逃げたい気持ちはなぜ起こる? 逃げたいと思う原因と対処法を解説

こんにちは。生徒さんの勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする完全個別指導塾・キズキ共育塾の宮野唯です。
生きていると、「辛い現実から逃げたい」「何もかも捨てて逃げたい」などと思う出来事にぶつかることはありますよね。
思うままに逃げられれば苦労しないものです。
いざ、逃げようと思っても「自分が弱いだけなんじゃないか」「甘えているだけかも」と踏ん切りがつかないこともあるでしょう。
このコラムでは、逃げたいと思う背景、原因、対処法について解説します。
このコラムを読んで、「逃げたい」と思う苦しい気持ちを抱えるあなたが、次の一歩を見つけられたら幸いです。
私たちキズキ共育塾は、なにかから逃げたい人のための、完全1対1の個別指導塾です。
10,000人以上の卒業生を支えてきた独自の「キズキ式」学習サポートで、基礎の学び直しから受験対策、資格取得まで、あなたの「学びたい」を現実に変え、自信と次のステップへと導きます。下記のボタンから、お気軽にご連絡ください。
目次
逃げたいと思う背景
この章では、逃げたいと思うとき、どのような状況に置かれていて、どのような心理状態なのかを紹介します。
背景①逃げたくても逃げることができない
逃げたいと思っても、自分の判断だけでは逃げられない場合があります。
一家の大黒柱で家族を養わないといけないため、仕事から逃げられない、という例がわかりやすいでしょう。
大切な人を守らなくてはいけないから、仕事がつらくてもやめられないという心境です。
背景②逃げることができないと思い込んでいる

逃げる余地が本当はあるのに、逃げられないと思い込んでいる場合があります。
社会人の場合
- 責任ある立場にあるので、仕事や部下を放りだすなんて考えられない
学生の場合
- せっかく受験して入った学校なので辞めにくい、もったいない
- 部活動をやめたいが、やめた後の気まずさを想像すると思い留まってしまう
会社であれば異動や転職、学校であれば転校など、逃げる先が本当はあるのに、未練や責任感から「逃げられない」と決めつけるのです。
私の見聞きした「逃げたい」と思っている人の中では、このケースがとても多いです。
背景③消えてなくなりたいと思うけど口にできない、実行できない
「逃げたい」のではなく、「消えたい」「死にたい」「人生を終わらせたい」ほどの強い気持ちを持っているけれど、「逃げたい」という言葉で代用している場合があります。
「消えたい」「死にたい」という言葉は、言葉自体にネガティブなイメージが強いですよね。
実際に口にしたら、まともに取り合ってもらえないんじゃないか、周囲に心配をかけるんじゃないか、という不安があります。
口に出すことで気が楽になることもあるかもしれません。ですが、さらに気が滅入ってしまうこともあり得ます。
そのため、「消えたい」「死にたい」「人生を終わらせたい」とは言わずに、「逃げたい」という身近な言葉に置き換えて使っているのです。
深刻さを少しでも和らげようとする気持ちの表れです。
背景④逃げたいと口に出すことで楽になりたい

「逃げたい」と思ったり口に出したりすることで楽な気持ちになりたい、という場合があります。
例えば、以下のような状況が挙げられます。
- 受験勉強がつらい
- 試験本番で緊張する
- 人間関係をうまくやれない
- 仕事のプロジェクトが大変
このように、今の状況がつら過ぎて、投げ出してしまいたいという心境です。
本当に逃げたいわけではなく、つらい状況から解放されたいというあくまで一時的な感情です。
作家や音楽家が、「作品を生み出す過程は本当に苦しい」という内容の発言をすることはよくあります。
何かを生み出すことには苦しさが伴うものです。「逃げたい」と口に出すことで再び取り組めるのであれば、「逃げたい」と自分の気持ちを吐き出すことは、悪いことではないでしょう。
「逃げたい」と思う原因
前章で逃げたいと思う背景についてお話しました。
この章では、逃げたいと思う原因について具体的に解説します。
原因①人間関係がつらい

人間関係が原因の場合です。
性格も関わる内容も距離感も、人によってさまざまです。
例として以下のような「逃げたい」原因が考えられます。
- 家族関係…親子関係(親と自分、自分と子ども)、夫婦関係、嫁姑関係、兄弟関係などでの喧嘩、金銭面のトラブル、過干渉、ネグレクト
- 恋人関係…束縛、感情的なコミュニケーション、暴力、結婚の相談
- 友人関係…学校でのいじめ、金銭トラブル、嫌がらせ
- 仕事関係…職場の上司部下間でのパワハラ、セクハラ、同僚や先輩後輩間でのいじめ
良好な関係を関わる全員と築く必要はありません。ですが、「関わらなければならない相手とうまくいかない状態」は、かなりのストレスになるでしょう。
原因②学校・職場がつらい
①でご紹介した人間関係以外の原因です。
- 職場…仕事量が多い、残業が多い、通勤時間が長い、体力的に過酷
- 学校…勉強についていけない、部活で成果が出ない、校則や先生が厳しい
抱えきれないことが降りかかっているときや努力しても先が見えないときには、逃げたい気持ちになります。
本当はやりたくない仕事をやらなければいけない、行きたくないと思っている学校に行かなければいけない、という場合も「逃げたい」気持ちにつながるでしょう。
原因③人生がつらい

