する場合もあるため、なかなか理解を得られないケースも珍しくありません。
特徴⑧スケジュール通り行かないと混乱する
8つ目は、スケジュール通り行かないと混乱することです。
ASDのある人はルールを守ったり手順やスケジュールにこだわったりする傾向があるため、予想外のことが起きるとパニックになるケースがあります。
学校生活の場合、急な時間割変更やテスト日程の変更などが当てはまるでしょう。そもそも、スケジュールを立てるのが苦手なケースもあります。
ASDのある中学生に親ができる対応8選
この章では、ASDのある中学生に親ができる対応について解説します。
対応①支援機関を利用する

1つ目の対応は、支援機関を利用することです。
発達障害に関連する悩みを相談できる支援機関はたくさんあります。
- 担任の先生
- スクールカウンセラー
- 専門医
- 発達障害者支援センター
- 発達障害に理解のある学習塾
- 発達障害の親の会
スクールカウンセラーとは、学校現場で児童・生徒さんや保護者、教職員を対象に心理的サポートを提供する専門職のことです。主に学校に配置され、心理学や臨床心理学の専門的な知識をもとに、児童・生徒さんの悩みや問題に対応します。(参考:文部科学省「スクールカウンセラーについて」)
スクールカウンセラーの主な業務は、児童・生徒さんへの相談面接です。相談面接には、個別カウンセリングやグループカウンセリング、コンサルテーション(助言・協議)が含まれます。必要に応じて、教職員へ専門的な立場から助言を行います。(参考:文部科学省「スクールカウンセラー業務」)
スクールカウンセラーについては、以下のコラムをご覧ください。
発達障害者支援センターは、発達障害の早期発見と早期支援を目的として、発達障害のある人とその家族などをサポートするための支援機関のことです。(参考:国立障害者リハビリセンター 発達障害情報・支援センター「発達障害支援センターとは」)
保健、医療、福祉、教育、労働など、さまざまな分野の関係機関と連携しながら、地域の支援ネットワークを構築し、多様な相談に応じて、指導や助言を行っています。
臨床心理士や言語聴覚士、精神保健福祉士などの専門資格を持つ支援員が相談に乗ってくれるところもあります。(参考:キズキビジネスカレッジ(KBC)「発達障害者支援センターとは? 支援内容や利用の流れを解説」)
発達障害のある中学生への指導実績がある、特に個別指導を行っている学習塾であれば、発達障害の特性に理解のある講師が、お子さんの特性や中学校での進度を考慮した、きめ細やかな指導を行うでしょう。私たち、キズキ共育塾もその一つです。
親御さんやお子さんが通いやすい、または相談しやすいと思える支援機関を探しましょう。
対応②特性を受け入れ、理解を深める
2つ目の対応は、特性を受け入れ、理解を深めることです。
親御さんの中には、「発達障害の特性は、本人の努力次第でカバーできる」とお考えの人がいます。
しかし、発達障害は、先天的な脳の機能の偏りに起因するため、本人の努力だけではどうにもならない面も多くあるのです。
お子さんの特性を理解して受け入れることで、親子ともに、周囲の人への配慮や理解を求めやすくなります。
また、特性を受け入れることは、お子さんの特性を個性として尊重することにつながり、お子さんの自己肯定感を高めます。
ぜひ、お子さんの特性を受け入れ、「どんな困りごとを抱えているのか」「何が得意で、何が苦手なのか」という理解を深めてください。
対応③親の会で情報収集や意見交換をする

3つ目の対応は、親の会で情報収集や意見交換をすることです。
親の会に参加することで、同じ発達障害のある中学生がいる親や保護者と意見交換をしたり、悩みを共有したりできるでしょう。
インターネットで「発達障害 親の会」と検索すれば、多くの団体の活動が出てきます。興味を持ったところに参加してみてはいかがでしょうか?
なお、親の会はそれぞれに目的や性質が異なります。一つの会が合わなかったとしても、別の会を探してみることをオススメします。
対応④ペアレントトレーニングを受ける
4つ目の対応は、ペアレントトレーニングを受けることです。
ペアレントトレーニングとは、発達障害のある子どもがいる親に、効果的な親としてのスキルを教えるものです。子どもへの接し方を見直す上でも非常に有効だと言われています。
ペアレントトレーニングの内容には、以下のようなものがあります。
- 各発達障害の特性への理解を深める講習
- 各発達障害に見られる行動を分類して理解
- 子どもの良いところへ目を向ける練習
- 効果的な指示の仕方や好ましくない行動を取ったときの対応の勉強
医療機関や教育機関などで講師を招き、以上のようなトレーニングを実施します。
もちろん、発達障害のある人も参加対象に含んでいる支援機関もあります。
また、同じ悩みを抱えた保護者と情報共有できる機会になるかもしれません。
発達障害のあるお子さんへの対応がわからない人は、お近くの支援機関で実施されているペアレントトレーニングを探して、受けてみてください。
対応⑤進路選びや高校受験の準備を早めに進める

