おすすめの物理勉強法 物理の成績を上げるポイントを解説
こんにちは。生徒さんの勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする完全個別指導塾・キズキ共育塾です。
あなたは、以下のような悩みや不安を抱えていないでしょうか?
- 「物理に対して苦手意識が強い」
- 「物理の成績がなかなか上がらない…」
- 「物理はどう勉強すればいい?」
物理の成績が上がらない人は、効果的でない勉強法をしているかもしれません。
よくある誤った勉強法の例には、公式をただ丸暗記するなどがあります。
このような勉強を続けていると、なかなか物理の成績は上がりません。
このコラムでは、物理ができないと悩む人に向けて、物理を勉強するときのポイントやオススメの勉強法について解説します。
具体的には、事象のイメージをつかむことや単位を大切にすることがポイントです。
オススメの参考書もご紹介していますので、最後までぜひご覧ください。
目次
物理とは、物体の運動を解き明かす科目
そもそも物理とは、ズバリ物体の運動を解き明かす科目です。
物理を学ぶことで、簡単な未来予測をすることもできるようになります。
例えば、物理では変位、速度、加速度という単位・数字を学びます。
- 変位…物体の位置の変化
- 速度…物体の進む速さ
- 加速度…物体の速度変化の割合
これらには、以下のような関係があります。
- 物体に加速度が一定時間働くと、速度が変化する
- 速度の変化に伴って、変位が生じる(物体の位置が変わる)
この関係を使えば、加速度や速度から物体の運動を予想することができます。
実際に、野球の試合で、バッターがななめ上に打ち出したボールが何メートル進むか、高い所から物を落としたときに、何秒後に地面に着地するか、などもわかるのです。
また物理は、化学や生物と比較すると暗記が少ない科目でもあります。
その分、計算の割合がとても大きいので、物理は数学が好きな人にオススメの科目です。
私たちキズキ共育塾は、物理ができないと悩むの人のための、完全1対1の個別指導塾です。
生徒さんひとりひとりに合わせた学習面・生活面・メンタル面のサポートを行なっています。進路/勉強/受験/生活などについての無料相談もできますので、お気軽にご連絡ください。
物理で学ぶ5つの分野
物理には、大きくわけて5つの分野があります。
この章では、物理への理解を深めるために、物理の5つの分野について解説します。
分野①力学
力学とは、物体はどのような法則に従って運動するのかについて学べる分野です。
さきほど紹介した変位、速度、加速度などは、この力学に含まれます。
他に、エネルギー、遠心力、万有引力なども力学です。
遠心力を学ぶことで、水の入ったバケツを1回転させたときに、水がこぼれ落ちないのはなぜかを知ることができます。
物理で学ぶ分野の中では、最もイメージしやすい内容です。
分野②波動
波動とは、音や光の仕組みについて学ぶ分野です。
「海の波は知ってるけど、物理で言う『波』ってなんだろう」と疑問に思ったことはありませんか?
