ひきこもりは甘えなの?甘えじゃないの?徹底的に解説します

ひきこもりは甘えなの?甘えじゃないの?徹底的に解説します

2019年4月26日 金曜日 投稿

ひきこもりは甘えなの?甘えじゃないの?徹底的に解説します

キズキ共育塾のあべあいりです。

「この子がひきこもっているのは単なる甘えなのか?甘えではないのか?」

ひきこもっている子どもを見て、そんな疑問が浮かんでくるのはよくあることだと思います。

また「自分がひきこもっているのは甘えなんじゃないか?」と思っている、ひきこもりのご本人もいるでしょう。

そのような方々に向けて、ここでは、
一般的に言われているひきこもりとは何か?
ひきこもりは甘えなのか、甘えではないのか
などについて、さまざまな立場から考えていきたいと思います。

お子さんやご自身のひきこもりについて、理解及び今後の行動の一助となれば幸いです。


そもそも、「ひきこもり」とは?

ひきこもりとは?

厚生労働省の定義によると、ひきこもりとは、
「様々な要因の結果として、社会的参加を回避し、原則的には6か月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態」
のことです。(出典:H25厚生労働省「ひきこもり関連施策」)

ここでいう「社会参加」には、学校や仕事のほか、家庭外での交友関係なども含まれます。

例えば、近所のコンビニへの買い物のために外出できていても、「ひきこもり」と定義されることがあるのです。

このような状態のことを俗称で「社会的ひきこもり」と呼ぶこともあり、社会的ひきこもりの子ども・若者は全国に約70万人いるといわれています。(出典:H23内閣府「ひきこもり支援者読本」)


病気・障害によるひきこもり

病気・障害によるひきこもり

ひきこもりは、単なる甘えなのでしょうか?

まずは「甘え」ではないと断言できるひきこもりについて解説していきます。

甘えではないひきこもりは、病気や障害が原因な場合です

ひきこもりになり得る病気・障害としては、主に下記の例が挙げられます。

■統合失調症
妄想性の障害によって誰かに嫌がらせを受けている、だまされているなどの被害妄想が膨らみ、そのため自室などにひきこもり、社会参加をしない選択をしている場合があります。

■不安障害
愛着のある人から離れることに極度の不安を抱いたり、家庭などでは話しているにも関わらず、学校や職場などでは話すことができなくなったりする障害です。社会参加の場をプレッシャーに感じてひきこもることを選択している可能性があります。

■双極性障害(気分障害)
うつ病と軽躁病が見受けられ、調子のいいとき、悪いときがあるため抑うつ状態の際にひきこもりになる可能性が考えられます。

病気・障害が原因でひきこもりになっているケースもあれば、ひきこもり状態が原因で精神疾患などになるケースもあります。

以上のように、ひきこもりと精神疾患や発達障害は、密接に関連することがあります。

病気・障害が原因でひきこもり状態になったケースは全体の約55%を占めていると言われています。(出典:東京大学大学院医学系研究科教授 川上憲人/『わが国における「ひきこもり」の実態と関連要因:世界精神保健日本調査から』)

病気や障害の可能性がある場合は、適切に医療機関を頼ることが重要です(出典:日本精神神経学会/監修『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』)


病気・障害ではない、約半数のひきこもりは甘えているの?

では、病気・障害が原因ではない、残り約45%のひきこもりは、甘えているのでしょうか?

そもそも、人がひきこもり状態になる原因は、病気・障害以外にも様々です

たとえばいじめ、成績の低下、受験の失敗などが挙げられますが、きっかけとなる原因がはっきりしないケースも少なくありません。

もともとの性格が内向的、非社交的だったり、「手のかからない子ども」として育ってきたりした子どもが、しばしばひきこもりになることはあります。

しかし必ずしも、それらも決定的な要因ではありません。

どのような家庭、どのような子どもであっても「ひきこもり」にはなり得ると考えられています(出典:H23内閣府「ひきこもり支援者読本」)

そして、ひきこもりになる原因ははっきりと明言できることもあれば、それができないこともあります。


結局のところ「ひきこもり」は甘えなの?〜その問いには意味がありません〜

結局のところ「ひきこもり」は甘えなの?〜その問いには意味がありません〜

ひきこもりに様々な原因がある以上、「甘えが原因のひきこもり」は、「ない」とは言えないでしょう。

しかし、心の中の話ですので、何をもって「甘え」とするかは、主観的にも客観的にも、そして「甘え」の定義をどうするかによっても、判断が難しいものです

そして、甘えているように見えても、本人は、「将来への不安を感じ、自分の状態を情けなく思い、しかしどうしていいのかわからないのです」。(出典:斎藤環:『社会的ひきこもり』)

そもそも、なぜあなたは「ひきこもりが甘えか」を知りたいのでしょうか。

それは、「甘えか否か」かで、家族にできる支援や対応の方法が変わると思っているからではないでしょうか?