何かしらの挫折を経験したことで、人生に対して悲観的になっていることが原因です。
- 受験に失敗した
- 就職活動がうまくいかなかった
- 不登校状態になった
- ひきこもりになった
- ニートになった
そのような状況に、社会からはみ出してしまったと感じ、自己嫌悪に陥っています。
「自分は生きている意味があるんだろうか」「自分は迷惑ばかりかけている」などと考えるうちに、「死にたい」「消えたい」「人生を終わらせたい」という思いが芽生えることもあるでしょう。
どうしたらいいかわからず、「とにかく逃げたい」という気持ちでいっぱいになるのです。
逃げたいと思ったときの対処法
この章では、逃げたいと思ったときの対処法を解説します。
対処法①逃げることができないか考える
まずは、「逃げることができるかどうか」を考えてみませんか?
「そう言われても逃げるなんてムリ」と思うかもしれません。ですが、冷静に考えてみてください。
- ずっと体調が優れないのに無理をしていませんか?
- 明日のことを考えると、夜眠れない日が続いていませんか?
- 食事は摂れていますか?
- ふとしたときに涙が出てくることはありませんか?
心身の不調に耳を傾けてみてください。
「逃げたい原因」の章でも触れましたが、「逃げるわけにはいかない」と思う理由はそれぞれあると思います。
ですが、心や体を壊してしまう代償の方が大きい場合もあるのです。
逃げたときと逃げなかったときのことを、疲れきって動けなくなる前にイメージしてみてください。
「逃げる」ことを選ぶのは、悪いことではありません。
私自身、高校生のときに不登校状態になりましたが、学校は卒業しました。
「学校に通う」ことからは逃げました。しかし、何とかなったのです。
ここからは、逃げられそうな場合の話を続けます。どうしても逃げられない場合については、こちらでお伝えしています。
対処法②逃げた先のことを考える
逃げたいと思っても、ただ逃げるだけでは不安だと思います。
また、仕事、学校、人づきあいなどを無計画にやめると、その先で行き詰まるかもしれません。
逃げたことを後悔しないためにも、「どう逃げるか」「逃げた先をどうするか」を逃げる前に考えておくことは大切です。
以下、「学校と職場がつらい」場合の逃げ方について、具体的にお話しします。「人間関係がつらい」「人生がつらい」については、こちらで述べます。
対処法③社会人の場合

今の職場から逃げたい場合、選択肢の1つが転職になります。
かといってすぐに転職することは難しいと思いますので、できることから取り組みましょう。
以下のようなことが考えられます。
- 転職サイトの会員登録・メルマガ登録
- 転職エージェントへの登録
登録を済ませておけば、メールで求人が届きます。転職ノウハウ・コラム、インタビューなど参考になりそうな情報を得ることもできるでしょう。
気になった会社が見つかったときにすぐ応募できるよう、履歴書や職務経歴書を用意しておくのもオススメです。
エージェントやハローワークなどに相談しながら進められると、よりよい仕事が見つかるかもしれません。
これ以上、今の仕事に耐えられない場合は、「すぐに仕事をやめてハローワークで手続きをして失業手当を受給する」方法もあります。
失業手当を受給しながら、次の仕事のことをゆっくり考えることもできるのです。
申請方法、受給までの流れ、その他の手当てもありますので、気になる人は調べてみてください。
また、転職とまではいかなくても、次のように今いる職場の環境を変えることもできます。
- 仕事量・残業が多いのであれば、部署の異動
- 通勤時間が長いことが苦痛なのであれば、勤務地の異動、引っ越し
- 体力的にきついのであれば、勤務時間の変更(制度があれば時短勤務やフレックスなど)
対処法④大学生・専門学校生の場合
いったん逃げた後に元の学校に戻ることも考えているのであれば、休学という手があります。
心身を休学中に落ち着かせて回復させ、その後のことを考えましょう。
一方、あなたの状況と、学校や教授の仕組み・対応次第で、休学も通学もしないで勉強・進級・卒業できる可能性もゼロではありません。
珍しい例ではありますが、私の通っていた大学で、4年生のときに不登校状態になった同期がいました。
日頃まじめな学生で、卒論以外の必要単位は取得済みだったことから、卒論を自宅で執筆して提出することで卒業できていました。
学科の人数が少なく、先生方の目が行き届きやすい環境だったので実現したことではあるかと思いますが、ご参考までにご紹介させていただきました。
「この状況から逃げるためには、絶対に休学・中退しなくてはならない」という訳ではありません。ですが、逃げたい気持ちが強い場合は、担当教授や事務局などに相談してみましょう。
対処法⑤高校生の場合