実は、物理で言う波の正体は、音や光といったものなのです。
この分野を学ぶことで、救急車のサイレンの音が高く聞こえたり、低く聞こえたりする現象の謎を知ることができます。
分野③熱力学
熱力学とは、気体と熱の関係について学ぶ分野です。
気体と熱の、一方の変化がもう一方にどう変化を及ぼすか、などといったことを学びます。
例えば、袋の中の気体を熱するとどうなるか、袋がどうなるかを想像してみてください。
答えは、ふくらむです。
ふくらむ理由は、袋の中の温められた空気が激しく動き始めたからです。
このことから、気体を熱すると気体の体積は増えるという関係が見えてきます。
分野④電磁気
電磁気とは、その名の通り、電気や磁気について学ぶ分野です。
回路に電気が流れる仕組みやフレミングの左手の法則などの磁石にかかわる法則について学びます。
この分野を学ぶことで、「電気ってそもそも何?」「発電所ってどうやって電気をつくってるの?」といったような、素朴な疑問を解決することができます。
分野⑤原子
分野①~④で学んだ内容を使って、原子の謎を解き明かす分野です。
原子の構造、放射線、核分裂などについて学びます。
この分野を学ぶことで、医療で使われているX線や、人体に悪影響を及ぼすガンマ線などについて、より深く理解できるようになります。
しかしながら、大学受験に限定して考えると、ほとんどの大学・学部では出題頻度が少なく、それほど真剣に勉強しなくてもよい部分でもあります。
ただし例外的に、理学部では小問として原子の各分野が、医学部では大問として特に原子物理学が、毎年出題されています。
大学受験を考えるなら、志望校の過去問をしっかり見て、詳しい人にも相談しながら、どこまで真剣に勉強するかをよく考えることが大切です。
物理の誤った勉強法3つ
この章では、理解が深まらない、成績が伸びない勉強法について解説します。
今のあなたがこうした勉強法をしているようなら、少し注意が必要です。
そして、この機会に自分の勉強法を一度振り返ってみてください。
ダメな勉強法①公式を暗記するだけ
物理には、さまざまな公式があります。
公式を覚えることは重要ですが、公式を暗記するだけの勉強では、物理はできるようになりません。
公式を覚えるだけでは、公式の使い方が分からないからです。
物理では、公式の意味や適用条件(いつ、どのように使うか)を理解することが、非常に大切です。
ダメな勉強法②単位・文字を無視している(理解していない)
物理には、さまざま な単位と文字が出てきます。
単位・文字は、物理量の意味や成り立ちを表しています(物理量とは、距離、質量、温度などを総称したものです)。
単位と文字の多さに混乱する人がとても多いのですが、単位・文字を無視していると、物理の理解は深まりません。
単位の例には、時間を表す秒(s)、距離の長さを表す距離を表すメートル(m)、質量を表すキログラム(kg)などがあります。
文字の例には、速さを表す「v」、加速度を表す「a」、時間を表す「t」などがあります。
「単位・文字まで考える(書く)のはめんどくさい」と、無視して勉強していないでしょうか?
単位・文字を理解しないと、問題が聞いている意味や、問題に出てくる数字の意味がわからないために、問題が解けないのです。
ダメな勉強法③問題を自分で解かない
問題を自分で解かない勉強法も、物理の成績は上がりません。
物理が苦手な人の中には、自分自身で問題を解かず、問題と解答を見て満足する人がいます。
問題を解かずに解答を読むと、その場ではわかったつもりになることはできます。
しかし、自分で問題を解かなければ、(公式の適用条件、単位・文字なども含んで、)物理の勉強・理解は定着しないのです。
物理を勉強するときの4つのポイント
この章では、物理の理解を深められ、成績を上げるられる勉強法について解説します。
これから開設するポイントを意識して勉強を続けると、誤った勉強法が修正され、自然と物理の理解が深まっていきます。
ポイント①事象のイメージをつかもう
さきほど紹介した、物理で学ぶ5つの分野を思い出してみてください。
全ての分野が、現実で起こっていることを扱っていますよね。
つまり、物理では事象(現実で起こったこと)をイメージする力が問われるのです。
イメージする力がつくと、この問題は何を聞いているのかがわかるようになり、問題の理解が深まり、解きやすくなるのです。
では、事象のイメージをつかむには、どうしたらよいのでしょうか?
