作文が上手く書けるコツを解説!原稿用紙、言葉遣い、段落構成を解説

こんにちは。完全個別指導塾・キズキ共育塾の佐野澪です。
あなたは、「作文」と聞くと、どんなことが思い浮かびますか?
作文を書くのが得意・好きな人がいる一方、面倒くさい、好きじゃない・苦手だ!という人も多いかと思います。
- 「何をどう書けばいいのかわからない」
- 「書く内容が浮かばない」
- 「そもそもの書き方がわからない…」
このコラムは、そんなあなたに向けて、作文の基本やコツ、苦手克服のためのお役立ち情報を伝えます。
自分の考えや気持ちを書いて自由に表現できると楽しいですよ。
いまこの記事を読んでくれているあなたの重たいココロが、ちょっとでも軽くなればうれしいです。
目次
作文の基本をマスターしよう〜2つの基本で読みやすさアップ!〜

作文とは、カンタンにいうと、「学校や塾で書いている体験文や感想文」を指します。
「自分の気持ちや考えを伝えるための文章」のことですね。
つまり、「自分の気持ちや考え」を書いたなら、それだけで「作文」です。
むずかしく考えすぎる必要はありません。
ですが、自分の気持ちや考えを読んだ人に正確に理解してもらうためには、より適切な表現が必要であり、そのためにいくつかのルールがあるのです。
まずは作文の基本的なことがらについて、学習していきましょう。
ポイント①原稿用紙の使い方
ではさっそく、「原稿用紙の基本的な使い方」を確認していきましょう。
次の作文を見てください。
画像クリックで大サイズ版が開きます。

画像中の赤い数字が、次のルールと対応しています。
- 題名は、最初の行に、上を2~3マス空けて書く。
- 名前は、二行目(題名の左の行)の下に書く。
苗字と名前の間は一マス空ける。
一番下のマスも空ける。 - 段落のはじめは、一マス空けて書く。
- 小さい文字【ゃゅょっ】、句読点【。、】、かぎかっこ【「」】は、一つのマスに書く。
- 句読点【、。】は、行の文頭にこないようにする(前の行の最後の文字と同じマスに書く)。
- 会話文のときは行を変えて、かぎかっこ【「】を文の頭に書く。
- リーダ【…】」とダッシュ【ー】は、ふたつ重ねる(1マスに一字×2マス)。
- かぎかっこを閉じるときには、閉じかっこ【」】と句点【。】を一緒のマスの中に入れる。
- 感嘆詞【!、?】の後は、1マス空ける。
あくまで基本であって、「この使い方以外は認めない」というルールではありません。むずかしく考えすぎないでくださいね。
- ※宿題や受験などでは、「厳密に従うべき、独自のルール」がある場合もあります。厳密なルールがあるかどうかは、先生や受験先の学校に確認しましょう。
ポイント②表現や言葉づかいの方法
原稿用紙の使い方に従いつつ、文章の表現や言葉づかいに気をつけましょう。
表現や言葉づかいのルールが上手な文は、あなたの気持ちが読んだ人により伝わります。
■1:読点を上手に使おう
書き言葉で大切な読点。
読点とは「、」のことです。
適切な位置で読点を打つことで、読みやすく、意味も伝わりやすくなります。
「どこで打ったらいいの?」という疑問も多く聞かれますが、ポイントは、意味の切れめで打つことです。
もしわかりづらかったら、文章を音読してみて、息つぎをするタイミングで打ちましょう。
■2:文体を統一しよう
常体(〜だ、である)と敬体(〜です、ます)を混ぜて使っていませんか?
これらの文体は、会話文を除いて、混ぜてはいけません。
ひとつの作文の中では、常体と敬体はどちらかに統一しましょう。
■3:主語と述語を対応させよう
主語(〜は、〜が)と述語(〜である、〜する)は、対応させるようにしましょう。
対応というとむずかしいかもしれませんが、主語(A)と述語(B)が一致する、つまり「A=B」の関係ならOKです。
たとえば、次のような書き方です。
- 月がきれいだ : 月=きれいだ
- 月がかがやく : 月=かがやく
- 「私の夢は、お花屋さんになることです。」
(私の)夢=(お花屋さんに)なることなのでOK。 - 「私は、お花屋さんになりたい。」
私=(お花屋さんに)なりたいなのでOK。
NG例には、次のようなものがあります。
- 「私の夢は、お花屋さんになりたい。」
(私の)夢≠(お花屋さんに)なりたい
と、主語と述語が一致していないのでNG。
■4:かかる語と受ける語は近づけよう
国語の文法で、「かかる」「受ける」という言葉を聞いたことがありますか?
修飾語と被修飾語の関係…というと、なんだかむずかしいですね。
「ある語を説明することば」
「ある語に説明されることば」
と考えてみてください。
かかる語と受ける語は、近づけた方が読みやすくなります。
たとえば、「カンタンな料理についての本」という文で考えてみましょう。
この書き方だと、「カンタンな」ということばは、「料理」と「本」のどちらにかかるのか、わかりづらいですよね。
次のように、ふた通りの解釈ができます。
【①:カンタンな「料理についての本」】
→料理全体について、カンタンな説明をする本
【②:「カンタンな料理」についての本】
→目玉焼きなど、カンタンな料理を紹介する本