まずは高校に、クラスに通学しなくてもいい仕組み、例えば保健室登校などがあるかを確認しましょう。
より長期的に休憩したい場合は、休学についても確認してみてください。
保健室登校については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
高校3年の途中のタイミングなど、卒業が近い場合には、「クラスへの通学」をしなくても卒業できないか、学校に相談するとよいでしょう。
融通を利かせてもらえる可能性があります。実際に私は高校3年生の2学期からクラスには通わず、保健室登校で、テストを受けて課題を提出することで卒業できたという経験があります。
学校を変える場合は、通信制高校、定時制高校などの選択肢があります。
また、高校を中退して大学受験の資格を得るためには、高認(高等学校卒業程度認定試験)取得という選択肢もあるのです。
以下のコラムで、それぞれ詳細はについては解説しています。ぜひご覧ください。
対処法⑥中学生の場合
公立中学校は、教室へ行かなくて(不登校状態でも)も卒業できます。
私立や中高一貫校の場合は、登校日数などが足りない場合の判断は学校によって違います。ですが、公立に転校すれば、そのまま卒業できます。
いずれにせよ大切なのは、学校と相談しながら進めることです。
対処法⑦全員に共通
さてここまで、主に「学校・職場がつらい」場合に焦点を当てて、逃げる方法を具体的にお伝えしました。
全てに共通するのは、「自分一人で悩みを抱えず、誰かに相談する」ことです。
会社、学校、友人、家族、各種エージェントなど、さまざまな人に相談することによって、適切に「逃げる方法」や「逃げた先のこと」を判断できるようになります。
これは、「人間関係がつらい」「人生がつらい」場合にも共通します。
つらい内容や逃げたい原因によって、相談相手は弁護士、各種公的団体、メンタルクリニック・カウンセラー、NPO法人などへの相談も検討するとよいでしょう。
あなた一人で「もう逃げられない」「この状況は変わらない」と思い込まないでください。これからのことは、つらい気持ちを打ち明けることで変わっていきます。
逃げない場合、どうするか

この章では、逃げない場合の対処法を紹介します。
現在の状況に留まり、折り合いをつけながらやっていく方法をお伝えします。
対処法⑧休養してまたがんばる
まず大切なのは、「逃げたい」と思うまで追い詰められた心身を回復させることです。
長期的に休暇をとって旅行に出かけるのもいいですし、休日に何も予定を入れずにゆっくり過ごすのもいいですね。
本格的に休養が必要な場合は、医療機関を受診して診断書をもらうと休職も可能でしょう。
心身が落ち着けば、今の状況でも再びがんばれるかもしれませんし、逆に、疲れているときは思いつかなかった逃げる方法が見つかるかもしれません。
対処法⑨周囲の力を借りる

逃げたいと感じているときは、ナーバスになりがちです。
自分だけで乗り切ることは大変なことだと思います。
逃げる場合同様、逃げない場合でも、人に相談することが大事です。
- 話を聞いてもらう
- 一緒に解決策を考えてもらう
必ず、周囲の力を借りましょう。
それで状況が直接解決することもあるでしょうし、味方になってくれる存在がいることに気づくだけでも支えになるでしょう。
家族、友人だけでなく、相談相手にはいろいろな人が考えられます。
例えば、会社の悩みなら部署異動や時短勤務などをお願いしてみるのもいいかもしれません。
関連する相談機関を探してみるのもオススメです。
対処法⑩逃げない範囲・逃げる範囲を決める
逃げないと決めても、際限なくがんばり続けることは難しいものです。
その環境から「すぐに」「全体的に」逃げるのではなく、一部逃げられないか、少しずつ状況を変えられないか、以下のようなことを考えてみましょう。
- 自分にとって何が大切か優先順位をつける
- いつまで続けるか期限を決めて、状況が変わらなかったら逃げる
- 逃げないことに納得して、効率化などに取り組む
このように考えて先の見通しを立てておくことで、少しずつ気持ちが楽になるはずです。
まとめ~逃げたい気持ちも大切に~

ここまで、「逃げたい」気持ちになる背景、原因、対処法についてお伝えしてきました。
最後まで読んでくださったあなたは、「逃げたい」と思うことに罪悪感を持ったり、甘えなのではないか、と悩んでいるのではないでしょうか?
私は、「逃げたい」と思う気持ちは、自分を守るためには必要なものだと思います。
ですから、「逃げたい」という気持ちも大切にしてほしいのです。
「逃げる」「逃げない」どちらも立派な選択でしょう。
どちらを選んでも、あなたにとって納得のいく決断になることを願っています。
さて、私たちキズキ共育塾は、主には不登校・ひきこもり・中退・社会人などの人たちの学び直しを支援する個別指導塾です。
あなたの「逃げたい」原因が、学校、勉強、学び直し、などに関連することでしたら、お気軽にご相談ください。
ご相談は無料です。また、保護者さまだけでのご相談も歓迎です。
Q&A よくある質問
逃げたいと思う背景を教えてください。
以下が考えられます。
- 逃げたくても逃げることができない
- 逃げることができないと思い込んでいる
- 消えてなくなりたいと思うけど口にできない、実行できない
- 逃げたいと口に出すことで楽になりたい
詳細については、こちらで解説しています。