ですが、病気・障害を除き、家族と本人にできる「ひきこもりの支援・対応方法」は、原因に関わらず同じなのです

それは、

  • 家族も本人も、適切に支援者・専門家を頼る

というものです(次の章で詳しく述べます)。

  • 本人と家族だけでひきこもりの「問題」を抱え込まない
  • 家族だけでひきこもりの本人にかかりっきりにならない
  • ひきこもりの本人をケアしつつ、家族は家族で生活を楽しむ

といった言い方もできます。

病気の場合に医療機関を頼ることと同じです。

つまり、「ひきこもりが甘えかどうか」という問いには、家族にとってはそもそも意味がないのです

甘えであれば、叱ってあげなくちゃいけない。
甘えでなければ、本人が置かれている環境を変えなくちゃいけない。

そうした区分は、ありません。

もしかしたら「叱ること」が有効な場合もあるかもしれません。

ですが、それはご家族が「甘えかどうか」を判断した結果ではなく、専門家による「こうした場合には、このように叱ってください」というアドバイスに従った結果、有効になるとお考えいただければと思います。

「甘えかどうか」を考える背景には、ご自分の子育てに関するうしろめたさや責任感などもあるのではないでしょうか。

先述のとおり、ひきこもりは誰しもがなり得ますので、変にご自身を責める必要はありません

そして、何が原因でも、どこからでも、人はやり直すことができます。

変に過去を悔やまず、また甘えか否かにこだわらず、今の本人と向き合って今後のことを考えていきましょう。


家族だけでひきこもりを抱え込まないで

家族だけでひきこもりを抱え込まないで

ご家族にひきこもりがいると、本人だけでなく、 家族もとてもつらい状況になります。

ひきこもりの子どもを持つ多くの親が、
「子どもがひきこもりになった当初、接触を避けたり、怒ったりを繰り返しながら、子どもを信じるしかないという状況の中にいた」
と答えています。(出典:『ひきこもり状態にある人をもつ家族の家族機能と親の困難』(船越明子、2017)

あなたのご家庭以外でも、親も、子どものひきこもり状態をどのように理解して対応していいのか葛藤を抱えながら暮らしているのです。

子どもがひきこもり状態から社会参加をする方向に歩みはじめたとしても、ひきこもりだった当時のことを思い出して「親としての役割を果たせていなかったのではないか?」という悩みが生まれる人が多いとも述べています。

ひきこもりの家族は、ひきこもりの専門家ではありません。

ひきこもりに関する悩み・支援・対応は、家族だけで抱え込まず、適切に専門家を頼ることが重要です

各自治体、地域の支援団体など、家族だけで問題を抱え込まないようなサポートをしているところは数多く存在します。

親を含めた周囲のひきこもりへの理解と対応の啓発、地域社会の関係機関が連携した体制整備もあります。

公的な支援窓口としては、厚生労働省が全都道府県・政令指定都市に設置している「ひきこもり地域支援センター」があります。

また、市区町村が独自に支援施策を行っていることもあります。

さらに、民間の支援施設も今は数多くあります。

お子さんやご家族に合いそうな施設・支援があるか、いくつか調べてみることをオススメします(キズキ共育塾も民間の支援団体の一つです)。


ひきこもりの人へ〜多くの味方がいることを忘れないで〜

ひきこもりの人へ-多くの味方がいることを忘れないで-

ひきこもり状態に苦しんでいる方へ。

ひきこもりの原因が甘えであれ何であれ、必ず次の一歩に進めます

「自分は甘えているのではないか」と、変に思いつめないでください。
あなたにとっても、その問いに意味はありません。

お悩みを、一人で深く考え込まないでください。

あなたを支える人は、必ずいます

専門家のアドバイスをもらいつつ、一歩ずつ前進していきましょう。

時間はかかるかもしれませんが、現在の不安な状況から、きっと抜け出せます。

そして支援団体等を選ぶときですが、もしあなたに合わない支援団体に当たっても、落ち込まないでください。

人には相性がありますので、家族ともしっかり話し合いながら、自分に合った支援者を探していきましょう。


まとめ〜必ず次の一歩に進めます〜

まとめ

ここでは、多くの人が気になっている「ひきこもりは甘えか否か」について解説しました。

まず、病気・障害によるひきこもりは、甘えではありません。

そして、ひきこもりは、様々な原因で誰しもがなりうる以上、「甘え」が原因の場合も「ない」とは言えません。

しかし、ひきこもりの原因が「甘えか否か」は判断が難しい上に、「甘えか否か」で家族にできる対応・支援の方法は変わりません。

つまり、ひきこもりが「甘えか否か」という問いには、家族にとっても本人にとっても、意味がないのです

家族も本人も、適切に支援者・専門家を頼ることが重要です

もしかしたら時間はかかるかもしれませんが、それでも、必ず次の一歩に進めます。

ひきこもりの本人だけでなく、家族全体が「次の一歩」に進めるよう祈っています。

さて、私たちキズキ共育塾は、勉強とコミュニケーションを通じて、ひきこもりの当事者・経験者の学び直しを支援しています。

最初は自宅でオンラインで授業を受けてコミュニケーションに慣れ、次第に外出できるようになった…という生徒さんも珍しくありません。

無料相談も行っていますので、少しでも気になるようでしたら、お気軽にご相談ください(保護者の方だけでのご相談も可能です)。

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