一つ目の方法は、図を描くことです。
物理では、問題に図が与えられていなかったり、与えられていても小さくて見にくかったりすることがしばしばあります。
そんな状態では、事象を正確にイメージすることはできません。
問題をひととおり読んだら、まず図を描くことをクセにしましょう。
自分が見やすい図を描くことで、問題がグンと解きやすくなります。
なお、特に記述解答を求められる大学受験という観点では、自分の理解のための図ではなく、採点をする人が見やすいような図を描くことが必要です。
1か月後の自分が見返したときに理解できるレベルの図を描くことを心掛けてみてください。
二つ目の方法は、イメージ重視の参考書を読むことです。
書店には、物理のイメージの部分を重視した参考書が、たくさん並んでいます。
例えば東進ブックス「橋元の物理をはじめからていねいに」(橋元淳一郎/著)シリーズは、徹底的にイメージをふくらませるような工夫が施されています(他にも、オススメの参考書は後でまとめて紹介します)。
こういった参考書を頼ることは、イメージをつかむ手助けとなります。
特に電磁気や熱力学といった、イメージがつかみづらいと言われる分野を勉強するときには、非常に役立ちます。
ただし、人によってはそうしたイメージが理解の邪魔になる人もいます。
イメージの中で利用される比喩表現などによって、逆に難しく感じることもあるのです。
一度イメージを重視した参考書や問題集を見て、自分に向いていないと思ったら、「チャート式物理」などのテキストを重視したものに切り替えましょう。
ポイント②単位・文字を意識しよう
先ほど、単位・文字を意識しないと理解が深まらないとお伝えしました。
つまり、単位・文字を意識すれば、言葉の意味を理解しやすくなり、計算式を立てやすくもなるのです。
単位と文字が何を表すのかを、一つひとつ丁寧に確認することで、どの公式が使えるかも判断しやすくなります。
実際に単位・文字を扱うときは、以下のような方法がオススメです。
- 文字の後ろに単位を書く
- 図にも単位・文字を入れる
- 大事な単位・文字には目印をつける
ここでは、単位を理解する例として、[m/秒]を見ていきましょう。
これは、1秒あたりに何メートル(m)進むという速さを表す単位です。
[m/秒]の中の「/(斜め線)」に注目してください。
実はこの斜め線は、分数の横線と全く同じ意味です。
したがって、m/秒=m÷秒が成り立ちます。
つまり、以下のようになります。
- 速さ[m/秒] =道のり[m]÷時間[秒]
これは、いわゆるみはじの公式そのものです(みちのり、はやさ、じかんの頭文字をとって、みはじの公式と言います)。
単位を意識することで、時間や速さなど、イメージしづらい物理量を分かりやすく捉えることができるようになります。
速さ以外の全てでも、単位・文字が物理量の意味や成り立ちを表していることは同様です。
お得なことだらけですので、これから物理を勉強するときは、単位・文字を意識してみましょう。
次に、特に単位を理解するための例題を示します。
現時点で「物理が苦手」と思っている人には少し難しいかもしれませんので、現時点では何を言っているのかわからなくても大丈夫です(読まずに、次項ポイント③公式の意味を理解しように進んでもOKです)。
ただ、単位を理解すると物理の理解も深ま」ということを示す内容ですので、時間に余裕があるようなら、後でじっくり読んでみてください。
熱容量42 J/Kの物質を5 K(ケルビン)上昇させるのに必要な熱量は何J(ジュール)か?
熱容量という慣れない言葉が出てきました。
早速、単位を意識して読み解いていきましょう。
まず基本単位について説明すると、以下のとおりです。
- J(ジュール)…熱量(エネルギー)を表す単位
- K(ケルビン)…絶対零度(―273.15℃)を0 Kと定めた温度の単位
次に、先ほど紹介した速さの単位「m/秒」を振り返りながら、熱容量の単位「J/K」について考えると、以下のようになります。
- m/秒は、1秒あたりに○○m(メートル)進む
- J/Kは、1K(ケルビン)あたりに○○J(ジュール)の熱量
したがって熱容量は、以下のようなことを表しています。
- 「温度を1K(ケルビン)上昇させるのに、何J(ジュール)の熱量が必要か」
見事、熱容量という言葉の意味を単位から読み取ることができました。
