逃げたい気持ちはなぜ起こる? 逃げたいと思う原因と対処法を解説
こんにちは。生徒さんの勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする完全個別指導塾・キズキ共育塾の宮野唯です。
生きていると、「辛い現実から逃げたい」「何もかも捨てて逃げたい」など思う出来事にぶつかることはありますよね。
思うままに逃げられれば苦労しないものです。
いざ、逃げようと思っても「甘えているだけかも」「自分が弱いだけなんじゃないか」と踏ん切りがつかないこともあるでしょう。
このコラムでは、逃げたいと思う背景、原因、対処法について解説します。
このコラムを読んで、「逃げたい」と思う苦しい気持ちを抱えるあなたが、次の一歩を見つけられたら幸いです。
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目次
逃げたいと思う背景
この章では、逃げたいと思うとき、どのような状況に置かれていて、どのような心理状態なのかを紹介します。
背景①逃げたくても逃げることができない
逃げたいと思っても、自分の判断だけでは逃げられない場合があります。
家族の大黒柱で家族を養わないといけないから、仕事から逃げられない、という例がわかりやすいかもしれません。
大切な人を守らなくてはいけないから、仕事がつらくてもやめられないという心境です。
背景②逃げることができないと思い込んでいる
本当は逃げる余地があるのに、逃げられないと思い込んでいる場合があります。
社会人であれば、
- 責任ある立場にあるので、仕事や部下を放りだすなんて考えられない
学校関係であれば、
- せっかく受験して入った学校なので辞めにくい、もったいない
- 部活動をやめたいが、やめた後の気まずさを想像すると思い留まってしまう
などという心境です。
会社であれば異動や転職、学校であれば転校など、本当は逃げる先があるのに、未練や責任感から「逃げられない」と決めつけるのです。
私の見聞きした範囲では、「逃げたい」と思っている人の中には、このケースがとても多いです。
背景③消えてなくなりたいと思うけど口にできない、実行できない
「逃げたい」ではなく、「消えたい」「死にたい」「人生を終わらせたい」ほどの強い気持ちを持っているけれど、「逃げたい」という言葉で代用している場合があります。
「消えたい」「死にたい」という言葉は、言葉自体にネガティブなイメージが強いですよね。
実際に口にしたら、周囲に心配をかけるんじゃないか、まともに取り合ってもらえないんじゃないかという不安があります。
口に出すことで気が楽になることもあるかもしれません。ですが、さらに気が滅入ってしまうこともあり得ます。
そのため、「消えたい」「死にたい」「人生を終わらせたい」とは言わずに、「逃げたい」という身近な言葉に置き換えて使っているのです。
少しでも深刻さを和らげようとする気持ちの表れです。
背景④逃げたいと口に出すことで楽になりたい
「逃げたい」と思ったり口に出したりすることで楽な気持ちになりたい、という場合があります。
例えば、以下のような状況が挙げられます。
- 受験勉強がつらい
- 試験本番で緊張する
- 仕事のプロジェクトが大変
- 人間関係をうまくやれない
このように、今の状況がつらく過ぎることで投げ出してしまいたいという心境です。
本当に逃げたいわけではなく、あくまでつらい状況から解放されたいという一時的な感情です。
作家や音楽家が、「作品を生み出す過程は本当に苦しい」という内容の発言をよく耳にします。
何かを生み出すことには苦しさは伴うものです。「逃げたい」と口に出すことでまた取り組めるのであれば、「逃げたい」と自分の気持ちを吐き出すことは、悪いことではないと思います。
私たちキズキ共育塾は、お悩みのある人のための、完全1対1の個別指導塾です。
生徒さんひとりひとりに合わせた学習面・生活面・メンタル面のサポートを行なっています。進路/勉強/受験/生活などについての無料相談もできますので、お気軽にご連絡ください。
「逃げたい」と思う原因
前章で逃げたいと思う背景についてお話しました。
この章では、具体的に逃げたいと思う原因について解説します。
原因①人間関係がつらい
人間関係が原因の場合です。
人間は、性格も関わる内容も距離感も、人によってさまざまです。
例として以下のような「逃げたい」原因が考えられます。
- 家族関係…親子関係(親と自分、自分と子ども)、夫婦関係、嫁姑関係、兄弟関係などでの喧嘩、金銭面のトラブル、過干渉、ネグレクト
- 恋人関係…束縛、感情的なコミュニケーション、暴力、結婚の相談
- 友人関係…学校でのいじめ、金銭トラブル、嫌がらせ
- 仕事関係…職場の上司部下間でのパワハラ、セクハラ、同僚や先輩後輩間でのいじめ
関わる全員と良好な関係を築く必要はありません。ですが、「関わらなければならない相手とうまくいかない状態」は、相当なストレスになるでしょう。
原因②学校・職場がつらい
①でご紹介した人間関係以外の原因です。
- 職場…仕事量が多い、残業が多い、通勤時間が長い、体力的に過酷
- 学校…勉強についていけない、部活で成果が出ない、校則や先生が厳しい
抱えきれないことが降りかかっているときや努力しても先が見えないときには、逃げたい気持ちになります。
本当はやりたくない仕事をやらなければいけない、行きたくないと思っている学校に行かなければいけない、という状況も「逃げたい」気持ちにつながるでしょう。
原因③人生がつらい
何かしらの挫折を経験したことで、人生に対して悲観的になっていることが原因です。
- 受験に失敗した
- 就職活動がうまくいかなかった
- 不登校状態になった
- ニートになった
- ひきこもりになった
そんな状況で社会のレールからはずれてしまい、自己嫌悪に陥っています。
- 自分は迷惑ばかりかけている
- 自分は生きている意味があるんだろうか
そんなことを考えるうちに、「死にたい」「消えたい」「人生を終わらせたい」という思いが芽生えることもあるでしょう。
どうしたらいいかわからず、「とにかく逃げたい」という気持ちでいっぱいになるのです。
逃げたいと思ったときの対処法
対処法①逃げることができないか考える
まずは、「逃げることができるかどうか」を考えてみませんか?