もし「本がカンタン」であれば、かかる語「カンタンな」と受ける語「本」を近づけて、「料理についてのカンタンな本」と書きましょう。
「料理がカンタン」であれば、「カンタンな料理を紹介する本」のような書き方が考えられます。

作文のコツをつかもう〜3つの準備で楽に書ける!〜

基本をマスターしたら、次はコツを覚えましょう。
あなたは、「作文を書きなさい」と言われたらどうしていますか?
いきなり文章を書こうとしていませんか??
ちょっと待った!
原稿用紙に書きはじめる前に、カンタンな準備をしましょう。
めんどうに思うかもしれませんが、その方が楽に書き上げることができますよ。
次の3つのステップ(ポイント③〜⑤)に分けて準備をしましょう。
今回は、「春休みの思い出」という主題の作文を例にしつつご紹介します。
ポイント③テーマに関連することばや体験を考える
まずは、主題に関係する考えを思い浮かべます。
自由に連想すればOKですが、思いつかないこともあるでしょう。
そんなときは、「5W1H」で考えてみましょう。
「5W1H」とは、以下の項目の頭文字です。
- Who:誰が・誰と
- When:いつ
- Where:どこで
- What:何を
- Why:なぜ
- How:どのように
「春休みの思い出」の作文を書く場合、「楽しかった、ある一日」を思い出した上で、5W1Hの項目別にメモします。
「お花見をしたあの日は楽しかったなあ…」と思い出したなら、次のように、その内容を項目に分けるのです。
- 主題:春休みの思い出
- 主題に関係する考え:お花見をした日
- Who(誰が・誰と):自分と家族が
- When(いつ):桜が満開のころに
- Where(どこで):家の近所の、桜がきれいな公園で
- What(何を):お花見を
- Why(なぜ):お父さんが見たがっていたから
- How(どのように):シートを広げてお弁当を食べながら
この準備によって、「書く内容」がだんだん決まってきます。
ポイント④段落構成を考える
書く内容が決まってきたら、つぎは段落構成を考えましょう。
「段落」というのは、意味や話題のカタマリのことです。
一般的には、「一つの段落に書くメッセージは1種類」という基本があります。
話題を変えるときは、段落も変えましょう。
逆に言うと、話題と流れを考えると、段落構成も決まってきます。
また、段落数が決められている場合には話題の数を当てはめれば構成ができます。
今回は、次のように分けてみます。
- 思い出が花見であることを伝える段落
- 花見をする経緯を伝える段落(一番伝えたい段落)
- 花見の様子を伝える段落
段落構成のコツについては、後の「構成編」にくわしく書いてあるので、読んでみてくださいね。
ポイント⑤各段落に大まかな字数をわりあてる
段落構成が決まったら、各段落の文字数を決めましょう。
だいたいでよいので、「この段落には◯◯◯字くらい」と、各段落の文字数を決めておくのです。
この作業をしておくと、「書きたいことを書ききれないないうちに 原稿用紙が埋まってしまった!」という失敗がなくなります。
また、伝えたいことのバランスがとれて、読みやすい作文になりますよ。
今回は、次のように、大まかな配分を決めました。
- はじめの段落は40字
- 一番伝えたいことを書く段落は300字
- おわりの段落は60字
このような準備を経て、作文のルールに従って書いたものが、最初に紹介した作文です。
もう一度掲載しますので、ルールや準備も意識しながら読んでみてください。