ここまでくれば、問題の方も解けるようになっています。
熱容量が42J/Kなので、温度を1K上昇させるのに42Jの熱量が必要。
5K上昇させたいので、42[J/K]×5[K]=210[J]。
よって、答えは「210J(ジュール)」。
ポイント③公式の意味を理解しよう
公式の意味を理解することで、物理の理解も深まっていきます。
公式を丸暗記するのではなく、この公式にはこういう意味があり、そのためにどんな構成になっているということを理解しましょう(前項の事象のイメージとも似ていますね)。
その上で、問題文中で○○が成り立つときはこの公式が使えるという条件を把握しておくと、解答がサクサクつくれます。
物理の参考書の多くが、公式の適用条件を上手くまとめてくれているので、公式そのものと合わせて必ず確認しておきましょう。
具体的として、ポイント③でも登場したみはじの公式の適用条件を紹介します。
みはじの公式は、文字で表すと、以下のとおりです。
- x=vt
それぞれの文字は、以下のような意味があります。
- x…道のり、単位はm(メートル)
- v…速さ、単位はm/秒
- t…時間、単位は秒
まさに、「道のり=速さ×時間」を表していますね。
実はこのみはじの公式は、速さが一定のときしか使えません。
速さが一定じゃないときは、時間ごとに速さが変化する、すなわち加速度が働いているということなので、みはじの公式とは違う公式を使う必要があります(加速度とは、先ほども説明したとおり、物体の速度変化の割合のことです)
つまり、「x=vt」という公式の適用条件は、速さが一定のときです。
この適用条件を忘れると、何でもかんでもみはじの公式に当てはめて解こうとし、誤った答えを導き出すことになるので注意してください。
具体的に、公式の適用条件は以下のように使います。
自動車が一定の速さ15m/秒でまっすぐに進むとき、4.0秒間での移動距離xは何mか。
「一定の速さ15m/秒」というところに注目してください。
みはじの公式の適用条件、速さが一定のときを満たしています。
よって、x=vt(道のり=速さ×時間)公式を使うことができ、以下のように考えられます。
x=15[m/秒]×4.0[秒]=60[m]
以上の式を計算して、移動距離は60m。
一方で、みはじの公式が使えないのは、以下のような問題です。
一直線上を10m/秒で進んでいた自動車が、ある点から3.0m/秒2の加速度で2.0秒間加速した。加速し始めてからの移動距離xは何mか。
3.0m/秒2の加速度というのは、1秒間で3.0m/秒だけ速さが増えるという意味です(加速度の単位[m/秒2]については、今はわからなくても大丈夫です)
問題1と違って1秒ごとに速さが増えているので、速さが一定ではありません。
先ほども言ったように、速さが一定でないときは、みはじの公式は使えません。
つまり、「x=vt」の公式を使って、x=10[m/秒]×2[秒]=20m(10m/秒の速さで2秒進んだから20m進んだ)と考えるのは、間違いになります。
そこで、別の公式、具体的には等加速度直線運動の公式を使って解きます。
ここでは、実際に解くことはしませんが、等加速度直線運動は物理の最初の範囲に含まれるので、気になった人は勉強してみてください。
(ちなみに、問題1・問題2は、「四訂版 リードLight物理基礎」という問題集に掲載されています)
ポイント④一問一問を丁寧に解こう
問題を一問一問を丁寧に解くことも、物理ができるようになる方法です。
実は、物理の解法パターンは、数学ほど多くはありません。
したがって、一つひとつの問題(解き方)をしっかり定着させていくことで、たくさんの問題を解けるようになるのです。
とは言え、やみくもに問題数をこなすのではなく、良問といわれる質の高い問題をとことん味わいましょう。
余裕がある場合は、いわゆる別解を考えてみましょう。
同じ事象をさまざまな角度からとらえることで、物理の力はグンと上がります(なお、大学受験のための勉強という観点では、別解を考えるのは、偏差値的にいわゆるマーチ以上の大学を狙う人でOKです)。
一問一問を丁寧に解くということを覚えておきましょう。
タイプ・レベル別オススメ参考書(勉強ルート)
この章では、物理のおすすめの参考書(タイプ別・レベル別の勉強ルート)を、メリット・デメリットと合わせて解説します。