5つ目の対応は、進路選びや高校受験の準備を早めに進めることです。
以下のような準備を早めに進めておくと、お子さんに合った進学ができる可能性が高まります。
高校受験をする場合は、お子さんの内申点・調査書点の状況を、学校に確認しましょう。
発達障害の特性に関連して、内申点が低いようであれば、内申点があまり合否に関わらない高校や受験方式を探すことがオススメです。
また、高校には、一般的にイメージされる平日に学校に通って、朝から夕方まで授業を受ける高校である全日制高校以外に、通信制高校・定時制高校があります。
ASD傾向の強い発達障害のある子どもの場合は、時間の融通が利き、マイペースに勉強を進められる通信制や定時制が向いている可能性があります。
いずれにせよ、高校を選ぶ際は、お子さんの意思や希望を尊重することが大切です。
また、早めに準備を始めることで、情報収集、学校見学、受験校や受験方式の選択などがしやすくなり、お子さんの意志も固まりやすくなります。
通信制高校・定時制高校については、以下のコラムをご覧ください。
対応⑥「家族はあなたの味方」だと伝える
6つ目の対応は、「家族はあなたの味方」だと伝えることです。ASDのある中学生は、周りからの視線や周りとの違いを気にして孤独を感じたり自己否定したりすることがあります。
そこで、「家族はあなたの味方」だと伝えることで、お子さんは安心できるはずです。
味方だと伝える際は、しっかり言葉で伝えるようにしましょう。親が子の味方なのは当たり前、わざわざ言わなくてもわかるものだと思ってはいけません。
ASDのある人は表情から感情を読み取ったり明文化されていないことを理解したりするのが苦手なので、はっきり言葉で伝えるようにしましょう。
対応⑦ルールを統一する

7つ目の対応は、ルールを統一することです。ASDのある人は、ルールが明確なほうが行動しやすい傾向にあります。
しかし、お父さんとお母さんで褒めるポイントや注意するポイントが異なると、ASDのあるお子さんは混乱してストレスを感じます。
褒めたり注意したりするポイントは、家庭内でルールとして統一しておくといいでしょう。
対応⑧進路を調べておく
8つ目の対応は、進路を調べておくことです。ASDのある中学生の進路としては、全日制高校や定時制高校、通信制高校、特別支援学校などの選択肢もあります。
どこがいいというわけではありませんが、お子さんに合った環境を用意するためには、なるべく多くの選択肢を検討したほうがいいでしょう。
学校や支援機関に相談したり、お子さんの意思を聞いたりすると、ベストな選択がしやすくなります。
ASDのある人の進路選択に関しては、以下のコラムをご覧ください。
ASDのある中学生への接し方のコツ5選
この章では、ASDのある中学生への接し方のコツについて解説します。(参考:東京都「発達障害とは」)
コツ①中学生だからといって厳しくしない

1つ目は、中学生だからといって厳しくしないことです。小学生から中学生になると、今まで大目に見られてきたことが許されなくなってきます。
中学生だからとなんとなく理解できる人もいるでしょう。
ただ、なぜ小学生のころはよくて中学生になるとダメなのかは明文化されていないので、ASDのある人にとっては突然叱られるようになったと思うのです。
そのため、中学生だからという理由で厳しくするのではなく、なぜダメなのかを一緒に考えて理解してもらうといいでしょう。
コツ②わかりやすく伝える
2つ目は、わかりやすく伝えることです。ASDのある人はたとえ話や冗談を受け取ることが苦手なので、回りくどい説明は好みません。
誤った認識で伝わるリスクもあるため、これはほかの人が嫌がるからダメなど、まっすぐわかりやすい言葉で伝えましょう。
コツ③興味を引いてから会話を始める