「そう言われても逃げるなんてムリ」と思うかもしれません。ですが、冷静に考えてみてください。
- ずっと体調が優れないのに無理をしていませんか?
- 明日のことを考えると、夜眠れない日が続いていませんか?
- ふとしたときに涙が出てくることはありませんか?
- 食事は摂れていますか?
心身の不調に耳を傾けてみてください。
「逃げたい原因」の章でも触れましたが、それぞれ「逃げるわけにはいかない」と思う理由はあると思います。
ですが、心や体を壊してしまう代償の方が大きい場合もあるのです。
疲れきって動けなくなる前に、逃げたときと逃げなかったときのことをイメージしてみてください。
「逃げる」ことを選ぶのは、悪いことではありません。
私自身、高校生のときに不登校状態になりましたが、学校は卒業しました。
「学校に通う」ことからは逃げました。しかし、何とかなったのです。
ここからは、逃げられそうな場合の話を続けます。どうしても逃げられない場合については、「逃げない場合、どうするか」の章でお伝えしています。
対処法②逃げた先のことを考える
逃げたいと思っても、ただ逃げるだけでは不安だと思います。
また、無計画に仕事、学校、人づきあいなどをやめると、その先で行き詰まるかもしれません。
逃げたことを後悔しないためにも、「どう逃げるか」「逃げた先をどうするか」を逃げる前に考えておくことは大切です。
以下、「学校と職場がつらい」場合の逃げ方について、具体的にお話しします。「人間関係がつらい」「人生がつらい」については、「⑦全員に共通」で述べます。
対処法③社会人の場合
今の職場から逃げたい場合、転職が1つの選択肢になります。
かといってすぐに転職することは難しいと思いますので、できることから取り組みましょう。
以下のようなことが考えられます。
- 転職サイトの会員登録・メルマガ登録
- 転職エージェントへの登録
登録を済ませておけば、求人がメールで届きます。転職ノウハウ・コラム、インタビューなど参考になりそうな情報を得ることもできるでしょう。
気になった会社が見つかったときにすぐ応募できるよう、履歴書や職務経歴書を用意しておくのもオススメです。
ハローワークやエージェントなどに相談しながら進められると、よりよい仕事が見つかるかもしれません。
これ以上、今の仕事に耐えられない場合は、「すぐに仕事をやめてハローワークで手続きをして失業手当を受給する」方法もあります。
失業手当を受給しながら、次の仕事のことをゆっくり考えることもできるのです。
申請方法、受給までの流れ、その他の手当てもありますので、気になる人は調べてみてください。
また、転職とまではいかなくても、今いる職場の環境を以下のようなことで変える場合があります。
- 通勤時間が長いことが苦痛なのであれば、勤務地の異動、引っ越し
- 仕事量・残業が多いのであれば、部署の異動
- 体力的にきついのであれば、勤務時間の変更(制度があれば時短勤務やフレックスなど)
対処法④大学生・専門学校生の場合
いったん逃げた後に元の学校に戻ることも考えているのであれば、休学という手があります。
休学中に心身を落ち着かせて回復させ、その後のことを考えましょう。
一方、あなたの状況と、学校や教授の仕組み・対応次第で、休学も通学もしないで勉強・進級・卒業できる可能性もゼロではありません。
これは珍しい例だと思いますが、私の所属していた大学で、4年生のときに不登校状態になった同期がいました。
日頃まじめな学生で、卒論以外の必要単位は取得済みだったことから、自宅で卒論を執筆して提出することで卒業できていました。
学科の人数が少なく、先生方の目が行き届きやすい環境だったので実現したことではあるかと思いますが、ご参考までにご紹介させていただきました。
「この状況から逃げるためには、絶対に休学・中退しなくてはならない」という訳ではありません。ですが、逃げたい気持ちが強い場合は、事務局や担当教授などに相談してみましょう。
中退をする場合については、コラム「大学中退しても大丈夫?中退後の進路や就職先について紹介」をご覧ください。
対処法⑤高校生の場合
まずは高校に、保健室登校など、クラスに通学しなくてもいい仕組みがあるかを確認しましょう。
より長期的に休憩したい場合は、休学についても確認してみてください。
保健室登校について詳しく知りたい人は、コラム「保健室登校って何?〜意味・効果、不登校との関係、教室復帰の方法〜」もご参照ください。
高校3年の途中のタイミングなど、卒業が近い場合には、「クラスへの通学」をしなくても卒業できないか、学校に相談することがオススメです。