物理は、指導者によって、問題の解釈やアプローチ・解法が違っています。
したがって、できるだけ同じ著者の参考書を使うと、物理の勉強がしやすくなるのです。
ただ、参考書は少し高額ですので、中身を見ずにいきなり買うのはためらわれるかもしれませんね。
以下のような方法を試すと、より効果的に自分に合うルートや参考書を見つけることができます。
- 学校や学習塾にあったり友達が持っていたりするなら一度見せてもらう
- 先生に自分に合っていそうなものはどれかを聞いてみる
- 本屋で立ち読みしてみる
- ネットオークションや古本屋に安いものがあったら試しに買ってみる
私たちキズキ共育塾でも無料相談を受け付けていますので、気になるようならお気軽にご連絡ください。
①初心者向け、『はじめからていねいに』ルート
物理初心者には、以下の参考書(ルート)がオススメです。
- 名人の授業シリーズ 橋元の物理をはじめからていねいに【改訂版】
(『力学編』、『熱・波動・原子編』、『電磁気編』の3種類) - イメージでわかる物理基礎&物理 橋元流解法の大原則
(『力学・波動編』、『電磁気・熱・原子編』の2種類) - 物理レベル別問題集
(『1基礎編』、『2標準編』、『3上級編』の3種類)
著者は、東進ハイスクール講師の橋元淳一郎さんです。
『はじめからていねいに』で物理に慣れた後に、『解法の大原則』で問題の解き方を学び、『レベル別問題集』で実際の演習を行う、という流れです。
最終到達地点は、センター試験レベル、いわゆるマーチレベルです。
・図が豊富でイメージしやすい
・説明が分かりやすいので初心者でも安心
・難関大学を目指す場合も、物理を理解する最初の一歩として役立つ
・これらの本だけで難関大学レベルに到達するのは難しい
・比喩表現が苦手な人には読みにくい場合がある
②難関大学向け、『物理のエッセンス』ルート
初心者レベルではなく、難関大学の受験や、物理を学ぶ大学・学科への進学なども視野に入れて、物理を本格的に学びたい人に向いているルートです。
物理のエッセンス 四訂版
(『力学・波動編』、『熱・電磁気・原子編』の2種類)- 良問の風 改訂版
名問の森 三訂版
(『力学・熱・波動Ⅰ』、『波動II・電磁気・原子』の2種類)
著者は、河合塾講師の浜島清利さんです。
『エッセンス』で土台を固め、『良問の風』→『名門の森』とレベルを上げていく流れになります。
最終到達地点は、いわゆる早慶国公立大クラスです。
マーチクラスを志望する人は、『②良問の風』の次は、各大学の過去問に進んでください。
・物理の本質が学べる
・難関大とも戦える実践力が身につく
・エッセンスのレベルが高めなので、初心者には不向き
・他のルートの参考書に比べると、殺風景でとっつきにくい
③解法テクニック重視、『物理が面白いほどわかる』ルート
解法のテクニックを重視して学びたい人にオススメのルートです。
漆原晃の物理基礎・物理が面白いほどわかる本
(『力学・熱力学編』、『電磁気編』、『波動・原子編』の全3種類)- 漆原の物理(物理基礎・物理)明快解法講座 四訂版
- 漆原の物理 最強の99題 四訂版
- 難関大入試 漆原晃の 物理[物理基礎・物理]解法研究
著者は、代々木ゼミナール(代ゼミ)講師の漆原晃さんです。
『面白いほどわかる』『明快解法講座』で基礎固めをして、その先の『最強の99題』と『解法研究』で応用力を養うという流れです。
最終到達地点は、マーチ〜早慶国公立大クラスです。
・物理の本質の部分とイメージの部分をバランスよく学べる
・本格的でありながら、くだけた表現で分かりやすく独学向き
・漆原流の解法テクニックが満載
・漆原流の独特な解法が合わない人がいる
・全4冊と、必要な参考書が多い
④プラスαの参考書
最後に、ここまでで紹介したルート以外の、単発で参考になるプラスαの参考書を、それぞれの特徴も合わせて紹介します。
初心者向けのものを一度読んでみたり、また以上のルートに追加したりすることで、より物理の理解が深まっていくでしょう。
■宇宙一わかりやすい高校物理
初心者にオススメの、物理の入門書です。
本のタイトル通り、説明がとてもわかりやすいです。
実物を見るとその分厚さに驚きますが、左ページが説明で、右ページはイラストのみとなっているので、サクサク読み進められます。
初心者向から利用できる、レベル別問題集です。