3つ目は、興味を引いてから会話を始めることです。ASDのある人は特定の分野への興味関心が強いため、いきなり話し始めても耳に入らないケースがあります。
興味を引く方法としては、視界に入る、名前を呼ぶなどです。今から話をするために聞いてほしい旨も伝えると、耳に入りやすくなるでしょう。
コツ④本人の話を遮らない
4つ目は、本人の話を遮らないことです。
ASDのある人は、興味のある話を一方的にする傾向にあります。
ASDのある人にとって、自分の興味の対象に興味をもってくれることはとてもうれしいことです。
話を最後まで聴くようにしましょう。そして、その話に興味をもって質問してみてください。こちらの意図が伝わっていなかったり見当はずれのことを言っていたりしても、まずは最後まで聞いてから話し始めるようにしてください。
親子の信頼関係は深まり、「話を聞いてくれる人がいる」ということで子どもはより自信をもつようになるでしょう。
自分の話を最後まで聞いてくれるというイメージがつけば、信頼して心を開いてくれやすくなります。
コツ⑤本人の気持ちを否定しない

5つ目は、本人の気持ちを否定しないことです。感情を表すために何か行動しているときは、無理にやめさせず、理解するように心がけましょう。
例えば、話を聞いてほしいのに読書をやめない状況だとします。
そのときに、一旦読書は楽しいよねと共感し、なぜ今読書をやめてほしいのか、なぜ話を聞いてほしいのかを伝え、納得してもらうのです。
無理に話を聞かせる体制に入らせても、すぐに別のことに興味を持ち出したり話を聞いてくれなくなったりします。本人の気持ちは否定せず、受け入れることを意識しましょう。
ASDのある中学生の勉強のためにできるサポート5選
この章では、ASDのある中学生の勉強のためにできるサポートについて解説します。
サポート①文字や図を利用する

ASDのある中学生には、特定の感覚が優位な人がいます。なかには、耳からの情報よりも、視覚的な情報の方が理解しやすい人もいます。そのため、文章や図を用いたコミュニケーションを取ると、理解がしやすくなるでしょう。
具体的には、以下のような工夫が効果的です。
- 日程を組むときにはタイムスケジュールを表にする
- やるべき課題などをリスト化する
サポート②静かな環境を整える
ASDのある中学生には、聴覚過敏などの過敏症が併存する場合があります。
そのため、特に受験勉強をする時期などは、できるだけ静かな環境を整えるといった配慮が重要です。
サポート③休憩時間を意識する

ASDのある中学生に見られる過集中への対策も必要でしょう。
過集中とは、ASDのある人やASD傾向の強い発達障害のある人が興味やこだわりの強い特定分野に取り組むときに過度な集中力を発揮して、休み知らずに活動を続ける状態のことです。
過集中状態にあると、体力が保たなくなるほどぶっ続けで勉強をすることがあるため、親御さんから休憩するように促すなどの対処が必要です。
サポート④ルーティンを作る
ASDのある人は自分なりのルールを守ることにこだわる傾向があるため、ルーティンを作ると勉強に入りやすくなる可能性があります。
例えば、おやつを食べたら勉強する、学校から帰ってきたら手を洗って勉強するなどです。同じ時間に同じ場所で勉強する癖をつけるといいでしょう。
サポート⑤スケジュール表やチェックリストを活用する

ASDのある人のなかにはスケジュールを立てるのが苦手な人もいます。そのため、スケジュール表を使うとテストまでの勉強計画を管理しやすくなります。
また、チェックリストを使うと進捗を視覚的に確認でき、自分の今の状況を理解しやすくなるのでオススメです。
ASDのある中学生の体験談
ASDのあるAさんは、中学1年生の二学期から不登校になっていました。
定時制高校に入学したものの通学できておらず、勉強が遅れることに不安を感じている状況でした。
Aさんの母親は、Aさんが外出もしなくなったことから、社会性が身につかないのではと心配していたようです。
そこで、キズキ共育塾に相談しました。キズキ共育塾には最初、「不登校の娘に対して勉強のほかにどのようなサポートをすべきか」を相談していました。
そのときスタッフが親身になって相談にのってくれたことや、不登校に悩む生徒さんへの接し方がとてもあたたかく、優しい方が多いことが決め手となり、キズキ共育塾に通うようになりました。
電車に乗って塾に通えていること自体が大きな変化であり、最近では外出も増えたようです。勉強する意義や楽しさを感じはじめており、現在はAさんのペースで勉強に励んでいます。
発達障害とは?