融通を利かせてもらえる可能性があります。 実際に私は高校3年生の2学期からクラスには通わず、保健室登校で、テストを受けて課題を提出することで卒業できたという経験があります。
学校を変える場合は、通信制高校、定時制高校などの選択肢があります。
また、高校を中退して大学受験の資格を得るためには、高認(高等学校卒業程度認定試験)取得という選択肢もあるのです。
それぞれ詳細は以下のコラムをご覧ください。
参考コラム
対処法⑥中学生の場合
公立中学校は、教室へ行かなくて(不登校状態でも)も卒業できます。
私立や中高一貫校の場合は、登校日数などが足りない場合の判断は学校によって違います。ですが、公立に転校すれば、そのまま卒業できます。
いずれにせよ、学校と相談しながら進めることが大切です。
対処法⑦全員に共通
さてここまで、主に「学校・職場がつらい」場合に焦点を当てて、具体的に逃げる方法をお伝えしました。
その全てに共通するのは、「自分一人で悩みを抱えず、誰かに相談する」ことです。
会社、学校、友人、家族、各種エージェントなど、さまざまな人に相談することによって、「逃げる方法」や「逃げた先のこと」を適切に判断できるようになります。
これは、「人間関係がつらい」「人生がつらい」場合にも共通します。
つらい内容や逃げたい原因によって、相談相手は弁護士、各種公的団体、メンタルクリニック・カウンセラー、NPO法人などへの相談も検討するとよいでしょう。
あなた一人で「もう逃げられない」「この状況は変わらない」と思い込まないでください。つらい気持ちを打ち明けることで、これからのことは変わっていきます。
逃げない場合、どうするか
この章では、逃げない場合の対処法を紹介します。
現在の状況に留まり、折り合いをつけながらやっていく方法をお伝えします。
対処法⑧休養してまたがんばる
まずは「逃げたい」と思うまで追い詰められた心身を回復させることが大切です。
休日に何も予定を入れずにゆっくり過ごすのもいいですし、長期的に休暇をとって旅行に出かけるのもいいですね。
本格的に休養が必要な場合は、医療機関を受診して診断書をもらうと休職も可能でしょう。
心身が落ち着けば、再び今の状況でもがんばれるかもしれませんし、逆に、疲れているときは思いつかなかった逃げる方法が思い浮かぶかもしれません。
対処法⑨周囲の力を借りる
逃げたいと感じているときは、ナーバスになりがちです。
自分だけで乗り切ることは大変なことだと思います。
逃げる場合同様、逃げない場合でも、人に相談することが大事です。
- 話を聞いてもらう
- 一緒に解決策を考えてもらう
必ず、周囲の力を借りましょう。
それで状況が直接解決することもあるでしょうし、味方になってくれる存在がいることに気づくだけでも力になるでしょう。
相談相手は、家族、友人だけでなく、いろいろな人が考えられます。
例えば、会社の悩みなら部署異動や時短勤務などをお願いしてみるのもいいかもしれません。
関連する相談機関を探してみるのもオススメです。
対処法⑩逃げない範囲・逃げる範囲を決める
逃げないと決めても、際限なくがんばり続けることは難しいものです。
その環境から「すぐに」「全体的に」逃げるのではなく、一部逃げられないか、少しずつ状況を変えられないか、以下のようなことを考えてみましょう。
- 自分にとって何が大切か優先順位をつける
- いつまで続けるか期限を決めて、状況が変わらなかったら逃げる
- 逃げないことに納得して、効率化などに取り組む
このように考えて先の見通しを立てておくことで、少しずつ気持ちが楽になるはずです。
まとめ~逃げたい気持ちも大切に~
ここまで、「逃げたい」気持ちになる背景、原因、対処法について一とおりお伝えしてきました。
最後まで読んでくださったあなたは、「逃げたい」と思うことに罪悪感を持ったり、甘えなのではないか、と悩んでいるのではないでしょうか?
私は、「逃げたい」と思う気持ちは、自分を守るためには必要なものだと思います。
そのため、「逃げたい」という気持ちも大切にしてほしいのです。
「逃げる」「逃げない」どちらも立派な選択でしょう。
どちらを選んでも、あなたにとって納得のいく決断になることを願っています。
さて、私たちキズキ共育塾は、主には不登校・ひきこもり・中退・社会人などの人たちの学び直しを支援する個別指導塾です。
あなたの「逃げたい」原因が、学校、勉強、学び直し、などに関連することでしたら、お気軽にご相談ください。
ご相談は無料です。また、保護者さまだけでのご相談も歓迎です。合わせて人気のページ