作文のステップアップ〜練習を重ねて上手くなろう!〜
ご紹介した5つのポイントを踏まえると、作文が上手に書けるようになります。
ここからは、作文をより上手に書くための、ステップアップの方法を紹介します。
キズキ共育塾の授業で実際に効果のあった方法ですので、
ぜひ試してみてください。
①パターンにあてはめて練習しよう

キズキ共育塾のK講師は、「パターンにあてはめて、 たくさん作文を書くことが大事」だと言います。
パターンの中での表現力が上がります。また、たくさん書くうちに、パターンを崩してもだんだん書けるようになります。
まずは、パターンの中で、自分の持っている知識や言葉で書いてみましょう。
足りないものは、あとから身につけていけばよいのです。
「作文のパターン」はいくつもあるのですが、今回は、「起承転結パターン」で、読書感想文を書くという設定で、具体例をあげてみます。
■起承転結の4段落構成
「起承転結」の4段落構成で書く、と決めてから取り掛かります。
それぞれの段落の意味は次のとおりです。
- 【起…背景】
読んだことのない、知らない読者に対して物語を理解してもらうための段落。
話のあらすじや、内容の理解に必要な知識を読み手に提供する。
このあとに自分の考えに持っていくための入り口部分。 - 【承…問い】
その物語を読んで、自分の感じた疑問をかかげる段落。 - 【転…主張】
問いに対する自分の思いや考えを書く段落。
理由や根拠もここで書く。
具体例をあげてもよい。 - 【結…要約】
これまでのまとめや再主張をする段落。
以上のパターン(段落構成)を、「桃太郎」の読書感想文に当てはめてみます。
- 【起】川で拾われ、桃から産まれた桃太郎が、鬼ヶ島で悪さをしている鬼を退治に行く話
- 【承】おばあちゃんが重たそうな桃を持って帰れた理由はなんだ?
- 【転】おばあちゃんは筋肉があったから。なぜ筋肉があったからというと〜…
- 【結】5〜6キロあったであろう桃を持って帰れたおばあちゃんはすごい
このように、パターンに基づいて構成を作成し、文章にまとめます。
完成した作文は、次のとおりです。画像クリックで大サイズ版が開きます。

②思考を図にして、発想をふくらませよう
次に、筆者自身が教えている作文の練習法をご紹介します。
私が生徒さんに作文の授業を行う際には、与えられたテーマに関して浮かんだことを、一緒に紙に図式化する作業をしています。(ちなみに、この作業は、準備の章で述べた「ポイント③テーマに関連することばや体験を考える」にあたります)
「作文の手順」でも説明したように、いきなり文章を書かずに、一度頭の中を整理することが大切です。
書く紙は、ノートでもいらない紙でも、なんでもかまいません。
中心となるワードは何か?
それに関連するワードは何か?
自分の体験とどう関連づけられるか?
など、思い浮かぶことをどんどん図にしてみましょう。
なぜ図にするかというと、文章化するよりも、アイデアがふくらみやすいからです。
「高校生活の夢」というテーマの作文で考えた例が、次の図です。