発達障害とは、脳の機能的な問題や働き方の違いにより、物事の捉え方や行動に違いが生じることで、日常生活および社会生活を送る上で支障が出る、生まれつきの脳機能障害のことです。(参考: American Psychiatric Association・著、日本精神神経学会・監修『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』、こころの情報サイト「発達障害(神経発達症)」、NHK福祉ポータル ハートネット「そもそも「発達障害」って?|大人の発達障害ってなんだろう? – 大人の発達障害」、宮尾益知・監修『ASD(アスペルガー症候群)、ADHD、LD 職場の発達障害』、松本卓也、野間俊一・編著『メンタルヘルス時代の精神医学入門 ーこころの病の理解と支援ー』、福西勇夫・山末英典・監修『ニュートン式 超図解 最強に面白い!! 精神の病気 発達障害編』)
発達障害は主に、以下の3つの診断名に分類されます。
- ADHD(注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害)
- ASD(自閉スペクトラム症/広汎性発達障害)
- LD/SLD(限局性学習症/限局性学習障害)
同じ診断名でも、人によって多様な特性が現れるのが発達障害の特徴です。また、いずれかの発達障害のある人は、他の発達障害が併存している可能性もあります。
発達障害のグレーゾーンとは?
発達障害グレーゾーンとは、発達障害と同様の特性や傾向がいくつか認められるものの、診断基準を満たすほどではないため、発達障害と診断されるには至らない状態のことです。(参考:姫野桂『発達障害グレーゾーン』)
発達障害グレーゾーンという言葉は、医学的に正式な診断名称ではありません。
ただし、発達障害の確定診断をつけることができない状態のことを発達障害グレーゾーンと表現しているだけであって、発達障害グレーゾーンとは症状が軽いことを意味するわけではありません。
特性による困りごとはあるものの、発達障害の確定診断が出ないため、周囲からの理解を得づらく、サポートを利用できないこともあります。
発達障害グレーゾーンのある人は、発達障害の診断を受けた人とはまた違った、悩みや生活上の困難を抱えているのです。
例えば、発達障害グレーゾーンのある人は、確定診断を受けていなければ、発達障害を理由に障害者手帳を取得することはできません。このように、発達障害グレーゾーン特有の困難は少なからずあります。
なお、発達障害者支援センターなど、発達障害グレーゾーンのある人でも利用できる発達障害のある人向けの支援機関はあるため、困った際にはそちらに相談してみてもよいかもしれません。(参考:キズキビジネスカレッジ(KBC)「発達障害グレーゾーンとは? 子どもに対する支援をADHD/ASD/LDの傾向別に解説」)
ASD(自閉症スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害)とは?

ASD(自閉スペクトラム症/広汎性発達障害、Autism Spectrum Disorder)とは、人とのコミュニケーションなどに困難が生じる発達障害の一種のことです。(参考:American Psychiatric Association・著、日本精神神経学会・監修『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』、e-ヘルスネット「ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について」、CDC「Autism Spectrum Disorder (ASD) 」、厚生労働省「No.1 職域で問題となる大人の自閉症スペクトラム障害」、福西勇夫、福西朱音『マンガでわかるアスペルガー症候群の人とのコミュニケーションガイド』)
かつて使用されていた以下の診断名・分類は、ASDという診断名・分類に統合されています。
- アスペルガー症候群
- 自閉症
- 高機能自閉症
- 広汎性発達障害(PDD)
それぞれ別の発達障害として、診断基準も異なっていましたが、2013年に行われた『DSM-5』の改訂の際に、厳密に区分するのではなく、地続きの=スペクトラムな障害として捉える現在のASDに変更されました。
ただし、変更前の診断名・分類が、法令や病院、日常会話などで現在も使用されることがあります。また、かつてアスペルガー症候群などと診断された人が、現在のASDという名称を認知していないこともあります。
まとめ~ASDのある中学生の困りごとはサポートすることで減らせます~

ASDのある中学生は、多感な時期特有の悩みを抱えています。なかなか自分からは言い出せないこともあります。優しく聞いてみるといいでしょう。
ASDのある中学生に対しては、支援機関の利用など、サポートできることはたくさんあります。
できることから少しずつ行動してみましょう。
Q&A よくある質問