簡単な問題もありますし、大学受験レベルの問題も載っているので、自分のレベルや目標に合わせて利用できます。
本は、問題編と解答編に分冊されています。
『エクセル物理』を理解できれば、いわゆる日東駒専レベルはOKです。
『エクセル物理』と同じく、初心者から日東駒専レベルまで利用できる、レベル別問題集です。
問題編と解答編に分冊されていることも同じです。
ただ、このセミナー物理は、基本的には学校の先生じゃないと購入できません。
メルカリなどのオークションサイトにはあるかもしれませんが、必ず手に入るわけではないため、注意が必要です。
学校で利用されている教科書の内容に対応した、簡単な問題が多い問題集です。
物理の基本が理解できます。
高校の定期テストレベルの内容です(学校にもよりますが)。
大学受験についても、いわゆる日東駒専レベルには対応しています。
ただし、問題文や解説文や丁寧ではありません。
家庭教師や個別指導塾など、この本を元に教えてくれる先生がいると、より理解できると思います。
■物理レベル別問題集
先ほども紹介しましたが、改めて紹介します。
その名のとおり問題集であり、『1基礎編』は、中学理科からの復習内容です。
簡単な問題がたくさんあって、橋元淳一郎さんの他の著書(解説本)」ともリンクしています。
『2標準編』は、『1基礎編』よりもちょっとレベルが高く、日東駒専レベルに対応しています(先ほどご紹介した『リードLightノート』と同じくらいです)。
1・2ともに、反復練習が可能です。
ただ、高校物理の全てをカバーしているわけではない点に注意が必要です。
また、各問題に関連してちょっとした解説が記載されているのですが、比喩表現が多いために、逆にわかりづらいという意見もあります。
こちらは問題集ではなく、高校の教科書と同じような内容の本です。
教科書には相性がありますので、ご自分の高校の教科書があまり合っていないと思うようなときに、読んでみるとよいでしょう。
教科書レベルの例題などが解けるようになった後に、大学の過去問を解くために使えます。
偏差値的には、東海大学・日大・東洋・工学院大学・東京都市大学・神奈川大学・城西大学などのレベルに対応しています。
他の参考書に比べて問題数が多く、また良問や頻出問題ばかりが収録されています。
ひたすら問題を解きたい人におすすめの問題集です。
ただし、解説部分が少し丁寧ではない、見た目も殺風景でとっつきづらいと感じる人もいます。
こちらも、偏差値的にはマーチレベルの大学を狙う人に向いています。
マーチよりも上の偏差値の大学を狙う場合は、『名門の森』がオススメです。
難関国立大学や私立医学部の良問を例題に使っています。
また、解説も詳しく、難関大学対策に使えます。
■難問題の系統とその解き方 物理 新装第3版
『力学・熱・波動編』、『電磁気・原子編』の2種類があります。
いわゆる難関大学の志願者には定番の、伝統的な質の高い問題集です。
東大、京大を目指す人たちにも長く愛されています。
今回紹介する中では、最もハイレベルなものになります。
解説はそこまで詳しくありませんが、掲載されている問題は良問ばかりです。
こちらは、本ではなくウェブサービスです。
授業を受けて、問題を解くという仕組みです。
レベル的には、先ほど紹介した『リードLightノート』と同じくらい(基本〜定期テスト〜日東駒専レベル)でしょうか。
特に教科書の黙読よりも、動画視聴の方が理解しやすい人にオススメです。
ただ、答えに解説や途中経過がなく、数字だけしか示されていない場合もあります。
まとめ~自分に合った物理の勉強法を見つけましょう~
物理では、覚える公式はさほど多くはありません。
しかしながら、現象を正しく理解し、適用できる公式を上手く選択していく過程がひとつの壁となり、物理の勉強を難しくしています。
一度この壁を乗り越えれば、物理は安定して高得点を狙える得意科目に変わっていきます。
このコラムがその手助けになっていれば、幸いです。
もし、「やっぱりどう勉強したらいいか分からない」「独学は不安」「途中で行き詰ってしまった」ということがあれば、私たちキズキ共育塾まで、お気軽にご相談ください。
あなたのための物理の勉強法を、一緒に考えていけると思います。
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