頭の中だけで考えるよりも、いきなり文章にするよりも、きっと構成を考えやすくなります。
③問題集などを利用しよう
最後に、作文力が身につく、筆者オススメの2冊を紹介します。
作文が苦手な人はもちろん、得意な人が読んでも参考になるはずです。
■ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集〔小学生版〕(大和出版)
【こんな人におすすめ】
→国語の基礎力をつけたい、
文章を書くのに慣れたい!
この問題集では、言葉を話したり、書いたりするために、「言い換える力」「比べる力」「辿(たど)る力」の3つの力を身につける練習ができます。
たくさんの短文を、さまざまな型にはめて書いていくことで、文章を書く力が身につきます。
■2:天声人語書き写しノート(朝日新聞社)
【こんなひとにおすすめ】
→語彙を増やしたい、
要約力を高めたい、
構成力をつけたい!
「天声人語」とは、朝日新聞の朝刊に毎日掲載されている600字程度の作文です。
人の作文を毎日書き写し、知らない漢字や言葉を調べることで、文章の構成力やリズム、語彙力、構成力が身につきます。
また、毎日続けることによって、世の中の出来事もわかります。
私たちキズキ共育塾は、「お悩みのあるあなた」のための、完全個別指導塾です。進路/勉強/受験/生活などについて、無料相談ができます。大学合格実績多数。お気軽にご連絡ください。
フォームで問い合わせ「作文が上手くなる方法」について、キズキ共育塾の講師のアドバイス
この章では、「作文が上手くなる方法」について、個別指導塾・キズキ共育塾の講師たちからのアドバイスを紹介します。
生徒さんに作文や小論文を日々教えている講師の「生の声」ですので、きっと参考になると思います。(これまでの内容もキズキ共育塾の知見に基づくものであるため、一部重複する部分もあります。また、講師名は仮名の場合もあります)
また、私たちキズキ共育塾の無料相談では、「実際のあなた」のための、より具体的なアドバイスが可能です。ぜひご相談ください。
近藤翔平講師のアドバイス
マンガの感想などで練習する
好きなマンガや映画やアニメを読んだ・観た後に、感想や印象に残ったシーンを箇条書きで書いてみましょう。いくつか書いたら、それらをつなげて文章にしてみましょう。
作文が苦手な人にありがちな悩みに、「何から書いたらよいかわからない」ということがあります。この方法で「書くことを先に用意してから、文章を作成する」という練習をしていくと、少しずつ書けるようになります。
最初は文を上手くつなげられないかもしれません。でも、それは当然のことですので、心配しなくて大丈夫です。文(章)の書き方は、書いた文を自分で読んでみたり、親や先生に読んでもらったりすることで、上手くなっていきます。
「なるほど。先に意見を言って、その後に理由を書くと読みやすくなるな」
「シーンや話題が変わるときは、段落を変えるといいんだな」
などと、経験を積み重ねましょう。
また、国語の教科書に書いてある文章や書店で見かける小説などは、一流の文章家が書いたものです。宝の山だと思ってどんどん参考にしましょう。
まとめ〜自分の気持ちを上手に表現しよう〜

作文の基本やコツについてお伝えしてきました。
ここまでのポイントをおさらいしましょう。
作文とは、自分の考えや気持ちを伝える文章のことです。
基本的なルールを理解できると、自分の考えを相手により適切に伝えられます。
作文を書くときは、まず、①原稿用紙の基本的な使い方を理解しましょう。
基本を守れば、あまり完ぺきに使いこなせなくても大丈夫です。
次に、②表現や言葉づかいの方法を身につけましょう。
句読点の打ち方、
文体の統一、
主語と述語の対応、
かかる言葉と受ける言葉の位置、
などに気をつけると、わかりやすい文章を書くことができます。
原稿用紙に書きはじめる前に、カンタンな準備をすることが、作文を書くコツです。
③テーマに関連することばや体験を考える
④段落構成を考える
⑤各段落に大まかな字数をわりあてる
のポイントを順番どおりに準備すると、作文を書きすすめるのがラクになります。
ここまでの5つのポイントを踏まえれば、作文を書くことはむずかしくありません。
作文をより上手に書けるようになるには、次のような方法があります。
・パターンにはめてたくさん書く
・思考を図にしてみる
・問題集などを使う
どうでしたか?
「作文、キライ!」という重たいココロが、すこしは軽くなりましたか?
あなたが楽しく作文を書けるよう、願っています!
さて、私たちキズキ共育塾は、完全個別指導で授業を行う学習塾です。
作文の授業も、もちろん完全個別指導です。
作文をうまく書けるようになりたい、
入試科目の作文に自信がない、
他の人と一緒に作文を書くのは恥ずかしい…、
などの希望や不安があるようでしたら、お気軽にご相談ください。
(相談は無料です)
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